2007年05月30日

さよなら福三 その三(煮干し中華そば(塩))

福三 煮干し中華そば(塩)2007年6月24日をもって閉店した名店「福三」。今日は「煮干中華そば」をいただこうと訪れたところ...
「塩もできるけど、食べてみる?」と声をかけていただきました。光栄至極です。
メニューに載っていないラーメンを薦めていただくときの、店主福田氏の嬉しそうな、それでいてちょっとお茶目な、優しい目遣いが、僕は大好きです。

醤油ダレに代わって塩ダレを用いた「煮干中華そば(塩)」は、閉店に至る1ヶ月程度という身近い期間でしたが、正式なメニューとして日の目を見ました。店を畳まれることを既に決めておられた時期においても、まだその飽くなき創作の精神は衰えていません。商売のために新商品を開発するならいざ知らず、常に己が探究心を追求するために創作に耽るその様は、まさに生粋の職人であることを物語っているのではないでしょうか。

さて「煮干中華そば(塩)」は、単純に醤油ダレを塩ダレに変えたというものではありません。ラーメンを彩る具材にも新しい工夫が凝らされています。まずチャーシューが細かく刻まれていることに気がつきました。充足感が求められる「醤油」では、見事なまでの大きなチャーシューが存在感を表していたのに対し、軽快感を髣髴とする「塩」には、その軽やかなテンポに同調するが如く、細長くスライスされたチャーシューが心地よいハーモニーを奏で、細い縮れ麺もリズミカルに口に運ばれます。

葱は斜め切りを極細にし、中心部を取り除いたので、白髪ネギのような佇まいを見せた、一風変わった切り口。たいそう手の込んだ切り方です。たかが切り口と侮るなかれ。この所作によって、一杯のラーメンが高級料理店の一品と比肩しうるものであることを思い起こさせ、食べ手に意識を集中させて、この一杯を堪能しよういう気にさせてくれる、とても重要なアイテムだと思います。これに香味油がこころもち塗されているでしょうか。香ばしい風味と葱のほんのりとした辛み、しゃきしゃきとした歯応えと相まって、上品な一杯に花を添えています。

自家製のメンマも歯ざわりよく、海苔に梅肉と見るからに美しい和の素材が、非凡な一杯をさらに研ぎ澄まされたものに昇華させます。

塩ダレは言うに及ばす完璧。数種の節や干し貝柱などからなるタレの旨味は、煮干の出汁の旨味をさらに増幅させています。

ほんとにすごい一杯でした。

福三 巻き寿司今日のサイドメニューは「巻き寿司」。福三といえば、「鯖寿司」有名ですが、こちらの「巻き寿司」もなかなかなもの。干瓢が甘めに仕上げられ、京都らしさを楽しむことが出来ます。


【2007年5月30日訪問】
Posted by at_you_see at 21:00│Comments(2)
この記事へのコメント
福三でお勤めされていた方がいま金沢でお店を出しています。
こちらに御出でましたらぜひ立ち寄られて見てください。

ラーメンのぼる

石川県金沢市窪7-281

営業時間 平日は11:30〜14:30、18:00〜スープ切れまで
定休日 年内無休
電話番号 076-280-0120
駐車場 お店前の共同駐車場に9台可能
Posted by きんちゃく at 2007年12月24日 13:00
きんちゃくさま

お返事が遅くなり申し訳ありません。
情報ご提供ありがとうございます。

私も存じ上げておりましたが、遠方のため、なかなか赴く機会を得ておりません。来年早々には、仲間を募って、ぜひ訪れたいと考えております。
Posted by at_you_see at 2007年12月31日 16:30