2008年02月23日

幻の中華そば加藤屋 鰹の醤油つけめん

幻の中華そば加藤屋 鰹の醤油つけめんラーメンを愛する友人のお招きで訪問。数えてみると、まだ3回目の訪問だったのですね。
寒い冬の日だったので、暖かいラーメン、それも「味噌」を…と考えていたのですが、店主の薦めもあり「つけ麺」をいただくことにしました。
「鰹」と「煮干し」の2種類があり、今日は「鰹の醤油つけめん」(750円)をいただきます。

従来の一般的な「つけ麺」といえば、動物系の出汁の甘みにキリリと醤油が効いたもの。もしくは、粘度を保つ濃厚な出汁が麺に絡むようにしていただくものが大半でしょう。基本は、ラーメンとは一風異なる、より麺を楽しむことに適した食べ方、料理です。

そんな中で、この和出汁にこだわる同店が、このつけ麺にどう取組んだのか。

麺は、同店と二人三脚で開発に勤しんだ洛東フーズの特製麺。色彩からも明らかなとおり、全粒粉をふんだんに用いた風味豊かな麺です。全粒粉を用いた麺で、これほど太いものは、いまだかつてお目にかかったことがありません。

つけ汁を一口。かなり醤油辛い。
つけ汁はラーメンのスープと違い、そのまま飲まれることを想定しておらず、麺に絡んで味を楽しむものなので、必然的に濃く作られます。まずは、醤油のインパクトが強力に伝わってきました。

麺をつけ汁につけ、いただく。すると不思議、さきほど醤油の辛みが過多に感じられたのが、今度は鰹の風味が鼻腔を通り抜け、なんともいえない充足した雰囲気に身を委ねさせてくれる。

魚粉そのものが麺に付着するようなものを除いて、これほど「鰹」を感じるつけ汁は経験したことがありません。それが、頗る快感なのです。

魚介を多用したラーメン店は、今では珍しくもありません。そのどのお店とも違った風味を、このお店は独自に作り上げられています。しかも、濃密さという軸で抜きん出ているほど単純ではありません。素人である僕には。その独特の製法を知る由もありませんが、提供されたその一杯は、滋味に溢れ、伝わってくる味覚を少しでも深く感じようと、自然と瞼を閉じさせる。そんな出汁なのです。

「あぁ、日本人に生まれてよかった...」

そう、間違いなく、これは日本人にしか感じられない味覚なのです。

国学の大成者、本居宣長が、漢や西洋には見当たらない、日本固有の情緒感をもって、「もののあはれ」という概念を打ち立てたように、この加藤屋の和出汁もまた、日本人だけが心打たれる代物なのです。


例えが少々大袈裟になりました...

強いて難点を掲げるならば、動物系の濃厚な甘みに頼らない分、相対的に塩分が全面に出てしまっている。だからといって塩分を落とせば解決するというものではなく、もしそうしたら食べ応えという点で、魅力的なものでなくなってしまう恐れがあります。

しかしながら、「つけ麺」という与えられた枠組みの中で、これほど節を主役に据えたものは他にない。自店のアイデンティティーに真っ向から向き合い、取組んだ力作。新しい魅力をもった料理が産み出されたといっても過言ではありません。

【2008年2月23日訪問】

■■■ お店DATA ■■■
幻の中華そば加藤屋
所在地 : 滋賀県大津市中央3丁目4-20 / Tel. 077-526-2600
営業時間 : 11:30〜14:30 / 17:30〜20:30(日曜は月2回ほど夜の部休み)
定休日 : 月曜(祝日の場合翌日) (月曜昼の臨時営業あり)
お店HP

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