ひさしぶりの人に会う。
 

美術館に併設された、ベトナム風のカフェに入った。わたしはミントティー、相手はチャイを飲む。付き合っていた頃から、お店で同じ食べ物を頼まないという暗黙のルールがあって、まだ有効のようだった。

 

相手はニットにリネンのドット柄のシャツを合わせていた。冬にリネン?と不思議に思ったが、わたしが夏にプレゼントしたものだと気付いた。


レストランの予約の時間まで、暗くなった公園をとりとめもない話をしながら、少し離れて歩く。ランニング中の男女が数人、わたしたちを追い越していった。
—近所にこんな大きな公園があるなんて素敵だね。

—走るためにジムに通わなければいけないなんて変だよね。
わたしが少し計算高ければ、鈍感を装って「将来、こんな場所に住めたらいいね」なんて言ってみるのだろうか。


雨を吸って光る石畳。見上げた月が疲れ目にまぶしい。