2017年09月18日
「サンカと説教強盗」〜闇と漂白の民俗史〜
礫川全次(こいしかわ ぜんじ) 1992年 批評社
読みやすい専門書である。前半は”説教強盗”についての事実解説。大正極末から昭和3年までの約3年間、東京近郊(今ではほとんど都区内)で同一犯人による連続65件の押し込み強盗が発生した(本書に一覧表あり)。新興住宅を狙ったものであり押し込みのあと(始発電車の時間待ち?)被害者に防犯の説教をするなど長時間被害者宅に居座ること、奪った金品の多さ、(婦女暴行を伴うこと)などの特徴から重大な社会問題だった。
そして犯人の逃走方法が特異である(足が速い)ことから事件当時の警察から”山窩”(サンカ)ではないか、と見られていた。
ここから後半サンカの考証へと進む。民俗学の柳田国男、サンカ小説の第1人者の三角寛などの説を引用しつつ批判する。なかなかわかりやすい。当市でも20年ほど前まではサンカの流れを汲むと思われるグループを見たことがあるので一層興味深い。
読みやすい専門書である。前半は”説教強盗”についての事実解説。大正極末から昭和3年までの約3年間、東京近郊(今ではほとんど都区内)で同一犯人による連続65件の押し込み強盗が発生した(本書に一覧表あり)。新興住宅を狙ったものであり押し込みのあと(始発電車の時間待ち?)被害者に防犯の説教をするなど長時間被害者宅に居座ること、奪った金品の多さ、(婦女暴行を伴うこと)などの特徴から重大な社会問題だった。
そして犯人の逃走方法が特異である(足が速い)ことから事件当時の警察から”山窩”(サンカ)ではないか、と見られていた。
ここから後半サンカの考証へと進む。民俗学の柳田国男、サンカ小説の第1人者の三角寛などの説を引用しつつ批判する。なかなかわかりやすい。当市でも20年ほど前まではサンカの流れを汲むと思われるグループを見たことがあるので一層興味深い。