カテゴリ:
weights-1634747_1920

前回のブログ記事で述べた通り、GS Performanceの加賀コーチから「加齢に伴うテストステロンレベルの低下とトレーニング後の回復」に関するサジェッションを頂き、先日よりHALEO「T-JACK」と「HYPER DRIVE」 を摂取しています。

「T-JACK」を摂取する理由は言わずもがなですが、今回、「HYPER DRIVE」を摂取しようと考えたのはシトルリン(L-シトルリン)の生理作用に着目したからです。

●近年注目されている遊離アミノ酸「シトルリン」

シトルリンは
1930年に日本でスイカの中から発見された遊離アミノ酸の一つであり、日本国内では2007年に食品としての利用が認められたことから、最近になりL-シトルリンを含むサプリメントに注目が集まっています。

L-シトルリンには主として、1)NO(一酸化窒素)産生を介した血管拡張・血流促進作用、2)アルギニンの前駆体としてタンパク合成促進作用、3)尿素サイクルの構成成分としての作用、4)抗酸化作用、という4つの生理作用があるとされています(参照:シトルリンの生理機能)。

上記4つの作用のうちスポーツの現場で注目されているのが、1)
NO(一酸化窒素)産生を介した血管拡張・血流促進作用であり、スポーツ、トレーニング前にL-シトルリンを摂取することでNO産生を介した血流促進作用によってパフォーマンスが向上することが期待されています。(NOも加齢に伴い産生量が低下することが報告されています。)

ところで、NOは血管内皮細胞においてアルギニン(L-アルギニン)から産生されることが知られており、NO産生による血管拡張・血流促進にはL-アルギニンの摂取が有効であると考えられますが、上述の通りL-シトルリンはL-アルギニンの前駆体であり、先行研究ではL-シトルリンを摂取することで血漿アルギニン濃度の上昇がみられること、L-アルギニンを摂取するよりもL-シトルリンを摂取した方が血漿アルギニン濃度がより上昇すること、が報告されていることからNO産生にはL-シトルリンを摂取した方が有効であることが示唆されています
(参照:シトルリンの生理機能

これらのことから、スポーツの現場では”NO BOOSTER"としてL-シトルリンの摂取が注目されている訳ですが、実際に先行研究においてシトルリンを含むリンゴ酸塩(シトルリンマレート)の事前摂取によってベンチプレスの反復回数が増えたことが報告されています。(但し、この研究で用いられたTest Protocolは特殊な内容であるため、その解釈には注意が必要であるといえますが・・・)

確かに、L-シトルリンを含む「HYPER DRIVE」を摂取してからトレーニングを実施すると、非常に辛い運動であっても押し切れるというか、踏ん張り切れるという実感があります。。。

●血管の老化を防ぐためにシトルリンによるNO産生促進が重要!

このように、L-シトルリンを含むサプリメントはスポーツ、トレーニングを実施する上で非常に有効であると考えられる訳ですが、当方がL-シトルリンに興味を持った最大の理由は
NOには平滑筋弛緩作用があり(加齢に伴い)NOの産生量が低下すると動脈壁中膜の平滑筋の緊張度が増大し平滑筋に直列につながる膠原線維が引き伸ばされ動脈コンプライアンスが低下することがしられていることからL-シトルリンのNO産生促進作用が加齢に伴う動脈コンプライアンスの改善に有効であると考えたためです。

当方は、そもそも持久系スポーツを嗜んでいたため全身の血流や動脈コンプライアンスは良い方だと考えられますが、持久系スポーツを辞めてから15年程経過し、当然、それだけ歳を重ねている訳ですから加齢に伴う動脈コンプライアンスの低下が生じている可能性もあり(更に、年齢に関わらずウエイトトレーニングは動脈コンプライアンスを低下させる可能性があることが報告されています。詳細はこちらのブログ記事にて)、いわゆる血管の老化(加齢に伴う動脈コンプライアンスの低下)に伴う血流の悪さも加齢に伴うトレーニング後の回復力の低下に関連しているのではないかと考えたのです。

トレーニング後の回復を促す上で回復に必要な酸素と栄養素を十分に供給することが重要であることは容易に理解出来るかと考えますが、その酸素と栄養素を組織に供給する役割を担っているのは血管を介した血液循環であることから考えれば、血管の老化がレーニング後の回復力の低下に結び付く可能性は否定できません。

これらの考えに基づきL-シトルリンに着目したので、常に血管の状態を良好に保つことを目的に実は夕食時にL-シトルリンのみのサプリメントも摂取するようにしています。。。

IMG_0990

●まとめとして・・・(2017/9/22追記)

加齢に伴いトレーニング後の回復が遅延する(と感じる)事象を科学的に捉えるために様々な論文をリサーチしていたところ「Anabolic Resistance of Muscle Protein Synthesis with Aging」というレビューを探り当てました。

このレビューの内容を一言でいうならば「タンパク質合成における同化反応性が加齢に伴い低下する」ということになるのですが、「加齢に伴いトレーニング後の回復が遅延する事象」はまさに「加齢に伴いタンパク質合成の同化反応性が低下する」ことであるといえるのではないかと考えました。

そのように考えると、加齢に伴いトレーニング後の回復が遅延する主たる要因は、1)加齢に伴う同化作用を持つホルモン分泌量の低下、2)加齢に伴うNO産生量の低下によって生じる(筋)血流量の低下、3)加齢に伴うタンパク質摂取に対する同化反応性の低下、であると考えることが出来ます。

ところで、加齢に伴うタンパク質摂取に対する同化反応性の低下は、分岐鎖アミノ酸の一つであるロイシンを感知し
タンパク質合成を促進する(と同時にタンパク質分解を抑制する)とされるmTORシグナル伝達系の加齢的変化、すなわち加齢に伴うmTORシグナル伝達系の活性低下によるものであると考えられることから、ロイシンを積極的に摂取することで改善することが出来る可能性が示唆されています。

従って、上記3要因を改善することがトレーニング後の回復の遅延を改善することに結びつくと考えられる訳ですが、人間は悲しいかな「若返り」は出来ませんので加齢によって生じる上記要因を何らかの形で補う必要性があると考えられ、その補完方法は以下に示す通りではないかと考えています。

1)加齢に伴う同化作用を持つホルモン分泌量の低下:アナボリックホルモンブースター系サプリメントの活用

2)加齢に伴うNO産生量の低下によって生じる(筋)血流量の低下:L-シトルリン等のNOブースター系サプリメントの活用

3)加齢に伴うタンパク質摂取に対する同化反応性の低下:ロイシンの積極的な摂取


*「HYPER DRIVE」にはL-シトルリンとロイシンが含まれていますので非常に効果的なサプリメントではないかと考えています。。。

さて、このような考えに基づく当方の取り組みが如何なる身体の変化をもたらすか・・・乞うご期待です!?(笑)



_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
●S&C Professional  Katsuhiko Noguchi

↓運動指導者向け個別研修を随時受付しています!
http://blog.livedoor.jp/athleteweb-strength_and_conditioning/archives/13406063.html

↓トライアスロン塾2017-2018メンバー募集中!
http://blog.livedoor.jp/athleteweb-strength_and_conditioning/archives/18461630.html

↓フルマラソンに初挑戦するランナーのためのトレーニングサポートを実施中!
http://blog.livedoor.jp/athleteweb-strength_and_conditioning/archives/18464889.html

↓Facebookページ【トライアスロンライフスタイル】にぜひ「いいね!」をお願いいたします!
https://www.facebook.com/SwimBikeRunLife/

●合同会社Universal Strength
ユニバーサルストレングスは『Strength & Conditioning(S&C)』を
日本に普及させるために結成された スペシャリスト集団です。

*Facebookページにぜひ「いいね!」をお願いいたします。