昨日の米国市場では消費者信頼感指数が前月比で+1.6%と景況感の節目である50.0を上回り50.2に上昇し、2ヵ月ぶりに改善の兆しを見せています。その一方で「雇用情勢」に改善がみられないことから、今回の数値だけで楽観視できないとの慎重な見方もあります。また、S&Pケースシラー住宅指数は5ヶ月ぶりに前月比−0.2%に下落しており、今後も差し押さえ物件の増加が予想されるために、来年に入っても上昇に転じるには難しいという見方となっています。

【雇用・住宅・消費】といった重要指標に明るさが見えない現状から、来月のFOMCでの追加緩和予測をはじめとした政策が今後も続けられることに疑問の余地のない状況となっています。米国の「金融緩和政策」と対照的な政策が欧州の「緊縮財政政策」で、財政出動を極端に抑えて財政赤字を減らすという米国との対極にあります。どちらの政策が今回の金融危機から抜け出せるのか、数年後には答えが出るものと思われますが、現状の問題点は米国の金融緩和政策がドル安・ユーロ高の歪みの最大要因であると主張しているのがドイツの言い分であり、米国の過剰流動性がバブルの危機を高めると主張する新興国の言い分にも共通するものとなっています。

G20で主導権を発揮しようとした米国ではありますが、G7の主要国であるドイツの非難を受けては20カ国をまとめるには程遠い状況と言わざるをえません。先進国のなかで政策を巡る不協和音が起きては、更に利害の違いのある新興国をたばねることは当然のこと不可能となります。「通貨安競走回避」の共同声明を発表した代理会議ですが、批判の矛先となっている為替介入こそしないものの、ドルを垂れ流す政策は事実上の通貨安容認政策であることから、米国の主張にも“輸出促進のためのドル安政策”と受け止められても致し方ないところで、G20首脳会議でも具体的改善策には期待できない状況と見られます。

さて、昨夜の米国市場では久しぶりにドルが主要通貨に対して買い戻される一日となりました。ドル売りが巻き戻されるなか以外にも株価や商品価格が堅調を維持する動きに意外性を感じましたが、そのしわ寄せは日本(アジア)時間に訪れて、商品市場では時間外のドル建て商品が原油・貴金属・穀物と幅広く軟調な推移を余儀なくされています。金も同様に朝方こそ1,343ドル近辺で底堅く推移したものの、ドルの下値が堅いことから徐々に軟化して1,333ドルに10ドル程度下落しています。今日は新築住宅販売が注目指標ですが、来週の「FOMC」こそ直近のメインイベントであり、それまではお茶を濁すような動きとなるのかもしれません。