来週のFOMCでの「追加緩和の規模を巡る憶測」に、金融市場が振り回される動きとなっています。今週前半にはゴールドマン・サックスが2兆ドル規模とし、昨日はウォールストリート・ジャーナル紙が数千億規模とし、先週はかつてジョージ・ソロス・ファンドの司令塔と呼ばれたリチャード・メドレー氏は5,000億ドルとしており、各人各用の見通しを述べています。

今月8日に発表された雇用統計を境にして大枠の追加緩和の期待が膨らみ、ドル売り→円買い・ユーロ買い・新興国通貨買いとその債券・株式・商品買いといった過剰流動性への期待相場が大きく広がり、どうやら追加緩和のしかも大型枠をある程度織り込むこととなったようです。その証拠に数千億規模の縮小された見通しとなると、リスク回避に敏感な反応を示しています。昨夜もどうやらその典型でダウは一時100超の下落場面があり、原油なども2ドルを超える急落場面がありました。

11月はヘッジファンドの決算も控えており、FOMC後にはG20首脳会議で再び「通貨安回避」の議論がなされることが考えられ、市場が神経質な反応を示すことも頷けるものとなっています。最も個人的には今年後半のドル安・株高・商品高の動きを見ていると、ファンドの決算も比較的容易に済まされるムードもあり、期限がぎりぎりにまで迫るまで待つ必要もなく、スムースに決算を迎えられる環境から11月中旬に至っての波乱は比較的穏やかなものと考えています。但し、FOMCやG20の結果次第では波乱含みも考えられ、来月中旬を過ぎるまでは目の離せない場面が続くものと思われます。

金融緩和の規模の大小に振り回されるのは金も同様で、昨日は規模縮小報道に1,320ドルを割り込む場面も見受けられました。このところの金はドルとの逆相関性に顕著に反応を見せており、金融緩和規模拡大→ドル安→金高、または規模縮小→ドル高→金安といった反応を繰り返しています。最も中長期での米金融緩和スタンスは大小の別はあっても今後も継続されることから、現状の1,320ドル前後を押し目底とみるか、或いは規模縮小からの一時的な1,300ドル割れが示現されるかの程度問題とも見られます。これまでの経験則上ではドル安による金価格上昇と、ドル高による金価格下落では、我らが円建て金への影響は前者のほうが上昇することになりそうです。