おはようございます

【金融・為替】
昨日から始まったG7首脳会議ではロシアへの制裁を協議しているのも束の間、クリミア半島からウクライナ軍は1万5,000人の兵を引上げ事実上のロシア化が進行しています。ウクライナがクリミアから兵を引くことを、まるで欧米先進国が容認しているような違和感を伴う無力感を痛切に感じさせます。欧州は天然ガスの依存性が強く、米国はシリアやイラン情勢の解決はロシア頼みの面が強いことも弱腰制裁の原因と見られます。万が一にも、尖閣に中国軍が上陸した場合に、戦えない自衛隊を尻目に米国の事なかれ主義から結果的に尖閣を譲り渡し、みすみす指を加えて状況を見守るだけの我らが日本を想像させられます。

ドル円は102円25銭と昨日から20銭の円高・ドル安で推移、ユーロは1.383ドルも反発し、ユーロ円は141.5円に軟化しています。ダウは26ドル安の1万6276ドルに続落していて、10年債利回りは2.729%に低下しています。ウクライナ情勢の先行き不透明なことや、中国の景気指標が予想を下回り、さらに米国の利上げ時期を巡り市場はリスクオンが後退気味のネガティブな展開となっています。

【石油市況】
原由は一時100ドル台を回復も99.60ドル(+0.14)と上昇幅を縮小し、ブレント相場は106.81ドル(−0.11)に小幅に反落しています。ウクライナ情勢が不透明なことが下値を支えているものの、株価の下落傾向に見られるリスクオフの動きが上昇を阻む展開に導いているようです。

【貴金属市況】
ウクライナの緊張をいち早く織り込み、先週はじめには1392ドルまで買い上げた金相場ですが、週明けのNYでは先週後半からのファンドの手仕舞い売りが続き1311.2ドル(−24.8)に大幅に続落、これで2月末から続くウクライナの地政学的リスク分をほぼ100%吐き出すものとなりました。ファンドの投げが続く中でアジアの実需買いが市場に戻ったことや、ETFにも資金が戻る皮肉な展開となっています。目先はテクニカルの指標である200日線及び50日線が1,300ドル近辺にあり、大台を死守できるのかが注目されます。本日の円換算は4310円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は小麦の寒波による作付け遅れの急伸に連れてコーンが大幅に続伸し、大豆も急反発に転じています。