おはようございます

【金融・為替】
英国とEUの離脱交渉が週明け19日から始まりました。総選挙で大敗し求心力低下のメイ政権は、国内でも複数のテロや火災が社会問題化していて、メイ首相の唱える英国の最大の貿易相手国EUとの単一市場からの強硬離脱は見直しを迫られる可能性が浮上しています。一方で弱気な交渉姿勢を見せると保守党内からのメイ降ろしの動きも考えられ、離脱交渉は最初から困難な交渉となっています。一方で仏マクロン大統領は下院で60%の議席を確保して、仏国民の親EU姿勢が明白な情勢となり、一時のポピュリズム政党は後退を余儀なくされ、オランダから始まった主要国の選挙ではEUの安泰を訴える政党が勝利して、今後予定される独選挙でもメルケル率いる政権政党が有利だと伝えられEUの政局の堰堤が見られる情勢となっています。

さて、市況ですがこのところさえない展開のハイテク株中心のナスダック市場が急伸し、米株式市場は軒並み高値更新しダウ平均も2万1528ドル(+144)に大幅続伸して引けています。株高のリスクオンにドル指数は97.5ポイントに上昇し、対円111円55銭前後、対ユーロでも1.114ドルに上昇してドルが強含みで推移しています。週明けはNY連銀ダドリー総裁が米国経済の好調維持見通しを示し、完全雇用に近い雇用の好調からインフレ目標が若干伴わないまでも利上げ目標を堅持する姿勢を示し、FOMCのタカ派的な見通しを堅持しています。

【石油市況】
原油は44.20ドル(−0.54)に反落し、ブレント相場も46.91ドル(−0.46)に反落しています。米掘削リグ数が22週連続で増加して、米国の原油増産見通しが続くことや、OPECでは減産義務のないリビアやナイジェリアの増産を嫌気する動きとなっています。

【貴金属市況】
NY金はドル高や株高のリスクオンの動きから引き続き強気のポジションが手仕舞いされる状況が続き、節目の1250ドルを割り込み1246.7ドル(−9.8)で引け今月の高値から50ドル余りの調整を強いられています。トランプ政権の運営の不透明さや、英国のEU離脱交渉開始、欧州の政治リスク後退といった好悪の材料が混在するなか、株高のリスクオンから逃避買いの手じまい売りが進行しています。本日の円換算は4460円前後になります。

【穀物市況】
穀物市況は原油安や穀倉地帯の降雨予想から小麦・コーン・大豆ともに軟調推移を強いられる一日となりました。