おはようございます

【金融・為替】
今週注目されていた米消費者物価指数(CPI)は、前月比で+0.2%と事前予想の+0.3%をやや下回る結果となりました。これによって来月6月の利上げが後退するわけではありませんが、今年残り3回の利上げ観測が若干トーンダウンしたとの見方ができるかもしれません。欧州時間で一時110円台を突破したドル円相場は、CPIの結果を受けてドル買い持ちの持ち高調整のドル売りから109円35銭近辺で推移、イタリア政局が連立の可能性の芽が出たこともありユーロも1.195ドルまで反発し、ドル指数は92.7ポイントまで反落しました。10年債利回りも2.971%と3%を割り込む水準まで低下しています。ダウ平均もCPIの結果を受けて利上げ観測がやや後退したことを好感し、続伸基調を後押しする動きとなり2万4739ドル(+196)と堅調に引けています。

米国のイラン核合意離脱の間隙を縫うように中東情勢はイスラエルとイランの緊張が激化、イランによるイスラエル・ゴラン高原の攻撃に対する報復として、シリア内に展開するイラン革命防衛軍を標的にしたイスラエルの空爆があり緊張が高まっています。イラン・イラク・シリア・サウジ・トルコなどの複雑に絡んだ情勢に背後に米国とロシアが控えていて代理戦争の趣もあります。また、欧州はイランとの核合意継続により欧州の企業保護を目的に、米国の制裁緩和を模索する動きを見せています。米朝首脳会談は6月12日に第3国のシンガポールで開かれることが決定し、北朝鮮の核廃棄を主要議題とした両首脳の会談内容が今後注目されることになります。

【石油市況】
原油は71.36ドル(+0.22)に小幅に続伸し、ブレント相場も77.47ドル(+0.26)に続伸しています。引き続き米国のイラン核合意離脱がイラン産原油の供給減につながる観測が、高値推移の原油市況をフォローしている模様です。

【貴金属市況】
NY金はCPIの発表直後からドルが軟化に転じたことからドル安が支援して反発し、欧州時間で一時1310ドルまで続落後もNY市場の反発で1322.3ドル(+9.3)で引けています。引き続きドル相場との逆相関性を堅持も、中東の緊張も下値を支える展開を支援しているものと考えられます。本日の円換算は4635円前後になります。

【穀物市況】
穀物市場は大豆が小反発するも、コーンと小麦相場は続落するまちまちな展開となりました。