おはようございます

【金融・為替】
NYダウは朝方発表された消費者物価指数(CPI)が事前予想を下回ったことから120ドル続伸する場面が見られましたが、その後は買いが続かず失速に転じて3万4577ドル(−292)に反落して引けています。ナスダック総合指数も1万5037(−67)に5日続落し、S&P500市場も4443(−25)に続落しました。CPIはエネルギー&食品除くコア指数は前年同月比で+4.0%で、事前予想の4.2%や前月の4.3%を下回り、来週のFOMCでのテーパリング決定が先送りされる可能性が高くなっています。材料的には本来は株式市場には好材料ですが、実際には下落する展開となり株価の調整局面を指摘する向きもあるようです。

CPIが予想を下回り米10年債利回りは一時1.26%に急低下し、現在も1.28%台と2週間ぶりの低水準となっています。為替市場ではCPI発表直後はドル売り優勢となり、ユーロは一時1.184ドルまで上昇しましたが、株価が軟調に転じると下落に転じ1.180ドルとほぼ前日並みの水準となっています。ドル円は109円50銭近辺まで下落(円は上昇)し、現在109円70銭近辺まで戻して推移しています。ドル指数は92.3から92.6ポイントに戻しこちらもほぼ前日並みの水準です。

【石油市況】
原油はCPI発表直後に71.22ドルに戻り高値まで続伸も、その後は株価は一転して軟調に転換しリス回避の動きとなると下落に転じて、前日比僅かに0.01ドル高の70.46ドルに小幅に続伸する程度で引けています。また、米気象庁から熱帯性暴風雨ニコラスが勢力を弱めて、今後は熱帯性低気圧に変わる見通しの発表も下落となった模様です。

【貴金属市況】
金はアジア時間では概ね1790ドル台前半で推移し、欧州時間から米国時間序盤には軟調に転じ一時1780.6ドルまで下落、その後にCPIが予想に届かず長期金利の低下やドル安の流れに反転して上昇に転じ、1800ドルの大台を回復し昼頃には一時1810.6ドルまで買われ、引け値も1807.1ドル(+12.7)に続伸して今月3日以来の水準で引けています。月初の雇用統計や本日のCPIと金には追い風が続きますが、引き続き1800ドルの上下30ドルのレンジにとどまっています。本日の円換算は6360円前後になります。