おはようございます

【金融・為替】
金融不安を背景に不安定な値動きを続ける株式市場ですが、ダウ平均はこの日300ドル下落する場面も見られ神経質な展開強いられています。欧州ではクレディ・スイスにスイス中銀が7兆円強の支援、米国でもファースト・リパブリック・バンクに対して大手11行が4兆円規模の預金を提供して一先ず危機を乗り越える動きを見せました。これを受けて株価は反転上昇に転じてダウは3万2246ドル(+371)に、ナスダック指数は1万1717(+283)に、S&P500市場は3960(+68)に揃って堅調に引けています。危機の連鎖を当局や金融大手が未然に防ぐ迅速な対応は評価に値するもので、危機不安が徐々に鎮静化に向かうことが当然望まれますが、市場には「まだ他にもあるのでは?」疑心暗鬼はまだしばらく続くことになりそうです。

為替市場ではドル円は一時131円70銭台にドル安・円高が進行、その後は金融不安の緩和からドルを買い戻す動きが強まり133円55銭前後で推移しています。ユーロは1.061ドルに反発して推移、ドル指数は前日の104.7から104.4に反落、ECB理事会は前回の政策見通し通りに政策金利を0.5%引き上げ年率3.5%としました。金融不安対処のために利上げ幅を縮小&見送り見通しも、インフレファイターの面目躍如となりました。来週はFOMCが開かれますが、ECBを見習うと0.25%の利上げが予測されます。米10年債利回りは同3.46%から3.57%に上昇しています。

【石油市況】
原油は68.35ドル(+0.74)に4日ぶりに反発に転じて引け、金融不安の後退や株価の反発、加えてロシア外相とサウジの石油相の会談が材料視されたようです。反発したとは言え、70ドル割れに沈む原油価格のテコ入れは両国の共通認識となり死活問題でもあります。

【貴金属市況】
安全資産として、或いは逃避買いの対象としてこのところ立ち位置を確立し、リスク商品が下落する中で債券同様に資金を集める金、クレディ・スイスや米地銀の支援策が発表されると利食い売りなどに押されて1923.0ドル(−8.7)に反落して引けています。最も安値圏も1900ドルの大台を死守したことから見ても、金融危機への不安が簡単には拭いきれないと見ている投資家の存在が伺い知れます。本日の円換算は8210円前後になります。