2011年04月25日

京都、大原、三千院。

非常勤で大阪に出張したついでに、京都へ。

地下鉄国際会館駅から、バスに揺られること30分ちょっと。

高野川に沿った谷のような地形の大原の里へ。


市街地からちょっと脚を伸ばせば、はっとするような景色。

素晴らしすぎる。




人生っちゅうのは美しいもんですなあとしみじみしながらシャッターを連打。

だけどこの美しさを、フレームに収めきれないもどかしさ。


瞬間に感じ取るものなんですね。





三千院も拝観して、往生極楽院の阿弥陀三尊様を拝んできました。

名物と思われる僧侶の抱腹絶倒解説を聞くこともできて大満足。



ありがたやありがたや。
  
Posted by atokatok at 15:33TrackBack(0)

2010年12月14日

『四畳半神話大系』文化庁メディア芸術祭で大賞/ハワイ写真

春に放送していたアニメ『四畳半神話大系』が、文化庁メディア芸術祭のアニメ部門大賞を受賞しました。

http://journal.mycom.co.jp/news/2010/12/12/004/

私は人に会うごとにこの作品を絶賛し、twitterを開いては全面評価のつぶやきを投稿していたものだが、この報を聞くにつけ自分の慧眼に脱帽した。

以下、文化庁のサイトより評価コメントです。

テレビ的制約を逆手に取った、豊かな表現力

テレビ作品初の大賞にふさわしい、実に豊かな表現力に満ちあふれた作品である。

京都の景観を入念に取材した上で独特のデフォルメを施した空間とキャラクターの動きがある絵に、饒舌なモノローグを重ねて力のある映像を完成させている。

テレビ作品は商業的な制約が課せられることも多く、しばしば既成概念に縛られる傾向にあるが、本作は、週に1話という放映サイクルを逆手にとり、反復描写を導入。さらに独特のシーンレイアウトやアクション、色彩によって物語にマッチした解放感、自由さを獲得し、幅広い観客層を引き込んだ。

よりよい選択を求めて青春の時間をリセットし続ける主人公の姿は現代の若者像に重なるが、最終2話で、主人公が孤独な状況から開かれていく姿を描き、未来を志向する姿勢を示したことは高く評価される。



僕もこのコメントに特別付け加えるべきことを思いつかない。


いや、他にあるとすれば「幅広い観客層」という部分で、この一見まったくオタク好みでない作品が、一定数のオタクたちに強く支持された可能性があるということだろうか。

視覚的にだけ観れば、このアニメは従来のオタクが愛好する作品とはかけ離れた作風である。

「萌えキャラ」とは反対に極小化された瞳の描写、登場人物たちの青白くも見える肌の色、彩度を落としてくすんだ和紙のように見える背景の着色…。

だけどこの作品の通奏低音=「『モテなくて、貧乏で、何だダメだっていうんですか?』という開き直り」を京大仕込みの理論で武装したところに生じている独特の強度が、オタクにある種の高揚感を与えた可能性はゼロではないと思う。


とにかくこのアニメが、クリエーションとして大変学ぶべきところが多いことには変わりがない。

商業的成功は横においておいて、今回の受賞を言祝ぎたい。

***

初めてハワイに行く。

そして写真を撮る。

















早朝のワイキキビーチを散歩する西洋人の夫婦。

たくさん食べて、熱心に運動する。

ある意味健康的です。



冬のハワイは灼熱の太陽というよりは、「眩しいけど、柔らかい」という変な光だった。

そして着ているものや髪の色、様々な小物の色がカラフルなので、普通に撮っても画面がカラフルになる。


あっ、ダイビングもしました。


  

2010年10月27日

ごちそう屋 小山@学芸大学

明日から津⇒京都⇒大阪と、3日間の取材ロードです。


京都といえば、同志社大学が、京都御所の北側(現在の今出川キャンパスのすぐ側)に新たな土地を取得し、キャンパスを増設するという記事を読んだ。

これによって、現在1〜2回生の間は郊外の京田辺キャンパスに通っている文系学部の学生も、入学時からいきなり今出川キャンパス通学となる。



青春の4年間を今出川で過ごせるなんて、ええのう…という羨望はさておき、僕がいいなと思ったのは、今出川側一帯における学舎の配置である。

現在の中心は、今出川どおりを挟んで京都御所の向かいにして、相国寺の西隣。

ここは幕末まで薩摩藩邸だったところを、明治になってから、京都府庁の顧問をしていた山本覚馬という人物が新島襄に譲ったものであって、歴史的に見ても地理的に見ても絶好のロケーションといってよい。


ただしこの土地だけでキャンパスが完結しているわけではなく、烏丸通を挟んだ向かいに学生会館があったり、更に西側にゆけば室町キャンパスがあったりと、徒歩5分圏内に複数のキャンパスが散在している状況が長く続いてきた。

今回の新たな土地取得は、今出川キャンパスのすぐ北側に京都市が持っていた場所であるから、結果このエリアには、古くから存在している住居や商店、寺、病院などの間をぬうようにして、4つの学舎がモザイク状に存在することと相成る。(東隣にある同志社女子まで入れれば、よりモザイク状だ。)

講義の組み方によっては、学生たちは講義と講義の間に教室を移動する際、町の中を通行してゆくことになる。


僕がいいなと思ったのはこの点だ。



従来、大学というのは基本的に「囲われ」ているものが多かった。

「キャンパス」という語の語源からして「原っぱ」であり、郊外の広大な原野にまとまった土地を買って、キャンパスを集中的に建設する。

そしてその中に事後的に商店や広場を作る。



もちろん、街の真っ只中にある大学もあったのだけど、その多くは国全体の人口増加と進学率上昇の中で、より多くの学生を収容するために、郊外へと土地を求めていった。

その状況が変わったのはご案内の通りである。


同志社の場合にしても、80年代に拡大路線をとりド郊外に広大なキャンパスを建設したのだけど、今になって街場へ戻ってきたわけだ。

ただし今まであった街中のキャンパスとシームレスに土地を買えるわけではなく、間に通りや住居を挟んでいたりと、少し見た目は不恰好な形でキャンパスを構える格好となった。

これが結果的には、いいなと思った。

それは、いかにも街の中に大学が溶け込んでいるように見えるからだ。


教室を移動する合間に、ちょっとジモトの喫茶店でお茶したり(「パパ・ジョンズ」とかまだあるよね)、近所の人の打ち水を横目で眺めたり、猫と遊んだりとしながら、次の講義に向かう。


この非合理性臭ただよう脱力感が、ポストモダン、いやアフターモダンな感じだ。


日本における大学の役割は、欧米に追いつくための学びををすることから、追いついた後に独自の豊かさを追究するつくる学びへと変わってきている側面があるはずである。


隣人の生活空間の合間を縫いながら、幸福について考える。

そういう学問の場は、荒野を切り拓いて作った広大で合理的で最新鋭の設備をもったキャンパスよりも、これからの時代に合っている気がする。

***

ところで東京の世田谷区には、学芸大学という名前の駅があります。

ところがやはり、当の学芸大学はとっくに郊外に移転してまっており、現在では駅名に名残を残すのみ。


その学芸大学駅から徒歩すぐの場所に、三宿で数々の著名人に愛された料理屋「華屋」の小山さんが、ご自分の名前を冠したお店「小山」をオープンしました。



学芸大学/ごちそう屋 小山

東京都目黒区鷹番2-21-15-112
TEL&FAX 03-5794-8165

アクセス 東急東横線 学芸大学駅西口より徒歩2分
             東急東横線高架下「学大横丁」1F

営業時間 18:00〜24:00
定休日  不定休
席数   12席




これから秋の味覚の季節・・・じゅるる。

冬の豆乳鍋や辛味野菜鍋も絶品です。


料理の写真は僕が撮っておりますが、僕ごときの力量では、小山さんの繰り出す味の質感をとうてい表現しきれないのが無念です。  
Posted by atokatok at 19:34TrackBack(0)街場の社会学

2010年09月06日

NHK「ザ・ソングライターズ」


NHK教育テレビの「ザ・ソングライターズ」が面白なと思いました。

ポップミュージックの作詞家を「現代の詩人」と捉え、司会の佐野元春がゲストのミュージシャン(作詞家)と、音楽の歌詞をテーマに対談やワークショップを行う番組。

収録会場には佐野の母校である立教大学の教室を使う。


先日はゲストにヒップホップユニットのライムスターを向かえ、前編は彼らの歌詞世界、創作法について対談を行い、後編は聴衆である学生から歌詞を一行ずつ募りながら、その場でひとつの楽曲に仕上げるというワークショップ。

これはヒップホップという音楽の様式がもつ面白さがよくわかり、よい番組でした。


この番組を観ていてわかったのは、佐野元春という人は、司会というか、ファシリテーションがとても上手いということだ。

ゲストから話を引き出すときの質問の仕方もとても上手い。ゲストだから丁重に扱い、腰を低くして話をするというのではなく、相手と対等な関係に自分を置き、質問のポイントは明快、言葉の歯切れもテンポもよく次々と質問する。

対ゲストだけではなく、聴衆である学生に対しても「ハーバード白熱教室」のマイケル・サンデル教授顔負けの呼びかけで意見を引き出し、会場全体の一体感を作ってゆく。


この番組、普通の教室に暗幕を垂らして背景を暗くし、NHKが持ち込んだ照明で教壇部分を照らしたセットである。

画面は暗くて地味、出演者の動きもないから、ともすれば眠気を催すはずであるが、佐野元春の話の運び方の上手さで、つい引き込まれてしまう。

話している内容というのもあるのだろうけれど、この人の場合は、「話し方」自体が、人をしてつい聞き込んでしまう力をもっているようだ。



彼のこういう力を見抜き、司会に引っ張りだしたNHKのスタッフには、センスのよい人がいるのだろう。

いや、エンドロールの最初には「出演・構成 佐野元春」とあったから、佐野さん自身のアイデアも多分に入っているのかもしれない。

学生から歌詞を募って即興で作ってしまうような企画構成も含めて、僕も仕事や講義の参考にさせていただきます。




八丈島で撮った朝焼け。ちょっと、J-POPのPVっぽいような。  

2010年07月28日

本は捨てられない

来月引越しするので、少しずつ自宅の荷物を梱包している。

2年と少し住んだけど、出るわ出るわ不用品の山。すっかり汗だく。


ちなみに僕の荷物で最も多いのは本で、ダンボール6〜7箱になった。

いくつかは処分したのだけど、捨てられないものが圧倒的に多い。

本の中身は僕の身体の一部のように感じるし、それだけ中身が古びない本を多く買っていた、ということなのだろうか。


ちなみに捨てた本は、ベンチャー企業社長の手記の類だった。

どうも、再度読み返しても新たな意味が見出せそうな気がしなかったのだ。

というか、そもそも何故買ったのだろうか。



先月行った小浜島。

想像していたのよりずっとよかった。





大岳(うふだき)に登ると、360度パノラマ。

天気がよいと、与那国島以外の八重山諸島がすべて一望できる、唯一の場所。

ズームレンズでのぞくと、石垣島が近くに感じる。

なんにもない小浜島から眺めると、石垣島は大都会やわ〜(笑)。

  
Posted by atokatok at 17:03TrackBack(0)電子徒然草

2010年06月01日

久米島でサンゴ発見

何気に、来週末から八重山旅行です。

西表〜石垣〜小浜とホッピングしてきます。

小浜島は初めての上陸なので楽しみです。はいさい〜!


梅雨前線よ、遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ遠ざかれ。



八重山ではありませんが先月久米島沿岸で見つかった、国内最大規模らしいサンゴの大群落。気になります・・・。

琉球新報に載っていた地図を確認してみると、ほんとに沿岸で、ボートで5分くらいで着きそうなところ。

よく今までダイバーが気がつかなかったものです。

自然はすごい。


それにしてもWWFが撮った写真では、色がよくわからないのがもどかしい。

***

NHK「ハーバード白熱教室」(という邦題のつけかたが絶妙だと、コピーライターの前田知巳さんがおっしゃっていました)を見ていると、番組の最後に千葉大学の先生が分厚い本をわざとらしく(失礼)手にしながら解説を加えている。


あのタウンページ並にかさばる本は何と思いきや教科書なんですね。

「ビバリーヒルズ青春白書」を見ていても、アメリカでは高校ですら教科書が殺人的に大きくて重くて高い。

(だから大きめの個人ロッカーがあるというのは重要なのかも。)


かの国でのiPadに対する熱いまなざしっていうのは、「あのクレイジーに重い教科書が、うすっぺらい電子書籍で代替できれば・・・」という夢想も入っているのかもしれません。少しくらいは。


それにしても何であんなに大きくて重いんでしょう。高いんでしょう。


でもそういう教科書を買うと、「これのモトをとるくらい学問に励まねば」というモチベーションが生まれるのかもしれない。

少しくらいは。

***




5月の鴨川。河原がシロツメクサで敷き詰められてキレイでした。


このブログ、京都と沖縄の写真しかあらへんやん。  
Posted by atokatok at 23:35TrackBack(0)

2010年05月26日

こんなiPadが欲しい

京都・鴨川にて。



川端通りから先斗町の歌舞練場を望む。「鴨川をどり」開催中です。

***

僕はデジカメで撮った写真の現像とレタッチにPhotoShop Elementsを使っています。

VAIOノートと、マウスでかりかりとやっているのですが、iPadで、より直感的にできたら楽しいかも、思いました。WiFiが通じる場所であれば、カフェとかで他人に自分の写真を見せるのにもいいし、家では立てかけて、デジタルフォトフレームにもなると。


ただ、指では精度が悪くなりそうなので、専用のペンを買う必要がありそうです。

というかそもそもPSの画像処理にiPadのCPUが追いつかない気がします。

いやそれ以前に、レタッチに値する写真を撮ってくることが必要なわけです。そういうところでのクリエイティビティの涵養が必要なわけです。


…というような視点から考えると、iPadというのは本格的に生産活動をするためのツールというよりは、出来合いのコンテンツを消費するのに向いているようです。当面のところは。

同じような指摘を、学習環境デザインの専門家の方もされていました。


今週金曜はいよいよ日本で発売ということで狂想曲の様相を呈してきましたが、僕は何故かあまり欲しくならない…そういうところに原因があるのかもしれません。


別の文脈ですが、CGM(Consumer Generated Media…って最近はあまり聞きませんが)が活況を呈しているような昨今について、秋元康さんが「生産者ごっこ」という鋭い指摘をされていました。

新しいものをつくる人が昔に比べて増えているかというと、増えていない。

ただ、生産することの近くにいたい、それが面白そうと感じる「生産者ごっこ」が増えているのだと。


iPadに高性能なCPUが搭載されて、ペンの筆圧を感知する機能(アクセサリー?)があれば、油絵を描く感覚で画像処理できるのになあ。


…Powerbookとペンタブレットを買えって?
  

2010年05月19日

コンパな一日

先週、講義の後に学生さんとの懇親会を行いました。つまりコンパです。

総勢30名、僕は2次会で失礼しましたが、家が近い方々は3次会まで行ったとか…。

そういえば金曜だったし。

講義のほうは関西支社からゲストも呼びつつ、学生さんとの意見のやりとりもしつつで、90分間フル回転でかなり熱くやってしまいました。一瞬、俺はマイケル・サンデルを超えたかと思いました。

さらに懇親会でしゃべりまくり、完全に燃え尽きました。

それにしても今年は、なかなかいい感じの学生さんたちが受講してくれていると感じます。

結構皆、一杯目をビールで乾杯したのが意外でした(笑)。


ところでコンパの語源はcompanyですが、その意味するところは、会社、仲間、交友。

この日の講義テーマは「広告会社の仕事」でした。


そもそも会社で働くとは、仲間のパフォーマンスを引き出すことなんです。

広告という仕事も、世の中の色々なものの良さを引き出し、育てることなんです。

そしてゲストは僕の仕事仲間です。

夜は学生さんと交流です。

…ということで、まさにコンパな一日でした。


***

大阪へ向かう途中の新幹線では、ノートPCを使って講義のパワーポイントと、雑誌の原稿書き。

特に原稿書きは、はかどります。到着時刻までということで時間をくぎって集中するので。


iPad欲しいのですが、率直に言って論理的な文章入力には向いていないですよね〜。

タッチによるキーボード機能がありますが、ミスタッチが多くなるだろうなあ…角度的に画面が見にくそうだなあ…。

アクセサリーで物理的なキーボードも売り出されるようですが、それを持ち歩くくらいなら最初からノートPCにしたい…。


でもphotshopがインストールできるようになれば、写真管理・レタッチのデバイスとしては面白いことになるかも?

***

アニメ『四畳半神話大系』が回を重ねてきましたが、原作にはないエピソード(自転車サークルに入るとか)が入ってきました。

元になっている小説には4話分のエピソードしかないため、いずれオリジナルの脚本が入ってくると思っていたのですが、いざ観てると、これがいい。

なまじ原作ベースだと、独特の森見文体を30分のアニメで再現しようとかなり早口でつめこんだためか、どうも原作のふざけた感じが薄まっていた気がしたのですが、オリジナルは、森見的文体でありながら、ふざけた面白さも確保されている。

脚本の上田誠さんの能力が発揮されいてる気がします。

今後も楽しみです。

***

ある人がソーシャルメディアについて鋭い指摘をしていた。

最近アメリカに行ってきて、彼の地でのソーシャルメディアと、日本におけるソーシャルメディアでは、「ソーシャル」の意味が全然違う!と。

風土的な条件、人口密度、民族・言語の多様性、民主主義、個人主義…。

同感です。

***




高台寺の夜桜です。  

2010年05月11日

ハーバード白熱教室

NHK「ハーバード白熱教室」にて、マイケル・サンデルという先生の哲学の授業が公開されてます。

テーマは「正義」。

アメリカ人が、ヨーロッパの哲学者の思想をひもときながらどのように正義を考えるのかというのも興味深いのですが、僕も教育者の末席を汚している身として、千人以上の出席者を相手に人気教授がどのように講義を組み立てているのか、ということを観察しているわけです。

やっぱりフロアとのコミュニケーションを中心に組み立てているわけですが、学生に意見を求めるとき、必ず学生が自らの問題として捉えなければならないような質問の仕方をしている。「過去の判例や法律は横に置いておいて、キミの考えははどうなんだ?」と。

学生の発言が終わると「なるほど。君の名前は?」と名前を聞いて、その後学生の名と、その意見を引用しながら講義を進めていく。

こうすることで、「答えを知っている先生が、知らない学生に教える」という図式ではなく、「わからない者同士が、先生と一緒に手探りで思索を深めてゆく」という形になる。

学生もこの講義の組み立ての片棒を担ぐことになるというか、この講義と自分自身が不可分のものになってゆくわけだ。


メモメモ・・・と。

(ちなみに僕も、基本的には同じような講義を目指しています。)


まぁもちろん、ハーバードの学生だからこそ出てくる発言というのを前提にしてるところもあるのでしょうが^^;。


それにしても、この講義における先生の存在感、学生が熱心にメモを取ったり、我こそはと発言している光景・・・。大学っていう場は、知的興奮がありますなあ〜。


***



京都・仁和寺にて。

散り始めの桜はキレイですわ〜。  
Posted by atokatok at 00:10TrackBack(0)電子徒然草

2010年04月28日

新学期はじまる

大阪の大学での非常勤講師が今年も始まりました。

過去二年間は、4〜5月は毎週大阪出張でなかなか大変だったのですが、今年は飛び石的に分散させたので、随分楽になりました。

「とにかく来週の講義の準備に追われる」という状態から、講義全体を通して学生さんに何を学びとってもらうか、という少し深いところにも知的リソースを避けるようになってきました。

今年の受講生は、まだ能力は追いついてないけど、何かを学びたい、自分を変えてみたい、という想いがあるのを感じます。

「能力が追いついていない」というのは当たり前で、追いついていたら講義を受ける必要はないわけです。

僕たちの講義を通して、少しでも学ぶ力を伸ばしてもらえればよいと思います。


僕は自分の人生の中で、大学という場、そしてそこに集う人々に随分育ててもらいました。

(森見登美彦のしょーもない小説が好きなのも、大学という場がカオティックながら活き活きと描かれているからです。)

その恩返しを、次の世代に育ってもらうという形で少しでもできればよいなと思います。

***

そんなことを考えながら、桜の散り際に京都を散策。

上賀茂神社で、結婚式に出会いました。

新郎新婦と、後ろを歩くお父上(?)の表情がいいなあ。



***

ところで、僕は撮った写真を、人に献上するものや自分で撮っておきたいものを会社の近所のカメラ屋さんでネット経由でプリントしているのですが、いい加減顔と名前を憶えられており、引渡しの中身確認のときに店のおやじから寸評が入るようになりました(笑)。

何か恥ずかしいわ、この瞬間。  
Posted by atokatok at 14:13TrackBack(0)電子徒然草

2010年03月10日

『四畳半神話大系』アニメ化

おっと!

年が明けてから一回もブログを書いていなかった…。

いかんいかん。物事をじっくり考える時間をとってないってことかもしれない。



京都在住の作家・森見登美彦さんの小説『四畳半神話大系』がフジテレビの深夜アニメ枠でアニメ化されます。

この作品は、京都のボロアパートに住む学生がある日、出かけようとすると、ドアの向こうは自分の四畳半と全く同じ部屋が存在しており、その部屋のドアの向こうもさらに同じ四畳半があり、そのまた向こうも…という無限に続く四畳半世界に閉じ込められてしまう…ということが起こるアホくさい話です。

でも学生生活って、ある意味無限に続く四畳半世界に感じられるようなところもあって、僕は好きな作品です。


そういえば今年も大学での非常勤講師が4月から始まります。

会社に勤めていると、4月なんて別にウキウキしません。

新入社員は入ってきますが、会社の中ではわずかな比率だし、現場に配属されるのは5月以降だったりするので、特にフレッシュな空気も無い。

だけど、大学の4月はいいですね。

わけのわからない先輩学生がうようよしているなかを、当惑する新入生達が練り歩く雰囲気、わくわくします。

今年も新しい試みをやってみたいと思います。どんな学生さんが受講してくれるか楽しみです。
(ま僕の担当講義は一回生はとれないんですが。)


で、アニメ版『四畳半神話大系』ですが、脚本は京都拠点の若手劇団『ヨーロッパ企画』の上田誠さん、キャラクター原案は森見作品『夜は短し恋せよ乙女』で秀逸なカヴァーデザインをした中村佑介さん。

森見=奈良出身、京都在住
上田=京都出身、京都在住
中村=兵庫出身、大阪在住

ということで、同世代の関西人でかためてきたました。

制作スタッフには、絶対に関西LOVEな人がいると見ました。それに、この三人を組み合わせるなんて、センスがいい。(上から目線)


そしてプロダクションは、日本屈指のスタジオ、マッドハウス。



トレーラーが既に秀逸です。美術がかなりいい感じ。

http://yojouhan.noitamina.tv/



これは…見なければいけません!剋目して待て。


ちなみにテーマソングはアジカンです。



京都は宮川町にある恵比寿神社です。

鳥居の上にある恵比寿さんの顔面直下に網がしかけてあり、そこめがけてお賽銭を投げます。

お賽銭は顔面へ、お買物は高島屋へ。

そういえば河原町の阪急やビブレは撤退なんですよね。なむなむ!



  

2009年12月31日

2009年最後の日没に思う

秋からの怒濤の仕事がいちおうは過ぎ去り、帰省。



大晦日、昼から京都・東山の若王子にある、新島襄のお墓に行ってきました。


新島が亡くなったのは、京都ではなく神奈川だった。

晩年の新島は同志社英学校の大学化のため資金集めに全国を奔走しており、関東での活動最中に病に倒れた。

少しでも暖かいところで療養を、と、神奈川県の大磯に移って闘病生活を送っていたが、46歳で没した。


葬儀は京都の同志社敷地で行われ、遺体は学生達の手によって若王子山頂近くまで運ばれた。

市バスで永観堂のあたりまで行き、哲学の道の入り口の脇にさしかかると、「徳富蘇峰先生 新島襄先生 墓地(徒歩20分)」の案内板がある。

若王子神社脇にある山道を登ること数十分、若王子神社が管理していると思われる共同墓地の更に上に、同志社共同墓地がある。

更にその中の一角に、簡易的に区切られた、同志社草創期の人々の墓がある。

鍵の掛かっていない門を開けると、正面に新島の墓、左には妻・八重の墓や、外国人宣教師・ラーネッド、八重の実兄であり新島に京都御所北という絶好の土地を譲った山本覚馬(元会津藩士であり京都府政に協力)の墓。

右には外国人宣教師・デイビス、そして新島の教え子であった徳富蘇峰(後に同志社を退学)の墓など。


明治期に新島を支えた人々の多数の墓が、車座のように向かい合っている空間である。

新島の同志社での講義は不明な点も多く、学生からの不満が絶えなかった伝えられるが、新島の後に没した人々の墓がここに集まっているのを見ると、彼が人間として大変愛されていたということがわかる。

(デイビスやラーネッドは、祖国ではなく京都に骨を埋めたわけだし。)

明治の人々の情熱に感謝して手を合わせつつ、下山。


その後、二年坂付近を散策。





正面から舞妓の格好をした女性が二人、歩いてくる。皆、口々に「舞妓さんだ!」と言い、次々に「一緒に写真撮ってください」とお願いしている。

ぼくも一瞬カメラを構えるが、すぐに観光客が体験扮装したニセ舞妓さんだとわかる。

白粉を塗ってはいるものの明らかに不自然なたたずまい、爪に塗った真っ赤なマニキュア、小さくたたんだ観光地図・・・皆さんの目は節穴ですか!?


二年坂を北に抜け、高台寺の駐車場から2009年最後の日没を撮る。


しかし日没の絶好なタイミングを待ってじっとカメラを構えていた私は、既に防寒能力の限界に直面していた。

貼るカイロ3枚を装備していたものの、京の底冷えに加え、日本海側から吹き込んでいる冷たい空気によって、雪もちらついていた洛中の夕暮れは、急速に私の体温を奪っていった。

もはやカメラの撮像も震えによる手ブレによって安定を図ることが困難、手ブレ補正機構ではなく手震え補正機構をくれ。

しかも先週から限りなくインフルに近い症状で高熱によってうなされていた病み上がりの身である。この寒さが堪えないわけはない。

やっと日没して素早く退散。危うく新島先生の後を追うところであった。



***

ところでNHK「坂の上の雲」を見ていると、明治初期、地方の優秀な若者達が「東京じゃ!」色めきながらこぞって上京する様が描かれている。

しかし新島の考えは少し違った。

彼が好んで口にした言葉として、「深山大沢(しんせんだいたく)、龍蛇(りゅうだ)を生ず」というものがある。

「都会のようなチャラチャラしたところではなく、喧噪から一歩離れ、広々としたところで自由に振る舞える環境でこそ、一国の運命を担える大物が生まれる」という意味かと思われる。

新島にとってそのひとつが、京都だったということだろう。

***

帰りしなに、八坂神社でフライング初詣してきました。



よく見ると、提灯に舞妓さん・芸妓さんの名前が多くありますよ。  
Posted by atokatok at 23:00TrackBack(0)カメラ

2009年10月21日

「サマーウォーズ」に仰天

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CREA11月号特集「ひとりで行く京都」。

…買ってしまった…。

***

遅ればせながら、細田守監督のアニメーション映画「サマーウォーズ」を観ました。

そのレベルの高さに、品川プリンスシネマの座席で身体が硬直しました。


細田監督の前作「時をかける少女」は、筒井康隆愛読者としてこれはチェックせねば…と思ってDVDで観て、これは素敵な青春映画だ…と、私のすさんだ心に一陣の爽風を吹かせてくれたものの、どこか物足りなさを感じてしまった。

(後で知ったのですが、細田監督は原作や実写版との違いを出すため、意図的にSFと恋愛の要素を落としたのだとか。ただそうすると、原作が「時かけ」である必要があったのか?)

作画の迫力についても、特別驚愕するようなところを感じなかった。


だから今回も、割と大人しい青春映画なのかしら…と思いつつ、知人友人の間で評判がよかったので、観ておこうかな…と思って観に行ったところ、これが前作を全く異なるダイナミックな作品で、びっくりしたのです。


オープニングで、ネット上の仮想空間「OZ」について紹介するシーン、村上隆のアートをモチーフにしたものでしょうか、大変ポストモダンな気合が入っています。

でも全編ポストモダンで押すというわけではなく、いきなり戦国時代が出てきたりする。


スーパーフラットな仮想空間、モバイルメディア、コンピューターゲーム、アクション、萌え…といったポストモダンな日本性と、

戦国、武士、先祖、血縁、イエ、ムラ、長野の山村風景、浴衣、花札…といった、プレモダンな日本性を、

ほとんどノリ?でミックスして仕上げていると思います。


図らずも、欧米での評価を意識した作りと言えると思うのですが。

こういうミックス、欧米の知日エリートは大好きなのではないでしょうか。


とにかく過去から未来まで色々な要素を混ぜながら物語は展開するわけですが、結局最後は、高校生の甘酸っぱいチュウで終わる…という…。


「時かけ」もどこかしらそういう甘酸っぱい終わり方だったような気がするのですが、細田監督は何か、高校時代の恋愛にトラウマでもあるのでしょうか!?


とまあ全体的なストーリは別に複雑ではなく、途中で物語の鍵を握る人物となる「侘助」の内面描写も、それほど葛藤的に描かれず、あっさり主人公達に協力する…というあたり、宮崎駿監督の描く境界的キャラクターとは全然違う。


それでも映画館のイスに張りつけになって観てしまうのは、作画の細部にまで行き渡った希薄と、ポストモダンとプレモダンの眩暈のするようなリミックスがあるからかもしれません。


これは、ジブリや、プロダクションI.G.もウカウカしてられんぜ…と思ったら、細田監督、ジブリの面接受けて不採用になった過去があるんですね。

なぜだ、宮崎さん!



あーこれは映画館で観れてよかった  
Posted by atokatok at 20:13TrackBack(0)街場の社会学

2009年10月10日

西表島魚図鑑

西表島は時化が続いています。

台風の影響というより、冬型の気圧配置のようになって北風が強くなったり、気圧の谷間に当たってしめった風が流れ込んできていることが影響しているようです。

石垣島〜鳩間島便は今日も全便欠航。

ダイビングは上原港からほど近い、鳩離島、鳩間島の東側、船浦沖で三本楽しみました。

・・・といいつつ曇りのため太陽が入ってこず、若干海の中が暗いので、マクロモード全開です。



ニシキテグリの雄です。

ユビエダサンゴの奥に隠れています。

光が苦手なため、晴れの日は姿を現さず、今日のように曇りの日に行ってもライトを当てるとすぐ奥に引っ込むため、撮るのが難しい。

今日は粘って、会心の一枚!

スネ夫的な顔立ちがかわいいですね…。

こいつはサンゴの上をほふく前進するような動きをするため、ヒレに汚れが着いているのがハッキリ見えます。




蜘蛛のような、ホシゾラワラエビ。

細い足をよく見ると、星空のような模様があります。

フラッシュを焚くと背景まで明るくなって、この柄がよく見えないのですが、一緒に潜っていたダイバーさんが横からライトで照らしてくれたので、まさに名前通りの写真になりました。




キスジカンテンウミウシ。本当に、寒天のように体が半透明なのがわかります。




マンジュウイシモチの子ども。苺のパンツのようなもようがかわいいです。

成長すると、苺のパンツを卒業してしまいます。




キイロサンゴハゼ。サンゴにちょこんと座って、こちらを見てきます。

***

そういえば西表島では、今年に入ったくらいから生ゴミの回収を取りやめたらしく、生ゴミは自宅の庭先に埋めなきゃだめなんですって。アパート住まいの方は大変だそうです。
  
Posted by atokatok at 22:43TrackBack(0)ダイビング

2009年10月09日

石垣島から西表島へ

9日間におよぶ八重山旅行ももうすぐ終わり。

台風が二発近づいているなか出発して、天気はおろかダイビングもかなりあきらめていたのですが、運良く二つとも八重山直撃を免れ、旅の前半は晴天に恵まれました。









き、きれいすぎる…!



↑テングカワハギの子どもです。小さくてかわいいです。

旅の中盤で鳩間島に渡る予定だったのですが、北からのうねりが続き、連日欠航!

断腸の思いで渡航をあきらめ、数日石垣島で海を見ながら仕事をしました・・・。


今日は西表島に渡り、2年ぶりの「あけぼの館」に投宿です。

  
Posted by atokatok at 18:31TrackBack(0)ダイビング

2009年09月30日

宇宙戦艦ヤマトふたたび

SN380285

日本アニメ史屈指の名作『宇宙戦艦ヤマト』が、CGを駆使した劇場アニメとして復活、12月に公開予定です。

1970年代放映時主人公・古代進や、工場長の真田さん、主治医の佐渡先生は引き続き登場しているようです。

あれ?この人たち全員、『さらば宇宙戦艦ヤマト』で戦士してませんでしたっけ?

最後に生き残った古代君も森雪を抱きかかえたままヤマトごと特攻していったはずなのですが…。


実は『さらば宇宙戦艦ヤマト』が興行的に好成績を収めたため、その後主要キャラクター達が全員生き返って続編が制作されたという経緯があったのです。


どういうことかと申しますと、宇宙戦艦ヤマトは太平洋戦争の「戦艦大和」を宇宙船に改造してよみがえらせた亡霊、言ってみれば「ゾンビ船」なのですが、その乗組員達もまた作品中で一度死んで、甦り、ゾンビとなるわけです。

つまりゾンビ船上でさらにゾンビ現象が起こったわけです。


『パイレーツ・オブ・カリビアン』状態です。


その割に今回の最新作では、死んだことになってる人がいたり、生きている人がいたり…どっちやねん!

***

トレーラーを見ると、前作のキャラクターデザインは踏襲しつつ、何かアメコミっぽい妙に平坦なタッチでキャラクターが描かれているように感じます。

太平洋戦争の亡霊である「ヤマト」がアメコミっぽいタッチで描かれる…軽い眩暈がします。



ちなみに実写は2010年冬公開予定で、主演はキムタクとのことです。

***

来週から秋の八重山旅行ですが、どうにも仕事が片付きそうになく、ノートパソコン用のデータ通信カードを買いました。

GWも旅行中ずっと仕事をしていたのですが、PCにケータイをつないでPDFデータなどをやりとりしていたら、あまりの通信料に度肝を抜かれたという経緯があり、仕方なしに定額制を導入しました。


ノートPC用のデータ通信カードはイーモバイルが有名ですが、石垣や西表では電波が入らないようで、僕にはまったく役に立ちません。

やはり、普通の通話と同じエリアでデータ通信が使えるauはありがたい…。


旅行カバンもボストンバッグから大型のスーツケースに変えました。

ダイビングの軽機材に加えてノートPCやカメラのレンズ、三脚…など加えると、結構大荷物になってしまいます。

***

写真は有楽町で見つけた、コミュニティサイクル。大丸有地区でJTBが10月から始めるらしいです。  
Posted by atokatok at 00:41TrackBack(0)電子徒然草

2009年09月25日

井上雄彦さんかく語りき

連休は大学時代の仲間と朝霧高原でキャンプしたり、自宅でバーベキューしたりと、肉を焼いてばかりだったような・・・。

キャンプには、一眼レフカメラに28−75mm F2.8のズームレンズを装着し、人物撮影用に使いました。

広角の風景はコンパクトのFinePixを使用。


朝起きると、富士山の山頂から朝日が・・・というドラマチックな光景。

DSCF8379_1


ただやはりコンパクトだと、このように明暗のコントラストが強いシーンには弱く、太陽周辺にゴーストっぽいのが出てしまっていますね・・・。

***

一部で話題になっているNHK「プロフェッショナル」の拡大スペシャル・漫画家の井上雄彦氏への密着取材。

幸運にもHDDが録画しておいてくれたので、見ることができました。

この番組、基本的には「無名だけれどすごいプロ」への取材をベースにした見応えのある番組なのですが、たまに宮崎駿さんなど、超弩級の大物が来ます。


色々と興味深いシーンはあったのですが、特に印象に残った言葉。

彼は「バガボンド」の筆入れを、文字通り本物の筆を使って自ら行っているのですが、ペンではなく筆を使う理由を、次ように述べていました。

「自分が制御できない動き、予測できない動きをするから、筆を使う。コントロールできるものや環境の中でモノを作ると、どうしてもどこか小賢しいものに仕上がってしまう。限界を超える力を出すには、コントロールできない要素が必要なんです」(うろ覚え)

要約するとこのような趣旨のことをおっしゃっていました。

一方で彼は、マンガを描くプロセスで最も重要なところを「ネーム作り」だと言います。

ノートに鉛筆で、コマ割や台詞をラフに書き殴っていくプロセスです。

「ほとんどここで決まってしまう」と彼は言います。

そのネーム作りを彼は、アトリエや自宅ではなく、近郊のカフェをはしごしながら行うのです。

そういうカフェを、十数軒ローテーションしていると言います。

何故か?

「人間って弱いじゃないですか。アトリエや自宅っていうのは、自分の管理下にある、あるいみ楽な環境。そういう環境では人間は、ついつい楽をしてしまうんです。カフェにいって、そこで二時間なら二時間と決めて、集中することでネーム作りがはかどるんです」。(うろ覚え)

***

ネーム作りを喫茶店やファミレスで行う漫画家は大勢いますが、その理由について井上さんが語ったことは、大変印象的でした。

筆にしても、カフェにしても、「自分の制御が完全には及ばない、ある種の不自由さ」を自分の中に導入することで、120%の力を出そうとしているのです。


人が成長するには、「限界を超えて、120%の力を出さなければ太刀打ちできない壁」が必要だ・・・井上さんはそう言っているのです。


これはどんな仕事でも妥当すると思います。


どんな仕事でも、同じことを数年もやっていれば、ミスもなくなり、安定した成果を上げることができ、会社の業績にも貢献できるようになります。

でもその実、本人にとって成長できる機会、学びの要素は漸減していきます。


だからいつか、「仕事はできるようになったが、どこかつまらない」と思う時期がやってきます。

それは、目の前の仕事が、「現在の自分の能力でできる範囲内の仕事」ばかりになっているからです。

一見するとよいことのように思えます。

でもこれは人間にとって「見えないぬるま湯」なんです。


僕にとっての「筆」はあるだろうか…そう考えさせられました。  
Posted by atokatok at 01:26TrackBack(0)電子徒然草

2009年09月17日

神戸はいい/一眼レフのレンズ

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従姉妹の結婚式が神戸であり、写真を乱写して参りました。

***

結婚式は六甲アイランドにあるホテルの、神戸港と六甲山脈を見渡せる中庭風テラス?で行われたのですが、しみじみと神戸の美しさを感じました。

横浜と神戸はよく似ていると指摘されますが、大きく異なる点もあると思います。

ともに古くからの港で異文化が息づいている、山の手に高級住宅街がある…というような点は似ていますが、地形が大きく異なります。

横浜の海岸線は東から西に向かってえぐられたような湾の形になっていますが、神戸の海岸線はほぼ東西にまっすぐ、そしてその海岸線に沿って六甲山脈がせり出し、山腹に住宅街が貼りついてる…。

この「東西に細長い」という地形が、山側から見たときに海面が南からの順光を受けてキラキラと光る光景や、逆に海側から見たときにある種のパノラマ的な開放感を生み出しているように感じます。

***

会場つきのカメラマンさんは記録係の役割も兼ねていると思いますので、家族友人等の参列者の様子なども撮っているのですが、僕は新郎新婦の表情にフォーカスです。

外付けストロボ無しにしては、なかなか健闘したかと…。

このとき使ったのは、

APS-Cサイズ専用 18-105mm F3.5-5.6 手ブレ補正機構付き
 (広角から中望遠までの5.8倍ズームですね)

フルサイズ・APS-Cサイズ兼用 35mm F2.0
 (肉眼で見たイメージに近い画角。大口径で背景をぼかしやすい)

の二本です。ともにオートフォーカス対応。

結婚式は撮影タイミングがかなり限られるであろうと予測し、マニュアルレンズは使いませんでした。

18-105mm のほうは、主に教会でやや遠巻きで撮るのに、35mmのほうは主に披露宴会場で新郎新婦が僕のテーブルに近づいたとき、あるいは僕のほうから近寄ったときにアオリ気味で撮るのに使いました。

披露宴会場で、内蔵ストロボのみで光量が足りるか…?と思ったのですが、F2.0の大口径が役立ってくれました。

またよく考えれば披露宴では新郎新婦には常にライトが当たっているので、F2.0くらいあれば特に不足は感じませんでした。

目にキャッチライトを入れたいとか、細かなことを言えばキリがありませんけど…。


今回少し思ったのが、やはり「人物の表情わわかるくらい人物メイン」で撮ろうとすると、50-100mmくらいの画角で、F2.8は欲しい。

18-105mm F3.5-5.6のレンズは、画角はいいとして、背景のボケに限界があります。

ただし18mmの広角側は、風景や会場全体の様子を撮るのに最適。ぼかす必要はないのでF値もそんなに明るくなくていいし。

…と考えると、広角はコンパクトデジカメでカバーして、人物は一眼レフで追う…というのが合理的な体制かもしれない。

(正直なところ、昼間の屋外で広角で風景を撮る際、一眼レフである必要性をそんなに感じません。)

実際、プロカメラマンは結婚式で一眼レフを例外なく二台ぶら下げていますが、素人の僕には非現実的です。かといって、いちいちレンズ交換しているとシャッターチャンスを逃しますし、レンズ落下やホコリ混入のリスクも増える…ということで。

そんな反省を踏まえて、28-75mm F2.8のレンズを中古で手に入れました。僕のニコンD90はセンサーがAPS-Cサイズなので、実際は42-112mmになり、ポートレートに最適な50mm付近と、ちょっとした中望遠の110mmまでカバーできる。

しかもマクロなので30cmくらいまで寄って撮影もできて、ブツ撮りもOK。


ということで、コンパクトデジカメ + D90 28-75mm F2.8 のセットは、かなり身軽でいいかも…。来月の八重山旅行はこのセットで行こうかしら。

仮にもう一本携行するとしたら、300mmくらいの望遠ですかね。でも重そうだし、1230万画素であれば多少トリミングして望遠の代わりにすることもできるかな。


…デジタル一眼レフカメラは水彩画や油絵を描くことに似ていると思うのですが、人間の目の画角は一定なので、レンズを選ぶことで絵の印象を決める…という楽しさは一眼レフ独特のものですね。  
Posted by atokatok at 17:56TrackBack(0)カメラ

2009年09月04日

"Ticket to Ride"PVに日本語が

資生堂のUNO FOG BARは、モッズヘアっぽいヘアスタイルを作るための商品だからか、TV-CFの舞台がロンドンで、クサメン4(草食系イケメン四天王)の衣装もビートルズっぽいです。

そういえば使われている楽曲のリズムも、ビートルズの"Ticket to Ride"(涙の乗車券)のサビの部分に少し似ています。

そう思って、YoutubeでビートルズのPVを観てみました。


すると、冒頭がいきなり「日本語で書かれた何か」のアップで始まるのです。




英語に混じって、

「プレイガイド」
「都電銀座二丁目の…」

と手書きで書き付けてあります。

なんだろうと思って目を凝らしてみると、どうやら丸の内の老舗ホテル「パレスホテル」が、外国人観光客のために、行き先を書いてタクシーの運転手さんに渡す紙(タクシーチケットのようなもの?)です。

画面に映っている電話番号などから判断しても、間違いありません。

まさに ticket to ride ですね。


どうやら昭和41年(1966年)の日本公演時にパレスホテルに宿泊していたようです。

本人達だけでタクシーに乗ることはなかったでしょうから、スタッフが大事にとっておいたのでしょうか。


ただ調べてみると、この曲が発売されたのは1965年で、日本公演よりも前なんですよね…。

PVは後から作られたのでしょうか?


ちなみに現在パレスホテルは、全館建て替えのため休業中です。

***



夏の京都・夕暮れ時の祇園・花見小路にて  
Posted by atokatok at 17:16TrackBack(0)電子徒然草

2009年09月03日

草食系イケメン四天王

久しぶりに興味深い広告キャンペーンがありました。

資生堂「UNO FOG BAR」。

妻夫木・小栗・瑛太・三浦の当代屈指・草食系イケメン四天王を起用した、力の入ったキャンペーンです。

草食系イケメン、略してクサメン(草メン)と呼ばせていただきましょう。


いや、そういうキャスティングは置いておくとして、キャッチコピーの中に

「さよならWAX」

というのがありました。

これが面白いなと思いました。

iPod登場当時のコピー「Good-by MD」を思い出しましたが、そのときと全く違うのは、資生堂はまだワックスを、UNOブランドの中に持っているというところなんです。


つまり、思いきりカニバリゼーション(自社商品内での共食い状態)のリスクを含んでいる戦略をたてている、ということなんです。(少なくともそのように見える。)


そういえば男性用ワックスのトップブランドは、マンダムのGATSBYです。

広告に起用しているのは、どちらかというと肉食系の香りがする木村拓哉です。肉食系イケメン、つまりニクメンです。


男性用整髪料の売り場スペースというのは、女性用のそれに比べて圧倒的に小さいのは周知の通りです。

そうすると、同じようなワックス商品で、GATSBYとUNOを両方、フルインナップで並べられる売り場は決して多くないと思います。

しかも昨今のWAXは劇的に多品種化しており、GATSBYの「ムービングラバー」シリーズは、7種類、UNO「ファイバーネオ」シリーズは8種類もあります。


この2ブランドを全部並べるには、常時、棚に15列の空きが必要です。さらに旅行用のような小さな容量の物も、同じ数だけ発売されています。なかなか難しいと思います。


もともとは「無造作ヘア」のためのワックスに、果たしてこんなにも種類が必要なのでしょうか?

かくいう僕は、いつもGATSBYムービングラバーのピンクのヤツ「スパイキーエッジ」を使っています。

たとえばある日、近所のヨーカードーで晩御飯の食材を買うついでに「スパイキーエッジ」を買いに行って、売り場が全部別ブランドのワックスに変わっていたら、激高してしまうでしょう。(大人気ないですね…)


やはりこういう種類の商品は、「常に近所の店の店頭にあることが重要」、つまり無くなったらいつでも手に入る状態にあることが大事なので、2位以下のブランドは、なかなか安定的なセールスが得にくいのではないでしょうか。

資生堂もお笑い芸人を大量に起用したり、オーランド・ブルームを起用したり、色々試みるのですが、なかなかトップシェアを安定的に確保できません。


…ということを考えると、資生堂としては、自社のワックスブランドを、有る意味「見捨てる」ことをして、そこに投下していたリソースの多くを「霧状整髪料」という新しい市場に移し、そこでの成長を狙う、というふうに考えたとしてもそんなに不思議ではないと思います。


ただ、こういう決断、つまり「いままでそこそこ売れていた自社ブランドを切ってでも、あたらしい市場創造に賭ける」というのは、なかなか勇気のいる決心だと思います。


クサメン四天王でロンドンロケ…そこに投じられたお金の大きさを想像すると、不退転の決心みたいなものが伝わってくるような気がします。



真夏の京都・鞍馬寺にて。  

2009年08月27日

流れ流され八丈島

週末、強行軍で八丈島に行ってました。

ダイビングも少し。今回で99本になったので、次100本。石垣島かな…。


街路樹がよく整備された、綺麗な道路です。八重山だともっと荒々しいですね…。




夜光ダケ。とても明るいです。三脚なしでも撮れました。




地面にカメラを置いて、リモコンを使ってシャッターを1分ほど開けたもの。肉眼でも見えてたのですが、天の川がハッキリと!



***

会社に新型インフル感染者が増えてきました。一緒に仕事をしている20代半ばの後輩がダウン。検査の結果陽性…。


心なしか身体がだるい、熱っぽい…と疑心暗鬼になってしまいますね。



天候は8月にしては涼しく、冷房を切って窓を開けて寝ると、隣家の森から鈴虫の声がよく聞こえる季節になりました。

  
Posted by atokatok at 20:39TrackBack(0)カメラ

2009年08月20日

舞妓はーん!

帰省の道すがら、京都をそぞろ歩きしました。

京都駅のイベントスペースで、舞妓はんが可憐に舞っておいでやした。




ところで祇園の花見小路は、舞妓はん待ちの外国人観光客が多いどすが、お茶屋さんに向いはる舞妓はんを発見しはったとき、パパラッチみたいに舞妓はんを追い回して撮りまくるのは、難儀なもんどすなあ。  
Posted by atokatok at 00:09TrackBack(0)カメラ

2009年08月13日

京都・偶然・カメラマン

雑誌の撮影現場でのこと。


カメラマンのKさんと名刺交換すると、

「どこかでお会いしたことありましたっけ…?」と言われる。

その方はファーストネームをカタカナ標記されていて、印象的なお名前だったので、「いや、こんなユニークなお名前の方は忘れないと思うのですが…」と答える。

お互いどことなく気まずい空気の中、僕は廊下に出てセッティング待ち。


アシスタントの女性・Tさんと世間話をする。

アシスタントをされている経緯などうかがうと、TさんはカメラマンKさんと同じ大学のカメラクラブ出身で、卒業してから長らく会っていなかったのが、東京の撮影現場で偶然再会して、それ以来アシスタントをちょこちょこされているとのこと。

大学はどちらで?と聞くと…えっ?僕と同じ大学ではないですか!

聞けばその女性は97年入学で、先輩であるカメラマンは94年入学、僕は96年入学…。


学生時代、確実にすれ違っている!



そしてカメラクラブの部室は、僕が部長を勤めた美術部と同じフロアにあったのだ。

絶対に廊下で遭遇しているではないか!


そしてカメラマンKさん、文学部社会学科社会学専攻…って、僕と完全に同じではないですか!


いや…すごい偶然ですね…。

Kさんの最初の一言、いったいどこで僕の顔を覚えていたのだろう。

いや、単に人違いしただけなのかもしれないですけど…かなりアドレナリンが出ました。


その後、デザイナーのUさんも交えて話していると、やはり90年代後半の学生時代、京都の一乗寺に住んでいたとのこと!(さすがに大学は違ったが…)


その日はひとしきり京都談義で盛り上がりましたとさ。

***

そういえば、春に京都の蹴上インクラインをカメラを持って散策中、仕事中の別のカメラマンHさん(僕にカメラを勧めてくれた張本人)とばったり遭遇して仰天ということがあった。

何か、カメラマンの方とは偶然が多い今日この頃…。


これはそのときに撮っていた写真。



  
Posted by atokatok at 19:18TrackBack(0)電子徒然草

2009年08月12日

もうすぐ終戦記念日ということで

月曜早朝は豪雨の雨音でたたき起こされ、火曜早朝は地震でたたき起こされる・・・そんな週のスタートで少々疲れました。

***

最近、自宅PCの無線LANも調子が不安定。電波は十分来ているはずなのにネットに接続できないということが頻発。

iPod touchの無線LANでも全く同じことが起きていたので、色々試したあげく、これは近所の無線LANが干渉してるのかも・・・と推察して、親機のチャンネルを変えたらすんなり直りました。

人口密度の高い東京のこと、こういうことの頻発は予想できるでしょうから、前もって対策をしておいていただきたいもんです!

***

たまたまNHKを見ていたら、興味深い特集がありました。

太平洋戦争時、皇室と結びついてもっとも日本海軍の中でもっとも権力をもっていたということがわかってきた「軍令部」にフォーカスをあてた、NHKスペシャル。

敗戦後、軍令部の幹部だった軍人たちが同じ過ちを二度と繰り返さぬようにと、密かに集まって続けていた「反省会」の、400時間にもおよぶ録音テープをもとに構成した番組。


東条英機を中心に陸軍が暴走した・・・という通説とは違った太平洋戦争史が見えてくる。

歴史というのはひとつではない。物事すべてには、色々な面があるんだということを改めて思いますね。

***

サイパン滞在時も天気がころころ変わっていたのですが、地上編の写真です。







ピナ・コラーダを繊細な手つきで作ってくれた、プールサイドバーのバーテンダーです。

それにしてもこんな南の島をかつて日本が占領していたかと思うと、本当に不思議な感覚に襲われます。

***

裁判員制度による公判がはじまったことで色々な報道がされているんですが、ある裁判では弁護側の弁護士が、メモももたず、資料も示さず、裁判員の方を向いて「まず私の話を聞いてください」という言葉からスタートし、身振り手振りで弁護を行ったとか。

この制度のスタートに際し検察側も弁護側も、言ってみれば「ずぶの素人」の裁判員に対し、いかにわかりやすい主張をするかということに留意しているようですが、弁護人のキャラクターも、「アリー・マイラブ」に登場するような感じになっていくのでしょうか。

二審では裁判員は参加できないなどアメリカとの違い点も多々あるということですが、弁護士の社会的イメージがどう変わっていくのか、なかなか興味深いです。  
Posted by atokatok at 02:15TrackBack(0)電子徒然草

2009年07月21日

サイパンの洞窟を潜る

連休を使ってサイパンでダイビングしてきました。

深夜出国、早朝帰国のやや強行軍でしたが、1年半前の正月に行ったときには潜れなかったポイント「グロット」にも潜れて、なかなか楽しかったです。







↑これはグロットで撮ったものです。今回のベストショットかと思います。

真ん中に写っているのは、素潜りしていたどこかの人です。

こういうのは狙って撮れるものではなく、たまたま後を振り返ったときに、光の中にこの人が潜水してきたので、ハッとしてシャッターを切ったわけです。

少し右下にダイバーが数人写っていますが、もう少し中央よりだと画面がごちゃごちゃしてしまった、普通の写真になっていたでしょう。




↑これはサイパン島からボートをとばして1時間、テニアン島のポイント「テニアングロット」です。

異世界へ通じるトンネルのようです。






↑グロットの外洋側で出会った、アオミガメです。逃げると思ったら真上を通ってくれてびっくりしました。



洞窟の中も、潮通しがよいと立派なイソバナが咲くようです。

***

少し前にロス疑惑の三浦和義氏が逮捕されて話題になったサイパン。

そのときはマスコミが大挙して来島し、ホテルを使い、タクシーに乗り、サイパン観光業が一時的に潤うということが起きたそうです。

そんなサイパンも、この連休はそれほど人出が多くないようでした。

折しも今朝のニュースで、20代の海外旅行客がこの10年で4割減少しているとのJTBの調査結果が紹介されていましたが、サイパンの多くの観光施設はバブル期に日本の若者が大挙して来島していた状況に合わせて構造化されており、今のような時代では明らかにtoo muchなものとなっています。

また今後はイミグレーションの法律も厳しくなり、ビザ取得を条件とするなど、外国人移住者の数を抑制する方向に向かうようです。

合衆国政府はサイパンを観光の島として発展させてゆくつもりはなく、日本の自衛隊のグアム移転等も見据えて、極東に対する軍事拠点としての役割を強めて行くように見えます。


太平洋戦争中に激戦区となったサイパンは、戦後「日本から最も近い常夏の島」としてとして大いに発展しましたが、21世紀は再び、軍隊の島となるのでしょうか。



サイパン島やテニアン島の海底には今でも、太平洋戦争時の軍事車両や戦闘機などが沈み、人気のダイビングポイントとなっています。  
Posted by atokatok at 23:32TrackBack(0)ダイビング

2009年07月07日

幕末と2009年


最近、昔のことが気になります。

具体的に言うと、今の僕たちの社会の基礎を形作っている「戦後」と、その契機となった太平洋戦争です。

そして、日本の近代社会の始まりである明治。

幕末に国禁を犯してアメリカに密航し、明治になって帰国した後に京都に同志社大学を作った新島襄の手記を読んでいるのですが、何か時代の空気や、新島の情熱が、今と少し似ている。

密航は、失敗して捕らえられれば打ち首という時代、命を賭けてアメリカに渡った新島を突き動かしていたのは、「もうイヤだ。日本を逃げ出したい」というような「脱国してアメリカに住んでやる願望」では全然なく、国を愛するが故に「このままの日本ではいけない」という気持ち、アメリカから新しい価値観や発想を持ち帰り、日本の未来のために尽くしたい、という使命感にも似た強い執念だった。

「100年に一度の不景気」と言われる2009年ですが、現代の日本にも、この不景気を極めてポジティブに捉え、「今までのやり方ではいけない」「これを機に、日本はよりよく変われるはずだ」と信じ、行動している人たちが少なからずいます。

新島の手記を読んでいて、幕末と2009年は、機運として少し似ているところがあるなと思いました。


ただ決定的に違うのは、新島が命を賭して日本に導入しようとしていたその当のもの、つまり「近代」を、逆に僕たちは乗り越えなければならない局面にいるということだと思います。

***








西表島の南西にあるポイント「鹿の川」で会ったマンタです。

透明度もよく、カレントもなく、人も少なく、すごくいいダイビングでした。
  
Posted by atokatok at 00:00TrackBack(0)電子徒然草

2009年06月17日

来るのか東京オリンピック

今日あたりスイスで石原東京都知事がIOCに、東京オリンピックのプレゼンをしているかと思います。


先般のIOCによる東京視察と前後して、東京のみならず全国の主要都市の街中で、東京オリンピックの広告を目にするようになりました。

実際のところ、候補都市の中ではかなり有力な位置につけていると聞きますが、唯一の弱点が「住民の支持率が低い」ということでした。


開催が決定してもいないのに街中に広告を掲出するというのは、「気分を盛り上げる」という狙いもあるのかもしれません。

僕などはある日電車の中吊り広告で

、「来ますよ。21世紀の東京オリンピック。」

というキャッチコピーを目にして、思わず「あれもう決まったの?」と思ってしまいました。

この表現って、事実関係の観点では「ギリギリアウト」な感じもしますが・・・(笑)。


でもまあ、ノリを作るというのは大事なことではありますよねと思います。


それはそれとして、その中吊り広告のボディコピーには、

「気配り、おもてなし、もったいない、安全世界一」

といった言葉が書かれていました。

要は、そういった価値を世界に胸を張って示そうではないか、ということです。


でも、ちょっと待てよ。

僕は東京に丸7年住んでいますが、

「気配り、おもてなし、もったいない、安全世界一」

が東京のよさだと感じたことはない。

むしろ日本には、東京より気配りのある社会で、おもてなしの精神が深く根付いており、モノを大量に浪費することをよしとせず、綺麗で安心できる都市、というのがいくらでもあると思います。


では東京ならではのよさと何か、というのは、東京オリンピック招致委員会のWEBサイトにちゃんと書いてあるのですが(明治神宮のような巨大な森を僅か80年で作り上げたことなど)、こういう広告の場には、それが全面に出てこない。

東京にとって難しいのは、世界から見た、わかりやすいな「日本」のよさというのは、往々にして東京の中には無いか、あってもあまり感じられない、ということだと思います。

逆から言えば、世界の人が求めるのは、しばしば「京都」的なものなのだと思います。



2016年の東京オリンピックが決まれば、世界中の人々が東京に来てくれます。それはそれで嬉しいですよね。

その一方で、そのとき東京が、いかなる「東京ならではのよさ」を、世界に伝えられるか、そこに東京オリンピックを実現する意義のひとつがあると思います。


東京の景観を台無しにしたのは1964年の東京オリンピックだと言われていますが、それとは逆の結果をもたらしてくれる、よいきっかけになればいいなと思います。


というわけで、ステレオタイプな日本の写真です。



2009年4月 京都・銀閣寺周辺にて  

2009年06月12日

青い珊瑚礁

やっと村上春樹の新刊を買えました。おもむろに読み始めてます。がるる。

***

来週、四本の記事を企画・執筆した最新号の雑誌が書店に並びます。

ご存じの方はご感想などいただけますと幸いです。

***

写真の保存用に、1テラバイトの外付けHDDを調達しました。


GWの八重山旅行で撮った写真は、一眼レフのほうで500〜600枚、ダイビング用のコンパクトデジカメのほうで300〜400枚。

ミスショットや連写の余分なカットを削除しても10GB近くあるのではと思います。


これをDVDに保存しようとすると、3枚に分けなければなりません。

かつ、書き込みに一晩を要します。


ブルーレイも書き込み速度については同様の問題を抱えるでしょうから、思い切って外付けHDDを導入したわけです。


「そんな大量の写真、何に使うの?」と思われるかも知れませんが、特に何にも使いません。


でも何故か、電子の藻屑にしてしまうには、気が引けてしまうんですよ。

***

西表島、石垣島の珊瑚です。めちゃくちゃ綺麗です。


透明度も高くて、魚眼レンズで珊瑚を撮るのには絶好です。




















太陽の光が珊瑚に降り注いでます。思わずシャッターを押すのをさすれるほどです。(ま押してるんですけど)

この光景を目の前にして、八重山にリピートしない人がいますか!?



  
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2009年05月29日

鳩間の港

【鳩間の港】



昼間の鳩間島です。

中央に見えるのが、春に完成したという浮き桟橋。

人口100人に満たない島に大金を投じて作られたわけで、賛否両論はあるのでしょうが、確かに船の乗り降りはラク人になるわけです。特に荷物が。


ちなみにこの写真は、西表島でダイビングをしている際に昼休みに立ち寄ったときに撮影したもの。

TAKEダイビングスクールさんの二階建てボートの二階から撮っています。


通常の連絡船では、船の上や先端に出ることが出来ないため、撮れそうで撮れない、鳩間島の姿です。


それにしてもこの港は本当に綺麗で、桟橋から、海の底がハッキリ見えます。


【鳩間島のヤギ】



鳩間島には野生のヤギがたくさんいます。これは野生ではなく、食堂の「ゆきさんち」で飼ってらっしゃるヤギです。

「誰?」って感じでこっちを見てます。


【散策】



港に向かってなだらかな坂になっている道です。向こうに見えるのは西表島。

135mmの中望遠レンズで撮っているので、西表が少し近く見えます。


【大潮】



ビーチに出るとこんな感じ。

在島中は大潮で、潮が引きまくっており、尋常ではない遠浅になっています。歩いて西表島まで渡れそうです。行けないけど。


【星砂】



海の砂はすべて星砂です。仰天です。


【別れ】



鳩間名物、港での見送りです。


鳩間島出身の唄者・加治工勇さん作詞の「鳩間の港」という素晴らしい曲があります。

陽気なリズムの中に、少しほろりとさせるメロディーです。


船は行く行く 鳩間の港

手を振り 涙ほろり落ち

またの会う日を楽しみに

さようなら さようなら

手を振れば

船は行く行く 鳩間の港



港の目と鼻の先に集落があるので、宿の人や同宿客が見送りに来てくれます。

同じ小さな離島でも、竹富島や波照間島では、ちょっとないですね。

  
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2009年05月18日

八重山蛍と夜の鳩間島

4月30日に通常出勤し、5月1日は大阪の大学で講義、5月3日に自転車でちょこっとだけ休日出勤し、5月4日から八重山旅行に出発。

西表島⇒石垣島⇒鳩間島をめぐる旅で、ノートパソコンとケータイで仕事をしつつ、ダイビング、バーベキュー、三線でゆんたく…等遊び呆ける。

5月14日に東京に帰ってきて、翌日は再び大阪で講義。


今日半月ぶりに出社したら、標準語が下手になっていました。

そしてPCに向かって仕事をすると、半日もすると頭痛がしてきました…。


地上、水中で大量に写真を撮りましたが、まずは夜の写真から。

石垣島で見た、八重山蛍。



夜の鳩間の港。



同じく鳩間島の夜。明かりが少ないので、月が昇る前は満天の星空です。



月が昇り始めて、再び港に行ってみると…



ため息が出る光景でした。
  
Posted by atokatok at 17:52TrackBack(0)沖縄