あつ花blog

「あつまれ!花粉症の仲間たち」を始めてから15年がすぎました。なかば隠居状態で、あまり激しく更新したりはしませんが、今後もよろしくお願いします。

★ お 知 ら せ ★

●NEW 2016年9月7日:
オオブタクサの花穂が伸びたので、花粉の飛散も間近です。地域によってはすでに飛んでるでしょう。ヨモギもつぼみができてます。秋の花粉症シーズンの準備をしてください。これら雑草の花粉はそう遠くまでは飛ばないので、近づかないのがいちばんの対策です(その他の対策はスギなどと同じです)。

●2015年4月8日:
舌下減感作の治療が受けられる医療施設の検索システムが稼動し始めました。
http://blog.livedoor.jp/atu_ka/archives/43534139.html

●使ってみたい薬が近くで売ってない場合は、こちらがお勧めです。
・知ってますか、アレグラFXとかの1類の薬をネットで注文してお店で受け取れるサービス
 http://blog.livedoor.jp/atu_ka/archives/34665321.html

見てきました。
16年8月29日現在のようすです。
全部じゃないですけど、気の早いものは穂を伸ばしています。

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この時点では、まだ花粉を飛ばしたりはしてないみたい。

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だけども、もう時間の問題だろうし、東京周辺よりも涼しい地方では開花してるんじゃないでしょうか。

これはオオブタクサなんだけども、ふつーのブタクサってのがうちのほうにはなくて、もっと郊外に行かないと見られないです。
なので、ブタクサのようすがどうなのかってのはわからないです(似たようなものだと思いますが)。

いずれにしろ、ブタヨモとかの、秋の花粉症を持ってる人は、そろそろです。
本格シーズンはまだ先でしょうが。
いっぱいあるオオブタクサのうち、そうだなぁ……見た目で3分の2ぐらいは、まだ穂が出始めた程度なんで。

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これを観察してたら、ヘンなオオブタクサがあった。
穂の形が違う。

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左のがふつーのやつだけども、違うのがわかると思う。

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病気なのか、それともなんらかの変異種なのかわからないけど、初めて見た。
葉っぱの切れ込みがないやつとかはあるらしいけど。



ところで、このオオブタクサはクワモドキといわれたりもします。
クワというのは、カイコのエサにする桑という木のことなんだけども、葉っぱが似てるからですね。
これがクワの木の葉っぱ。

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まあ、違うといえば違うんだけれども、似てるといえば似てるよね(笑)。
クワの木の葉っぱもいろいろで、切れ込みがないのもあるんだけど。

あと、でかくなるんですわ。
3メートルぐらいになったりするんで、そこも木みたいだよね。
だから、クワモドキっていわれるんだと思います。

クワの木はでかくなるんだけども、ヒトが育てるクワってのはカイコのエサだから、手が届く高さに切られちゃうわけです。
せいぜい2メートルぐらい。
その高さだと思えば、たしかにクワモドキと呼びたくなりますね。
いまは養蚕なんてほとんど行われなくなってるけど。



なお、ヨモギもつぼみがついてました。

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開花はもっと後でしょうけど、まあ、心の準備だけはしておいてください。

ただ、早いものは早いと思うので、すでに花粉が飛んでることもあると思います。
東京都の観測でも、場所によってはブタクサもヨモギも飛んでます。
その、東京の花粉観測のページはこちらです。

http://www.tokyo-eiken.go.jp/kj_kankyo/kafun/natu_aki/h28-souhon/


こういった草の花粉は、飛散する距離が短いですので、この観測結果をあなたの住んでるところに当てはめることはできません。
東京で飛んでるなら、うちのほうも飛んでるかもしれないなあとか、あくまでも参考程度にしてください。


飛散する時間は、だいたい朝から昼にかけてです。
なので、朝の散歩とかジョギングとかは、こういった雑草のないところを選んだほうがいいと思います。
一般的には、数百メートル離れればほとんど飛んでこないそうなので(風があったりすれば違うでしょうが)。
じゃなかったら、日が昇る前とか夜とか。

薬飲んだりする人もいるでしょうが、花粉症は花粉症なので、スギとかと同じです。
ブタヨモ花粉症用の薬とかはありません。

セルフケアとかの対策も同じです。
窓を開けないとか洗濯物を干さないとかマスクをするとか空気清浄機をかけるとかです。

疑わしい症状があって、けっこう長く続いたりひどかったりしたならば、耳鼻科に行きましょう。
ブタクサかと思ったら秋のイネ科だったなんてこともあるので、検査したかったらお願いしてみましょう。
まあ、花粉の種類が違うと対策が違うのか、薬が違うのかというと、そんなことはないんですが。


(フォレスト)


この花粉症ニュースのカテゴリの記事は、基本的にコピペです。
ニュースは一定期間が経過すると失われるのが普通なので、患者にとって参考になる(であろう)情報をアーカイブしてると思ってください。

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【AFP=時事】気候変動と侵襲性の強いブタクサの繁殖により、欧米における季節性のアレルギー患者が急増する恐れがあるとする研究結果が25日、発表された。

 米医学誌エンバイロメンタル・ヘルス・パースペクティブス(Environmental Health Perspectives)に掲載された研究論文によると、欧州では今世紀半ばまでに、花粉症の人が現在の3300万人から約7700万人に倍増するとみられるという。

 英イーストアングリア大学(University of East Anglia)の研究者らによる論文はさらに、アレルゲンを原因とする喘息やかゆみ、目の炎症などを訴える人の数が増えるだけでなく、その症状自体もより重くなるだろうと述べている。

 影響が強まる原因は、ブタクサのさらなる密生と欧州の広い地域で花粉症のシーズンが9~10月に長期化するため。現在、フランスやドイツ、ポーランドなどへの影響は比較的小さいが、今後数十年でこれらの国での被害が最も大きくなることが予想される。

 主な要因は気候変動だが、ブタクサ(学名:Ambrosia artemisiifolia)として一般に知られる侵襲性の強い植物の分布拡大も重要な要因だ。ブタクサ1株から作られる花粉の数は年間約10億粒に上り、その時期は8月に集中しているという。

 世界保健機関(WHO)の推定では、世界の約4億人がアレルギー性鼻炎に、また花粉が引き起こす喘息に約3億人が悩まされているという。

 こうした状況による経済的負担は、欧米それぞれで数百億ドル(またはユーロ)規模と算出されている。【翻訳編集】 AFPBB News

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160826-00000027-jij_afp-int

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今後増えるということは以前から言われていることなので、このこと自体は目新しいことじゃないです。
ですが、こういった研究がまた出たということは、それがより確からしくなったという意味があります。
違う人が違う研究をして、同じ結果が出たということは、誰が考えてもそうなるだろう、ということですから。

ここにも出てるように、主にヨーロッパ方面で劇的に増えると予想されているみたいです。
日本もそうですが、ヨーロッパにとっては、アメリカからやってきたブタクサは移入種です。
いままでなかった(少なかった)ものです。

それがかなり広まっているそうで、それに加えて、温暖化によってシーズンが長くなるってことが原因ですね。
このことは、あちらではすでにけっこう報道されています。


日本ではどうなんでしょうね。
少なくとも、うちのほうでは、ブタクサよりもオオブタクサのほうがものすごく多いんですが(ただし、この記事ではブタクサもオオブタクサも区別してない可能性があります)。
でも、少なくとも都会地では、もう増える余地はないと思います。
もう草が生える場所なんてないから。

いまでもそうでしょうけど、田んぼや畑がつぶされてできた、そこそこ緑の多い郊外の新興住宅地なんかで問題になるかもね。
こういった雑草の花粉症は。
とくにヨモギはそれほど大きくならないので、わりとどこにでもあります。
秋の花粉症というとブタクサブタクサいわれますけど、けっこうヨモギも多いと思います、たぶん。


スギのほうは、あと数十年はゆるやかに増えると予想されてます。
いわゆる激増の時代は、もう過ぎてます。
スギより後に植えられたヒノキのほうが、もっと問題が大きくなってくるでしょう。
ただ、雪に弱いんで、東北とかにはほとんどないです。
関東以西で大きな問題になるかもしれません。

つか、問題にしてくれないと困ります。
減感作の薬とか、ヒノキはまったく無視されてるし。


(フォレスト)


花粉症を引き起こす隠された支援物質
花粉にふくまれる非アレルギー性​​物質が免疫応答を高めてしまう


 現在のところ、花粉症(花粉アレルギー)についての研究は、主にそのアレルゲンに焦点をあてています。しかし、花粉というのは、アレルゲンだけがふくまれているものではありません。ミュンヘン工科大学(TUM)とヘルムホルツ協会の研究者によるチームは、こうしたアレルゲン以外の物質の、アレルギー患者に対する影響を調べました。
 この予備的な研究において、花粉にふくまれるアレルゲン以外の非アレルギー物質の成分が、患者の反応に大きな影響を持っていることがわかりました。この研究の結果は、アレルギーを治療する現在の方法を再考しなくてはいけないということを示唆しているのかもしれません。


 4月と5月には、シラカバ花粉症によって、多くの人が生活に支障を受けます。この花粉症は、シラカバ花粉にふくまれるBet v 1と呼ばれるたんぱく質に、身体の防御機構である免疫が過剰反応をしてしまうことによって起きます(注:Betというのは、シラカバの学名Betula platyphyllaからきていますが、正確にいえば、日本でいうシラカバと、こうしたヨーロッパ方面でいうシラカバとは違うようです。そちらのはヨーロッパダケカンバBetula pubescensらしいです。バーチと呼ばれることも多いですが、これはカバノキの仲間一般のことを指します)。
 しかし、このアレルゲンは、彼らの関心の焦点ではありません。彼らが調べようとしているのは、もっと低分子の物質です。そのため、花粉の抽出物から、こうした低分子物質が残留するように、それをフィルタリングしました。

 研究では、アレルゲンとさまざまな低分子物質の組み合わせについて、花粉症患者の皮膚を用いたプリックテストによって確認しました。また、患者の鼻に直接投与するという抗原誘発テストも行いました(注:プリックテストというのは、皮下にわずかなアレルゲンを注射して反応をみるもので、皮内テストといわれます。抗原誘発テストというのは、エキスをふくませた小さな紙片を鼻粘膜にくっつけて反応をみる試験方法です。ただ、原文ではinhalationすなわち吸入と出ていたりする部分もあるので、実際には少し違うのかもしれません。しかし、いずれにしろ、実際に「症状を起こさせる」という試験には変わりありません)。

 その結果は明白でした。皮膚プリックテストと抗原誘発テストのどちらにおいても、その反応は、低分子物質がアレルゲンといっしょに投与された場合のほうが、はるかに激しいものでした。アレルゲンと低分子物質の両方を皮下に注射された患者の皮膚には、非常に顕著な発赤や腫れが発生しました。鼻に投与した場合は、鼻粘膜からの粘液産生が著しく、彼らの免疫系は多くの抗体を産生しました。しかし、低分子物質のみによる影響はありませんでした。


この反応はシラカバ花粉に限定されるものではありません

 研究者は、シラカバ花粉に対する反応というのがアレルゲンであるBet v 1だけによるものではないことに気づきました。そして、イネ科の草の花粉症に関しても同様な試験を行ってみたところ、やはり同じ結果が得られました。すなわち、他の植物の花粉でも、こうしたことはおこり得るということです。
 「低分子物質の炎症効果はシラカバ固有のものではなく、とくになんらかの花粉の場合におこるというものではありません」TUMの研究者Claudia Traidl-Hoffmann氏は説明します。

 シラカバ花粉の抽出物には、1000種類もの低分子物質がふくまれています。研究者は、以前に行われた研究によって、こうしたアレルギー反応を高めてしまういくつかの物質を識別することができます――たとえばアデノシンやある種の脂肪酸など。しかし、こうした物質がアレルギー反応においてどのように働くのかは理解されていないということは事実です。物質どうしの相互作用なども発生するでしょうし、いずれにしろ、これらはアレルギー反応において重要な役割をはたしているようです。
 「人間という生物は複雑なシステムです。私たちは、アレルギーの原因がたったひとつの物質にあると特定することは期待できないと考えます」とTraidl-Hoffmann氏は言います。


免疫療法(減感作療法)への悪影響

 花粉症において、非アレルギー物質が大きな影響を与えるという知見は、アレルギーの治療にたいへん大きな影響を与える可能性があります。現在行われている特異的免疫療法において、医師は花粉のすべてのコンポーネントをふくむ液状の抽出物(エキス)を投与します。これは、この研究において見出された低分子物質などの成分も投与されているということです。
 「現在の免疫療法の有効率は60から70パーセントにすぎません」Traidl-Hoffmann氏は指摘します。この理由のひとつに、非アレルギー物質の存在があるかもしれません。それが治療にマイナスの影響を与えている可能性があります。
 だとしたら、より有効な方法として、それらの非アレルギー物質をふくまない、バイオテクノロジーによって作成される組み換えたんぱく質を使うワクチン接種などが考えられます。これであれば、アレルゲンそのものの投与が可能になります。現時点では、ハチ毒に対する免疫療法のエキスとして、組み換えたんぱく質が開発されています。


https://www.sciencedaily.com/releases/2016/05/160512102624.htm

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これは科学系のサイトに出ている「Hay fever's hidden supporting substances」という記事を訳したものです。
オオモトの論文は「Pollen derived low molecular compounds enhance the human allergen specific immune response in vivo」というものらしいです。


うーむ、そーゆーことがあるのか。
私は未知のアレルゲンがあるんじゃないかと思っていたんですが。
でも、ここに出ているように、減感作には花粉のエキスを使うってことで……どっちにしろ、未知のアレルゲンがあったとしても、それも投与されてるわけですよね……と考えると、一瞬にして私の思いつきは否定されちゃう(笑)。

まあ、そのもの自体の「効果」はないけど、アレルゲンの「アレルギーを起こす」という力を強めるという意味で、アジュバントと言っていいのかな。
よくわからないけど。

それが症状を激しくしているし、減感作の有効率も下げているんじゃなかろうか、という……ホントかなと思うんですが、ホントなんだろうなぁ。
その影響をどれだけ受けるかという感受性の違いによって、患者の症状の程度も変わってくるよね、たぶん。


ここに出ているように、人工的に作ったアレルゲンを投与するという方法は、開発中だったり実用化目前だったりします。
DNAワクチンとか、ペプチド減感作とかいうものです。
有効率はどうかわからないですが、少なくとも、効果が出るのはものすごく早いらしいです。
従来の減感作だと3年とか5年とかですが、半年でおkとか(花粉症の場合は、効果を確認するには「来シーズン」にならないとだめなんで、事実上は1年近くと思っていいでしょうけど)。

でも、こーゆーのって、カネかかると思うんですよね(こーゆー薬が安くできるわけないんで)。
3年とか5年が1年に縮まると考えれば、多少費用がかかっても、総合的に考えれば安上がりだっていうような範囲におさまればいいんですが、ゾレアみたいに注射一発ン万円なんてものになると……うーむ。
そうなると、けっきょく保険適用しないとかなんとかになったりするし(なにせ花粉症患者は数が多いし、基本的に死ぬ病気じゃないからね)。


ま、そーゆーお話でした。


(フォレスト)

この花粉症ニュースのカテゴリの記事は、基本的にコピペです。
ニュースは一定期間が経過すると失われるのが普通なので、患者にとって参考になる(であろう)情報をアーカイブしてると思ってください。

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納豆で遅発性アレルギー なぜか多い海との接点

 伝統的な発酵食品の納豆は、食べて半日もたってから全身に症状が出る、珍しいアレルギーを起こすことがある。これを研究する横浜市立大の猪又直子准教授(皮膚科)は「数は少ないが症状は重い傾向がある。突然原因不明のアレルギー症状が出たら、納豆も疑って」と話している。

 猪又さんによると、納豆アレルギーの原因(アレルゲン)は「ポリグルタミン酸」(PGA)と呼ばれるネバネバの主成分であると分かっている。PGAは粘りやしっとり感を増すなどの有用な性質が注目され、食品や化粧品などにも添加されている。

 食物アレルギーは通常、食べて2時間以内に症状が出るが、納豆での発症は5~14時間後と遅発性だ。PGAは大きな分子で、腸内での分解に時間がかかるためらしい。

 症状は、呼吸困難やじんましんなど「アナフィラキシー」と呼ばれる全身性のものが多い。「夕食に取ると、深夜や早朝に症状が出ることになる。重い場合は危険」と猪又さんは注意を促す。対策は、納豆をはじめPGAを避けることだ。

 何らかのきっかけで体がPGAに過剰に反応するようになり、発症するわけだが、きっかけは完全には解明されていない。しかし猪又さんらは、なぜか患者に多い、海との接点に注目している。

 横浜市立大で詳しく分析できた患者17人のうち、14人(82%)はサーフィンやダイビングなど海のスポーツの愛好者。その上、患者の1人は中華クラゲを食べてアレルギーを起こした。クラゲの体内にもPGAがあることから、猪又さんは「海でクラゲに刺されたことが原因になった可能性は否定できない。ただ、現時点ではあくまで仮説」とし、さらに患者の調査を進めている。

http://www.47news.jp/smp/feature/medical/2016/05/post-1502.html

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ああ、ありましたねぇ、クラゲが原因なんじゃなかろうかっていう話。
こっちのアレルギーになると、こっちにも同じような物質がふくまれているから反応しちゃうっていう交差反応。

これ、納豆だから大豆、大豆のアレルギーじゃないかって疑ってしまいそうですが、この場合は、他の大豆食品には反応しないようです。

納豆を食べなければおkなのかというとそーでもなくてですね、この記事にも出ているように化粧品に配合されていたり食品添加物にもなってたりするんで、そーゆーものにも反応しちゃうかもしれません。
そーなってくるとかなりやっかいな話になってくるので、なんかやばそうな人はちゃんと検査を受けて、原因を知っておいたほうがいいと思います。
医薬品にも入ってたりするので、知っておかないとまずいです。


こちらに猪俣先生の話がまとまっているので、読んでおくといいと思います。
http://medical.radionikkei.jp/maruho_hifuka/maruho_hifuka_pdf/maruho_hifuka-150521.pdf


なお、この記事ではポリグルタミン酸ってなってますけど、正式にはポリガンマグルタミン酸です。


(フォレスト)

概要
 ここで説明することは、一部の人にしか起こらないために過小評価されている奇妙な現象です。それは、性的な妄想(エロい妄想)をいだくこと、またはオーガズムに反応するようにくしゃみが出るというものです。我々の調査によれば、それは予想していたよりもかなり一般的なことであるようです。
 本来は別々のものであるべき副交感神経系における刺激伝達が、そうでなくなっているというメカニズムが、こうした現象をふくむ、変わった原因で出るくしゃみのもとではないかと推測できます。


 著者の一人は、性的な考えをいだくと、自分では制御できないくしゃみの発作がおこるという中年の男性患者に出会いました。この現象は、彼がもっと若いときからあったようです。発作のときには、なんらかの鼻に感じる刺激などはなく、いきなりくしゃみが出るといいます。彼は、とくに精神医学的な意味でいう病的な状態ではありません。

 我々は、この珍しい現象について文献の検索を行いました。すると、すでに19世紀において、鼻と性器とが関連しているという内容のものがありました。1875年のWatsonと1884年のMackenzieの両者は、一部の人はエロい妄想によってくしゃみが出るという現象を記録しています。しかし、これを説明できるだけの、信頼に足る理由は出ていません。
 フロイトの親友でドイツの若い耳鼻科医であるFliessは、「神経症による鼻の反射」(注:ノイローゼで鼻症状が出るということだろうか?)という彼の理論を発展させます。鼻粘膜と局部が関連しているというものですが、これはどちらの組織にも海綿体(注:ペニスやクリトリスでは勃起に、鼻では鼻づまりに関わる)があることを発見したからでしょう。ただ、解剖学的に遠く離れた場所に同じような組織があることがわかったものの、それらがどのように関連し、反応が出るのかについてはけして説明されませんでした。
 しかしFliessは理論を拡大し続け、月経困難症(生理痛)が鼻の障害によるものだと思いつきます。そして、鼻というのは月経と関連しており、そもそも、月経のサイクルが体のすべての器官にかかわっているのだという説に行き着きます。こうしたことから、神経学的あるいは精神的なものであっても、性的な不満などは鼻の薬物治療や手術によって解決できるのではないかと提案します。しかしながら、こうした彼の考えはあまりに突飛で空想的であり、フロイトをふくめた医療人仲間から嫌われることになります。

 以降の医学文献におけるこうした現象についての報告は、1972年のジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーションの投稿にみられます。これには、やはり精神医学的な病的状態ではない69歳の男性が、かなりひどいくしゃみ発作を呈することが記述されています。
 この報告には2つの返信がありました。そのひとつは、Fliessのいう鼻とペニスの両方に海綿体があるという理論を提起した上で、鼻の局所麻酔はどうかというものです。もうひとつはEverettによるものでした。彼が日の光によってくしゃみを起こす人たちを調査している最中に、数人の患者はエロい妄想でもくしゃみが出ると述べているというものです。しかし、やはり彼も鼻の局所麻酔による処置を提案するしかありませんでした。


 こうした医学的な文献に散見されるレポートによって、我々は、エロい妄想やオーガズムによって引き起こされるくしゃみという現象が、かなり一般的なものではないかと推測しました。有症率も調べられていない程度には問題でないかもしれないし、誰かに相談するほどやっかいなものではないかもしれないが、かなり過小評価されているのではないか、と。
 我々はインターネット上の匿名チャットルームを、グーグルによって検索しました。キーワードは「セックス くしゃみ」です(注:原文ではsneeze OR sneezingで、これは「くしゃみ or くしゃみが出る」みたいなものですが「くしゃみ」にまとめました。なお、チャットとあるのですが、日本でいうところのリアルタイムなチャットではなく、いわゆる掲示板やフォーラムのようなものだろうと思われます)。調査(検索)は2007年6月と、半年後の12月に行いました。
 すると、この現象に関しての言及が多いことがわかりました。17人がエロい妄想でくしゃみが出ると言っており、3人はオーガズムのあとでくしゃみが出ることを報告していました。しかし、こうした場における専門家ではない人々のレスポンスはあてにはなりません。彼らは4つのスレッドで同じ質問を繰り返すほど悩んでいました。
 この場における彼らの言及によれば、エロい妄想をおこした直後、またはオーガズム直後にくしゃみが出るように思われます。ただ、同じ人がどちらについても書き込んでいるということはないので、これらの両方がおこるということはなさそうです。また、誰も神経学的な病気、あるいは鼻炎のようなものについては言及していません。

 もちろん、こうしたネットでの調査というものは、現象の正確な発生率を与えてくれたりはしません。しかし、我々の調査は、いままで思われているよりも、これがかなり一般的なことであることを示唆しています。


反射的に出るくしゃみと風変わりなその引き金

 くしゃみというのは、鼻腔から粒子状の物質や伝染性のもの、あるいは他の刺激物を取り除くために発達した一種の反射反応です。よくおこる当たり前の現象であるにもかかわらず、この反射に関する神経学的な意味での伝達経路などはあまりよくわかっていません。
 くしゃみは、鼻内部への刺激によっておこるのが普通です。動物実験における研究によって、鼻粘膜からの求心性(注:脳などの中枢に向かう方向ということ)の信号が感覚神経と三叉神経をリレーして、網様体脊髄路に伝達されることが示されています(注:このあたり、解剖学的専門用語がうまく翻訳できないので眉につばをつけておいてください)。ヒトでも同様で、脊髄のあたりに、くしゃみ反射をコントロールするセンターがありそうです。それは、この部分に障害のある患者がくしゃみをできないことによって証明されます。

 この反射は、遠心性の信号によって伝達され、まず初期の空気を吸い込む段階から始まり、その空気が鼻腔を通して爆発的に吹き出される段階へと進みます。放出される空気は、上あごの軟口蓋や口蓋垂(のどちんこ)のあたりで時速150キロになるといわれます(注:この速度が正しいのかどうかはわかりませんが、少なくとも口から出た空気の速度はせいぜい時速60キロ程度だということが実測されています)。こうした反射反応は、呼吸をつかさどる筋肉やノドの筋肉などの統合した活動を伴います。
 なお、鼻粘膜への刺激は、くしゃみ反応のほか、副交感神経系を刺激して鼻汁や涙を分泌させたりということもおこします。

 三叉神経というのは、さまざまな部位にそれの枝分かれしたものが分布しています。たとえば、眉毛を抜いたりするとくしゃみが出る場合がありますが、これも三叉神経末端に対する刺激のせいだと考えられています。
 ただ、そうした変わった原因でおこるくしゃみのすべてが、三叉神経が関係しているものだとは思われません。たとえば、光くしゃみ反射というものがあります。autosomal dominant compelling helio-ophthalmic outburst (ACHOO) syndrome(注:常染色体優性日光誘発性くしゃみ発作とでも考えておいてください。どうせ略称をACHOOにしたいがために作った症状名です)として知られるこの現象は、およそ24パーセントの人々にみられるものです。これは遺伝するといわれますし、autosomal dominant(常染色体優性=優性遺伝する)とはいいますが、それに関する遺伝子座は確認されていません。
 これらとは別の現象として、食後に胃が膨らむことによってくしゃみが止まらなくなる家系が文献に出ています(注:これはSnatiationとして知られています)。これも優性遺伝するのでしょうが、やはり遺伝子座は特定されていません。

 我々は、この報告で、予想よりも一般的であると考えられるエロい妄想またはオーガズムによるくしゃみについての説明を試みます。


潜在的なメカニズム

 さて、それではなぜエロい妄想やオーガズムがくしゃみを引き起こすのだろうか。そして、それはなんらかの役目を果たすのだろうか。残念ながら、我々はこうした現象について実験をすることはできないので、推測するしかありません。ただ、既存の文献などから理論的な裏づけを得ることができます。

 ひとつの可能性として、精神医学的な反応であることが考えられます(心身症的なくしゃみというのは、一般に10代の女性にけっこうみられる現象です)。たとえば性的な緊張状態から解き放たれることによっておこるというものですが、くしゃみそのものは反射反応であることには変わりありません(注:反射というのは、熱いものを触ったときに瞬間的に手を引っ込めてしまうような、「考えて行っている動作」じゃないものです)。
 もうひとつの可能性として、先にあげたFliessの理論のように、体液のメカニズムの関与が考えられます。性器の勃起を引き起こすには一酸化窒素が必要なのですが、それが血流に入ると、鼻粘膜の海綿体も腫れてしまうというものです。しかし、これによる影響はそれほど瞬間的というものではなく、時間がかかります。そして、研究によれば、一酸化窒素は局所的に放出されることはあっても、全身を循環することはないということが示されています(注:これが原因かどうかはわかりませんが、ハネムーン鼻炎という通称で呼ばれている鼻づまりがあります。なお、バイアグラなどのED治療薬で鼻づまりがおこることもあります。それはこれが関係しているようです)。


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