※鼻のかみすぎで鼻の下が痛いときはこちら。この記事は「鼻の中」が痛くなったりする場合です。

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少なくとも太平洋側の冬は空気が乾きます(春から初夏もそういう日が少なくないですね)。
そうすると鼻の中もカピカピに乾いてしまって、鼻粘膜からしみ出る粘液、つまり鼻汁(びじゅう)も乾いて、かさぶたのように鼻内にへばりつきます。
不快だってことばかりじゃなく、なんとなく鼻がつまったようにも感じるでしょう(鼻くそがたくさん出るという人は、これが原因かもしれません)。

しかしこれはまだいいほうで、もっとひどくなると鼻粘膜も乾いてしまい、鼻血が出ることもあります。
おそらく、手のあかぎれとかみたくひび割れたりするのではないかと思います(鼻血が出るといっても、たらーっと流れてくるのではなく、鼻をかむと血が混ざっているという感じでしょうが……少なくとも私の場合はそうです)。

このとき、プールで水を吸ってしまったときのように、鼻の奥のほうにヅーンとした不快な痛みを感じることがあります(ツーンではなくヅーンなんですよ。個人的には、ひらがなの「づーん」のほうがイメージぴったりなんですが)。(^_^;)

というような状態をドライノーズ(dry nose)、または乾燥性鼻炎といいます(rhinitis sicca:リニティスシッカともいいます。シッカは乾燥というような意味で、昔からあるシッカロールのシッカはこれだと思います)。
鼻炎の分類では、過敏性非感染性の乾燥型というところにカテゴライズされています。

 

●ドライノーズの疫学
死ぬ病気でもないし、そんな調査は存在しないのですが、ドライノーズスプレーを出している日本臓器製薬の調べでは、10歳以上の300名(男性131名、女性169名)中、93名(31パーセント)がドライノーズ症状を自覚しているそうです。
3割ということはほぼ3人に1人ですから……こんなに多いかなとは思いますが、「自覚」ですので、なんともいえません。
それに、どういう人を対象にしたのかもわかりせんし(企業の調査というのは自社製品が有利になるように発表するものだし)。

ただ、この調査では、性別や年齢によらないということも明らかになったようです。
花粉症のように、けっこう若い人が多いとかいう偏りはなかったそうです(とはいっても、70代80代まで調べたのかどうかわかりませんが)。



●ドライノーズの症状とそのときの鼻の中のようす
すでに述べたように、鼻汁が乾燥してかさぶた状になったものがつまるというのが大きいと思います。
これが原因で鼻の空気の通り道が狭くなって鼻づまりを感じることもあるとは思いますが、実際に鼻が詰まっているかというと、そういうことはあまりないように思います。
とにかくカサカサカピカピに乾燥した感じがして不快だということがイチバンではないでしょうか。
そして、もっとひどくなると、鼻の中が痛くなったり、鼻血が出たりします(私の場合、痛くなる=鼻血です。なお、鼻の奥のづーんのほかに、もっと手前がシクシクチクチクヒリヒリするような痛みを感じることもあります)。

文献には、「鼻粘膜は乾燥、発赤し、痂皮がみられる」とあります(痂皮とはかさぶたのこと)。
また、「患者は乾燥感とともに異常感を訴え、こう鼻を繰り返し、その刺激による炎症、出血をしばしば起こす」ともあります(こう鼻とは鼻をかむこと。手へんに鼻という字です。なお、私はそれほど鼻をかむことはありません。すでにやっても無駄だということを学習してるからかもしれません。また、文献には鼻をかむ刺激で出血するとなってますが、私は鼻をかんでないのに出血します)。
発赤とか炎症、出血なんてことからわかるとおり、これは単に「乾いている」ということ以上の症状といっていいでしょう。

こうした刺激が原因になるのでしょうか、いきなり鼻水がダーッと出ることもありますが、これで鼻がうるおって症状がよくなるということは、私の場合はありません(一時的なものにすぎません)。
一般的にはくしゃみは出ません。

下の表は『鼻アレルギー基礎と臨床改訂版』に出ているものですが、鼻の乾燥を自覚するとか、鼻の中がかわいた鼻汁(鼻くそ)でつまるようなときは、かなり水分が減ってるという感じですね。
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●どんなときにドライノーズになるのか
乾燥性鼻炎という名まえなのだから、空気が乾燥したときになるというのはわかるでしょうが、どれぐらい乾燥したら症状を感じるかというのは人それぞれだと思います(このあたりは、もう「そういう体質なのだ」「先祖がカエルなのだ」と思うしかないでしょう……あ、そこの人、砂漠に住むカエルもいるとかいわないように)。
統計学的には有意な相関はないが、湿度20パーセント以下では乾燥感、異常感、痂皮、発赤の傾向が増すと文献にはあります(下表は『鼻アレルギー基礎と臨床改訂版』より)。
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私は、(うちの湿度計で)30パーセント台になると乾燥感を覚えます(だいたい35パーセントぐらいから「ああ、ヤだなあ」「乾いてるなあ」と感じます。気温によっても多少違いますが)。

空気が乾燥すればなるということなのだから、これは室内が暖房で乾いているときなどにも当然なります。
そしてまた、夏にエアコンで除湿しすぎたときにもなるでしょう(実際、なりました)。
飛行機の機内が異常に乾燥しているのは常識といっていいぐらいですが、新幹線のように密閉された車内も乾燥するようです(ホテルなんかもそうですよね。旅行のときは注意しましょう。これもまた常識ですが、ホテルではバスルームのドアを開いて、バスタブにお湯をはっておきましょう)。

なお、空気の乾燥は目にもよくないので、ドライアイみたいな感じで、目もヘンになることがあるかもしれません。
ノドにもよくないですが、それは気づくでしょう。
あと、湿度の問題じゃなく、風があたることで乾燥することもあります(寝てるときなどに、エアコンや空気清浄機、ファンヒーター、扇風機などの風が鼻に入り込むことでやられることがあります。風の強さや向きなどを考え直しましょう。私はこれにやられたことがありましたが、まったく気づきませんでした)。



●空気の乾燥以外にもドライノーズの原因はある
これは鼻の文献には出てないので、主に海外のサイトで調べたりしたものです(ドライノーズに関しては、日本は後進国なので、あまりいい情報がありません。治しようがないからでしょうか、ドライアイのように医師が積極的に関与するということもありません。実際、耳鼻科医師のサイトにも出ていないことが多いです。文献には「憂うべきである」と出ています。私は文献を持っていたのでずいぶん前から知っていましたが、ドライノーズが知られてきたのも、ドライノーズスプレーが市販されてからでしょう)。


(1)鼻炎の薬(カゼ薬を含む)などの副作用で鼻が乾く
 ま、よーするに薬(内服薬・点鼻薬とも)が効きすぎる(鼻水を止める作用が強すぎる)ってことなので、症状に合った薬にチェンジしたほうがいいと思います(あるいは量を減らすとか)。
 なお、こうした「分泌を減らす作用」というのは、胃薬などにふくまれる抗コリン薬にもあるので、鼻炎薬でなくともこういう副作用を感じることがあるかもしれません(あと、抗生物質も鼻汁を減らすことがあるようです。抗精神病薬、抗うつ薬など、メンタル系の薬でも口や鼻が乾きぎみになることがあります。副作用として抗コリン作用があるからです)。


(2)体内の水分が減っている
 とくに冬は汗をかかないので水分摂取が減る傾向がありますが、それがかえって体内の水分量を減らし、いきおい鼻水の分泌量が減るということにつながるようです(これは涙や唾液の量もそうでしょう。便秘にもつながるようです)。
 かくれ脱水ということで報道もされましたが、それが鼻の乾燥の一因になってる可能性も高いです(その報道では、感染予防にもなるし、もっと水分をとろう、みたいなことを言っていたと思います)。


(3)シェーグレン症候群のような病気によるもの
 涙などの分泌が少なくなる病気で、よくドライアイの原因としてあげられますが、ドライノーズにもつながります。
 原因がはっきりわからない難病のひとつで、専門の医師の診察・治療が必要だと思います。


(4)加齢にともなうホルモン変化などによるもの
 とくに女性の場合は、更年期障害のひとつの症状として、「ふだんは潤っているところ」が乾燥しがちになることがあるようです(陰部=性器のかゆみの原因になったりもします)。
 ひどいようなら、婦人科でのホルモン治療が必要かもしれません。
 なお、こうしたホルモンの変化が原因で鼻炎様症状を呈することもあるようです(妊娠性鼻炎などもそうですし、生理と同じ周期でアレルギー性鼻炎や花粉症の症状が変化することもよくあります)。


(5)そのほかの原因
 なぜそうなるのかはわかりませんが、冬の乾燥した気候のときだけではなく、逆にあまりに暑いとき(高温多湿のとき)にもそうなるということが出ていたりします(汗をかきすぎて水分が減るからでしょうか?)。
 また、鼻の手術によってそうなることもあるとか、放射線障害でそうなることもあるなんてことも説明されています。
 あと、高血圧が原因であることもあると出ていたりもします(そういうことを心配しないといけない年齢の人は、鼻の乾燥を自覚したら、検査をしたほうがいいみたいです)。

 ちなみに、萎縮性鼻炎という粘膜が萎縮して鼻が乾く(粘膜がつるつるになってふつーの皮膚みたくなってしまうらしい)という原因不明の疾患がありますが、これはこれで別の病気なので、疑わしいときは耳鼻科へ走ってください(鼻汁が出ないので、鼻の臭い=臭鼻症の原因になったりもするようです。これはAtrophic rhinitisといい、rhinitis siccaとは違うものです。ただ、その言葉自体は、ほとんど同じ意味で使われることもあるようです……日本ではそんなことないでしょうが)。

 

●鼻が乾くとどうなるか
鼻は呼吸する空気の通り道で、そこが湿っていることによって、ほこりやバイキンを吸着し、きれいな空気にして肺に送り込む「湿式エアクリーナー」の役目があります(ほこりやバイキンを吸着した鼻汁は喉に流れて飲み込まれ、胃酸で消化、無害化されます。鼻汁中にも免疫細胞があって、バイキンをやっつけたりします)。
そこが乾くのですから、カゼなどの感染症にかかりやすくなるということがあるといわれています(上に書いたかくれ脱水が感染につながる理由はこういうわけです)。
そのほかは、とくにこれが原因で重い病気になったりはしないとされています(そうであったらもっと研究されているでしょう)。

なお、花粉症はたいがい早春にシーズンが始まりますが、そのころはドライノーズのシーズンでもあります。
こうした乾燥や冷気によって鼻が痛めつけられるせいで、花粉症の症状が早く出るとか悪化するとか、そもそもそういった鼻の異常感を花粉症の症状と勘違いするなんてこともあるようです(そういうことをいう医師もいます)。

 

●ドライノーズの治療法(対処法)

上に「体質だと思うしかない」旨を書きましたが、そうだとしたら根本的な治療法というのはありません。
実際、文献にも出ていません(加湿や塩水のスプレーが有効だという程度のことしか出ていません。それ用の薬というのもありません)。
なので、治療というよりも、少なくとも短期的には、その症状をなんとかするという対症療法しかないということになります(いわゆるセルフケアで対処するしかない)。
できれば、症状を感じたらこういうことをやるというよりも、乾燥するシーズンになったらいつもやるようにするといいと思います。
女の人はお風呂上りに化粧水や乳液をつけたりしますが、それと同じ「毎日の(鼻の)お手入れ」と考えてください(それが予防にもなると思います。ようするに鼻の中が「乾燥肌」になってるわけなので、お手入れは必要でしょう。続けると改善する可能性はあります)。


(1)市販のドライノーズスプレーや鼻洗浄スプレーを点鼻して鼻内を潤す
 これらの内容物は薬ではなく塩水(生理食塩水)なので、鼻にスプレーしても刺激はありません。
 基本的に1日に何回やってもいいですし、妊娠・授乳中などでもおkです(ただし、びみょーなことをいうと、保存料の悪影響が出る可能性がなくはないです。点鼻薬についても、保存料はないほうがいいんじゃね、という説がないではないです。なお水道水での鼻洗浄は禁忌です。繰り返すと粘膜が機能を失う可能性があります)。
 これはかさぶた状にひからびた鼻汁をふやかして、やわらかくする効果もあります(なので、そのあとで鼻をかんでください……まあ、鼻くそほじってもいいけどね)。
 洗浄スプレーにはミントなどの香料が入っていることが多いと思いますが、それがイヤなときは塩水を自作して入れ替えるといいと思います(その場合は保存料がないので、衛生面が気になります。早めに交換したほうがいいでしょう。その際には、漂白剤などで除菌するほか、マキロンのような消毒薬を入れてスプレーを空吹きし、塩水でゆすいでから入れ替えるのもいいです。マキロンはそもそも体に使う薬ですから、わずかに残っていても問題ありません。ただ、完璧ではないでしょうから、心配な人は毎回新しいのを買ってください)。
 生理食塩水の作り方はこちらを見てください(自作がめんどかったら、こちらの方法でもいいと思います)。

 ふつーの塩水ではなく、グリセリン入りのぐ~クリーン(下写真は旧タイプです)のようなものだと、保湿効果が(少し)高いかもしれません(自分で塩水にグリセリンを入れる場合は1割ぐらいにすること。3割以上だと刺激を感じて「鼻の浣腸」状態になります。その浣腸のあとはけっこう気持ちよいですが、鼻にはあまりよくなさそうな気がしますので、連用・多用はやめたほうがいいでしょう)。→追記:ぐ~クリーンに関しては、ただの生理食塩水より鼻粘膜からの水分蒸発量を抑えるという研究結果がありました。
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 ただ、これらの塩水のスプレーは、一時的に潤いを与えることはできますが、それを保持する効果はありません。
 鼻内側の「肌」の保湿保護は、下で説明するクリームなどの役目です(なので、どちらかをやるというより、両方やるのがいいと思います)。


(2)水分摂取をこころがける
 海外サイトにはジュースやお茶を飲むようにと出ていますが、人によってはお茶やコーヒーのカフェインで尿量が増え、水分が失われることがあると思います(アルコールもそうですね)。
 なので、麦茶のようにカフェイン(やカロリー)のないもののほうが、どちらかといえばお勧めです(カフェインは血管を収縮させる効果があるので、そのせいで鼻粘膜の血流がわるくなり、鼻汁の分泌が減るということもあるかもしれません。なお、そのせいで鼻づまりが一時的によくなることもあるようです。ちなみに糖分が多いもの、具体的には10パーセント以上のものは、逆に水分量を減らすという情報もありますがホントかどうかわかりません)。
 どれぐらい飲めばいいのかというのは人によるでしょう(1日あたりコップに8杯は飲めということが出ていることもあります)が、これだけで完璧に症状が消えるとも思えないので、「まだダメだ」などと思って飲み過ぎないようにしましょう(おなか壊しますよ)。
 ポカリのようなイオン飲料が効果的であるという研究もあります(ドライノーズに関する研究ではないです)が、乾燥(脱水状態)を自覚したときにできるだけ早く水分補給をしたいという目的ならともかく、ふだんからそればかりというのはどうかと思います。


(3)室内の加湿をする
 乾燥がよくないのだから、加湿をして湿度を上げることは第一に考えるべきことでしょう。
 湿度はだいたい50パーセントぐらいがいいとされています(鼻や肌のことを考えると60パーセントでも70パーセントでもいいと思いますが、そうすると湿気が多すぎて結露の原因になったり、カビやダニが増える原因になったりもします)。
 加湿器は安いのでもいいですが、小型のものだと加湿量が少なかったりします。
 それぞれ特徴があるので、加湿の方式を考慮して適当なものを選び、できれば湿度計も買うといいと思います(百均の湿度計などはあてになりませんが、多数の製品を見比べて、平均的な数値を示しているのを買うと、そんなに大きな誤差はなかったりします)。
 加湿器の特徴についてはこちらを見てください。


(4)マスクをする
 条件によってはそれほど大きな効果はないと思いますが、マスクをすることもいいでしょう(屋外にいるときは加湿なんかできませんしね)。
 保湿効果が高いものをということなら、昔ながらのガーゼのマスクというのもいいかもしれません(それのあてガーゼをしめらせるというのがたいへん心地よいです。百均に小さなアトマイザーのボトルがあるので、それに水を入れて携帯しておくと、どこでもガーゼを湿らせることができます)。
 最近では湿ったジェルのシートなども売っていますので、そういうものをマスクに挟むとかいうこともいいでしょう(最初からセットになって売ってるものもあります。ちなみに、ガーゼのプリーツマスク内側がガーゼという不織布マスクというのもあります)。
 日本はドライノーズ後進国ですが、マスクが広く一般化している点は有利です(マスクをする習慣がない海外サイトには出てません)。
 しかし、耳鼻科のサイトにドライノーズの対処法としてマスクしか出てないのは情けないことおびただしいです。


(5)鼻の中にクリームなどを塗って保湿・保護する
 これは日本ではあまり言われないですが、海外では当たり前のように行なわれているようです。
 クリームはいろんな成分が入っている高級(?)なものではなく、アトリックスとかニベアとかの安いもので充分だと思います(きつい香料とかがないものがいいです。花粉症向けの鼻クリームでもいいし、リップクリームやリップグロスでもいいでしょう。オロナイン軟膏みたいなものも問題ないと思います……が、長期に使う場合は「薬効」のないものがいいでしょう。オロナインは殺菌剤ですので、鼻内部の常在菌などに影響がある可能性があります)。
 それを綿棒でとって、鼻の内側にぐりぐりとやさしく塗り広げます(指でもいいですが……入るなら)。
 ワセリンもいいですが、あまり大量に、かつ長期にわたると、その成分が肺に流れ込むことによって、特殊な肺炎の原因にもなり得るということが出ていたりもします(ちなみに、リップクリームなどの原料もワセリンだったりしますし、よーするに異物が肺に行くのがよくないという意味では、ワセリン以外のものでも同じだと思います。なので、なんにしても、あまり奥まで突っ込まないほうが無難でしょう。綿棒を突っ込むのはせいぜい1センチかそこらでいいです。鼻の奥のほうの本当の粘膜については、塩水のスプレーで潤いを与えるしか方法はありません)。

 あと、クリームではなくジェルですが、日本には鼻しっとりジェルという製品があります(海外にも同様なものはありますが)。
 点鼻薬のような容器に入っているので、鼻に入れるのも簡単です。
 保湿効果のあるグリセリン(下写真)を綿棒で塗ってもいいです(あまり鼻の奥には入れないこと。刺激があります。この刺激性を利用して浣腸に使いますが、安全性は高いです。なにせ注射薬などにも入ってますし。なお外用の場合は、ひび・あかぎれにという効能になってます。保湿ティッシュの保湿成分もこれです。乾燥肌の人などは、これを使って美肌水という化粧水を作るといいです。安上がりな上に添加物ゼロです)。
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 油(馬油とかごま油とかオリーブ油とかベビーオイルとか。海外には精製ごま油を使ったドライノーズオイルというのがあります)でもいいかもしれませんが、個人的な印象では、クリームや油のたぐいは保護はするけど保湿はしない、少なくともそれで潤うということがないように思うので、私はジェルまたはグリセリンが気持ちいいと感じます(もちろんこれらを併用する、たとえばグリセリンを塗った上でワセリンで保護するとかもよいでしょうし、実際、かなり効果的でした。また、グリセリンなどの保湿成分の入った化粧水がいけない理由はありません。やってみて問題ないし心地よいならそれでもいいです。下写真はグリセリンやアロエエキスの入った百均の保湿用化粧水です。私はこれも使いました)。
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(6)そのほかのケア
 粘膜が弱っているのだと考えてみると、栄養の偏りなども原因のひとつになるかもしれません(これは花粉症とかでも同じ)。
 すぐによくなるものではないですが、ビタミンミネラルなどがまんべんなく摂取できているかどうか、食生活を見直すのもいいかもしれません(とくにビタミンAB2が少ないとやられるようです。皮膚のかゆみの薬には、まずB2が入ってますし、唇の荒れの原因としてB2不足などがよくいわれるようです。口角炎にもなりやすいとか)。
 そうそう食生活を変えられない場合、サプリなどに頼っていけない理由はないです。

 また、「体質だから」と書きましたが、鼻にかぎらず「よーするに乾きやすい体質」なのであるのなら、漢方の薬で多少の体質改善が期待できるかもしれません(ちなみに、私はとくにヒザから下が乾燥肌です。なので、冬は入浴時にベビーオイルを塗ってます。これは浴室から出る前に塗ります。この乾燥肌は母親や妹もそうなので遺伝なのでしょう。同様にドライノーズも遺伝が関係してるかも。あなたの家族はどうですか? 先祖にカエルがいませんか?)。
 漢方は「この症状にこの薬」とは考えず、「こういう体質の人にはこの薬」と考えます(たとえば「乾燥肌」の場合でも、これだけいろいろな薬が考えられます)。
 その体質は人それぞれだと思いますので、ドライノーズだけではなく、いま困っている症状などをすべてひっくるめて、信頼できそうな漢方薬局で相談するといいでしょう(この症状をよくするために薬を飲んでたら、こっちもよくなったなんてことは、漢方ではよくあります。もちろん、効かないこともよくありますが……んで、けっこうカネかかります)。

 ネティポット、つまり鼻洗浄(鼻うがい)もよいと出ていたりするサイトもあるのですが、鼻内をうるおすという意味では、塩水のスプレーで充分だと思います。
 ただ、水の量がケタ違いに多いので、鼻の奥までカピカピに乾いた鼻くそがつまっているのなら、こっちのほうがそれをふやかす効果は大きいでしょう(お風呂に入っても同じだと思いますが)。
 スチーム吸入も、鼻だけ風呂に入ってるような感じで、やってるときは気持ちいいもんです(その後にクリーム類でケアするとよいです)。



●鼻が痛くてしょうがないときの対処法
上に書いた保湿などの対処法をしてもヅンヅンした痛みが止まらなくて不快なときは、薬に頼るしかありません(ただ、グリセリンを塗った上に鼻スプレーをし、顔を上に向けていたら、痛みが少しやわらいだ経験はあります。痛かった部分にグリセリンが流れていったのかもしれません)。
あまり我慢せずに痛みを止める鎮痛薬を服用してください。
鎮痛薬は相性があって、人によってよく効く、効かないなんてことがあるので、自分の好きなものでいいでしょう。

海外サイトには、イブプロフェンかアセトアミノフェンがいいと出ています(私はカフェイン過敏なので、それが入ってないこれらの単剤を使ってます。アスピリンとかロキソニンとかは胃が痛くなるので、あまり飲みたくないです。イブプロフェンも飲みすぎると胃にきますが。なお、これら胃にくる鎮痛薬を飲むときは、セルベールという胃薬をいっしょに飲む、あるいは先に飲んでおくと少し違います……が、だめなときはだめです)。

痛みが乾燥によるものかどうかわからない場合(あるいは、ケアをしても改善しない場合)は、痛み止めを飲み続けるなどのことはせず、耳鼻科で診てもらったほうがいいと思います(なにかできものなどがあるかもしれません)。
鼻の入り口付近だけが痛かったりかさぶたができていたりした場合、常在菌である黄色ブドウ球菌などによる炎症も考えられます。



●付録:花粉症の薬(鼻炎薬)で口や鼻が乾燥するとき
これは市販の鼻炎薬でおこりやすいのですが、上にも書いたように「効きすぎ」なんです。
逆に言えば、あなたはこの薬を飲むほどの症状ではない、ということでもあります(これは一般論であって、「効きすぎ」というより「相性がわるい」ために副作用ばかり出るということもあると思います)。
というのも、とくに昔からあるいろんな成分がブレンドされた総合鼻炎薬は、「とりあえずひどい症状でもすぐに強力に効く」ように作られている(その間に時間を作って医者へ行け、ということです)ので、そういうことは起こりがちです。

その総合鼻炎薬は抗ヒスタミン薬というアレルギー反応を抑える薬に、各種の分泌を抑える抗コリン薬、そして鼻づまりを解消する血管収縮剤などが混ざっていることが多いです(眠気をおさえるカフェインが入っていることもあります。ちなみに、これに鎮痛解熱薬を混ぜるといわゆるカゼ薬になります。すなわち、カゼであっても熱がないなら鼻炎薬でいいということでもあります)。
とくに鼻水がひどい場合は抗ヒスタミン薬と抗コリン薬の合わせワザがひじょーに効くのですが、場合によっては効きすぎます。
これによって、鼻が乾燥するだけでなく、ノドもカラカラで声がかすれるとか、涙も出ない、腸からの水分分泌も抑えるので便秘もする、などのことがあります。

どうしたらいいかというと、抗コリン薬のない薬にするというのがひとつの方法です(病院に行ってるなら医師に相談してください。メンタル系の薬で乾くというのも副作用の抗コリン作用によるものなので、不可能でなければ相性のいい薬に替えてもらったほうがいでしょう)。
以前だったらアレルギール錠などの「かゆみの薬」(もちろん鼻炎も効能になってますが、薬屋ではかゆみの薬のところに置いてあります)を使うといいと書くところですが、いまはアレグラFXやアレジオン10などの副作用の少ない第二世代抗ヒスタミン薬がいくつも出ているので、そういうものにしたほうがいいと思います。

安上がりにしたかったら、アレルギール錠でもいいです、もちろん(ただ、眠気は強いと思いますし、こういう古い抗ヒスタミン薬は、そもそも副作用として抗コリン作用を持っています)。
それでも効きすぎなら、それを少なめに飲むとか(1回3錠のところを2錠にするとか1錠にするとか)。
1回1錠の薬では、こうした調節ができないんですよね(こういう調節が容易にできるものは、ほかにピロットA錠やレスタミン錠などがあります。小粒タウロミンなどもいいでしょう。葛根湯や小青龍湯などの漢方薬もいいです。とくにメキタジンを使ったピロットはわりと眠気が少ないはずなんですが、そもそも売ってないです。ポジナールならよく見かけるのですが)。

とくに市販薬は増やしたり減らしたりということが、原則として考えられていません(年齢によって飲む量を変える薬はけっこうありますが)ので、こういう情報はほとんどありません。
それに、効かない人は声が大きいですが、効きすぎる人はほとんどなにもいわないでしょう。
おそらく「そういうものだ」と思ってしまっているから、効きすぎていることがわからないのだと思われます。
しかし、1回に数錠飲む薬を選んで、それを減らすということで調節がきくんです。

この「効きすぎる」ということはあつ花別館でも記事にしましたが、実際にそれを読んで、アレルギールの量を調節したらちょうどよくなったという人もいます。
思い当たる人は、ちょっと考えてみてください(どうもうまくいかないということもあります)。



おしまい。


(フォレスト)



※15年追記:
最近、私がやってる方法です。
お風呂に入ります。
鼻くそがあっても、充分にふやけますので、鼻をかんで出します(顔を洗うときに鼻の穴に石鹸の泡が入ったりした場合も、鼻をかんで出します)。
お風呂から上がる前、まだ浴室内で体中が濡れているときに、ベビーオイルを左手の手のひらに出します。
右手の小指でオイルをぬぐいます。
その小指を鼻につっこんで、鼻の穴の内側にオイルをぬりたくります。
オイルで乾燥が防げてたいへん気持ちがよいです(2日も3日も持ったりはしませんが)。
お風呂から上がったあとにやっても効果はあるでしょうが、濡れたままやったほうが効果は高いと思います。
皮膚が湿ってる状態で、オイルでカバーしちゃうんですから。
鼻の毛穴をきれいにしたいってことでブラシで洗っちゃう人もいると思いますが、皮膚の油分がなくなっているので、洗ったあとにはオイル塗ってください。
ひげそり後にも、濡れてる状態でオイル塗ってください。
くちびるにも塗るといいです。
まあ、よーするに顔全部に塗ればいいんだけどね(肌のお手入れ=基礎化粧品としてのクリームとかは、それはそれで後で塗ればいいと思います)。
トイレがシャワートイレの人は、お湯で洗い流すってことでおしり(肛門周辺)の皮膚の油分も減ってる可能性があります。
お風呂から出る前に、おしりにもオイル塗ってください。
手や足の肌が乾燥する人は、そこにも(浴室から出る前に)オイル塗ってください。
まあ、乳液やクリームでもいいと思いますが、アルコールとかが入ってるとしみる可能性があると思います(肌に擦り傷みたいのがあると、保湿成分としてよく使われる尿素がしみたりもします)。



※16年3月追記:
上で書いた「風呂上りに浴室から出る前に鼻の穴にベビーオイル」ですが、これを(乾燥しそうな時期に)続けるようになってから、1回も鼻血が出ていません(この鼻血のせいで、鼻をかんだらティッシュを広げて見るクセがついちゃったんですよね)。それどころか、乾燥で鼻が痛くなるということもないです。乾燥を感じることはありますが、なんとなく耐えられるというかなんというか、少なくとも以前のように不快ではないです。ドライノーズ、よくなったんでしょうかね。
加湿器が壊れちゃったんで、私の部屋は以前より乾燥してるはずなんですが。
なお、続けるとはいっても、毎日風呂に入ってるわけじゃないので、オイル塗布も毎日じゃないです。それでも効果はあるようです(水分摂取とかも心がけてはいます)。
ちょっとうれしいです♪
あと、こんなふーに「鼻が正常(健康)になった」と思うと、気のせいか花粉症の症状も以前よりびみょーに軽いようにも感じます。本文でも書いたように、鼻が痛めつけられていると花粉症の症状がひどくなることがあるってことの裏返しでしょうかね。
まあ、あくまでも私の場合はってことであって、他の人も同じようになるかどうかはわかりませんけど(なお、浴室から出る前に塗るってのは、私は肌にも塗ってるのでそうしてるだけです。鼻だけなら、いつ塗ってもいいような気がします。オイルじゃなくワセリンとかでもいいと思うし)。

※17年2月末追記:
飽きずに「鼻にベビーオイル」を続けていますが、さすがに今シーズンは何回か血が出ました(鼻をかむと血が混ざっているという程度)。ですが、「ああ、これは鼻血が出るな」というような感覚がまったくありません。すなわち、乾燥は感じるものの、少なくとも痛くはありません。不快じゃないとまではいいませんが、痛くなることがないというのは、かなり楽です。
なお、使っているベビーオイルは、いまはダイソーの百均ベビーオイルです(大きなポンプ式のオイルが空になったので、つぎたして使ってる)。
あと、対処法としては、オイルの塗布だけじゃなく、塩水の鼻スプレーも併用してます(マスクとかも)。