
特別ゲストとして、横笛の演奏家山田路子さんと、太鼓奏者杉村みち子さんをお招きして、横笛と太鼓のコラボレーションを堪能いたしました。


特に感動したのは、普段寝たきりで表情も乏しいある入居者様がこの演奏を聞いて、急に生き生きして、眼を輝かせた事です。きっとあの太鼓の響きと笛の音色が彼女の命の根元に触れたのかなと思いました。






その他、スタッフによるダンスや特に男性スタッフが仮装しての寸劇は爆笑もので、入居者様にも大受けでした。


又、両住宅の食堂スタッフが腕によりをかけて作ったお弁当も、大好評でした。
開設して間のない、木更津の入居者様達は特に喜ばれた様子で、1週間たった今でも笑顔で「あれは良かった」「楽しかった」と話してくれます。どことなく遠慮がちだった入居者様達もあの敬老会を契機にすっかり打ちとけたような感じがします。




さて、前回予告した高専賃住宅の新しい流れの事を少し書かせていただきます。
国土交通省は昨年から、高齢者等居住安定化促進事業という事業を実施しております。
その内容は、「高齢者等が安心して生活することのできる住まい、住環境の整備によりその居住の安定確保を推進すると共に、地域の活性化等を図ることを目的としており、この観点から先導的な高齢者向けの住宅に関する技術、システム等の導入や生活支援サービス、介護サービス等が効率的、効果的に提供される住まいづくりや街づくりに関する事業の提案を公募し、予算の範囲内において、国が事業の実施に要する費用の一部を補助し支援するものである」役所の文章というものは多少わかりづらいところがありますが、要は生活支援や、介護支援がきっちりなされている高専賃住宅には補助金(総事業費の1割)を出しますよ。という事で、これはまさしく私共が取り組んできた高専賃住宅の考え方とぴったり合致するものであり、まさに我が意を得たりとの思いがします。
この流れの背景にあるものは、何かというと、福祉事業そのものがこれまでの国や地方自治体が責任主体となる措置制度による事業から、サービス利用者と提供者が個別に契約する民間主体の介護保険制度に移行しているという事にあります。
一説によれば今後15年間で更に40兆円を必要とする社会保障費の際限のない増加に、行政主体の福祉事業はもうこれ以上できないという事だと思います。
そこで国としては民間主体の事業である高専賃住宅の建設を促進しようとしており、来年度も、更にその補助金を350億円概算要求として提出しているそうです。
この概算要求が通ると年間6万戸程度の高専賃住宅の建設が促進されます。
先般私が会った国交省のある幹部は「高専賃住宅事業を今後の成長産業の一つに位置づけている。」とはっきり申しておりました。
しかし、ここで考えなければならないのは、ただ高専賃住宅を建設すれば良いという事ではなく、そこにしっかりとした生活支援・介護支援のサービスが実行されなければならないという事です。これができなければまず入居者様が不幸になり、その高専賃住宅の経営も成り立って行きません。
この高専賃住宅事業の運営というソフトの部分をしっかりフォローしないと、折角のこの事業も中途半端になってしまう懸念がいたします。
