米 原 伊 吹 の 今 夜 も 眠 れ な い !



『大図書館の羊飼い』は2013年1月25日発売予定です。 『大図書館の羊飼い』は2013年1月25日発売予定です。

世のは、アニメやゲームだらけ。

そんなものを全部やっていては、夜も眠れない

そんな中でも果敢に自分の好きなモノを追い求める――

きっとそこに、何かがあるはずだから。



『大図書館の羊飼い ボーカルコレクション』2013年3月29日発売

大図書館の羊飼い

大図書館の羊飼い~放課後しっぽデイズ~ The New Commer(5)

こんにちは。米原です。

これだけ猫のことを書いていると、昔、猫がいた家にお世話になったときのことを思い出します。
あの時の猫とのふれあいが今の創作活動の助けになっているのだと思うと、なんだかくすぐったいです。
あれから今年で10年かぁ。
時が経つのは早いと思いながら、続けていきます。


大図書館の羊飼い~放課後しっぽデイズ~ The New Commer(5)


ヒリヒリした頬をさすりながら、部室に戻る。
のぞみを助けたのに、何たる災難!
そう思いたいが、不可抗力とはいえ、のぞみの胸を揉んだのは事実。
のぞみも反論したいけれども出来ないジレンマの中にいる。
こういうのは、水に流すのが一番だと思う。
「なんともお二人さんらしい一幕でした。ご馳走様」
あの一件以来、終始笑顔の女性が、俺たちについてくる。
「あ、あのー」
「何かしら?」
「うちの制服を着ているということは……うちの生徒、ですよね」
「えぇ、そうよ」
「お名前を聞いてもよろしいでしょうか」
「名前? 朔夜よ」
「朔夜……さんですか」
聞いたことがあるような、無いような名前。
思い出せない。
「それで、その朔夜さんはなぜ私たちについてくるのですか?」
「だって、面白そうなんだもの」
俺たちは見世物じゃねー。
「私たちは見世物じゃありません!」
俺が思っていたのと同じ事を言うのぞみ。
……からかわれるわけだ。
「そう怒らないで。別にからかっているわけではないの」
朔夜さんは笑顔を崩さなかった。
「なんとなくね、昔の友達を見ているような気がして、なんだか親近感が沸いたのよ」
へー、と思ったら、のぞみもそんな顔をしていた。
俺とのぞみって、こんなに息が合ったっけ?
「悪いけれど、これ以降のことは部室で話させてくださらない? あまり他人には聞かれたくない内容があるので」
のぞみが『どうする?』と言う顔でこっちを見る。
まぁ、乗りかかった船と言う事で、聞いてみようと思う。
「わかった。じゃぁ部室で聞くよ」
「ありがとう」
『信用できるの?』という顔でのぞみがこっちを見るが、『べつに捕り物でもないし』という顔を返す。
「ふふっ、やはりおしどり夫婦なのね」
ムッ、として、朔夜さんを見る。
チラッと隣を見ると、のぞみも俺と同じ顔をしていた。
のぞみ……悪いが説得力無いから、やめよう。

教室に入り、カメラをしまうと、のぞみが奥からお茶を持ってきてくれた。
と言っても、俺たちがたまに飲む、インスタントのお茶である。
「粗茶ですが」
少し機嫌の悪そうなのぞみに、
「ありがとう」
と笑顔で返す朔夜さん。
この時点で負けてるぞ、のぞみ!
「それで朔夜さん、話の続きを」
「えぇ」
朔夜さんはお茶を一口飲むと、話し始めた。

「私は、実は田舎の出身なの。
都心の学校に行って、自分自身をもっと磨きたいと思っていたの。
でも、親は大反対。
地元の学校に行って、地元で就職をすればいいって聞かないの。
私が男だったら少しは違ったのかもしれないけれど、『女の私は親のそば監視をされるべき』なんて考える親だったから、嫌になっちゃって。
それで家出をして、この学校に来たの」
「ええっ!?」
「驚くことではないわ。成績上位優秀者には奨学金が出るし、国の奨学金を足せば一人暮らしをしながらこの学園に通う事だって不可能じゃないわ」
確かに、お金が無くったって奨学金制度を使えば、学校に行ける。
ましてや、ここの学校の生徒は学校周辺で一人暮らしの生徒が多い。
一人ですんでいたって、誰も変だとは思わない。
「で、でも、良くこの学校に入れましたね……」
「あら、田舎モノは入れないとでも?」
「そ、そうじゃなくて、国の奨学金って、学校に入学してから申請してもらうものでしょ?入学金とかはどうやって用意したの?」
「コレよ、コレ」
朔夜さんは右手にあるカメラを振る。
「私、アマチュアのカメラウーマンなの。雑誌に投稿して、ちょくちょく稼いでいるわけ」
「へっ、へーっ」
「でも……これも差別と言われれば差別かもしれないですけど、お金を稼ぐならもっと高級なカメラが必要なんじゃないですか?」
「私の腕はまだまだだから、人と違うもので勝負しようと思ったの。人が撮らないものをとれば、お金になると思ってね」
「なるほど……」
「ちょっと、何が『なるほど』なのよ」
「のぞみ、あのカメラは防水・防塵、衝撃吸収、耐低温の三つを兼ね備えているカメラなんだ。あれなら、水中だろうが砂漠のど真ん中だろうが、カメラの心配をせず写真を取れる」
「でも、性能は一眼が一番でしょ?」
「わかってないなぁ。一眼のメリットの一つは、その時によって最適なレンズを換えられる事。カメラにごみが入りやすいところでレンズを換えられないでしょ?」
「あ……」
「確かに、あのカメラじゃ一眼のような多彩な表現をすることは出来ない。しかし、一眼での撮影を躊躇しちゃうようなところでも撮影できるメリットがあのカメラにはあるんだ」
「そうね……何十万もするカメラを、壊れやすい環境に持っていくのは躊躇するわよね……」
「さすがね」
「どうも」
朔夜さんは笑顔のままだった。
「それで、そんな腕を持つ朔夜さんさんがウチに何の用?」
「私を部員にしてくださらない?」
「えっ?」
俺より先に驚いたのが、のぞみだった。
「そんな腕を持つんだったら、写真部とかに行けばいいのに……」
「あの部活は文化祭の展示や雑誌の投稿がノルマとなっていて厳しいのよ。私は自由気ままに撮影したいの」
「しかし、ウチは野良猫しか撮らない部活ですよ」
「良いのよ。ちょうど猫の写真の依頼が来ててね」
「ではその依頼が終わったらオサラバですか?」
笑顔だった朔夜さんの顔が変わる。
「貴方、なかなか鋭いわね」
「いままでのぞみと二人で仲良くやってきてたわけで。別に新しい人が来るのは拒まないけど、いなくなるとさびしいじゃん」
うん、うんとのぞみが首を縦に振る。
「そんなつもりは無いわ。卒業まで猫を撮り続けたいもの」
朔夜さんはオレンジのカメラをピコピコといじると、スクリーンを俺たちに見せる。
「このカメラには、ペットモードが付いているの。コレを使えば、あなたの一眼よりも綺麗な写真が取れるかも」
「ベストショットで自動でシャッターが降りる機能か。コレはすごいなぁ」
「あとはマジックフィルターで、ちょこっといじれば面白写真に」
朔夜さんはさっき俺たちに見せた猫の写真を、マジックフィルターで変更したものを見せてくれた。
フィッシュアイレンズで撮った画像に変わったりして、面白い。
「ねぇ、アンタの一眼じゃできないの?」
のぞみが興味を持ったようで、俺に聞いてくる
「マジックフィルターは出来るな。でも、ペットの自動シャッターモードは無い」
「なーんだ」
楽なほうに、楽なほうに流れるのは、日本人の悪い癖だぞ、のぞみ。
「まぁそんなところで。私は勝手にいなくなったりしないわ。ただ純粋に、貴方たちの部に参加させてもらって、猫の写真を撮りたいのよ」
「朔夜さん」
のぞみが真顔で立ち上がる。
「あたし、のぞみ。これから、よろしくね」
朔夜さん笑顔を見せて、手を差し出した。
「よろしく」
朔夜さんもにこっと笑顔を見せて、のぞみと握手した。
「ただ単に朔夜さんのカメラが使いたいだけじゃないのかぁ」
「べっ、べつにそんなことはありませんっ!」
あせった顔をして反論するのぞみ。
ダメだこりゃ。

かくして、猫写真部に新たな部員、朔夜さんが加わった。


To be continued


いかがだったでしょうか。

とりあえず、矛盾の無いように朔夜の設定をしました。
奨学金の話とか、羊飼い本編には出てきませんでしたが、まぁこれぐらいあるでしょうということで。
ちなみに、国の奨学金は、米原も大学でお世話になりました。
全額この奨学金で自己負担。
ローンにヒーヒー言いながら、サラリーマン生活を頑張りたいと思います。

米原


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大図書館の羊飼い~放課後しっぽデイズ~ コミュニケーション(4)

こんにちは。米原です。

これだけ続くのは珍しかったり。
調子が良い時は進めるのが吉。


大図書館の羊飼い~放課後しっぽデイズ~ コミュニケーション(4)


部室に戻り、イスに腰掛ける。
いやはや、実にいろいろあった。
「うー、なんだか疲れた」
「まったくだ。のぞみのおかげでいろいろあった」
「ムム、その褒めているような、貶しているような」
貶している……のだが、褒めるようなところあったか?
ちょっと考えてみる。
「……パフェを安く食べられたのは感謝してる」
「あっ、てかつり銭!」
のぞみは自分のポケットから、40円を出す。
「おごってもらったのに、これまで貰うのはまずいよ」
のぞみ……結局、2つとも俺が払うのかよ。
「あー、じゃぁそれ、部費にしよう」
「部費に?」
「そう」
俺は以前のぞみが持ってきたお菓子の箱を持ってくる。
「ここに時たま小銭を入れて、部費の足しにしよう」
「あっ、それいいかも」
のぞみは自分の財布を取り出すと、490円を箱に入れた。
「今日のパフェ代!」
少し照れくさそうな顔をして、回れ右をする。
なんだ、かわいいところ、あるじゃん!

結局今日は活動が出来ずじまいだった。
だが、時にはこんな日も良いと思う。
まるで猫の目――
そう、ころころ変わって、楽しい。
そんな部活に、羊飼いの予言どおり、新たな風が吹く。

翌日、のぞみと一緒に猫を探していると、見知らぬ女性が声をかけてきた。
「こんにちは」
「こ、こんにちは」
ピンクの長い髪が風になびき、きりっとした赤い瞳は、彼女の美しさを引き出していた。
「ちょっと、誰?」
のぞみが耳打ちしてくる。
「まったく知らん」
小声でのぞみに返す。
「カメラ、好きなの?」
女性は俺のカメラを指差した。
「えぇ、一応……」
「被写体は何?」
「ね、猫です……」
「猫?」
「猫の写真を撮る部活なんで……」
「ふーん、楽しそうね。少しお邪魔しても良いかしら」
急な展開に驚き、俺とのぞみはお互い顔を向け合う。
「あ……ダメなことはないけれど、たぶんつまらないと思うよ……」
「そうかしら?」
女性は、手に持っているオレンジのカメラをいじると、画面を見せてきた。
「こういう写真、かわいくっていいと思うわ」
「うわーっ、かわいい!」
のぞみが食いつく。
きちっと猫がカメラ目線になり、背景がぼやけることにより、猫がよりくっきりと写っている写真だった。
しっかりと絞りを開けなければ、こういう写真は出来ない。
マニュアルモードで好きに変えられる一眼レフならともかく、コンパクトカメラではなかなか撮りづらい写真だ。
『この人……上手い』
すぐにそう感じた。
「ねぇねぇ、どこで撮ったの、この写真?」
「水辺で日向ぼっこをしている猫ちゃんたちに、ねこじゃらしを振って撮った写真よ」
「へぇーっ、行こう行こう」
のぞみは水辺へと駆け出していった。

水辺には、女性の言うとおり、9匹もの猫が座ってくつろいでいた。
「わっ、猫ちゃんいっぱーい!」
「こんなに集まるなんて、驚きだな」
のぞみはうれしさのあまり、猫に近づこうとする。
が、ある程度近づいた瞬間、猫は腰を上げた。
「おいのぞみ、近づいたら逃げるだろ」
「でっ、でも、ある程度近づかないと、私のカメラだと撮れないもん!」
「たぶんそこが猫が逃げない限界値だ。そこから撮れ」
「はーい」
のぞみはコンパクトカメラを取り出すと、最大限にズームをして、猫を撮ろうとする。
「うぅ……ズームするとブレやすくなる……」
「スポーツモードにすると、ブレづらくなるわよ」
「えっ?」
女性のアドバイスに戸惑うのぞみ。
「カメラを、フルオートじゃなくって『スポーツモード』に変更してみ?」
「それで、ブレづらくなるの?」
「スポーツモードは、動いているものを撮るために、シャッター速度が速くなるんだ。だから動いている状態を撮ってもブレづらい」
「う、うーん」
いまいちよく分かっていないような顔をしながら、のぞみは自分のカメラをスポーツモードにする。
そして、猫に向かってシャッターを切る。
「わっ、上手く撮れた!」
大喜びののぞみ。
調子に乗って、どんどんシャッターを切る。
「あなた、こんな基本のことも教えてないのかしら?」
「物理的に説明はしているんだけど、あいつが理解してくれなくって」
「このままだと、暗くなった時に困るのは彼女よ。きちっと教えてあげてね」
確かに、のぞみの性格を考えると、いつでもどこでもスポーツモードで撮影をしそうで怖い。
シャッター速度が速いということは、その分カメラに入ってくる光が少ないと言うこと。
当然、暗くなりやすい。
今はまだ明るいからいいが、暗い時にはシャッター速度を落とさないと暗い写真が出来上がってしまう。
そのためにスローシャッターに切り替えるのが、定番の撮影方法である。
だがブレ易くなるのが難点。
そのため、三脚を立て、手ブレを起こさないようにするのが、正攻法である。
「ねぇねぇ、今度は、さっき見せてもらった写真みたいにしたいんだけど、どうするの?」
「さ、部員さん、説明してあげて」
のぞみはあなたに説明を求めたのに……と思いつつ、のぞみに説明する。
「今度は『絞り優先モード』を使うんだ。そうすると、ピントが近くのモノのみにあって、遠くがぼやける」
「ふーん」
そう言いながら、『絞り優先』のモードを選ぶのぞみ。
「ただし、こうするとシャッター速度が遅くなるので、ブレ易くなる」
「じゃぁ最初みたいにブレた写真ばっかりになっちゃうじゃん!」
「そのためには少しズームを下げて、ブレを減らす必要がある」
「えー、でもあまり近づくと猫ちゃん逃げちゃうもん!」
「そのためにはこれさ」
俺が撮影によく使うねこじゃらしをのぞみに渡す。
「これを振りながらだったら、猫はそっちに気を撮られて近づいてくるぞ」
「ホント?」
「あぁ、ただし、夢中になるあまり、襲ってくる猫もいるから注意しろよ」
「うん、分かった分かった!」
のぞみはゆっくりと猫に近づく。
猫は間合いを見ながら腰を上げた。
「ほーら猫ちゃん、ねこじゃらしだよぉ~」
猫はのぞみが振っているねこじゃらしに反応し、じりっじりっと間合いをつめる。
「うわっ、近づいてきたっ」
のぞみは驚きながらも、シャッターを切りながらゆっくりと後ろに下がっていく。
猫は獲物を狙うかのように、間合いを詰めようとする。
しかし、相手は人間と言う事もあり、どうしても躊躇してしまう。
その隙を突いての撮影が続いている。
「ほーれほれほれ♪」
しっぽをぶんぶん振りながら、今か、今かとタイミングを狙う猫。
しかし、なかなかそのタイミングが見つからないよう。
なかなか上手い撮影をしているな、のぞみ……と思ったが、少し調子に乗りすぎている気がする。
のぞみはすぐ調子に乗って、失敗するタイプだ。
今回は……。
「猫ちゃーん。大好きなねこじゃらしだぞぉ~」
「のぞみ、それ以上下がると水辺に落ちるぞ!」
「えっ?」
のぞみがこっちを向いた瞬間、猫がのぞみに飛び掛った。
「あぶないっ!」
あれだけじらされた猫だ。
恐らく、手にかじりつくつもりだろう。
「のぞみ、右へ飛べ!」
「右……」
左に飛べば水辺に落ちることを理解してくれたのか、のぞみは躊躇無く右へ飛んでくれた。
だが、ぬかるみに滑ったのか、ヘッドスライディングのような形で飛んでいる。
「くっ!」
俺は右手を精一杯伸ばし、のぞみの右腕をつかむ。
そしてそのまま、のぞみを抱きしめるように体を回転させる。
「間一髪」
「あ、ありがと」
猫はのぞみが落としたねこじゃらしに夢中だった。
危ないところだった。
「ふふっ、さすがおしどり夫婦ね?」
「え?」
俺とのぞみは、お互い顔を向け合った。
おしどり夫婦?
何で俺たちが??
「まっ、仲良しも大概にして欲しいけどね。女としては」
女性が指差す先にはのぞみの胸……をつかんだ俺の手だった。
「うわっ!」
「きゃっ、きゃあああぁぁぁっ!」
突然、目の前がゆれたのだが、それがなぜだったのかを分かるには、少し時間が必要だった。


To be continued


いかがだったでしょうか。
やっぱりこういうハプニングは、ゲーム内での楽しみですよね。
実際に起こったら犯罪なのかなぁ。

さて、主人公の名前、まだ公表されていないので、『アンタ』と書かせていただいております。
今のところ、主人公を呼ぶ時を可能な限り避けていますが、いつの日か苦しくなることが予想されます。
ぜひ、オーガスト様は早く名前を公表してください!
個人的な意見ですが、『貴信』と言うのはどうでしょうか。
貴信(きしん)ではないので、あしからず。

米原

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大図書館の羊飼い~放課後しっぽデイズ~ かわいいきまぐれ(3)

こんにちは。米原です。

やっぱりゲームの背景を知っていると、作るのが楽ですよね。
あとはもっとキャラの情報が出てくれば、と言いたいところですが、その中で考えるのが楽しみの一つです。
案が出ている間は書き進めたいと思います。



大図書館の羊飼い~放課後しっぽデイズ~ かわいいきまぐれ(3)


のぞみのテンションが下がったため、珍しくきれいに二等分された。
普段、食べ物をのぞみと分けると、良くて3:1、4:1になることも珍しくない。
「ご馳走様でした」
「はい、伝票お預かりしますね」
小さな体を伸ばして、伝票をレジにピコピコ打ち込む。
「お会計は960円です」
「あれ?1160円じゃないの?」
「はい、カップルでパフェを食べられた方には、一つ当たり100円を値引きさせていただいています」
「ってことは、490円のパフェが二つで980円だったのが、780円になったわけ?」
「左様です」
えっへんと、ない胸をはるウエイトレスさん。
それはありがたいという事で、1000円札を出す。
「はい、1000円お預かりですね」
ピコピコと入力をして、会計をする。
「はい、40円のお釣りです。またよろしくお願いいたします」
「あ、私半分だすよ」
間の悪いタイミングで、望みが俺に500円を差し出す。
「いいって、もともとは俺がのぞみに無駄に注意したのが発端だから」
「でも」
「それに、もらいすぎだし」
俺は望みが500円玉を差し出した手の上に、10円玉を4枚置き、握らせる。
「ちょっとあんた優しすぎ!」
のぞみがすこし顔を赤める。
「それぐらい気にすんなって。ほら、行くぞ」
「ちょ、ちょっと」
のぞみが俺の前に走りだし、ブロックする。
「こんなの、受け取れるわけないじゃない」
「高々それぐらい、気にすんなって。もともとは俺から980円せしめようと思ったくせに」
「そ、それは違うわよ。私だけが食べるんじゃさびしそうだから、アンタも一緒にオーダーさせてあげようと思って二つ選んだの!」
「本当かぁ~?」
「ほ、ホントよ」
「まぁ結局、全額俺に払わせるつもりだったわけで」
「……ぐ」
急造の嘘というのは本当に簡単に見抜けられる。
さっき俺が行ったばかりだからだ。
「あらあら、仲が良いことで」
ビクッ、として振り返ると、先ほど会計をしていただいたウエイトレスさんがニコニコしてこちらを見ている。
「こういう仲の良いところを見られると、100円も引いたかいがありまする」
……アプリオのウエイトレスの罠に、まんまと引っかかる俺たちだった。

プンプン怒るのぞみと一緒に、部室に戻る。
「なによ、何で私たちが恋人同士みたいにとられてるのよ?」
『喧嘩するほど仲が良いって言うからじゃ……』と喉まで出かかったが、こらえる。
ここでまた喧嘩をしては、何のためにのぞみを引っ張ってアプリオから逃げ出したのか、わからない。
しかし、のぞみには困ったものだ。
表情がコロコロと変わり、実に猫のようだ。
一見するとおとなしくて優しそうなそうな女性なのだが。
人というのは、環境によってこうも変わるのだろうか。
だが、こののぞみの表情は俺専用。
案外気の弱いのぞみは、俺の前だけこういう表情を見せる。
家族ですら見せない、俺にだけの表情。
それが見られるのも、俺がのぞみと一緒にいる楽しみの一つである。

「あっ、猫ちゃん!」
また気まぐれなのぞみの表情が変わる。
ショートヘアの女の子が、デブ猫を抱いて歩いている。
「こ、こんにちは」
「……こんにちは」
「……チャーミング」
デブ猫は、のぞみに声をかけられたのが実にうれしそうに体をゆする。
てか、あいつ今しゃべらなかったか?
のぞみも、『今この猫、しゃべったよね?』という表情をしている。
「ギザ様は、時より人間の言葉をしゃべるんです」
「へっ、へーっ」
驚くのぞみ。
「ナーイス、ナーイス」
猫はショートヘアの女の子の腕から抜け出して、のぞみに飛び移りたいと体でアピールしている。
「ギザ様。浮気をすると、どこかの誰かさんのように、優柔不断のレッテルを張られますよ」
「な、なご……」
「……ギザ様はいい子ですね~」
一瞬、寒気がしたのは、なぜだろうか。
「こ、この猫、『ギザ様』っていうんですか?」
「えぇ」
「ちょっと触ってもいいですか」
「ギザ様、目の前の可愛い女の子がさわってくださるそうですが、どうしますか?」
「カモン、ホーミタイ!」
猫はデレデレな顔をして、腕を伸ばす。
のぞみは右手でギザ様なる猫の頭をなで、左手で腕を握る。
上下に振りつつ、肉球の感触を味わう。
「ん~毛がフサフサして気持ちいい。あっ、この肉球プニプニ」
「な、なご……」
ただの癒しマスコットにされている猫が可愛そうになってきた。
お前は、のぞみに抱いてもらえると思ったんだよな……。
「ギザ様、良かったですねぇ。新しいご主人様ですよ~?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
おい、今こいつまで驚いたぞ!?
「ではギザ様さよなら~」
ショートヘアの女の子は猫を地面に置くと、どこかへ行ってしまった。
「ちょ、ちょっとー」
のぞみの声は、女の子に届かなかった。

またこのパターンか、と思いながら、どうすればよいかを考える。
急な展開で良案が浮かばないのだが、何とかここを抜けなくては未来がない。
「モ、モウマンタイ」
なぜかのぞみと猫がお互いを慰め合っている。
「モウマンタイじゃねーよ、のぞみ。さっきの女の子見つけて返さないと」
元はと言えば、『浮気するな』と言われたにもかかわらず、平気でしてしまった猫の自業自得なのだが、それを猫に行っても仕方ない。
何とかして飼い主のもとに連れて行かなくては。
「そ、そうね、首輪もつけているし、さっきの女の子が飼い主なんだから、ちゃんと面倒見てもらわなくちゃ」
「その必要はない」
カッコいい女性の声がした方向を見ると、美しい黒髪をポニーテールにした女性が、こちらを見ていた」
「ギザは野良だ。放っておいて構わない」
「え、でも、首輪してますよ」
「私も良くわからないが、何年も図書部に出いれしている猫でね。飼い主は不明」
俺の質問に対し、きっちりと答える女性。
のぞみもこれぐらいしっかりしてくれると……なんて思ってしまった。
「え、で、でも、放っておくのはどうかと……」
「まぁその通りなんだが、ギザからしてみれば『何を今更』だと思っていることだろう。さ、帰るぞ、ギザ」
黒髪ポニーテールの女の子がそういうと、ギザという名前の猫は彼女についていった。
「後で御園に謝っとけよ。笑顔の裏にある乙女のココロがわからないと、どっかの誰かさんのような扱いにされるぞ」
「な、なご……」
そんな会話をしながら、女の子と猫は去って行った。
不思議な猫だ。
「へぇ……さっきの人が御園さんなんだ」
「え、のぞみ、知ってるの?」
「歌姫ってことで有名じゃない」
そういえばなんかで読んだ気がする。
「あの人も猫ちゃん好きなんだ。うふっ、なんだか親近感がわくね」
一転して笑顔のぞみ。
本当にこいつはもう……。
しかし、さっきの御園さん、可愛かったな……。
ギザという猫に見せた冷たい視線を浴びてみたくなったのは、ナイショである。


To be continued



いかがだったでしょうか。
本編のキャラも当然出るよね、ということで、佳奈→凪→紗弓実→千莉→玉藻の順番で出しました。
本当はキャラクター人気投票の順にしたかったので、佳奈→凪→紗弓実→玉藻→つぐみ→千莉とする予定でしたが、都合上断念。
お話の流れからすると、これが一番だったので。
というか、ギザが一番得しているような気がしないでもないです。
あと、千莉だけ名前を出して優遇しているのは、気のせいではありません(キリッ

まだつぐみは出ていませんが、原作のメインヒロインという事で、あとでからませる予定。
こうご期待

米原

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大図書館の羊飼い~放課後しっぽデイズ~ 造ったウソ(2)

こんにちは。米原です。

案が出たので、放課後しっぽデイズを投下します。
米原の予想は果たして……。



大図書館の羊飼い~放課後しっぽデイズ~ 造ったウソ(2)


「ねぇ、朔夜って知ってる?」
「いや、まったく」
「そう……」
「のぞみは?」
「当然、全然よ」
まぁ、生徒と教職員合わせて5万人のこの汐美学園で、人一人を知っている確率は非常に低い。
「それよりもこれ、私たち宛てかな?」
「そう……だろうね。なんとなくわざと落とした感じもするし」
「あーっ、ということは、私はあの人に、わざとぶつけられたの?」
「……そうかもね」
「ってことは、私はアンタに、私が悪くないにも関わらず怒られたわけ?」
いや、怒った記憶はないのだが。
「ふん、もう知らない!」
のぞみは俺のカメラを持ったまま、部室へと戻る。
「おいのぞみ、カメラ返せ」
「反省するまで返しません」
「ちょっ、まっ、待てよのぞみ……」
結局俺はお詫びとして、明日の放課後、のぞみにパフェをおごらされる羽目になった。
ちなみに、それまでカメラを没収されたのは、言うまでもない。

翌日、授業が終わって部室に行くと、すでにニコニコ顔ののぞみがいた。
何やら、スマホをみてニヤついている。
「ふんふふーん♪」
鼻歌まで歌ってるし。
「なにやってんだよ、のぞみ」
「今日食べさせてもらうパフェのメニューを見てるの」
「あっそう……。で、決まったの?」
「悩み中~」
のぞみはため息をつきながら、机にうなだれる。
「あぁ……新作のジャンボチョコパフェにするか、それとも初夏イチゴのアイスパフェにするか……悩むなぁ」
なんでもいいだろ……と思いつつ、のぞみのスマホをのぞき見する。
そこには、女の子なら舞い上がっちゃうような、いかにも甘ったるそうなパフェが。
お値段、おひとつ490円也。
「よ、490円??」
値段の高さに驚愕する。
「……アンタ、今画面のぞき見したでしょ」
のぞみの視線が痛い。
「あっ……うん……悪い。で、でもほら、俺はパフェのメニューを見てるって知っているわけだし、のぞみがどんなのを食べたいのかな~って思ってさ。あ、あとはアドバイスを……」
下手なウソを並べる。
それがのぞみの怒りに火を注いだようだ。
「アンタねぇ……乙女の所有物をのぞき見するなんて、いい度胸してるじゃない……」
「……ご、ごめんなさい」
結局、俺はのぞみに頭があがらなかった。

のぞみに引っ張られるように、アプリオに連れて行かれる。
「いらっしゃいませー」
金髪のかわいらしいウエイトレスに席を案内される。
「あ、注文決まっているので、このままいいですか?」
「あ、はい、どうぞ~」
「新作のジャンボチョコパフェと、初夏のいちごアイスパフェ、一つずづ」
「はい、ジャンボチョコパフェと、いちごアイスパフェですね。他にご注文は?」
「コーヒーのホット、ブラックで」
こんな甘ったるいの、コーヒー抜きで食べられるもんか。
「ブラックのホットコーヒーっと、以上でよろしいでしょうか」
「はいっ♪」
「かしこまりましたー」
ウエイトレスさんが厨房へと消えていく。
「はぁ……」
俺はその姿を見ながら、ため息をつく以外、何もできなかった。
「アンタが悪いのよ。少しは反省しなさい」
「あい……」
「そんなに落ち込まないの。さっきも言ったように、ちゃんと半分上げるから」
「俺は別に甘党じゃない……」
「あらそう。なら、私が全部食べてもよろしくってよ?」
お嬢様キャラの声をのぞみが発するが、全然似合わない。
だが、ツッコむとまたなんやかんや言われそうなので、スルーする。
「お冷お持ちしました~」
さっきとは別のウエイトレスが水を持ってきてくれる。
「どうぞ」
「ありがとう」
のぞみが受け取ろうとする。
が、ひんやりと冷えた水が入ったグラスの表面に水滴が、二人の手元を狂わす。
バシャッ
「ひゃあああぁぁぁっ!」
「ごっ、ごめんなさい~っ!
グラスは割れなかったものの、ウエイトレスさんはびしょ濡れ。
「だっ、大丈夫ですか?」
とっさにウエイトレスさんのフォローをしようとハンカチを取るが、その行動が間違いだったことに気がつく。
水を浴びたウエイトレスさんの下着はスケスケになり、何とも言えないエロチックさが神経を刺激する。
しかも、スタイルがものスゴい。
出るとこは出ていて、引き締まるところは引き締まっている。
思わずドキッとしてしまうような女性だった。
「何じっと見てんのよ、このヘンタイ!」
「ほげっ!」
禍福は糾える縄の如し――
そんな言葉が頭の中をよぎった(!?)

ひりひりとした頬をお冷で冷やしながら、のぞみと交互にパフェを食べる。
「さ、さっきはごめんね……」
「……」
「やっぱり、怒ってる……よね」
「調子に乗りすぎ」
「はい……」
シュンとするのぞみ。
きちっと反省してもらわなければ困る。
ちなみに、こういうことは過去、何度かあった。
子を産んだばかりの猫を見つけて舞い上がり、親猫に襲撃されたこと。
野良猫の生態を知るために、野良猫を保護するNPO法人に行って、危うく里親になりかけたこと。
思えば、いつもとばっちりを喰うのは俺だ。
「本っ当にごめんね。埋め合わせ、必ずするから」
「別にいいよ」
「でも……」
「俺はそんなの望みません」
「……」
だまりこむのぞみ。
悪いが、俺はのぞみと違って、お返ししてもらおうなど、思ったことがない。
すべては天の思し召し。
すべての現象には原因があり、結果がある。
今回こうなったのも、俺がのぞみのスマホを見たから。
自分にも少しは非があるから、こういう仕打ちを受けるわけである。
それをきちっと反省することが、人の道だと俺は思う。
だから、相手に罰を与えるなど、俺は大反対だ。
「あ、あのさ……」
「わかってるよ。下着が透けているところを見られるなんて、女の子にとっては恥ずかしいことだから、見ている俺が許せなかったんだろ?」
「……うん」
「それと、ハンカチで拭いてあげようってのは、優しさかもしれないけど、見知らぬ男から拭いてもらって喜ぶ女の子なんかいないってんだろ?」
「…………うん」
「別にのぞみは悪くないよ。因果応報、自業自得だよ」
「……」
「それより、せっかくの雰囲気が台無しになるからさ、食べようぜ、パフェ」
「……うん」
結局、のぞみは食べ終わるまでふさぎっぱなしだった。
無理もないが、これも勉強だと思ってもらいたい。


To be continued



いかがだったでしょうか。
なお、案が出まくりなので、このまま続きます。
米原ワールド、全開!

米原

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大図書館の羊飼い 多岐川葵 SS 二つの誓い

こんにちは。米原です。

季節感&日程ずっれずれですが、葵さんルートの続きを書きたいと思います。
桜舞う3月29日……あぁ、一ヶ月半も前ですなぁ。

それでは、お楽しみください。


大図書館の羊飼い 多岐川葵 SS 二つの誓い


日が暮れるにつれ、せわしくなる。
ゴールのときは近い。
「それでは最終確認入ります!」
多岐川さんの声が響く。
「荷物班、準備オッケーです」
「桜庭さんはオーケーね。鈴木さんは?」
「食料班、オッケーです」
「筧君は?」
「俺も準備できましたっ!」
「みんな、ありがとう。それでは、レッツゴー!」
あの誓いの日から多岐川さんは笑顔を振りまくようになった。
もう立派な図書部の一員。
そして、生徒会の仲間だ。
リーダーのつぐみとサポート役の玉藻。
それに実績のある多岐川さんが加わったこの生徒会は、歴代最高であると俺は思う。
今まで影ながらサポートしてくれた望月さんがいなくとも、もはや十分にやっていける。
俺はそう確信しながら、現地へと向かった。

皆で運んだ荷物を確認する。
「多岐川さん、全部あります」
「オーケー。じゃ、組み立てましょう」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。さすがに疲れたぞ」
息を切らした玉藻が地面にへたり込む。
「そ、そうですよ。私たちのことも考えてください」
目を回しそうな鈴木も、荷物を置くなりヘタってしまった。
「そうね。少し休憩しましょう」
「あ、じゃ俺、なんか買ってくるよ」
俺は近くの自動販売機で、冷たいスポーツドリンクを買った。
「ぷはぁーっ、生き返るぅーっ」
「佳奈すけ……。親父くさいぞ……」
「す、すみません。でも、もうくたくたです」
「……というより、さすが先輩ですね。午前中から仕事をして、さっきあれだけの荷物を運んだのに、それほど疲れた様子が無いなんて」
御園の何気ない一言により、玉藻、御園、鈴木の目がこちらに向けられる。
「ほ、ほら……俺は男だし……」
「先輩じゃなくて、多岐川先輩です」
玉藻と鈴木も首を縦に振る。
「わ、私?」
驚いた様子の多岐川さん。
「わ、私は……ほら……慣れてるから」
笑顔でごまかす。
「まぁなんにせよ。あれだけ仕事をしてもまだ体力があるのはすばらしいです。私たちも見習わなくてはなりません」
「そうだな……私達もそのうち、耐えうるだけの力がつくのかなぁ」
「そうなるように、努力しなくてはなりませんね。桜庭先輩」
結局、感心されたのは多岐川さんだけだった。
俺だって疲れているのに、気合で乗り越えているだけなのにな……。

太陽が完全に地平線に沈み、その名残だけが残っている。
そろそろ始めなければ、一気に真っ暗闇だ。
「多岐川さん、そろそろ再開しましょう」
「そうね。筧君、ライト設営をお願い」
「了解」
発電機をセットし、昼間のうちに木にくくりつけておいた電球とつなぐ。
「おぉ、これは明るいですね」
「特別に科学部から借りてきた高性能省エネライトだ。これならこの発電機が五時間分の電力を供給してくれる」
「ほほぅ……やりますね筧さん」
「生徒会の名前を使うと、結構協力してくれるんでありがたいよ」
「ありがとう筧君。では荷物を所定の位置に置きましょう」
シートを広げ、重石を置く。
主賓が桜を良く見えるように配置すれば準備完了。
「うん。これで準備完了ね。みんな、ちょっと集まって」
多岐川さんを囲うように集合する。
「今日まで協力、本当にありがとう。みんなのおかげよ」
「そんな水臭い。私たちだってやりたくてやっているんだ」
その言葉を聴いて、葵さんの顔に笑みがこぼれる。
「ありがとう。桜庭さん」
「どういたしまして」
「御園さんも、鈴木さんも」
「えぇ」
「これぐらいへっちゃらです」
「さて。今から主賓の二人を呼んできます」
「おねがいしまーす」
俺と多岐川さんは、主賓の二人をお出迎えに出かけた。

「ねぇ筧君?」
主賓を迎えに行く道中、多岐川さんが声をかけてくる。
「懐かしい、わね?」
「と言いますと?」
「この月に、三回もこの道をあなたと二人で歩いたわ」
「あぁ」
3月5日は桜のつぼみを見に。
3月17日は花見の決定をしに。
そして今。
今月3回目にして、恐らく二人でこの道を歩くのは最後だろう。
「貴方にはお礼を言うわ」
「え?」
「貴方たちが当選し、新しい生徒会が始まったけれど、なんだか私は蚊帳の外だった」
確かに、最初は少しギクシャクしていた。
「でも、貴方は一生懸命私が溶け込めるようにサポートしてくれた。本当に感謝しているわ」
ここまで素直にほめられると、なんだかくすぐったい。
「今回の花見。私は、これが始めて貴方たちと共同で成し遂げたイベントだと思うの」
「うん。今までも生徒会が成し遂げたイベントはあれど、どちらかと言うと旧生徒会での達成と、旧図書部での達成に分かれていた気がするからね」
「これで望月さんから白崎さんへバトンが完全に渡る。旧生徒会だとか、旧図書部だとか、そういうのはナシにして、新しい生徒会にしたいの」
「俺も、それが良いと思う。多岐川さんが俺たちに溶け込むんじゃなくて、俺たち全員が新しい組織になりたいと思う」
「その鍵はきっと……いえ、絶対貴方よ。頼ってばかりのような発言だけど、よろしくね」
多岐川さんから頼られるなんて初めてだ。
いよいよ……いや、考えすぎかな。

「お待たせしました!」
生徒会室で待機していただいた望月さんと白崎に声をかける。
「えぇ、首を長くして待たせていただいたわ」
「なんだか私は緊張します……」
「ほらほら、新生徒会長がそんなんでどうするの?今日は思う存分楽しめばいいのよ」
「は、はい……」
自分だけの為に祝われるのが少し照れくさいと思う白崎と、これを機に後輩を巣立たせたいと思う望月さん。
相反する二人がバトンを渡し、そして引き継ぐ。
来年は白崎が望月さんのようになれてれば良いなと思いながら、4人で花見会場へと向かう。

「望月会長、お疲れ様でした!そして新会長、独り立ち、おめでとうございまーす」
パッパーン、パーン
クラッカーの音が桜散る中に響き、両者をお祝いする。
「ありがとう、みんな」
「あ、ありがとう……」
白崎は相変わらず緊張している。
「まずは送られる側の望月会長、一言お願いいたします!」
桜庭がマイクを渡す。
と言っても、おもちゃのマイクで電源は無いのだが。
「今日は私の門出を祝ってくれてどうもありがとう。思いっきり楽しませてもらうわ!」
「それでは、思いっきり楽しみましょう!」
多岐川さんの合図と共に、大宴会が始まる。
そういえば、こんなことは図書部でもやったこと無かったな。
みんなでカンパしたお金で作った豪華な料理。
そして、それを食すことによることで生まれる笑顔。
会話も弾み、引退までにどんな学校にしてみたいだとか、大それた内容まで言い合うようになっていた。
本当に新生徒会が一体となれた気がした。

「そろそろ、お開きにしようか。片付けとかもあるし」
「そうね。時間的にもころあいだしね」
「それでは、ほい、白崎」
「えっ、ええっ、玉藻ちゃん……」
「締めの挨拶だよ。ほら」
「う……うん……」
白崎はおもちゃのマイクを持ち、立ち上がった。
「本日お祝いをしていただきまして、本当に感謝しています。今日は皆さんご存知の通り、私の誕生日です。今日、私は人生で最高のプレゼントを貰いました」
本当にマイクが入っているかのように、白崎の声が夜桜の下に響く。
「私は、望月会長にあこがれていました。いつかああいう人になりたい。そう思って仲間を巻き込み、ここまで来ました」
白崎が大きく息を吸う。
「みんな、本当にありがとう!スターと地点に立たせてくれたこと、本当に感謝しています。望月会長を超えるような人間になって、必ず恩返しさせてもらいますっ!!」
パチパチパチ……
皆、自然と拍手をしてしまった。
白崎の大きな誓いは、俺たちを鼓舞するのには、十分すぎるほどだった。

ごみを回収し、用具を生徒会室まで持って帰ってきた。
「これで終わりね」
「俺、帰り際に最終確認だけ行ってくるよ。お疲れ様」
「あ、私も行くわ」
「え、良いのに」
「すこし……貴方ともお話がしたいの」
再び多岐川さんと桜の木下まで歩く。
もう無いと思っていた時が、再び訪れた。
「今日は本当に楽しかったわね」
「あぁ。夢のような時間だったよ」
「なぜ?」
「新生徒会が発足されてからさ、ずっと忙しくて、こういう風になると思っていなかったから」
「ふふっ。そうね」
多岐川さんも笑みを浮かべる。
「私も、一気にみんなと仲良くなれると思っていなかったわ」
「いいやつらだよ。保障する」
「まぁ。女の子たちの事をよく言うのは、男の子だから?」
「いや、本気であいつらのことは信用しているよ」
「じゃぁ……」
多岐川さんが足を止める。
「じゃぁ、私のことは……?」
なんとなく、多岐川さんの瞳が潤んでいるように感じた。

『涙は女の武器』だとか言われることがある。
でも。
今の俺の心境は、涙のせいではないと思う。
ただ単純に。
多岐川葵という女性に惹かれているのだと思う。
不器用だけど、自分の夢に向かってまっすぐ突き進む姿。
少し白崎にも、桜庭にも。
御園にも鈴木にも似ているような。
そんな感じの女性が、多岐川さんである。
「俺は……」
「……」
「俺は多岐川さんを特別な女性だとしてみている」
「……やっぱり、あの娘達とは違うの?」
「うん……」
「そう……」
少しがっかりしたような、そんな顔を見せてくる。
やっぱり、嫌なのだろうか。
「私は……私は、いえ、何でもありません」
「気になるなぁ。言ってよ」
「もう少し、筧さんに認められる人になってから言うことにします」
「じゃぁ言ってよ」
「えっ?」
「俺は、多岐川さんを認めている。誰よりも」
「そっ、そんな口だけでは納得できません!」
多岐川さんは恥ずかしそうな顔を見せる。
「俺は、多岐川さんを特別な女性としてみている」
「え……」
「はっきり言う。この一ヶ月、多岐川さんと一緒にいられて、すごく楽しかった。もっといたいと思うようになった。そして……」
「そ、そして……?」
「多岐川さんのことが頭から離れなくなり、だんだん多岐川さんを独り占めしたいと思うようになった。好きになりました。貴方を」
「ッツ……」
俺は今、一体どんな顔をしているのだろうか。
いつ日が出てもおかしくないくらいほてっているのがかろうじて分かる。
勢いに乗った……のを反省しなくてはならないかもしれない。
でも、この気持ちに嘘がつけなかった。
そして、この思いを早くぶつけたいと思ってしまった。
「私も……私も貴方を……。いえ、やめときます」
「えぇ?」
「私が……私が自分自身を認められたとき、貴方に声をかけるとします」
「ダメだっ!」
「ひゃぁあっ!?」
俺は多岐川さんに抱きつく。
「もう、離したくない……」
「あ……」
急に抱きつかれたことで、驚く多岐川さん。
もう俺は止まれなかった。
「今聴きたいです」
「わ、私は貴方とはまだつりあえるような自信が……」
「十分です」
「……」
「貴方となら十分やっていけます」
「筧くん……」
「好きです……」
「はい……」
「やっと見せてくれたね。笑顔」
「……はい」
俺はゆっくりと顔を近づける。
もしかしたら、ひっぱたかれるかもしれない。
もしかしたら、蹴飛ばされるかもしれない。
それでも、行動を抑えきれることが出来なかった。
そして。
俺たちの距離はゼロになった。

永遠に続くかと思われた幸せに、風の横槍が入る。
「……冷えてきたね」
「私は……あったかいです」
「……帰ろうか」
「……はいっ!」
夜桜の下でで誓われた、二つの誓い。
どちらも達成することが出来れば、この学園はより良くなるだろう。
汐美学園に、幸あれ!!


END


いかがだったでしょうか。

もう少し先で二人をくっつけようかと思ったのですが、勢いそのままにくっつけてしまいました。(笑)
きっとファンディスクではこういう感じで二人がくっつくと思います。
デレた葵さんをぜひ見てみたいですね。

さて、葵さんルートはひとまず終わりです。
GW編とか、いろいろ考えはあるのですが、私服姿が良く分からんので却下。
誰か描いてちょんまげ。
とりあえず、夏コミの前哨戦としてくっついた二人までは書きました。
夏コミ(受かればだけど)乞うご期待!!

米原

大図書館の羊飼い - 放課後しっぽデイズ - 猫の集い(1)

こんにちは。米原です。

最近、不調が続いています。
ちょうど、パワプロの不調マークのような感じで、絶不調ではないけどなんだか……と言う感じです。
まぁ、最近と言うより、ここ数年そうなのかもしれません。ハイ。

さて、ここいらでちょっと小話を書いてみましょう。


大図書館の羊飼い - 放課後しっぽデイズ - 猫の集い(1)


草木を慎重に掻き分けながら、一歩一歩前進していく。
額から汗がにじむが、ぬぐっている場合ではない。
パキッ
「!」
この音に相手は一瞬びくっと反応し、あたりを見渡す。
『逃げるな逃げるな……』
願いが通じたのか、相手は首をかしげながらも、再びえさにかぶりついた。
ほっとして、再びゆっくりと近づく。
そして、やっとの思いでシャッターを切ることが出来た。

ただただ、野良猫を撮るだけの部活、猫写真部。
親父のお下がりのカメラとはいえ、結構な高性能カメラのおかげで、時より良い写真が取れるのがうれしい。
今日も猫の食事風景を撮るために罠を仕掛けた。
といっても、このままじゃ飼い猫と変わらない格好なんだけどね。
「お」
猫は満足したのか、珍しく仰向けになり、体をくねくねさせる。
そのかわいらしさに、たまらずシャッターを切る。
そのシャッター音に気がついたのか、猫はこちらを見る。
きっちりとカメラ目線になってくれた猫ちゃん、ありがとう!
すると、猫はこのレンズがでっかい目に見えたのか、体を膠着させる。
"やば、どうしよう"
そんな言葉すら聞こえてきそうな顔だ。
『まず、このままだと逃げ出しそうだ』
俺はそう思ったが、もうベストショットは撮れた。
もう後は野となれ山と慣れだ。
『え~い、逃げ出すまで撮り続けてやる!』
そう思った俺は、もうやけくそになりながら、シャッターを切り続ける。
猫はしばらくこちらの様子を伺うと、一瞬の隙(?)を見つけて走り去っていった。

俺は猫の食べかすを片付け、部活に戻る。
「お帰り、どうだった?」
「まぁまぁのが撮れた」
「といいつつ、いっつもかわいい猫ちゃんの写真を撮ってくるのは、どこの誰かしら?」
部員であるのぞみに文句を言われながら、俺はSDカードをPCにセットした。
「ほい、今日の成果」
「わーっ、かわいい!」
PCのスクリーンには、えさを食べ終わって満足している猫のあられもない姿。
野生の動物が仰向けになるのは非常に珍しい。
いつ襲われるかも分からない状態であるのが野生の宿命。
腹を天に向けてくつろぐなど、言語道断だ。
だが、その姿は非常にかわいいのは間違いない。
「いいなぁ。私も一眼レフ欲しい」
「別に最近のコンパクトでも結構綺麗に取れるぞ」
「でも、私はこんな写真取れないもん!」
ぷんすかと怒るのぞみ。
あの、構図やシャッターチャンスっていうのは、一眼レフを持ってもコンパクトを持っても、まったく変わらないんですけど……。
「いいよなぁ。私じゃこんな写真は取れないもんねぇ~」
ぶつぶつと文句をたれるのぞみ。
「あぁ分かった分かった。貸してやるから、その辺で好きなだけ撮って来い!」
「わーい!」
のぞみは俺のカメラをふんだくると、外へと走っていった。
「まったく……」
少しあきれながらも、年頃の女の子と共有している物品があるのが、なんとなくくすぐったい俺だった。

外へ駆け出していったのぞみを、ゆっくりと追いかけていく。
最近、夕方になると池のそばに猫が集まっているのが多いので、その猫を撮るつもりだろう。
とはいっても、いきなり人間が近づこうものなら、一瞬にして猫たちは逃げてしまう。
途中から藪の中に入り、草木を掻き分けながら、遠くから取るしかない。
古いとは言え、55-300のレンズ。
ある程度遠くからでも、猫の井戸端会議を撮ることが出来る。
それが、のぞみが一眼レフを欲しがる一つの理由である。
「よい……しょっと……」
のぞみが藪の中に入っていった。
俺も続いて入る。
「おいのぞみ、もう少し足音を立てないようにしないと、バレるぞ」
「そっ、そんな事言われても……」
日に日に気温が上がっていくこの季節、藪もだいぶ成長している。
確かに厳しいのは分かるが、このままでは逃げられかねない。
「ここからは慎重に、ゆっくり行こう。な?」
「……はぁ~い」
少し厳しい口調で言うと、いやいやながらものぞみは従ってくれる。
なんだかんだで俺から撮影方法を盗もうとしてくれているのは、うれしい。
音を立てぬよう、ゆっくりと進むと、その先に黒い耳が見えてきた。
ピコピコと動いていて、なんともかわいらしい。
「ねぇ、あの猫、大きくない?」
「だな。この距離からあの耳だけ見えているのは、明らかにおかしい」
不思議に思い、そぉーっと立ち上がる。
「え……」
俺たちは驚き、顔を見合わせた。
小さな女の子が、三匹の猫と一緒にしゃがんでいたのだ。
「ん……」
女の子は気が付いたのか、こっちを見た。
金髪に、黒い服。
白のロングスカートと同じ色のフリフリが、服のアクセントとなっている。
胸にはエメラルドの宝石が付いている。
そして。
俺たちが猫の耳だと思ったのは、彼女の帽子(?)であった。
「こ、こんにちは」
「ん……」
彼女はそのまま、テクテクと歩いていってしまった。

「ニャー、ニャー」
先ほどまで女の子と一緒にいたのは、まだ幼さの残る猫だった。
1歳前後だろうか。
まだ危険を知らないのであろう、こちらが近づいても逃げない。
のぞみはチャンスとばかりにシャッターを切りまくる。
「かわいい!逃げないし」
「でも心配だな。親猫はどこなんだろう」
「確かに。飼ってあげるわけにもいかないしね」
「無事に成長してくれると良いのだけどなぁ」
その後、のぞみはメモリーが一杯になるまでシャッターを切り続けた。
満足してもらえたのは、何よりだった。

「やっぱり、一眼レフだと良い写真が撮れるね」
「あのねぇ……」
帰り道ののぞみはノリノリだった。
「ピントも綺麗だし、構図もばっちりだし、ズームも適切だし。言うことなしっ!」
だから構図は……と突っ込もうと思ったがやめることにした。
変に水をさしたところで、何か良いことがあるわけでもない。
「てかのぞみ、カメラの液晶ばっかり見て、前を向かないと危ないぞ」
「あ、そうね……ってふぁああぁあっ!」
見事、通行人と接触。
「おっと失礼」
スーツ姿の男の人は、会釈をすると去っていった。
「言っているそばから……」
「もっと早く言ってよね!って何かしらこれ?」
のぞみの足元には小さな紙切れが。
「さっきの人のかなぁ」
「悪いけど、中身を見てみようか。そうしなくちゃ判断できない」
「そうね」
のぞみは紙切れをあける。
そこには、
"朔夜が加わることにより、君たちは新しい風を感じることが出来るだろう"
それだけが書いてあった。


To be continued


いかがだったでしょうか。
久しぶりにSSを書いてみました。
といっても、2500字程度の短文ですが。

今回は猫つながりと言う事で、リースちゃんに登場してもらいました。
完全なカメオ出演であるため、本家大本の作品でこのようなシーンは無いと思います。(笑)
さて、放課後しっぽデイズ、はたしてどんなお話になるのでしょうか。
米原は、こんな感じのラブコメを期待します。

もし出来たら穢翼のユースティアのときのように、大予想大会をやりたいと思います。
しかし、正直そこまでは出来ないと思います。
せいぜい、大図書館の羊飼いの時のように、部分部分のSSを作るのがせいぜいだとは思います。
葵さんのSSとあわせて、アイディアが浮かぶたびに、放課後しっぽデイズのSSも書けたらと思います。

米原


次はこちら

明日の決戦……と放課後しっぽデイズ

こんにちは。米原です。

いよいよ明日、決戦の火蓋が切られます!
米原の昼休みは12:15からなのですが、少し失敬させていただきたく思います、まるっ!

とまぁさっそくオーガストトラベリングの話になりますが、さすがはオーガスト様!きちっと対策かけてくださいました。
個人的には2枚までは許して欲しかったのですが、「欲しけりゃ自分で頑張れ!」ってことですよね。
欲しい人は自分で動きましょう!

裏を返せば、それぐらい一般販売に余裕が無いのかもしれませんが、まぁ仕方ないです。
なるようになるわけなので、とにかく頑張ります。

さて、本日トラベリングオーガストに関して注意事項が出ました。
いかに記載させていただきます。

・一般発売のチケットは先着順となります。詳細はお問い合せurlにてご確認下さい。
・出演者の情報はこちらのサイトにて、後日公開予定となります。
・本公演では特に服装制限はございません。
・ステージの演出上、サイリウム・ペンライトの持ち込みはご遠慮頂いております。何卒ご了承ください。
・鳴り物は禁止致します。携帯電話の電源、時計のアラーム音は開演前にお切り下さい。
・お座席での飲食はご遠慮ください。(ホワイエ/休憩所での飲食は可)
・大きな荷物や、雑音の出る荷物(スーパーのレジ袋等)の持ち込みはなるべくお避け下さい。
・録音、撮影はご遠慮ください。

まぁ、一番目はそうですかと言う事で、二番目に行きます。

「出演者情報は後日公開」とのことですが、これは非常に珍しいと思います。
普通なら公演決定前にゲストの日程抑えるのだから、決まっているはずです。
そして、それを餌に参加者をより多く募ろうとするはずです。
まぁ、この場合は「オーガスト」単独であるが故、誰が来ようがが来なかろうがあまり関係ないと言う事でしょう。
シークレット制を高めているのか、どういう考えなのかはよく分かりませんが、今現時点で公開がないと言うことは、「当日来られる関係者様にお声をおかけする」のではないでしょうか。
声優様(斉藤 佑圭さんなど)や、歌手様(Ceuiさんなど)の、オーガストに関係されている方で、日程が合う方が出演されると言うのを私はにらんでいます。
しかしながら、オーガストから公式に「やります!」と言うのが出ているのだから、誰が出るか決定していないって言うのはヘンなわけです。
(ゲストとして出させていただければ……と、自ら声を上げるのが普通です)
よって、既に決まっていると考えるのが普通です。
Twitterなどでお話が出ていないのを考えると、主催が話さないように頼んでいるのでしょうか。
とりあえず、誰が出てくるのか、そしてなぜいまだにシークレットなのか、気になります。

そして服装について。

以前お話したように、「ドレスコードまでは不要」と言うのがオーガスト様の見解です。
しかしながら、私個人の意見として、あまりにも場違いな格好はどうかと思います。
それはこの次以降の注意事項である、サイリウム、鳴り物の禁止と言う点につながっていると思います。
つまり、これはクラシック音楽のような大人の娯楽であり、歌手のライブとは違うと言うことです。
みんなで一体となり楽しむ点は歌手ライブと同じですが、静かに、個々の楽しみ方で楽しむのがクラシック音楽の楽しみ方です。
決して大盛り上がりするのではなく、心穏やかに作品を鑑賞するためには、それ相応の格好が必要だと思います。
だからといって、タキシードは不要です。
あくまでライブのノリで行かない……という点だけ注意すれば良いと思います。
騒がず、心地よく楽しめるようにしたいですね。

後の注意事項は常識どおりですね。

当日皆一緒に楽しみましょう。


話は変わりますが、ドリパの話。

既に皆さんご存知だとは思いますが、ファンディスクだけでなく、スピンオフ作品も製作中だとの事です。
タイトルは、「大図書館の羊飼い - 放課後しっぽデイズ -」
野良猫の写真撮影だけを目的とする猫写真部。
のぞみと主人公の二人だけ部活に、田舎から家で同然にやってきた朔夜が加わり波乱の日々が始まる……そうです。
原画は夏野イオ様!
すでに2013年8月のカレンダーに絵が出ていますが、これは期待大です!
つーわけで、次の更新でちょっと想像してみます。

米原

大図書館の羊飼いヒロイン順位解説!(後編)

こんにちは。米原です。

本日はドリパでした。
そちらのお話も書きたいのですが、まずは大図書館の羊飼い順位から。


8位 芹沢 水結
ピンク髪のキャラクターは、オーガストの歴史を見てみると過去に複数存在し、特にここ作品で見れば、エステルとユースティアという人気の高いキャラクターがいます。
今回も人気はなかなかある……のは間違いないのでしょうが、「一応」サブであるというのと、ほかのキャラが強すぎると言う理由で、8位に沈んでいます。
好き嫌いで言えば、「好き」票が圧倒的に多いのでしょうけど、1位と2位の2票しか入れられないと言うことで、どうしてもこうなってしまうのがなんだか不憫な気もします。

さてこの水結ちゃん、ほかのキャラクターとは違い、「声優」という職業を持っています。
このルートでは、筧君はそんなキャラクターと恋愛をするわけですが、これは本当にうらやましいですね。
声優との恋……我々のような人にとっては本当にあこがれです。
そのあたり、やはりオーガストは考えて作ったのでしょうか。

性格は少し頑固ですが、自分の夢を必死に追いかけているのはやはり共感がもてます。
また、ひたむきに努力している姿は、誰が見てもかっこいいものがあります。
ぜひファンディスクでは、筧君と二人三脚で歩んでいく姿が見てみたいものです。


9位 白崎 さより
つぐみの妹と言う事で、外見はやはり似ていますね。
なんとかく、姉のつぐみよりしっかりモノに見えてしまうのは、なぜなのでしょうか。
そんなさよりちゃんが第8位です。

シルフィや麻衣など、オーガストで人気の妹キャラであるが故、もっと伸びることが予想されましたが、結果はこの順位。
専用ルートが無いので仕方ありません、
これでもすごいことだと私は思います。
(主人公の妹でない白ちゃんやティアちゃんはトップに食い込むほどではありませんでしたからねぇ。結果こうなるのは見えてます)
ただ、ネット上の評価を見る限り、「かわいくて天使のよう」という評価も見受けられました。
まぁ、かわいいのは皆さん同意ですが、人気投票だと別の娘に、となってしまうのが現状ですね。

ファンディスクでは専用ルート……はあるのかなぁ?
先輩である筧に惚れる……まぁ無理ではないですが、私はあまり見たくないような……。
でも、さよりちゃんの元気で明るい笑顔は、是非みたいですね。


10位 多岐川 葵
残念ながら敵役となってしまった葵さんですが、本当に性格が悪いわけではないので、それを理解してくれるかたがたの票が集まり、10位でした。
女性陣の中ではドベですが……そこは仕方ないと思います。

私はああいう芯がある女性は好きなので、(だっ、断じて青髪だからじゃないんだからねっ!)結構評価が多大のです。
それが妄想葵ルートへとつながっています。
葵様の評価を上げるために、私が一肌脱いで、続きを頑張りたいと思います。

さて、このキャラこそファンディスクに専用ルートが追加されるべきと思っている米原です。
デレたらさぞかしかわいいのでしょう。
妄想しながら待ちたいと思います。


11位 ギザ
ここ五年ほど、ゲームにマスコットキャラをつけるのが流行っているように思えます。
それに乗じたのでしょうか、ギザが11位でした。

以前のオーガストでしたらこういうキャラクターこそが重要キャラ=羊飼い……だったりしましたが、今回はさすがに違いました。
ただのマスコットキャラですね。
いてもいなくても大本には関係ないわけですが、場を和ませてくれたせいでしょう、男キャラではトップです。
……でも、動物って有利だよな。

専用ルートではどういう役割を果たすのか、私は気になって仕方ありません。
ファンディスクが早く出ることをひたすらに祈ります。


12位 筧 京太郎
人間の男でのトップは主人公の筧君でした。
……まぁ、結果は分かりきってましたがねぇ。

とにかくうらやましいです。
ただそれだけ。
でも、いつもオーガストのゲームをやると思うんですよ。
「こんな男になりたい」と。
……男に好かれる男というと、ある二文字を思い出してしまいますが、そういう意味ではありませんのでご注意を。


13位 高峰 一景
まぁこうなりますよね、一景君です。

結構な苦労人。
影ではきっと悩んでいる男です。
モテそうなのにモテていないように見えるのは、なぜなのでしょうか。


14位 ナナイ
こちらもオーガストで一二を争う苦労人です。

まさかの親子と言う設定。
ラストで泣いた方も多いのではないでしょうか。
こういう作品をぜひオーガストには続けて欲しいものです。


さて、これで全員終わりました。
次回はドリパの感想。
そして、葵さんルート続きに入ります。

米原

大図書館の羊飼いヒロイン順位解説!(前編)

こんにちは。米原です。

風邪で三日ほど死んでました。
でも、仕事はあるんですよねぇ……。
3日は祝日だったので、ゆっくり休んだら直ったのが幸いです。

さて、いまさら、ですが、大図書館の羊飼いの人気投票結果を解説したいと思います。
すでに皆さん順位と結果は知っているので、「なぜこのキャラはこの順位なのか」を重点的に解説していきます。
今回は前半戦と言う事で、7位まで!


1位 鈴木佳奈
過去のオーガストの作品は、1位と2位の表がほぼ同数で、「断トツで1位」という事はありませんでした。
しかし、2位である凪の倍近くの票を得て1位に輝いたのが佳奈。
これは前代未聞です。
ではなぜこうなったのか。

まずは、佳奈の性格です。
佳奈は明るい性格ですが、過去のトラウマがあり、「無理に明るくしている」という女の子です。
自分の胸の事(といっても、かなりあると思うんだけどぉ)、友達(千莉)の事、そして他ルートでの才能(文才)の事など、プレイヤーと共感しやすいところがポイントでした。
誰にでもある心の闇。
私たちも少なからず持っている「二面性」を出すことにより、誰もが親しみやすいキャラクターとなったのがポイントだと思います。
とっつきづらい千莉(だがそれが良い)とは違い、誰とでも仲良くできそうなのが、すごく良いところですね。

また、外見上の理由もあるでしょう。
身長が148.0cmと小さいため、ちっちゃいおにゃのこが好きな方々にはかなり来ていると思います。
1位を佳奈、2位を紗弓実にされたロリ○ン紳士も多いのではないでしょうか。

しかし、今までは「正統派スタンダード=誰でも受け入れやすい」(つまりは外見)だったのが、性格の面で人気になったので、客層の変化があるかもしれません。
中身で判断するのは良い傾向だとは思いますが、ちっちゃいおにゃのこだから表を入れたのかもしれない(4位が紗弓実な)ので、何とも言い難いのが現状ですが。(汗)


2位 小太刀凪
オーガストの作品はどうも胸が大きめのキャラが多く(フィーナやえりりんはどう見てもCカップではない)、おっぱい好きにはたまらない会社です。
ですがそこはオーガスト、無理矢理、ありえないような巨乳を描く事はなく、-Moonlight Cradle-まではDカップまでのキャラクターしかいませんでした。
(一部の非攻略キャラを除く)
そんなオーガストが初めてEカップを出したのが、前作の穢翼のユースティアのエリス。
4位となかなかの人気を誇ったため、その継続なのでしょうか。
今回もEカップの凪が2位になりました。

個々も客層が変わったとみるか、はたまたおっぱい好きがより大きい方に流れたのか。
統計をとれない立場なのでわかりませんが、私は客層が少し変わったとみています。

さて、そんな凪はラヴィリアでご担当をされた桐谷華さんの声がすごく良く、デレ始めたらたまらないですね。
また、背が低いのも理由でしょう。(152.1cm。やっぱりロリ○ン紳士増殖疑惑が……)
さらに、馴れ馴れしさと部屋が隣という偶然(?)が幼馴染のような印象も与えるため、好評価につながったと思っています。

一ルートしかなかったのが非常に残念な凪ちゃん。
ぜひファンディスクでは、少し長めのルートにしてください!
(今、「自分で作りなさい!」という声が聞こえたのは、気のせいでしょうか)


3位 桜庭玉藻
正統派スタンダード、ここにあり!な玉藻が3位です。
やはりCカップには見えない胸の大きさと、フィーナやえりりんのようなしっかりした性格の持ち主。
上位に来るとは睨んでいましたが、1位と2位が強いため、3位という成績になっています。

人気の理由はやはり昔からのオーガストの流れを引き継ぐ正統派スタンダードである点。
もう一つは付き合ってからの心境の変化ですね。
一見、男の人には抵抗がありそうで、お堅い女性にも見えますが、案外乙女なところが多いのは高評価につながる萌えポイントです。
また、ポニーテールであるのも評価につながっているのでしょう。
米原はショートヘア派ですが、あの髪を結わいたCGはすごく美人であると感じましたし、あの髪にペチペチやられるのも、なんだか興奮出来そうです。

フィオネで担当した橘桜さんの声がマッチしているのも人気の理由の一つだと思います。
フィオネと同様、自分を持った大人の性格である玉藻を、より引き立てているのがあの声ですね。
個人的にお気に入りの声優さんですので、ぜひ次回作にも登板していただきたく思います。


4位 嬉野紗弓実
千歳ちゃん、ラピス、結先生、リース、伽耶様(?)と、歴代のオーガストのロリ○ン勢の流れを引き継いでいるのが紗弓実です。
今回は一見優しそう同級生なのですが、専用ルートでは必死に自分を大きく見せようとする女の子です。
ぽてぽてとペンギンのように歩いている女の子が、自分を罵倒してくれる。
そういうのも、悪くないものですね……。(え

普段であればもう少し低いのでしょうが、専用ルートがあったため、ヒロインのつぐみ、千莉を差し置いて4位にランクインしています。
ロリ○ン勢恐るべし、なのでしょうが、まぁもともとなかなか大きな派閥でしたので、この順位には納得。
しかし、ここまで17歳の日本人女性の平均身長である158cmをクリアしているのが玉藻だけというのは、恐ロシア。
また、人気投票で罵倒されることを願うコメントが多かったのも、恐ロシア。
(ちなみに、千莉票にも罵倒されたいコメントが多くありました)

なお、ChaosTCGでは、「天使モード 嬉野紗弓実」というカード名でカード化されています。
その割には能力が高く、どう見ても悪魔です、天使には見えません。
しかし、紗弓実スキーからは「どう見ても天使じゃないですか!」と否定されました。
このあたり、難しいですね。(お?


5位 白崎つぐみ
どうもオーガストのメインヒロインは低迷していますね。
過去の傾向では、今回は上位のはずだったのに……。

今回はメインヒロイン初のDカップ、そして誰もからも愛されやすいほんわかキャラであったにもかかわらず、5位という結果になりました。
うーん、少し身長が低い(156.4cm)のでしょうか。
(ですが、イメージとは結構あっている身長です)
何が悪いのか、よくわかりません。
他が強すぎたのかもしれませんね。

一応、オーガストで一番強い派閥である、スタンダード派閥の票がうまく取れなかったためだと分析しています。
この派閥はかなりの浮動票であるため、玉藻、千莉、真帆、水結などに流れてしまったのではないかと思います。
フィーナのように何か秀でた強さがないと、なかなか確保が難しいようです。


6位 御園千莉
6位は、われらが千莉ちゃんでした。
こういうキャラって、米原のような強力な支持層と、「あまり好きではないなぁ」という層に分かれるんですよね。
まぁ、癖のあるキャラなんで仕方ないです。
でも、わかってはいましたが、メインの中で最下位と言うのはさびしいですね、ハイ。

オーガストの初(!?)本格的なショートヘアキャラと言う事で、完全に新規層です。
でも、過去作と比べますとなっちゃんやちひろちゃんが一番近いキャラでしょうか。
少し身長は低めですが、154.3cmと、そこまで低いキャラクターではありません。
そんなキャラクターが81/Cカップというナイスバディ!
もう少し成長したら、さらにおいしくなりそうです←

おそらく、シナリオ担当の榊原様がお好きなキャラクターなんじゃないかと推測しています。
いつも思うのですが、私と榊原様は好みが似ています。(たぶん)
米原が選ぶオーガスト歴代ナンバーワンの評価を出したこのキャラクターは現れるのでしょうか?


7位 望月真帆
千莉ちゃんとはうって変わって、おとな~な真帆会長です。
実はえりりんと身長が一緒という、なんともびっくりな設定。
生徒会長と言う事で、近づけたのでしょうか。
ゲーム中で絡みもありましたしね。

さて、7位と沈んでいる真帆会長ですが、千莉とそこまで点数が変わっていません。
1位票と2位票を足した沿う得票数では千莉やつぐみを上回っていると言うことで、やはり人気はあるのだと思います。
とくに、(個人的な意見ですが)フィーナが好きな人=大人なキャラを望む人、は真帆が好きな傾向があるようです。
ですが、メインに玉藻がいた関係で、そちらにスタンダード票は集中したようです。
仕方ない……といえばそれまでですが、ファンディスクで本格的なヒロインとなれば、人気が上がってくるかもしれません。

雑誌や公式HPでは私服があったのに、ゲーム内では使われませんでした。
水着のCGも作っていただいて、新ルートをお願いします!
無かったら……私が書きますんで、脳内補正でお願いします。(笑)


しかし、6位に1位票を、7位に2位票を入れ続けた身としては、こうも並ばれるとさびしいです。
まぁ、お二人とも米原が独占させていただくとしましょう。
と言うわけで、次回は8位以降のキャラクターについて語ります。

米原

大図書館の羊飼い 望月真帆 SS あゆみより

こんにちは。米原です。

今日もEGOの実さんの絵より、SSを書かせていただきます。
まぁ、昨日も書いたんですけど、秋モノ……なんですよね。
今は春なのに。
季節感狂いまくりですんごく書きづらいのですが、頑張って生きたいと思います。
※昨日の続きになっていたりします。


大図書館の羊飼い 望月真帆 SS あゆみより


少しだけ、真帆と一緒にアルバムを覗いてみた。

「あ、これ、ハロウインのときの写真」
「あはは、なつかしいね」
「あの時の事、覚えてる?」
「もちろん」

あれは、昨年の10月末だった。
夏が暑かったにもかかわらず、10月の終盤に入ると一気に涼しくなっていった。
道端を落ち葉が舞い、冷たい北風がそれを援助する。
本当に秋らしい秋が到来した。
そうして向かえたハロウィン。
毎年恒例の生徒会主催のイベントだ。
今まで俺にはまったく関係なかったが、今回は図書部として"Trick or Treat"に加わることとなった。
「みんな、準備は出来たかな?」
「はい!」
「もちろんです!」
「……」
「……」
「……」
元気なのは三人だけ。
「どうしたんですか先輩方。らしくないですよ」
「いやぁ、千莉ちゃんねぇ。いくらなんでもこれは無いでしょう」
「そうですか、似合っていると思いますよ」
「うん、高峰君らしくて良いと思うよ」
「おれ、こんなに太ってないし!丸まってないし!!」
「……」
「筧ぃ、お前だけは仲間だと信じていたのに……」
……そんなにすがるような目で見つめられても困る。

事の発端は、今回のハロウインの仮装のテーマにある。
今回のテーマは、『動物』
皆で図書部員一人ひとりに似合う動物を出し合って決めた。
白崎はアルパカ。
白崎らしくてすごく良いと思う。
御園は猫。
そもそもネコミミメイドコスプレをしていたのだから、うってつけの動物だ。
そして鈴木は犬。
らしくてよいと、本人からも好評だ。
だが、残りの部員はあまり納得いっていない。
桜庭は狐。
本人は人をだましているような動物であると言う理由で、あまり乗り気でない。
俺は鷹。
てか、なぜ俺だけ着ぐるみなんだよ……。
そして……。
高峰は狸だった。
「玉藻ちゃん、こうなったら狐と狸でタックを組もう!」
「うりゃぁっ!」
「げふっ……」
桜庭の右キックが決まる。
そういや、狐と狸ってセットだったな。
それが桜庭が嫌っている一番の理由かもしれない。

「さて、それではレッツゴー!」
「ちょ、ちょっと待て、ここも周回コースの一つだ。誰かが残ってお菓子を渡さなくてはならない」
「あ……そうだった。どうしよう玉藻ちゃん」
「誰か残りたい人、いるか?」
「あ、俺残るよ。甘いものを貰ってもあまりうれしくないし、着ぐるみだと動きづらいし」
「……確かに、夜道をその格好で歩いて転んだりしたら、大怪我になるかもしれませんね」
「……そうだな。では筧は残ってくれ。よろしく頼む」
「へいよ」
「だが、きちっと仮装はするんだぞ。皆の投票により、順位が変動するのだから」
「大丈夫、参加が決まった以上、きちっとやるよ」
「では筧君、よろしくね」
白崎、桜庭、御園、鈴木、そして高峰の5人は外へと出て行った。
さて、この部には、どんな人が、どのくらい来るのだろうか。

ただただ待っているだけでは暇なので、本を読みながら待つことにする。
だが、今回ばかりは集中すると大変なので、ちょっとおちゃらけた雑誌を選んだ。
これならノックに気が付くだろう。
そう思いながら雑誌を読んでいると。
「Trick or Treat!」
早速お客様の登場だ。
半脱ぎの鷹の着ぐるみをきちっと着て、対応する。
女の子二人が、魔女の格好をしていた。
「If you are a hawk, how come you don't fly?」
ちょっとイラッとくる。
「If you are witches, please let me fly. I got an evil spell which cannot fly!」
「Oh, sorry. I have no spell to make you back to a hawk」
「What a waist witch. I think the other one is also the same. Anyway, I give you candies to give comfort」
女の子たちは苦虫を噛み潰したような顔をして、去っていった。
いい気味である。

「Trick or Treat!」
またお客様の登場だ。
扉を開けると犬姿も望月会長だった。
「こんばんは、筧君」
「こんばんは、望月会長」
「鷹の格好、似合っているわ」
「望月会長も犬の格好、かわいいですよ」
「そ、そうかしら?」
ちょっと照れくさそうな顔をする望月会長。
だんだんイタズラがしたくなってきた。
「望月会長は犬なんですよね」
「一応、そういう仮装を……」
「犬……と言う事は主人に対して従順なんですよね」
「そ、そうなるわね……」
「だったら俺、望月会長の主人になりますよ」
「本当!?」
「えぇ」
望月会長はお尻から本当に尻尾が生えているのではないかと思うくらいに喜んでいる。
「まずはハロウインと言う事で、アメをあげまーす」
「まぁうれしい」
「おっと、望月会長は犬なので、手が使えません。なのではい」
「ふごっ!」

BF8qKd1CMAEaRre2

ペロペロキャンディーを咥えた望月会長は、実に滑稽だった。
「ふぉ、ふぉっとふぁふぇいふん!」
「はいはい、ご主人様には逆らわない」
望月会長はアメを取ろうにも、手を犬のように丸めていないといけないので、取れない。
「ふぉ、ふぉっと、ふぉれふゃふぉとふぃふゃふ!ふぉっふぇ!」
俺は仕方なく、望月会長のアメを持つと、望月会長の手に収めた。
「すみません、少しやりすぎました」
「もう、私だって女の子なんだから、そういうイタズラはやめて頂戴」
「反省してます」
「ふふっ、すんだことはもう良いわ。それより、一人なの?」
「えぇ、誰かが手作りキャンディーを渡さなくてはならないので、俺が残ることにしたんです。この格好だと、歩きづらいですし」
「そう♪」
……なんだか望月会長の機嫌が上がったような気がする。
「Trick or Treat ……って扉、開いてましたね」
「あ、いらっしゃい」
女子生徒がまた二人来たので、キャンディーを渡す。
「あれ、会長ですか?」
「あ、本当だ、望月会長!」
「あ……こ、こんばんは」
「望月会長、かわいい!」
「……ってあれ? 会長に彼氏いたっけ?」
「え、えと……筧君は彼氏ではないんだけど……」
「あ、あの鷹の人、2年生で一番成績の良い筧京太郎君よ!」
「あぁ、やっぱりこういう組み合わせなのね……惹かれあう者は似通っているのよ……」
それだけ言うと、彼女たちは去っていった。
「ちょ、ちょっとどういうこと?」
「彼女たち、俺たちが付き合っているって勘違いしたんですかね」
「そ、それって……あ……筧君と交際するのが嫌って事じゃないんだけど、ほ、ほら、会長が後輩とべったりと言うのは活動の上で妨げになるのでその……」
「いや待てよ、ベストカップル賞って用意していましたよね」
「えぇ、一番お似合いのカップルも投票対象の一つよ」
「じゃぁ、それに選ぼうと思ったのかもしれません」
「な、なるほど……」
望月会長の目が光る。
「私、ここにいて一緒にアメを配るわ」
「え?」
「一緒に選ばれましょう、ベストカップル賞に」
「え……」
「わたしとじゃ……嫌?」
知らない人と選ばれるよりは、望月さんとの方が気が楽だ。
ここは誘いにのるとしよう。
「じゃぁ、お願いします」
「では決まり!」
こうして、俺たちは手作りキャンディーを一緒に配ることにした。
妙な視線を幾度と無く感じたが、不思議と、その場を離れたいとは思わなかった。

「こうして、ベストカップル賞に選ばれたんですよね」
「そう。そこから勝手に噂が広まって大変だったけれど」
「でも、そこで俺は『真帆で良かった』と思ったんです。あ、今では『真帆が良い』に変わりましたけど」
「……筧君」
「愛してるよ、真帆」
自然と唇が近づき、時間が止まる。
この春の空のように、俺たちの心は穏やかで暖かかった。

End


いかがだったでしょうか。
ぜひEGOの実さんには、ベストカップル賞に選ばれた写真も描いて頂きたいですが、昨日の事もありますので、まぁお時間のあるときに。
真帆のアルバムにある二つの写真、ぜひ見てみたいのですがねぇ。
やってくれないものなのでしょうか。

とりあえず、これにてEGOの実さんの描いた真帆会長を題材にしたお話は終了です。
お楽しみいただければ幸いです。

米原

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