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高校野球の春季大会は全国につながらず、夏秋に比べると影が薄い。
ただ神奈川の準々決勝は気になるチームが残っていて、しかも平日開催。
夏の大混雑もないだろうし、見に行くことにした。
保土ヶ谷球場の第1試合は13時開始。
慶應義塾高校と星槎国際高校湘南の対戦だ。

塾高は推薦制度もあって、全国から逸材が集まっている。
昨秋も関東大会のベスト8に入り、
選抜大会の代表を巡って日大三と関東の「最後の1枠」を争った。
高校野球では珍しい丸刈り強制じゃないチームでもある。
長らく監督を務めていた上田誠氏が15年夏に退任。
現在は森林貴彦氏が監督を務めている。

星槎国際高校湘南は新興勢力。
通信制の高校で、各スポーツの専攻コースが用意されている。
野球部の監督は土屋恵三郎氏。
法政大では江川卓とバッテリーを組み、桐蔭学園高の監督を長く勤めていた方だ。
エース本田仁海、4番の松下壮悟はプロ注目の逸材だ。

慶應義塾高校
1番 遊 宮尾将   2年 右左 169/64
2番 二 矢澤慶大  3年 右右 172/66
3番 三 綿引達也  3年 右左 173/75
4番 右 正木智也  3年 右右 182/85
5番 左 森野壮眞  3年 右左 171/75
6番 一 奥村拓馬  2年 右右 177/78
7番 中 新美貫太  3年 右右 167/66
8番 捕 寺山陽太  3年 右左 174/74
9番 投 森田晃介  3年 右右 176/78

星槎国際高校湘南
1番 中 小倉健太朗 2年 右右 170/70
2番 右 有賀誠太  3年 右右 180/82
3番 捕 田島大輔  3年 右右 171/75
4番 一 松下壮悟  2年 右左 179/83
5番 左 大城優斗  3年 右右 166/75
6番 遊 神尾凌成  2年 右右 171/64
7番 三 村岡優希  3年 右右 177/70
8番 投 本田仁海  3年 右左 181/75
9番 二 金子幹太  3年 右左 172/65


1回表。先攻は慶應義塾。
1番・宮尾が二飛。
2番・矢澤は遊ゴロ。
3番・綿引が右中間を破る二塁打。二死2塁。
4番・正木はスライダーで空振り三振。
本田仁海が徹底的に正木を変化球で攻めていた。

星槎国際湘南の本田仁海。
右上手の本格派である。
開きの小さい、コンパクトで抑えの効いたフォームがいい。
腰を落として溜めを作れるし、重心移動もしっかりしている。
高校生には珍しくやや三塁側に重心が流れる。
だからあまりシュート回転がないし、球筋が上ずらない。
身体の「捻じり」が強く、腕の振りも鋭い。
悪い癖、欠点のない大人のフォームですね。
速球もコンスタントに140台を出せる。
今日は9回に145キロを計測したと聞きました。
変化球はスライダーとカーブがある。

1回裏。後攻は星槎国際。
1番・小倉は四球。無死1塁。
2番・有賀がバント成功。一死2塁。
3番・田島は三塁強襲安打。一死1、2塁。
4番・松下が右前タイムリー安打。一死1、3塁。
<星槎国際湘南 1−0 慶應義塾>
5番・大城はラン&ヒットから右前タイムリー安打。一死1、3塁。
<星槎国際湘南 2−0 慶應義塾>
6番・神尾が2球目にスクイズを外される。
三塁走者が挟殺されて、二死2塁。
神尾はチェンジで空振り三振。攻撃終了。

慶應義塾の先発は森田晃介。
右上手の技巧派である。
変化球はスライダー、カーブ、チェンジかな?
速球の比率は3割強だったと思う。
球速は常時で130中盤くらいだそうです。

2回表。
慶應は5番・森野が空振り三振。
6番・奥村も空振り三振。
7番・新美は二ゴロ。
金子幹太のナイスプレーだった。

2回裏。
星槎国際は7番・村岡が中飛。
新美貫太が背走して左中間深くの当たりを好捕した。
8番・本田が中前安打。一死1塁。
9番・金子はバント成功。二死2塁。
1番・小倉がライナーで左中間を破るタイムリー二塁打。
<星槎国際湘南 3−0 慶應義塾>
2番・有賀の3球目に森田晃介が暴投。二死3塁。
しかし有賀はスライダーで空振り三振。攻撃終了。

3回表。
慶應は8番・寺山が左飛。
9番・森田は三ゴロ。
1番・宮尾が一ゴロで三者凡退。

3回裏。
星槎国際は3番・田島が右飛。
4番・松下は高めの変化球で空振り三振。
5番・大城が中前安打。二死1塁。
6番・神尾は左前安打。二死1、2塁。
しかし7番・村岡がスライダーで見逃し三振。3アウト。

4回表。
慶應は2番・矢澤が遊ゴロ。
神尾凌成の打球処理も素晴らしかった!
星槎国際は内野守備がみんな上手かったです。
3番・綿引は速球で見逃し三振。
4番・正木が中前安打。二死1塁。
5番・森野は四球。二死1、2塁。
6番・奥村が遊ゴロ。
ショートはファンブルしたのだが、
二塁走者があからさまに「邪魔」をして守備妨害を取られた。

4回裏。
星槎国際は8番・本田が左飛。
9番・金子は投ゴロ失策で生きる。一死1塁。
1番・小倉が中飛。二死1塁。
2番・有賀は右前安打。二死1、2塁。
3番・田島が中直で無得点。

5回表。
慶應は7番・新美が一邪飛。
8番・寺山は中前安打。一死1塁。
9番・森田がスライダーで空振り三振。二死1塁。
1番・宮尾の4球目に寺山が二盗。
田島大輔が小さい振りのストライク送球で刺した。

5回裏。
星槎国際は4番・松下がスライダーで空振り三振。
5番・大城もスライダーで空振り三振。
6番・神尾が右前安打。二死1塁。
7番・村岡は速球で空振り三振。3アウト。

6回表。
慶應は1番・宮尾が中前安打。無死1塁。
2番・矢澤が内角速球で見逃し三振。一死1塁。
3番・綿引は平凡な右飛…。
と思ったらライトが打球を見失って打球が彼の1mほど右側に落ちる。
記録は「右前安打」で一死1、3塁。
4番・正木が左前タイムリー安打。一死1、2塁。
<星槎国際湘南 3−1 慶應義塾>
5番・森野は右直。今度はしっかり捕って二死1、2塁。
6番・奥村が速球で空振り三振。攻撃終了。
本田仁海が不運な形からこの試合初の失点を喫する。

6回裏。
星槎国際は8番・本田が二ゴロ。
9番・金子は内角速球で見逃し三振。
1番・小倉が二直で三者凡退。
星槎国際の連続イニング安打が「5」でストップ。

7回表。
慶應は7番・新美が右飛。
8番・寺山は速球で空振り三振。
代打・大川裕也が左直で三者凡退。

7回裏。
慶應はこの回から二番手投手に渡邊哲成を起用する。
185cm・82kgの左スリークォーターだ。
球速は120キロ台だが変則的で面白い。

星槎国際は2番・有賀が一邪飛。
3番・田島は左飛。
4番・松下が三飛で三者凡退。

8回表。
慶應は1番・宮尾が中飛。
2番・矢澤は右飛。
3番・綿引が外角速球で見逃し三振。三者凡退。

8回裏。
星槎国際は5番・大城が右飛。
6番・神尾が中飛。
7番・村岡は三ゴロで三者凡退。

9回表。
慶應は4番・正木が右飛。
5番・森野は内角スライダーで空振り三振。
6番・奥村が内角速球で空振り三振。

本田仁海は被安打6の1失点完投勝利。
慶應は綿引達也、正木智也と強打者が並んでいる。
そんな相手に四死球1、奪三振11の快投だった。
目の肥えた神奈川のファンも口々に「本田は凄いね」という話をしていました。
本人がプロ志望なら、間違いなくドラフトにかかるでしょう。
スケール感の際立つタイプではないけれど、
今年は「怪物」的な投手がいませんので。

4番の松下壮悟は1安打だけだったけれど、
むしろ守備や身のこなしが「いいな」と思った。
送球の捕球で見せる股関節の柔軟性、グラブさばきが印象的。
今は一塁手だけど、他の内野も務まりそうだと思った。

安打   100 113 000 6
慶應義塾┃000|001|000┃1
星槎湘南┃210|000|00×┃3
安打   322 110 00  9

星槎湘南:○本田
慶應義塾:●森田、渡邊