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今週末は育成年代のサッカーをまとめて取材する。
狙いとしてはなるべく色んなチームを見たい。
13日はプレミアリーグ2020関東を2試合。
午前中はまず流経大柏と柏レイソルの「柏ダービー」に足を運んだ。
今週末が第2節で、レイソルは開幕戦で大宮アルディージャに勝利している。
流経は横浜FCとスコアレスドローだった。

流経は昨年度限りで本田裕一郎監督が退任し、国士舘高に移った。
榎本雅大コーチが監督に昇格している。
現高3は1年時に2年目の選手権準優勝に貢献した逸材がチラホラ。
高卒でJに進む可能性がある選手もかなりいる。
ただ今日はGK松原颯汰が軽い負傷で欠場していた。
レイソルも現高3がクラ選U15の準優勝世代で、彼らの「その後」が気になっていた。

流通経済大付属柏高校
GK 17 青木翼   02.05.27 185/83 SSS・JY
DF 15 田口空我  03.09.05 174/66 ジェファ・FC
    4 藤井海和  03.02.15 174/65 S.T.FC
    5 根本泰志  02.07.22 175/68 FC古河
MF  2 清宮優希  02.09.06 166/65 Forza’02
   12 宇津木脩人 02.11.24 171/65 ジェファ・FC
   20 渋谷諒太  03.05.15 174/65 FC多摩JY
    6 田村陸   02.05.26 165/62 ジェファ・FC
   18 松浦陸翔  02.06.12 171/66 クラブ・ドラゴンズ柏
FW  9 川畑優翔  03.09.09 177/64 大豆戸JY
   10 森山一斗  02.06.07 168/60 大阪市ジュネッスFC

−−−−森山−−−−川畑−−−−
−−−−−−−松浦−−−−−−−
−田村−−渋谷−-宇津木-−清宮−
−−−根本−−藤井−−田口−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−青木−−−−−−−

柏レイソルUー18
GK  1 佐々木雅士 02.05.01 184/79 柏レイソルU-15
DF  5 前田大地  02.05.23 180/70 柏レイソルU-15
    4 戸田伊吹  02.05.03 173/66 柏レイソルU-15
    3 沖原章仁  02.07.02 181/64 柏レイソルU-15
    2 大嶽拓馬  02.08.08 171/69 柏レイソルU-15
MF  8 木村俊太  02.07.24 171/68 柏レイソルU-15
    6 揖斐俊斗  02.12.19 169/61 柏レイソルU-15
   11 中島舜   02.04.08 170/60 柏レイソルU-15
    7 斉藤騎斗  02.04.11 164/70 柏レイソルU-15
FW 10 田村蒼生  02.04.20 163/60 柏レイソルU-15
   12 清水勇貴  02.06.25 179/75 柏レイソルU-15

−−−−清水−−−−田村−−−−
−−斉藤−−−−−−−−中島−−
−−−−−揖斐−−木村−−−−−
−大嶽−−沖原−−戸田−−前田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−-佐々木-−−−−−−


6分、流経は右中間からのFKを田村陸が左足で入れる。
田口空我がゴールまででヘッドを競る。
レイソルのDFがファウルを犯し、流経にPKが与えられた。

7分、流経はこのPKを森山一斗が成功。
<流通経済大付属柏高 1−0 柏レイソルU−18>

14分、流経は宇津木脩人が相手のビルドアップを引っ掛ける。
森山一斗がエリア内でこぼれ球を収めて左足シュートを狙う。
かなりの決定機だったがシュートの当たりが悪く枠外。

立ち上がりからスリリングな展開だった。
流経の武器は前線のプレッシングだ。
レイソルはプレスの「開放」を狙って、敢えて自陣から細かくボールを動かす。
CBは外に開いて、GK佐々木雅士が真ん中に入って…という位置取りをよくする。
最終ラインで数的優位を作って、流経のプレスで空いた「穴」をつく狙いだ。
ただ立ち上がりは流経の圧が上回った。
流経は前を厚くしてGKにまで踏み込んで、縦にコースを切る。
レイソルはそれに対してボランチが「間」でサポートして、外を空けようとする。
しかし「圧」をいなすだけのビルドアップができない。

とはいえレイソルはそれでも正面から打開しようとしていた。
20分頃からレイソルも盛り返す。

28分、レイソルは右サイドでいい崩し。
木村俊太が前田大地を追い越してパスを受け、中に折り返す。
しかし清水勇貴がニアから狙った右足ボレーは枠外。

35分、レイソルは清水勇貴のポストプレーから右サイドを打開。
前田大地がつなぎ、田村蒼生はエリア内に切れ込みさらに個人技で打開。
自らゴールの脇まで切れ込んでシュートを放つ。
これは流経のGK青木翼がブロックした。

田村蒼生はボールタッチが細かく、奪われない。
狭いスペースでボールを守りつつ仕掛けられる。
だから中央に置いても仕事ができますね。

流経が1−0リードで前半45分を折り返す。
試合は後半。
46分、流経は渋谷諒太→高橋知也。
流経の布陣がこうなる↓
−−−森山−−−−−−高橋−−−
−−−−−−−川畑−−−−−−−
−−宇津木−−藤井−−-松浦-−−
−田村−−根本−−田口−−清宮−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−青木−−−−−−−


レイソルのビルドアップを封じるための[変則4−3−3]だ。
川畑優翔が引き気味のCFになって縦のコースを切る。
森山一斗、高橋知也はCBの「開く動き」についていく。

これに対してレイソルはこんな布陣にした↓
−−−−−−−斉藤−−−−−−−
−−清水−−−田村−−−中島−−
−−−−−揖斐−−木村−−−−−
−大嶽−−沖原−−戸田−−前田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−-佐々木-−−−−−−


縦への推進力がある清水勇貴、中島舜をサイドに移す。
かなりワイドにポジションを取って、相手の守備を広げていた。
沖原章仁ら最終ラインからのロングフィードも多めに使っていた。
「相手がチョキならグー」「グーを出されたらパー」という打ち手だ。

52分、流経は川畑優翔が清宮優希とパス交換。
川畑はトリッキーな浮き球をエリア内に落とし、清宮は中にリターン。
川畑の右足ボレーは決定的だったものの枠外。

清宮優希、田村陸の両SBが前半から素晴らしかった。
攻守にハードワークできて、オンザボールで色んな選択肢を持っていますね。
使って使われて、内からも外からも入ってくる。
川畑優翔もボールが収まるし、アイディアのあるエレガントなアタッカー。

64分、流経は宇津木脩人→小林恭太。

70分、流経は小林恭太が右サイドに展開。
高橋知也が大外から縦に仕掛ける。
高橋は一気にエリア内までぶっちぎってマイナスの折返し。
小林はいい位置で受けたがトラップが足元に入り、上手く打ち切れなかった。

高橋知也はスピードが驚異的。
大きなストライドで一気に縦のコースを切り裂いてくる。
狭いスペースを一気にぶっちぎる爽快感があった。

70分、流経は田畑優翔→井上翔太。
70分、レイソルは斉藤騎斗→モハメドファルザン佐名。清水勇貴→升掛友護。
レイソルの布陣がこう↓
−−−モハメド−−−−田村−−−−
−−升掛−−−−−−−−中島−−
−−−−−揖斐−−木村−−−−−
−大嶽−−沖原−−戸田−−前田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−-佐々木-−−−−−−


83分、レイソルは前田大地→伊達由太嘉。木村俊太→田制裕作。
レイソルの最終布陣がこう↓
−−−−中島−−−−田村−−−−
−−モハメド−−−−−−−升掛−−
−−−−−揖斐−−田制−−−−−
−大嶽−−沖原−−戸田−−伊達−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−-佐々木-−−−−−−


88分、流経は右CKを森山一斗が右足で入れる。
田口空我はファーからヘッドを中に戻す。
根本泰志が正面からフリーでヘッドを放つもDFに弾かれた。

89分、流経は松浦陸翔→三好麟大。森山一斗→松本洋汰。
流経の最終布陣がこう↓
−−−−井上−−−−高橋−−−−
−−三好−−−−−−−−松本−−
−−−−−藤井−−小林−−−−−
−田村−−根本−−田口−−清宮−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−青木−−−−−−−


90分、流経は自陣CKからロングカウンター。
三好麟大がDFのクリアを拾って左に叩く。
高橋知也が左サイドのスペースを一気にぶっちぎる。
高橋はDFを振り切ってエリア内まで侵入し、マイナスの折返し。
三好がフリーで難なく流し込んだ。
<流通経済大付属柏高 2−0 柏レイソルU−18>

高橋知也が持ち味のスピードを見せた。
追走するDFを完全に振り切っていましたね。

試合は2−0でタイムアップ。

今年の流経は経験のある選手が揃っていて、戦術的な引き出しが多い。
相手の出方に合わせて1試合で3つの布陣を駆使。
藤井海和主将の万能性が生きていましたね。
レイソルも含めて本当に見ごたえのある試合でした。