シナジー効果を発揮するには、信頼の場が必要で、大変な作業であり、コストを伴うし、成功しがたいと言う桝本さんの話に共感を覚えました。

以下私がプロジェクトの担当者のときの経験です。7億円の開発投資をして化学プロセスの開発プロジェクトを立ち上げたました。上司からいろいろの分野の技術者を集め要素技術の知識、ノウハウを収集しなさい。いわゆるシナジー効果を発揮するようにという発言がありました。

そのプロジェクトで化学技術、エンジニアリング技術、機械技術、材料技術、燃焼技術と解決すべき課題が山ほどあり本社にプロジェクトが発足しました。会社では事業部制で製品ごとの縦割りで技術者、研究者も製品毎の要素技術者が各地事業所別に配置育成されていました。

ロケットエンジンの水素の燃焼技術が名古屋事業部に、燃焼技術、材料技術者は長崎の研究所にいました。この水素の部分燃焼技術を利用して重質油を熱分解して有用な化学製品を製造する技術に適用する研究開発が進行しました。

プラント技術者は東京にいましたから名古屋、長崎に飛び、技術調査をし、会合、実験委託など行いました。そこでの技術者達は狭い分野ではプロですが少し外れる他分野て初めてであり分からないことばかりでした。飛び込みの仕事で、しかも他の分野の技術であるためか真剣に取り組んでもらえず成果も出ませんでした。
枠を超えた専門技術者を集めて忌憚のない議論が行われる場を創るには大変な努力とコスト、有能な人材、コーディネートする人材が必要なことを学びました。