「なぜ私だけが苦しむのか 現代のヨブ記」H.S.クシュナー 岩波現代文庫
この本を読んで学んだことを書きとめたくなった。

人は、苦しみや悩み、心の痛みを抱き生きる。
手のほどこしようのない情況が確かにあるのです。どれほど努力してみても修正したり解決できないことがあるのです。そういう時私にできることがある。悲しみに打ちひしがれている人のそばに、ただ黙っていてあげ、その人が泣いていれば泣く手助けをしてあげるのです。

なぜ、私に?
善良な人が不幸にみまわれる。 これはすべての人々にとって問題なのです。
なぜ、突然の災難や苦しみに直面しなければならないのか。
人はその理由を問う。理由があるのか? その災難は教育的意味がある? 試練、戒めでないのかと考える?
いろいろの考え方に納得できないものだ。苦しんでいる人の心の支えにならない。
我々は死後の世界を知ることができない。この世のことで精一杯である
悲劇の原因は? 神に? 自分に? 深く徹底的に考察しているのはヨブ記です。

人間の苦悩について旧約聖書のヨブ記は語る
2500年前ひとりの男がいました。善良な人に災いがふりかかるのをなぜ神は許しているのか、という主題で長い哲学的な詩を彼は書きました。文学・哲学に強い影響を与えた。
かいつまんで要約する。ヨブ記には3つの命題がある。
1神は全能。
2神は正義・公平。従って、善き人は栄え 、悪しき者は処罰される。
3ヨブは正しい人である。
ヨブに不幸がおとずれる。病気になり家、家畜、家族に災難が降りかかる。3つのうちどれか一つを切り捨てざるをえない。ヨブ記での議論になる。
第3の命題。人はヨブに罪を被せる。罪を犯したので不幸を招いたと。ヨブにとって不幸と人からの批判の2重の苦しみである。
第2の命題。神に公平は期待できない。我々は理不尽な世界に住んでいる。神は存在する、しかしその神は正義や善という限界にしばられない存在なのだ。という議論。
第1の命題。神は全能であるという信念の放棄。不運や災いは神から来るのではない。
神から裁きや許し、報いや処罰はこない。神からは力と慰めを貰う。
神は貧しい人、不幸な人を特に擁護する。神に不幸の理由求めることはできない。
不正を怒れ、苦しむ人と痛みを共にせよ。神は私たちと共にいる。と考える。


理由のないこともある
ものごとに理由があるか? 9割に理由が認められる。
すべてのことに理由がなければならない? 運不運の問題もある。理由のないこともある。
混沌と秩序のせめぎあい。科学者の目は世界は無秩序になると予測する。創世記は金曜日の午後で時刻を刻んでいるという。神に支えられながら。

新しい問いの発見
物語に学ぶ。自然の法則に従う。自然の法則は平等。地震は自然現象。病気は自然現象と言って説明して済ますわけには行かない。人間は肉体だけでなく心を持っている存在です。
なぜ人は死ぬのか。人間は不死でない。死は運命と説明することですむことでない。死を克服できない。

人間であることの自由
人間は神の似姿に創られた。肉体と精神を持つ。善と悪を知る。いつか死ぬということを知っている。善を選ぶ自由と悪を選ぶ自由がある。

怒りをなににぶつけるか
言ってはならないことば
怒り、泣き、叫ぶことを許してくれる友を必要としていた。
悲しみを直視する勇気・・訪ねる。
傾聴:悲しみの理由や原因について私にはわからない。無言でそこにいる。
過度の罪意識、私の責任であるということには注意がいる。
すべてに原因や理由がある?原因は私にある? といえるか? 双方に責任がある。どうしょうもないこともある。
神に対して怒る。心が晴れるのであれば怒りなさい。
神のせいにしないのであればよい。
状況に対して怒る。自分自身に怒るイコール抑うつ状態になる。状況そのものに怒る。苦痛の1部である怒りを発散させることにつながりひとから助けをうける。
嫉妬する心。感じてしまう感情です。周りの人の幸福に対して腹が立つ。
すべての人は悲しみの兄弟。悲しみは誰にもあると知る。

ほんとうの奇跡
合格祈願 病気の回復を神に願うこと。不可能なことや自然の法則に反することを祈ることはできない。同じ思いに繋がる祈り。生老病死、結婚などを家族・隣人と分かち合う。人生の喜びや恐怖を共有する。祈ることは神や人と繋がる。力・希望・勇気を貰う。
祈りは心を開くこと。悲劇にもめげずに生き抜く力を見出す。
ほんとうの宗教
私たちはどうしてと問うことは無意味。すでに、こうなってしまった今、私はどうすればいいのだろうか。調査・究明は過去に目を向けるもの。未来に向けた生き方。
死に対してどう反応するか。私たちの生き方。
人々を奮い立たせる助ける神。勇気や忍耐力を与える。生きる力。不公平な世界。
愛と人間の自由こそ神の似姿である。神を赦し愛する。金曜日の午後にいる。存在の根拠を確信し、勇気を持って生きる。

説明不十分です。原著を読んでください。