ここのところ調子をあげてきているフランクフルト。そのチームにあってリベロとしてプレーしている長谷部は、後方から正確なパスを送って試合を作る仕事をこなし、また守っては強力なセンターバック陣と共に連続クリーンシートにも貢献しています。

印象的なパフォーマンスを見せていることもあってか、ドイツ各紙がこぞって長谷部を特集。様々な名選手を引き合いにだしつつ称賛するコヴァチ監督のコメントなどがヘッドラインを飾っています。

今回は新ロールで注目を浴びる長谷部への反応をまとめてみました。
リベロの長谷部



【ヒュブナーがチームと特に長谷部を称賛】SGE4EVER
ヒュブナーはチームの守備が明らかに向上しており、戦術的にとても高いレベルのものをこなしていると認識しているようだ。その要因の一つは長谷部誠で、この日本人選手は現代的なリベロの役割を段々としっかりこなすようになってきている。長谷部はダビド・アブラームとヘスス・バジェホの二人のセンターバックをサポートし、しっかりとしたパスで試合を組み立てており、パス成功率は89%をマークした。
「ハセは才能あるサッカー選手。彼は様々なポジションをこなすことができるんだ。今の彼はすごくしっかりやっているね。落ち着いていて、我を失うということがない」

【長谷部誠とアイコン】Frankfurter RUndschau
試合後の長谷部誠はご承知の通り大きなことを言うことがない。彼は絶対にそんなことをしないだろう、たとえワールドカップの決勝で4得点したとしても。32歳の長谷部はとても落ち着いた、謙虚で、礼儀正しいサッカー選手なのだ。(中略)試合後、いつも通り、彼は浴びせられる数々の称賛にとても慎重に対応していた。メンヘングラッドバッハとスコアレスドローを演じ、ミスのないパフォーマンスをした後で、「しっかりやれました」と彼は言った。
(実際には)それよりもちょっと良かった。先日のハンブルク戦や(カップでの)インゴルシュタット戦のように、長谷部はリベロのような役目を与えられた。二人のセンターバックの後ろにまわるクラシックなタイプではなく、三人で並び穴を塞ぐような形で守備を安定させ、落ち着きをもたらしていた。彼は日本代表のキャプテンだが、というのも後方からボールを安定させられる彼の能力はとても重要だからだ。彼のパスの86パーセントが味方へと通り(ぶっちぎりでトップ)、チームで二番目に多くボールを受けていた(62回)。フランクフルトが三試合連続で完封できているのは、彼の貢献でもある。
(中略)
試合前、コヴァチは彼を呼び寄せて言葉をかけた。「私はかつてザルツブルクで宮本恒靖とプレーした。彼は何年も代表でプレーし、祖国で象徴的存在だった」とコヴァチ。「私はハシに言ったんだ、今は君がアイコンだと」。コヴァチから親しみを込めて『ハシ』と呼ばれている長谷部だが、代表では101試合に出場しており、メンヘングラッドバッハ戦では2014年にフランクフルトに加入してからのベストパフォーマンスの内の一つを見せた。

【かつてのスター選手達もフランクフルトを絶賛】ビルト
マンフレート・ビンツは特に長谷部誠を気に入ったようだ。ビンツも同じような役目をこなし、やがてリベロと呼ばれるようになった選手だ。「長谷部が最終ラインの中央でボールをもったら、その眼前にはピッチの全体がある、かつての私もそうだったよ。彼はチームで最高のサッカー選手だ、考える人でありコントロールする人」

【マコト、ザ・リベロ】FAZ

【偉大な選手との比較:フランクフルトの守備のスペシャリスト長谷部はマテウスを思わせるとコヴァチ監督】90MiN
長谷部誠はフランクフルトの3バックでプレーしている。ニコ・コヴァチ監督はそんな彼を偉大な選手の一人と比較してみせた。
ニコ・コヴァチはケルン戦の後でチームの『リベロ』についての話が止まらないようであった。「彼はキャリア後期のローター・マテウスを思わせるね。彼も歳をとってもセンターバックをやっていた」とコヴァチは守備の新リーダーのパフォーマンスについて語った。
しかし、長谷部は地に足をつけていた。この比較に関して彼は謙虚に語った。「比較してもらって嬉しいですが、僕は僕で、長谷部誠のままです」

【アブラーム「昼と夜ほども差がある」】キッカー
――先日は3バックと5バックもやりましたが
「こういう戦術的柔軟性があるというのは良いことですね。僕らは4バックでも守れますし、中央に長谷部が入ってもすごく上手く機能します。監督はとても良いセンスを持っていて、守備で更に安定感が必要なタイミングが分かっているんですよ」

【新3バックで「リベロ」として名を馳せる日本人選手】ビルト
最初は「カイザー」フランツ・ベッケンバウアー、そして日本のレジェンドである宮本恒靖。そして今度は記録を塗り替えてきた代表選手のローター・マテウスである。ここ数週間というもの、長谷部誠はこのような選手を引き合いにだされてきている。ニコ・コヴァチ監督により。
(中略)
0-0だったグラッドバッハ戦と同様に、ケルン戦でも彼は守備陣のリーダーにしてスタビライザーであった。3バックであろうと5バックであろうと。また彼はクレバーなパスで試合を組み立て、中盤での優位性をももたらしていた。戦術はより機能するようになり、フランクフルトの成功の秘密の一つとなっているのである。
左サイドのディフェンダー、バスティアン・オチプカはこう説明している。「僕らはしっかりとシステムに順応して、かなりかなり安定しているんだ。時に最終ラインに入ったり、時に中盤に出てきたり、っていうハセからの連携だけど、相手は対応するのが難しくなっているだろうね」

【第10節 フランクフルト対ケルン 採点】FUSSBALL TRANSFERS
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ブンデスリーガ、第10節ベストイレブン

【第10節ベストイレブン】11freunde
長谷部誠

【第10節ベストイレブン】ユーロスポーツ
長谷部誠(フランクフルト)
日本人選手はケルンに1-0と勝利した一戦で3バックのキーマンを演じ、見事なパフォーマンスを披露してみせた。ケルンのゴールハンターであるアントニー・モデストを消しただけでなく、このベテラン選手は後半にパス成功率100パーセントをマーク。
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【主にフランクフルトファン】
・Anonymous
ボールを落ち着かせられて、良いポジションが取れてる

・Anonymous
すごく印象的だったしリスペクト。スマートなプレーだよね

・Anonymous
リベロとして圧倒的に機能してた。珍しい彼のドリブル突破は見る価値ありだったぜ

・Anonymous
リベロとして、面白いし、バリエーションをもたらすことに成功してる。最初は3バックだったっぽいけど、後に5バックに入った感じだった

・Anonymous
またも良い感じだったね。コヴァチが来てから信じられないくらいポジティブに変わった

・Anonymous
ハンブルク戦からの圧巻のパフォーマンスがケルン戦でも確認できた。どのプレーもすごくシンプルにこなして、パスは完璧だったよ

・Anonymous
注意深く、自信をもってて、強かった。この調子だったら変えるべきじゃないな

・Anonymous
すごかった。新しい役割は長谷部にピッタリみたい。後方で毅然かつ賢くやって、正確なパスで試合を作ってたよ。終盤には守備的中盤に入って良いプレーしてた

・Anonymous
中央で良い潰し役してたわ

・Anonymous
守備と攻撃の大事なリンクだねぇ

・Anonymous
頼むから長谷部のパスに注目してくれ。これって理想的なタイミングで入ってきてるボールなんだよ。スペースがあったら、走れる位置にボールがくる。でもタイトだったら、長谷部は足元にパスを入れる。これほど正確で先読みして考え抜かれたパスを見るのは、シュヴェクラー以来だよ



戦術の「柔軟性」が大事と語るコヴァチ監督ですが、試合を見ていると確かにチームのフォーメーションは試合状況に合わせて変化しているようで。長谷部のポジションも3バックの中央にいることもあれば、両サイドが下がって5バックの中央にいることもあり、また場合によっては一列前へ出て中盤の底に入ることもあるようです。

キッカー紙によればブンデスリーガ第10節に3バックでプレーしたチームは6つだったとのこと。フォーメーションのトレンドが徐々に変化してきている中、チームと監督の要求にきっちりと対応してみせる能力は「さすが長谷部」といったところでしょうか。

攻撃面でも後方からのビルドアップで貢献。両サイドの選手も長谷部から精確なパスが入ってくるので、次の仕掛けのプレーに余裕を持てているようでした。パス成功率も非常に高く、チームメイトも安心してボールを預けていられるようで、第10節のケルン戦ではボールを受けた回数はチームトップの73回。また、この試合では久々に長谷部の猛烈な縦へのドリブル突破も見られました。浦和時代から長谷部を見ているファンにとっては嬉しいプレーだったのではないでしょうか。


昨シーズンまでのフランクフルトの試合を見ていると、長谷部がきっちり仕事をして勝ったり引き分けた試合でも、メディアやファンの採点では「4」を貰っていることもあって……。どうしてなのかと短評を読んでみると、「ミスなく対応して、試合をコントロールしていた」とか書いてあるんですよね。じゃあ2.5とか3でもいいのに、と思うのですが、得点とアシストに絡まなかったミッドフィルダー(あるいはサイドバック)には点がすごく辛いようで。

ここのところの活躍でプレーがクローズアップされて、最近では採点で1点台をもらうこともあるようです。この辺は監督がメディアに長谷部の能力を猛アピールしてくれている効果が大きいのではないでしょうか。長谷部のパスセンスにも注目が集まっているようですが、サイドバック時代だって良いの入れてたんですよ!

サッカーダイジェスト 2016年11月24日号No.1370 月刊フットボリスタ 2016年12月号
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