現在、ジャガーの新型Dセグメントセダン「XE」の登場が控えていますが、そのスポーツモデルに当たるのが「XE S」です。

今回は、英国の人気自動車番組「Top Gear」でもおなじみのリチャード・ハモンドが英国「Mirror」に寄稿したジャガー・XE Sの試乗レポートを日本語で紹介します。


XE S

以前、ジャガーはこの分野で失敗している。

Xタイプという車自体には何の問題もなかったのだが、そもそもこの車はジャガーが売れている市場に参入することで生産台数を増やし、利益を生み出すことを目的にした車だった。

それに、何よりの問題が、人々がBMWのショールームから目を背け、3シリーズの代わりにジャガーを買うように仕向けるためには、フォード・モンデオをベースとした1960年代のデザインの車では不十分だったということだ。

そして、ジャガーの二度目の試みとして誕生したのが新型XEだ。ジャガーは長らくこの車の発売を延期してきたが、ようやくこの車に乗る機会を得ることができた。

要約すると、XEは完全な新設計のモデルで、ボディとシャシには高率に(75%以上)アルミニウムが使われており、これによりクラスの中でも軽量で独自的なモデルとなっている。

それに、XEは後輪駆動車で(4WDモデルとして発売されたXタイプとは違う)、エンジンやトランスミッションの選択肢もある。分別をもった選択をしようとするなら、ジャガー自身が最量販モデルとなるとも想定している2.0Lディーゼルを選ぶべきだろうが、今回はもっと自分に甘くなって、楽しいモデルに乗ることにしよう。

ジャガーはAMGやM3の対抗モデルとして、既に5.0L V8スーパーチャージャー付きエンジンを搭載したモデルの登場を明かしているが、現時点で最もホットなモデルはXE Sだ。今回はこれに試乗した。

このモデルにはF-TYPEのエントリーモデルに搭載される3.0L V6スーパーチャージャー付きエンジンが搭載され、最高出力は340PSを発揮する。まずスタイリングについて言及しよう。とはいえ、この領域は非常に主観が入る。フロントは特徴的でジャガーらしく、リアはそれに比べると無個性だが、F-TYPE風のテールランプが付いている。

このデザインをどう思うかは人によって違うだろうが、XEのデザインを醜いとか古臭いと言うことはできないだろう。

インテリアの質感はライバルのレベルに達しており、ジャガーのチーフデザイナーであるイアン・カラムが言うところの「リーヴァ・カーブ」が演出されている。これは、ダッシュボードのラインがリーヴァのモーターボートのウインドウに似せられていることから名付けられている(Rivaをググればこれがどれほど素晴らしいボートか分かるはずだ)。

XE Sにはジャガーの8速ATしか設定されず、センターコンソールにはXFでもお馴染みのギアセレクト用の丸いダイヤルがある。

F-TYPEのエンジン始動音が素晴らしいということはよく知られている。もちろん、XEのエンジンも同じだ。ただ、XEには開閉式のフラップは付いておらず、常時素晴らしい音を響かせる。では、ギアをドライブに入れよう。

この車は速く、パフォーマンスは素晴らしい。0-100km/h加速は5.1秒を記録する。

しかし、現実世界において何よりこの車の素晴らしいところは、コーナーを高速で駆け抜けることのできるハンドリング性能と快適性を両立しているというバランスの良さだ。

XEはジャガーのセダンとしては初めて電動パワーステアリングを採用しているが、特にダイナミックモードでのフィーリングは素晴らしい。常にこのモードにしておくといいだろう。

XEでは、3種類のサスペンションセッティングのうちから1つを選ぶことができる。コンフォート、スポーツ、そして800ポンドのオプションでアダプティブサスペンションが選択できる。

今回の試乗車にはアダプティブサスペンションが付いていたが、これはオプション価格を払う価値があるものだ。

では、XEをBMW 3シリーズと比べたらどうだろうか。実に素晴らしい。今度はジャガーの狙いはぴったり当たっている。XEはコーナリング時にアンダーステアを呈することはほとんどないか全くないかで、ロールも少ない。これは真のスポーツセダンだ。

また、新型の「INGENIUM」2.0Lディーゼルエンジンを搭載するモデルにも試乗したが、こちらの出来も良かった。


Jaguar XE S review by Richard Hammond: Jaguar has got it X-actly right at last