今回は、英国の人気自動車番組「Top Gear」でもおなじみのリチャード・ハモンドが英国「Mirror」に寄稿したプジョー・308の試乗レポートを日本語で紹介します。


308

プジョーは308の世界での評価を、あるいは少なくともヨーロッパでの評価を上げようとしている。とはいえ、フランス人は常にフランス車を購入するので、特にドイツやイギリスでの評価が重要だろう。

新型308は…308の後継車だ。プジョーの通常の車名命名規則に従えば、新型は309になってしかるべきなのだが、この名前は1980年代に205の兄貴分の車に既に使われてしまっている。とはいえ、こんな数字の話をしていても退屈なだけなので車自体の話に戻ろう。

プジョーは重要な欧州市場においての308の販売台数を増強するだけでなく、フォード・フォーカスやフォルクスワーゲン・ゴルフ、それどころかさらに高級なメルセデス・ベンツ Aクラスやアウディ・A3を検討している層の興味を引こうとしている。

これは実に大変なことだ。休日に趣味でサッカーをしているだけの社会人がプロになろうとすることに比べれば野心的ではないが、それと同じくらいに実現するのは難しい。

プジョー・308は質感を向上するという上手い戦法を取り、事実その成果は素晴らしい。特に、今回の試乗車にはパール塗装がされていて、他にも格好良いアルミホイールやLEDヘッドランプが装備されており、エクステリアも豪華に見えた。インテリアの材質も良くなり、今回試乗した最上級グレードにはアルカンターラが用いられていた。

208とは違い、ステアリングに遮られてメーターが見えなくなってしまうということもない。それに、スピードメーターやタコメーターはデザインもよく、非常に見やすい。上級グレードにはタッチスクリーンが装備され、これは208同様あまりユーザーフレンドリーとは言えないが、操作方法さえ間違えなければ様々な情報を教えてくれる。

エンジンラインアップはプジョーおなじみのもので、CO2排出量がわずか82g/kmのディーゼルエンジンも用意される。2014年夏頃には新設計の3気筒エンジンも追加される。

今回の試乗車にはプジョーやシトロエン(それにミニ)の数多のモデルに搭載される1.6Lのガソリンターボエンジンが搭載されており、最高出力は156PSを発揮する。トランスミッションには6速MTが組み合わせられており、十分なパワーがありながら静粛性も高い。クルージングスピードではほとんどエンジンからは音がしないし、街中でも静かだ。

また、軽量化にも真剣に取り組まれており、旧型モデルと比べると車重は140kg軽くなっている。ボンネットやフロントフェンダーはアルミ製だし、荷室フロアには複合材料が用いられ、テールゲートにはプラスティック類がうまく用いられている。

最近では、多くの車がモデルチェンジにより大型化し、全長や全幅、ホイールベースが伸びて全高は低くなる傾向にある。実際、新型308もその通りのことをしている。ただ、ホイールベースを伸ばせば普通は室内空間が広くなるが、308のリアシートのレッグルームはさほど広くない。ハモンドサイズのドライバーが運転するなら問題はないが、背の高いドライバーが運転する場合はリアシートに閉塞感が生まれるだろう。

リアサスペンションの取り付け位置はわずかに上げられており、結果リアタイヤが衝撃を受けた際のストローク量が数mm増加している。このためか、街中で乗っても、道の悪い田舎道で乗っても非常に快適だ。

308はスポーティーカーではない(ただしホットバージョンも存在する)が、グリップはかなりある。

今回の試乗車はオプション抜きで2万1,345ポンドであり、この価格では多くの人がプジョーの望みに反してより上位のブランドを選びたくなることだろう。しかし、1.2Lエンジンを搭載するエントリーグレードは1万4,495ポンドであり、検討する価値は十分あるだろう。


New 308 is the car Peugeot want to take over the world - or at least Europe