今回は、英国の人気自動車番組「Top Gear」でもおなじみのリチャード・ハモンドが2013年に英国「Top Gear」に寄稿したルノー・クリオ ウィリアムズの試乗レポートを日本語で紹介します。


Clion Williams

以前にエステル・スコルニクと一緒にランチを食べたことがある。彼女はルノー・クリオの伝説的な"パパとニコル"のテレビCMにニコル役として出演した女優だ。自分でもそのランチをうまく切り抜けられたと思う。1時間半の間で、おならをすることもなかったし、彼女に飲み物をこぼすこともなかったし、ちゃんと堂々と話すこともできた。しかし、ランチが終わると彼女はもう話したくはなさそうだったので、彼女と別れることにした。

しかし、そんな彼女の印象はルノー・クリオ ウィリアムズに対する衝撃には何の影響も与えない。この車はモンスターだ。正統派の獰猛なホットハッチであり、様々な面でこのジャンルを定義した車だ。

この車はフランスのラリー選手権のホモロゲーション獲得のために開発され、1993年に登場、ボディカラーはブルー、ホイールはゴールドしか用意されなかった。最初のモデルはわずか5,400台しか製造されず、2と3は合わせて6,700台が製造された。

今回試乗したのは、No. 001、つまり製造第1号車だ。この車を所有していたのはフランク・ウィリアムズ氏本人なのだが、彼は身辺整理のため、数年前にこれをルノーに売却した。当然、この車は貴重なものなので丁寧に扱うべきだったのろう。しかし、この車は丁寧に扱うために設計されてはいない。この車は荒く扱われることを望んでいる。

Driving

2.0Lの4気筒エンジンは激怒し、剥き出しの怒りを轟かせる。そのため、乗り込んで最初にブルーのシートベルトを見て感じた違和感などどこかへ吹っ飛んでしまう。それに、この車は20年前の車であるにもかかわらず、インテリアは非常にモダンで現在でも許容できるレベルにある。ただ、どちらにしてもそんなことは誰も気にしない。ドライバーはただ、興奮して笑顔を湛えることしかできない。

最高出力は150PSを発揮し、0-100km/h加速を7.8秒でこなす。これはもはやスーパーカーの領域だ。それだけでなく、スピードを出せばリアが暴れ回り、フロントに付いていこうと足掻くのだが、これがまた恐ろしいほどに癖になる。

これこそ、ホットハッチのあるべき姿だ。暴れるほどにスピードを出すこともできるし、そこに至るためには少しテクニックが必要だ。この車は生産台数も限られており、今ではマニアに高く評価されていて、この車に乗る人には良識が求められる。誰もが振り返るスーパーカーに乗るのとは違い、この車に注目するのはちゃんと分かっている人だけだ。私もこれが非常に欲しいし、もし誰かが手に入れたとしたら、とても感激するだろうし、同時に深い嫉妬に駆られることだろう。


Hammond drives the icons: Renault Clio Williams