今回は、豪州「CarsGuide」による新型 三菱・パジェロスポーツの試乗レポートを日本語で紹介します。


Pajero Sport

三菱はトライトンをベースとしたSUVの車名をチャレンジャーからパジェロスポーツへと改名した。しかし、新型パジェロスポーツはただのトライトンワゴンではない。乗用車として通用するよう、8速ATまで採用されている。

グレードはGLX, GLS, Exceedの3種類が設定され、エントリーグレードは4万5,000豪ドルだ。パドルシフトやリアビューカメラ、ヒルディセントコントロール、トレーラースタビリティアシスト、ヒルスタートアシスト、エマージェンシーストップシグナルは全車に標準装備される。

搭載されるのはトライトンと共通の2.4L 4気筒ターボディーゼルエンジンで、最高出力181PS、最大トルク43.8kgf·mを発揮する。スペック的にはクラスでも平均的なのだが、パフォーマンスは十分だし、8速ATのおかげでスムーズに運転することができる。変速はほとんど体感できない。

リアサスペンションは専用設計で、コイルスプリングが採用された車軸懸架となっている。これにより、オフロード走行中に片輪が浮きづらくなっている。また、中間グレードのGLSにはセンターデフロックが、最上級グレードのExceedにはリアデフロックが追加されている。

センターコンソールにあるダイヤルを操作すると路面に合わせたセッティングに変更することができ、砂、砂利、岩、雪、泥の各路面に最適なモードが用意される。

パジェロスポーツの走破性はかなり高いと言える。最低地上高は約250mmで、渡河深度は750mmだ。

rear

また、駆動力配分の設定には、2WD HIGH、4WD HIGH、4WD LOW(適時ロック)、4WD LOW(常時ロック)の4種類が用意される。このため、厳しい環境も走り抜けることができるだろう。

最大牽引重量は3,100kgで、優秀な8速ATのおかげで重量物を牽引するのも苦ではない。

トライトンからはフロントエンドが大幅に変更されており、LEDヘッドランプ、LEDデイライトも備わる。縦長のテールライトも印象的だし、後ろに向かってキックアップしているウインドウラインも個性的だ。なのでパジェロスポーツを他の車と見間違えることはないだろう。

インテリアもエクステリアと調和しており、ソフトな素材は最小限しか使われておらず、アルミで仕上げられている。標準では5人乗りで、3列シート仕様もオプションで設定される。

バックカメラやパーキングセンサー以外にも、スマートフォン連携機能やキーレスエントリー、8スピーカーオーディオシステム、タッチスクリーンコントローラー、電動パーキングブレーキも備わっている。

また、GLS以上のグレードには、デュアルゾーンエアコンや雨滴感知式ワイパー、オートライト、レザーシートも装備される。最上級グレードのExceedにはブラインドスポット警報や自動ブレーキ、360度カメラなどの運転補助装備も付いている。Exceedの価格は5万2,750豪ドルで、ライバルであるフォード・エベレストと比べるとかなり安い。

interior

走りは旧型のチャレンジャーと比べるとかなり良くなっている。乗り心地はソフトで快適なのだが、コーナーでも十分にフラットだ。ステアリングは軽く、回転半径は十分に小さい。音振性も十分に高く、繭に包まれて浮遊しているような感覚だ。

走破性能も驚異的で、多少の障害にはものともしない。サスペンションストロークが長いため、悪路でも快適性は高いままだし、障害物をしっかりと乗り越えてくれる。スーパーセレクト4WDシステムはかなり優秀だ。

エンジンの性能も十分だ。あるいは遅く感じるかもしれないが、12.5km/Lという燃費は称賛に値する。

パジェロスポーツなら、どんな路面状況も簡単に走り抜けることができる。ランドクルーザーやプラドが買えなくても、パジェロスポーツならそれに並べるくらいの実力がある。

確かに、フォード・エベレストのようなスポーティーさはないが、快適性や走破性、牽引能力では勝っている。それに、デザインも魅力的だ。


2015 Mitsubishi Pajero Sport review