今回は、人気自動車番組「Top Gear」でもおなじみのリチャード・ハモンドが2013年に英「Mirror」に寄稿したマツダ・6(日本名: アテンザ)のレビューを日本語で紹介します。


Mazda6

マツダのキャッチコピーである「Zoom-Zoom」はダサいのだが、それでも好きな人は多い。このキャッチコピーはマツダが車好きのためのメーカーであることを表明している。

車好きに向けた車の代表格がMX-5(日本名: ロードスター)だ。これは、世界最高の低価格スポーツカーだ。

ほかにも、マーケティング部門が編み出したであろう「魂動」というよくわからないデザインテーマが掲げられている。これ以外にもテーマはあるらしいのだが、いちいち言及してもつまらないので割愛する。

いずれにしても、新型マツダ6のデザインは素晴らしい。反論はあるかもしれないが、モンデオのライバルとして見た目は勝っていると思う。元となったコンセプトカー「雄」には及ばないものの、コンセプトカーのドラマチックさが市販車で失われるのはよくあることだ。

新型は非常に長く、全長は旧型モデルよりも延長されている。その結果、前後ともにレッグルームは広大で、トランクは前後の距離が1m近くある。

マツダ独自の言葉としてもう一つ「スカイアクティブ」というものがあるのだが、これはマツダの高効率化技術に関する哲学を表現したものだ。

マツダは複雑なハイブリッドシステムを使わず、細かい部分を逐一改良しており、特に軽量化に力を入れている。その結果、マツダ6はライバル車と比較してかなり軽くなっている。

今回試乗したのは2.0Lのガソリンモデルの中でも最上級グレードのSportだった。悩ましいことに、このガソリンエンジンも、2.2Lのディーゼルエンジンもいずれも魅力的だ。

例えば、ガソリンエンジンは14:1という驚異的な高圧縮比を実現している。高圧縮比は効率的ではあるのだが、従来であればこれほど高い圧縮比で空気と燃料を混合させるとエンジンにかなりのダメージを与えた。一方、ディーゼルエンジンも同じ圧縮比なのだが、こちらの場合、ディーゼルエンジンとしては圧縮比が低い部類に入る。

165PSのガソリンエンジンは非常に効率的ではあるのだが、特に高回転域では少しやかましい。それに、ガソリン車なのでパワーを出すためには高回転域まで使う必要がある。

この車にはi-ELOOPという減速エネルギー回生システムも備わっている。これは別に新しい技術ではないのだが、制動中にエネルギーをバッテリーに充電する普通のシステムとは違い、マツダは7秒で充電可能なキャパシタを使用している。

キャパシタが満充電されると補機類を1分間稼働させることができる。つまり、赤信号でアイドリングストップしている間は、バッテリーの代わりにキャパシタによってナビやエアコンを稼働させることができる。

車自体の話に戻ろう。インテリアはシンプルですっきりしていて好印象だ。使われているレザーの質感も高く、昔のフェラーリに使われていても驚かない。

試乗車は6速MTで、MX-5のMTと同じくらいに正確だった。

軽量なのでハンドリング性能も高く、この点はかなり優れている。乗り心地は少し跳ね気味だし、路面が悪いとロードノイズも少しやかましいのだが、運転していて楽しいのは確かだ。

試乗車の価格は2万4,115ポンドで、サイズやパフォーマンスを考慮すると価格設定も適切だ。デザインまで考慮すればむしろ安いくらいだろう。


The Richard Hammond test drive: The Mazda6 really is one fit-looking motor