今回は、人気自動車番組「Top Gear」でもおなじみのリチャード・ハモンドが2015年に英「Daily Record」に寄稿したヒュンダイ・ジェネシスのレビューを日本語で紹介します。


Genesis

ヒュンダイはジェネシスの販売目標台数をそれほど高く設定していない。実際、あまり売れないだろう。高級車の場合、ドイツ製であるか、あるいはジャガーのバッジが付いていなければ、イギリスではあまり売れない。シトロエン・C6の失敗を見ても分かるだろう。

ヒュンダイ・ジェネシスは4万8,005ポンドだ。ジェネシスの販売を行うヒュンダイのディーラーはイギリス国内に7店舗しかないのだが、その数少ない店舗でも、ジェネシスが飛ぶように売れるということはないだろう。

しかも、さらに困ったことにジェネシスにはエンジンが1種類しか設定されない。しかも、そのエンジンはエコなディーゼルですらない。搭載されるのは3.8LのV6ガソリンエンジンで、CO2排出量は261g/kmとかなり多く、税額はかなり高くつく。

なら、一体どうしてヒュンダイはジェネシスをイギリスに輸出することにしたのだろうか。

単純な話だ。ヒュンダイは自分たちにも木やレザーで仕上げた高品質な車を作ることができるということを示したかった。実際、ジェネシスにはレクサス的な質感がある。ただし、セクシーだとか前衛的だとか、そういうわけではない。

欧州市場で売られるジェネシスは基本的にどれも4WDだ。ただし、イギリス仕様だけは違う。右ハンドル車ではステアリングコラムが邪魔でフロントドライブシャフトの場所がなくなってしまうからだ。とはいえ、これは大した問題とは思えない。

ヒュンダイはロータスに欧州仕様向けのサスペンションの設定を委託しており、イギリス仕様も特別なチューニングになっている。おかげで、この車は凸凹を見事にいなしてくれる。

エンジンはスムーズで静かだし、8速ATの変速も滑らかだ。ジェネシスの走りには特に大きな欠点がない。

装備内容も非常に充実しており、テクノロジーが溢れている。室内にはCO2メーターがあり、運転手の疲れを感知することができるし(眠いときにはCO2濃度が高くなる)、バック時に警告してくれるシステムも付いている。素晴らしい。

まともな人間ならこんな車は買わない。イギリスでこの車を運転するのは、自動車評論家とヒュンダイの社員以外には存在しないだろう。

それでも、ジェネシスは韓国企業にも高級車が作れるということを証明した。


Richard Hammond: The Exodus of Hyundai's Genesis