今回は、人気自動車番組「Top Gear」でもおなじみのリチャード・ハモンドが2012年に英「Mirror」に寄稿したセアト・ミー S のレビューを日本語で紹介します。


Mii

この小さなセアトに乗り込むと、過去へとタイムスリップすることができる。窓は手回し式だし、ダッシュボードや操作系は非常にシンプルだ。エクステリアを見ても、履いているのはスチールホイールだし、昔のモーリス・マイナーのような小さなハブキャップが付いてる。

別に批判しているわけではない。むしろ逆だ。最近の車はあまりに複雑になり過ぎており、装備にコストがかかりすぎているし、故障したらさらにお金がかかるようになってしまった。

もしそんな現状に不満なら、セアト・ミー Sのシンプルさをきっと気に入るだろうし、7,785ポンドというプライスタグも気に入ることだろう。

ご存知かもしれないが、ミーはフォルクスワーゲン・up!のセアト版だ。シュコダ版のシティゴ同様、セアト独自のフロントグリル以外はほとんど同じだ。僕はup!が非常に気に入っているし、ミーも同じくらいに気に入った。

1.0L 3気筒エンジンの音も素晴らしいし、5速MTは滑らかで優秀だ。プジョーの技術者はこれに学んで自社の3気筒エンジンやトランスミッションの欠点を認識し、改善するべきだろう。

装備を追加したり、ベースグレードのSよりも上のグレードを選んだりするのもいいのだが、様々な装備を追加したらこの車の本質が失われてしまうのではないだろうか。それに、言うまでもなく値段も高くなってしまう。

プロドゥアのような低価格メーカーにとっては脅威だろう。ミーの方がリセールバリューはよっぽど高いだろうし、ずっと時代に即している。

シンプルなスチールホイール付きの小型車が欲しいなら、モーリス・マイナーのような1960年代の車を中古で購入することもできる。しかし、安全性も燃費性能も信頼性も現在の水準には程遠い。結局、修理のために大金を払うことになってしまうだろう。ミーの場合はこんな心配もない。

1万ポンドのフェラーリ・モンディアルのような1980年代のクラシックカーを所有していて、いざというときのための足が欲しいのであれば、ミーは完璧だ。あるいは、ドゥカティ・パニガーレのようなスーパーバイクと一緒に持つのもいいかもしれない。


Take your Seat for a ride back in time... all the pleasure of a Sixties car without the trouble