今回は、人気自動車番組「Top Gear」でもおなじみのリチャード・ハモンドが2014年に英「Mirror」に寄稿したルノー・ゾエのレビューを日本語で紹介します。


ZOE

ルノー・ゾエは現時点で最も魅力的な電気自動車だ。

Top Gear誌には非常に優秀な執筆者がおり、あまりに優秀なので脳の灰白質が発電所のように発熱し、髪が熱で溶けてしまった。そんな彼は電気自動車について以下のように語っている。

「ランボルギーニ・アヴェンタドールを購入したとしても、その翌日にメーカーに電話をかけて、家族全員を乗せられないじゃないかと文句を言う人はいない。電気自動車も同じだ。あくまで短距離の移動手段であり、休日の長距離旅行のために設計されているわけではないのだから、航続距離の短さに文句を言う筋合いはない。」

当然、グロスタシャーに住んでいるなら、航続距離が150kmにも満たないような車はお話にならない。しかし、都市部に住んでいるならば話は別だ。なので、ゾエの試乗をすることにしよう。

今回試乗したのはDynamique Zenというモデルで、価格は1万5,195ポンドだ。これは電気自動車としては非常に安い。この価格は政府からの5,000ポンドの補助金が差し引かれたものなのだが、それを考慮しても安い。

ルノーは賢明にもバッテリーをリース方式にしている。ノートパソコンを使ったことがある人なら分かるだろうが、バッテリーは永遠に充電量が変わらないわけではない。

携帯電話の契約同様、バッテリーの金額も個々人によって異なる。契約は36ヶ月単位で行われ、年間走行距離が12,000km以下の場合は月額70ポンド、19,000km以下の場合は月額93ポンドとなる。

では、車自体の話に移ろう。インテリアカラーにはグレーもあるのだが、試乗車のインテリアはホワイトだった。おかげで室内は宇宙ステーションの内部のようで、ゾエの未来的なキャラクターと合っていた。汚れは目立つだろうが、少なくとも新車の間は見栄えがいい。

エクステリアも同様に魅力的なのだが、他にもっと語るべきことがあるのでどんどん進もう。

鍵は他のルノーと同じキーカードで、ダッシュボードに挿入して使う。スタートボタンを押すとインパネが起動し、走りだす準備が整う。ギアセレクターをDに入れて一般的なサイドブレーキを解除し、右のペダルを踏むと車が動き出す。

ここで強く踏むとかなり力強く加速するのだが、電気をかなり消費してしまうので、そうするべきではないだろう。ブレーキは敏感なので乗員を飛ばしたくないのであれば慎重に操作するべきだ。

思うに、電気自動車の最大の利点は静粛性だろう。ゾエもその例外ではなく、歩行者が近くにいる際には警告のために変な音を鳴らす。ただし、この音は消すこともできる。

過敏なブレーキはともかく、基本的にゾエはかなり運転しやすい。ただ、乗り心地は少し期待外れだ。他の車と比べて大きく劣るというわけではないのだが、静粛性の高さを考えると少し残念だ。

充電をする場合、ルノーの充電設備を備え付けた家に帰るか、街中の充電スタンドを使うことができる。今回は大型スーパーにあった充電器を使った。

荷室のバッグから太い充電ケーブルを取り出し、一方を車に、他方を充電ユニットに接続してから専用のカードを充電ユニットにかざせば充電が開始される。

ただし、13Aのソケットからは充電できない。つまり、友人の家のコンセントから充電したりすることはできない。

航続距離は公式には210kmとされているのだが、冬期に走行した場合は100km程度まで落ち込むだろうとも言われており、実際、冬に試乗した際の航続距離はそれくらいだった。

もし電気自動車の航続距離が500kmほどになったら購入を考えるかもしれない。あるいは、都市に引っ越した場合も購入を検討するかもしれない。しかし、どちらも近いうちに現実になるとは思えない。


The new Zoe has real girl power as Renault's most convincing electric car to date