今回は、英国の人気自動車番組「Top Gear」でおなじみのリチャード・ハモンドが2014年に英「Mirror」に寄稿したシトロエン・C4カクタスの試乗レポートを日本語で紹介します。


C4 Cactus

個人的カー・オブ・ザ・イヤー2014に強力な候補が登場した。馬券屋が近所にあったら迷わず5ポンド札を投じることができるほどの有力候補だ。その車こそ、シトロエン・カクタスだ。この車は他の何にも似ておらず、新鮮味に溢れている。

とりあえず写真を見てボディサイドの保護パーツを確認してほしい。公式名称はエアバンプと言うのだが、この中には本当に空気が入っている。エアバンプは熱可塑性ポリウレタン (TPU) という素材でできており、ショッピングカートや隣の車のドアからボディを保護する役割を持っている。ただ、エアバンプの衝撃吸収性を試すためにわざと何かをぶつける人がいないかということだけは心配だ。

カクタスは日産・ジュークやフィアット・500Lのライバルとなる。しかし、カクタスはフィアットの1,000倍は見た目が良い。反論したい人もいるだろうが、その前にインテリアを見て欲しい。

インテリアもエクステリア同様スタイリッシュだ。非常にシンプルで、かろうじてダッシュボードと呼べそうなものがある。イギリス人デザイナーのマーク・ロイド氏いわく、彼主導のチームは室内を広く見せることと操作性を高めることに重きを置いたそうだ。

また、軽量化にも力が注がれているそうだ。実際、カクタスはC4をベースにしているにもかかわらずC4よりも200kg軽い。フォード・フォーカスと同等のボディサイズでありながら車重はフィエスタと同等だ。

手動のサイドブレーキが採用されているのも電動パーキングブレーキは重いからだし、ウォッシャー液を余分に載せなくて済むように、ウォッシャー液がワイパーブレードから直接出るようにして、ウォッシャー液の消費量を50%抑えている。実に賢明だ。

interior

ステアリングは完璧な円形ではなく、スイッチ類は美しく、かつシンプルに配置されている。グローブボックス容量を確保するため、助手席用エアバッグがフロントウインドウ上部に配置されており、ダッシュボード内には収納スペースがたくさんある。

フロントシートはATモデルの場合ソファのようになる。ATモデルだとシフトレバーの代わりにコンソールにD, N, Rのボタンが配され、それを押すことで変速操作が可能となる。ただ、残念ながらATは厳密にはシングルクラッチのセミオートマチックなので、変速はあまり滑らかではない。

今回は6速セミATのディーゼルモデルとガソリンの6速MTモデルの両方に試乗した。個人的には後者を選びたいところだが、そのことは置いておこう。

室内に乗り込むと、レッグルーム、ヘッドルーム、エルボールーム、どれをとってもかなり余裕がある。車重を抑えるため、リアウインドウは昔のミニのように手動で外に張り出すようにして開く。身長180cm以上の人でも十二分に快適に過ごすことができるだろう。リアシートは分割可倒式ではないのだが、倒せば平常時358Lの荷室が1,170Lまで拡大する。

車重が軽いため、基本的にどんな路面を走っても快適性は高い。運転していても軽く感じられ、クロスオーバーというよりもハッチバック的だ。スポーティーとまでは言えないのだが、コーナリング時も落ち着いていて十分な性能は持っている。

グレード構成は「Touch」、「Feel」、「Flair」の3種類となる。ボディカラーは10種類設定され、エアバンプの色も4種類用意されるので、他とは違う自分だけのカクタスを作り出すこともできる。試乗した110PSのガソリンエンジンを搭載するMTの「Flair」は15,790ポンドだったのだが、75PSのガソリンエンジンを搭載するエントリーモデルの「Touch」(13,000ポンド)から、ディーゼルATの「Flair」(18,000ポンド)まで幅広いラインアップを擁する。


Richard Hammond: Citroen Cactus is so sharp it could be my car of the year