今回は、英国「Auto Express」によるメルセデス・ベンツ C250d クーペとレクサス・RC300hの比較試乗レポートを日本語で紹介します。


C vs RC

クーペを買うといっても、必ずしもデザインのために燃費を犠牲にしなければならないわけではないし、実用性よりもパフォーマンスを優先しなければならないわけでもない。

4シータークーペ市場は現在成長の最中にあり、比較的低価格でありながら、それなりに楽しい車も存在する。メルセデス・ベンツからは新型Cクラスクーペが登場しているが、今回はC250dの試乗を行う。搭載されるのは2.1Lのディーゼルエンジンで、流麗なスタイリングと力強いパフォーマンス、そして高い燃費性能を併せ持っている。

ディーゼルエンジンとプレミアムクーペはあまり結びつかないだろうし、同様にディーゼルエンジンからレクサスを連想する人もいないだろう。レクサスはディーゼルエンジンの開発はせずに、印象的なカタログ燃費を実現するためにハイブリッドシステムを使っている。今回は、AMG LineのC250dと比較するモデルとして、RC300hのF SPORTを選んだ。

今回は、上述した走行性能、経済性、実用性などの要素を総合的に判断して比較を行うこととする。勝利の女神はメルセデスとレクサス、果たしてどちらに微笑むのだろうか。


デザイン
クーペの購入層にとって、デザインは重要だ。今回取り上げるような経済性の高いモデルの場合はなおさらだ。メルセデスはより柔和で流麗で、より有機的な印象だ。また、プレスラインのアクセントも入っている。一方のレクサスはフロントからリアにかけてシャープな印象だが、デザイン的には両者拮抗しているように思える。


パワートレイン
RCはハイブリッドではあるのだが、燃費性能ではCクラスに劣るようだ。とはいえ、いずれのモデルも実燃費ではスポーティーな見た目とは裏腹に優れた燃費性能を叩き出している。静粛性ではレクサスに分があるのだが、運転していて楽しいのは9速ATのCクラスのほうだ。


質感・信頼性
クーペ、特にプレミアムブランドのクーペには高い満足度が要求される。Cクラスのインテリアは魅力的である一方で、レクサスのインテリアはCクラスに比べるとソリッドな印象だ。ただし、顧客満足度調査ではレクサスの評価のほうが高い。


結論

Winner: メルセデス・ベンツ C250d クーペ
今回はそれなりの差をつけてCクラスが勝利した。2台とも走行性能はさほど優れているわけではないのだが、Cクラスのほうが装備内容が豊富だし、ランニングコストも安いし、実用性でも勝っている。また、パワフルなディーゼルエンジンと滑らかな9速ATのほうがこのタイプの車には合っているように思う。長距離の移動にも街中の移動にも適している。

2nd: レクサス・RC300h
RCもドイツのライバルと十分に渡り合えるだけの実力を有してはいるのだが、経済性に優れたモデル同士で競わせた場合は、総合力でメルセデスにはまだ敵わないようだ。静粛性は高いのだが、パフォーマンスやランニングコストではメルセデスに劣るし、室内空間もCクラスクーペと比べると狭い。また、派手な外見は場合によっては敬遠されてしまうかもしれない。


Mercedes C-Class Coupe vs Lexus RC