今回は、英国の人気自動車番組「Top Gear」でもおなじみのリチャード・ハモンドが2015年に英「Mirror」に寄稿したヒュンダイ・i20クーペの試乗レポートを日本語で紹介します。


i20 Coupe

ヒュンダイは今、大忙しだ。2015年だけで、i40(モンデオと同クラス)のマイナーチェンジモデルとi30(フォーカスと同クラス)のターボモデルと世界初の量産燃料電池車となるix35 フューエルセル、そして新型高級車のジェネシスを発売する。

そして、5ドアハッチバックのi20には3ドアモデルのi20クーペが追加される。ヒュンダイはクーペを独立したモデルではなく、普通の車からドアを取っただけの車だと考えているようだ。

正面から見ると5ドアも3ドアもまったく同一なのだが、3ドアモデルはルーフラインが傾斜しており、Cピラーがブラックアウトされ、テールランプは細くなり、リアバンパーは専用設計になっている。見た目は非常にスタイリッシュで、おそらくはヒュンダイの目論見通り、若者に受けることだろう。

今回は1.2Lガソリンエンジンを搭載するSEに試乗した。ほかに90PSの1.4L ディーゼルエンジンを搭載するモデルも設定される。2015年中に100PSおよび120PSの3気筒ターボエンジンが登場し、1.2Lガソリンエンジンに取って代わる予定だ。

試乗車のボディカラーはタンジェリンオレンジパールで、非常に似合っていた。このボディカラーは495ポンドのオプションなのだが、SEは装備内容が豊富で、オプションは特別塗装色とサービスプランくらいしかない。

インテリアに目を向けると、エアコン吹き出し口やシフトレバー周辺などにオレンジのアクセントが付いていた。こちらもなかなか魅力的だった。質感はフォードをはじめとしたクラスの水準に並んでいるし、なにより操作系がシンプルで使いやすかったのが気に入った。

rear

ダッシュボード上部にはスマートフォンを設置できる台がある。安いナビゲーションアプリをダウンロードすれば高い金を払ってナビを装備する必要もなくなる。唯一、ナビパッケージ以外にはDABラジオが付かない点だけは残念だった。

ガソリン車は5速MTなのだが、ギアレシオは街中にも高速道路にも適している。むしろ問題なのはエンジンだ。経済性も高いし、やかましいわけでもないし、振動が酷いわけでもないのだが、あまりにも退屈だ。新エンジン登場の予定もあるので、それを待ったほうがいいのかもしれない。

クーペといえど、サスペンションがやたら硬かったり、ステアリングがやたらクイックだったりということはない。乗り心地は良好だし、操作性も至って常識的だ。

リアドアが無くなっているので乗降性が悪化しているのは言うまでもない。とはいえ、リアシートのレッグルームおよびヘッドルームは大人にも十分だ。ただし、荷室は5ドアモデルよりも狭くなっている。5ドアの荷室容量が336Lなのに対して、クーペは311Lだ。クーペの場合、スペアタイヤがテンパータイヤとなっている。

i20クーペの価格は12,725ポンドからとなる。これはお買い得だ。エアコンやクルーズコントロール、LEDデイライト、本革ステアリング、AFS付きハロゲンプロジェクターヘッドランプはすべて標準装備だ。見た目も良いし、運転しやすいし、実用性も高い。新エンジンが追加されれば、低価格でスタイリッシュな車を求める人にぴったりな選択肢になるかもしれない。


Hyundai i20 coupe review by Richard Hammond: It has it all and it won't break the bank