青い栞


ちょこっと読書のおぼえがき

「羊と鋼の森」 宮下奈都

羊と鋼の森 (文春文庫)
宮下 奈都
文藝春秋
2018-02-09



北海道の自然の中で育った主人公は、ピアノの調律師という仕事と出逢い、
葛藤しながらもまっすぐにその道を進んでゆく。
「本屋大賞」にもなり映画化もされた・・と言うことで興味深く読んでみたけれど
内容はただただ、調律師になり、一人前を目指して精進する主人公の心情が綴られるのみ。
個性的で魅力もありそうな周囲の人物描写は浅すぎて、あまりにもうわべの説明だけで終わる。
説明的になる必要はないけれど、たとえばふたごの少女の一人がピアノを弾けなくなることについて
「病気になり、弾けなくなりました」だけでは・・・あまりにも雑ではないだろうか。
ふたごの一人のピアノに肩入れする主人公だけれど、それも出逢ってからのエピソードが
あまりにも少なすぎて無理がある。
ピアノの内部素材を森に例えたタイトルは美しいけれど、結局それだけのことだった。

「鏡の花」道尾秀介

鏡の花 (集英社文庫)
道尾 秀介
集英社
2016-09-16

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 東野圭吾



2017年読了、記録として

「君の膵臓をたべたい」 住野よる




ドキュメンタリーはともかく、病気や障碍を持つ主人公もの、はあまり好まない。
死を美化したりハンデをドラマチックに描こうとするのが何となく不快だからだ。
これもそういった類の「泣かせる」小説かと思っていたが少々路線は違っていた。
それは後半のあまりに意外な展開でも示されている。

ただ友達が一人もいない暗い主人公の男子が、初めて関りを持った少女と
こんなに器用な(自分にはそう思える)やりとりを出来るものなのか、
容姿は分からないがカッコ良く描き過ぎで少女漫画っぽいと思った場面は多いけれど
生きることの意味、人と人との関わりについて、問いかけるテーマには共感もできた。

「ルビンの壺が割れた」〈無料キャンペーン版〉





”「すごい小説」刊行します。
キャッチコピーを代わりに書いてください! ”
・・という新潮社のキャンペーン小説である。
期間限定で全文無料公開していたので読んでみた。

キャンペーンでは、”無名の新人が書いた奇怪な小説”、
”凄すぎてコピーが書けない”、などととにかく期待感を膨らませる。
そんなに言ってしまって期待外れだったらどうするの?と思ったが
異例の企画なだけに、かなりの宣伝効果にはなるのだろう。


Facebookでの邂逅。昔の恋人同士の往復書簡。
メール文だけが続くので初めは退屈にも思えたが
過去の真相が気になり、あっという間に読み終える。
そして、もう一度読み返したくなる。

衝撃の真相、に持って行くための理由付け?が作り込み過ぎかな・・
登場人物の誰にも共感できないし、結末に違和感と嫌悪感が拭えない。

「君の名は。」 新海 誠

小説 君の名は。 (角川文庫)
新海 誠
KADOKAWA/メディアファクトリー
2016-06-18



映画は見ていない。
美しい映像で見てみたい作品だと思った。
しかしピュアな文章も清々しく、爽やかな青春小説。
とにかく先が気になるので一気に読んでしまう。
もったいぶった書き方をしていないのも心地良い。
最後のほうになってやっと、ああラブストーリーなのか、と
改めて気が付く。
個人的にはラブストーリーでは無い着地をしてほしかった。

「無貌の神」 恒川光太郎



「無貌の神」
「青天狗の乱」
「死神と旅する女」
「十二月の悪魔」
「廃墟団地の風人」
「カイムルとラートリー」

無貌・・・顔の無い神は人々にとって絶対的な存在。
しかしそこには驚くべき因縁が隠されていた・・・

青天狗も然り、死神も・・・最後のカイムルとラートリーもまた
物語の中には残虐な死があり血の匂いが感じられる。
映像だったならば目を逸らしてしまうようなシーンばかりだ。

隠していた自分自身の弱さを、暴力的にさらけ出され
どうだ戦ってみろ戦えないだろう、その弱さでは!と詰られるかのような
やりきれない無力感がこみあげてくる。

しかし結末はどれも不思議と安らかだ。
抗いようのない力がそこにあっても不条理さを感じない。
運命、というありふれた言葉に言い知れぬ重さを感じた。

「ガソリン生活」 伊坂幸太郎

ガソリン生活 (朝日文庫)
伊坂幸太郎
朝日新聞出版
2016-03-07

「ジャイロスコープ」 伊坂幸太郎



しばらく遠ざかっていた伊坂作品。
疲れた心に染みて来る、栄養ドリンクのようである。

「火花」 又吉直樹

火花 (文春e-book)
又吉直樹
文藝春秋
2015-06-11




ごく自然に、流れるような文章は心地よい。
人間模様はリアルで苦しくて切なくて。
だけどところどころ、優しさにあふれている。
大げさでなく、押し付けでもない、静かなエールをもらえるような。

「人狼」 今野 敏

人狼 〈新装版〉 (徳間文庫)
今野敏
徳間書店
2013-08-02

「金色機械」 恒川光太郎

金色機械
恒川 光太郎
文藝春秋
2013-10-09



不思議なタイトル。
解説や感想など何も見ないで読み始めたので
その意味が分かると、ちょっとガクッと来た。
が、意外にもどんどん物語に入り込んでしまった。

あまりにも奇抜な設定や異質な登場人物は
たいがいは漫画のようで興醒めしてしまうものだが
読み進めてゆくうち、ファンタジーでありながら
現実にあっても不思議は無いように思えてくる。

無常な「死」の匂いがずっと漂い続ける。
救いはゆっくりと訪れて、不安を包み込む。
何が悪で善なのか、見失いそうになる。
答えはゆらゆらと漂いながら、そっと去ってゆく。

因果応報。

「注文の多い注文書」 小川洋子*クラフト・エヴィング商會

注文の多い注文書 (単行本)
小川 洋子
筑摩書房
2014-01-23

「ソロモンの偽証」 宮部みゆき

ソロモンの偽証 第I部 事件
宮部 みゆき
新潮社
2012-08-23





「笑うハーレキン」 道尾秀介

笑うハーレキン
道尾 秀介
中央公論新社
2013-01-09

「いつも彼らはどこかに」 小川洋子

「小暮写真館」 宮部みゆき

小暮写眞館(下) (講談社文庫)
宮部 みゆき
講談社
2013-10-16




「私はフーイー 沖縄怪談短篇集」 恒川光太郎



「弥勒節」
「クームン」
「ニョラ穴」
「夜のパーラー」
「幻灯電車」
「月夜の夢の、帰り道」
「私はフーイー」

怪談、と銘打ってあるが沖縄を舞台にした、作者独特の世界観で綴る幻想の世界。

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 村上春樹


「球体の蛇」 道尾秀介



Message

2005年6月から読んだ本。
新旧色々、ジャンルも様々、
感想など思いついたままに
自分の記録用として。


※※多忙のため、当分は読書記録のみの記事が多くなります※※

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