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毎年夏と言えば、恒例となったデッドストックユニオンの『民宿チャーチの熱い夜』。などと偉そうなことから書き始めたが、今年で15回目を迎えるこの公演を初めて観たのは知人の役者が出た昨年なのでありました(苦笑)。

教会を改装して営業している沖縄の民宿チャーチ。今回は、その民宿の名物従業員・インド人のチャダを取材にきた地方のテレビ局のスタッフ達と,チャダを師匠と呼ぶ若者と、チャダを含む民宿の関係者達の心の触れ合いを2時間15分にまとめた舞台。テレビ的に過激な内容を密かに画策するテレビクルー達と、親友のいじめを見て見ぬ振りをして結果として自殺に追いやったと思い込み、基地反対沖縄独立を傍観しているだけだはなく実力行使をすべきという若者の心の葛藤がおりなすドタバタに、チャドの勘違いが拍車をかける。

笑えるし、しんみりさせるシーンもあるのだが、半紙の展開が結末が、昨年観た14の時に似ている。どうも、回数を重ねるとシリーズ公演は構成内容が似通ってくるようだ。
前半の密度の薄さに「この先大丈夫?」と思ったのだが、後半に行くにつれて内容が濃くなってきてホッとした。特に、テレビクルー登場以降が展開にメリハリが付いて良かった。
チャダを師匠と呼ぶ若者の心のわだかまりを解き放つ結末がちょっと薄味だったのが、物足りなく感じた最大の理由も。