2008年05月14日

美について

美について (講談社現代新書 324)


先に紹介した「美学への招待」でモノ足らず関連書籍で読んでみた本。
この本でも同様に芸術論の面もあるが、言葉の由来などから美そのものについて論じている様に思えた。
−結局、「人という感じは人と人が寄り添って」みたいな感じの分解かいって話もあるが−
羊の犠牲が、義<善<美で大きくなる、利害関係も法的義務も倫理的善悪の判断も超えた素晴しさを美と表現するといった話。


美学への招待

美学への招待 (中公新書)


この半年ぐらいで読んだ本のおさらい。
会社で何か「こうしましょう」って話をしてる時、その根拠を説明するのに「こうした方が美しいでしょ」と言って納得してもらおうとしている事が多い事に気付いて、「美しい」ってどういう事さ・・・と振り返ろうと思ったのがきっかけで、美学の本を探してみました。

しかし、結局「美学」って言っても一般的には「芸術論」もしくは芸術をめぐる「比較文化論」の事を「美学」と言うらしく(言っていたらしく)、この本でも大半はそういった、どんなものを芸術としてアートとして捉えるかという過去の議論について振り返る内容でした。これはこれで面白かったんですが・・・
最後の章になって漸く、美そのものの意味についての話になりましたが、あくまで入門書でした。


ザ・ファシリテーター2

ザ・ファシリテーター2―理屈じゃ、誰も動かない!


昔読んだファシリテーターの続編が出ていたので読んでみた。
最近、会社の研修でも使われているらしく、会社の同期の中でもいろんな人が読んでいて話題になっている。

今回は、文化や立場によってコンテクストの共有が重要ってとこがポイントかな。前作に比べファシリテーション自体のダイナミズムやリアリティは弱くなって説明的な感もある。
むしろ著者としても、どう組織変革するかに力点を置いて書いたのではないかと思う。「ファシリテーション」がメジャーになる中でファシリテーションだけでは組織は動かせないという事を浮き彫りにして次のネタに進もうかという意図もあるのでは・・・


とは言え、コミュニケーションは難しい。
実際にはファシリテーションが必要な場面って突然やってくるので、自分の中でモードを切り替えなくてもファシリテーションできるようになってないと活用しきれない・・
何気なく話し始めてから、おっとっとって感じでモード変えなきゃ・・・って事が多い。
うまい人は常に何気なく話の仕方を設計してるものなのだろうか・・・


アメリカ大都市の死と生

アメリカ大都市の死と生 (SD選書 118)


5月12日の日経新聞1面囲み記事「都市と地方−民主導の街再生4」を読んで、ジェーン・ジェイコブスのアメリカ大都市の死と生を思い出したので、またかなり久々だが投稿。

記事の内容は、「多摩ニュータウンなど高度成長期に建設された郊外の集合住宅が、高齢化を迎えコミュニティを維持できず問題となっている中、地域で様々な取り組みをしている」と言うもの。
その中で、山万が開発するユーカリが丘では、意図的にゆっくりと開発を進め、37年経った今、全体計画の半分ほどだと言う。

冒頭に挙げたアメリカ大都市の死と生でも、開発計画で一気に建設が進んだ地区は、多様性を保てず、都市として衰退すると指摘している。
この本、原著は1961年の発表であり、日本各地でニュータウンが建設される以前にこの問題を予見していた事になる。

合わせてJ・ジェイコブスは、地域の活性を維持するためには、多様性が必要であり、多様性を実現するには
1.様々な用途が混在している事
2.細かな路地を通しブロックを大きくしすぎない事
3.新しい建物・古い建物が混在している事
4.人口/住居が集中している事
が必要だと説いている。

それぞれ違った目的の人通りが増える事で賑わいが増し、立地コストのレンジが広がる事で商店・飲食店なども成立しやすくなる。これらの相乗効果という事ですな。


2007年12月24日

沈黙の春

沈黙の春


朝日新聞の1面に「首都圏の飲料水に微量ながら医薬品が残留している」という記事が出ていた。下水処理場や浄水場で処理されていても、利根川水系など上流で排出された下水に含まれる多種多様な医薬品が完全には無くならなず、首都圏の飲料水から検出されたというもの。

と言う事で、ちょっと前に読み終えた「沈黙の春」
この本は、農薬による地球の汚染を警告するものでした。
今の世の中では、CO2による地球温暖化の方が注目されているが、自然保護に関する本としては、この本が先駆けだったと言う事で、遅まきながら読んでみたところでした。

そして冒頭の記事。

今後は人間の使う薬も、より環境に害の無いものとして天然由来の漢方薬とかを使いましょうという動きになるのかもしれない。

実際にアメリカなどでも、東洋医学が注目されていると言う・・・


ウェブ社会の思想―〈遍在する私〉をどう生きるか

ウェブ社会の思想―〈遍在する私〉をどう生きるか


1章、2章あたりは、この辺りのテーマに関わっている人たちが、ある程度共通認識として持っているところをうまく整理していると思う。
4章、5章までいくと、う〜〜んちょっとどうかって感じになるが、ネット民主主義を「工学的民主主義」と「数学的民主主義」という対比は、何度か使わせて頂いた。

著者的には、情報社会の話から「宿命」論に展開させたかった様だが、純粋な情報社会の話にした方が、(オリジナリティー云々は置いておいて)良かったのではないかと思う・・・


2007年12月23日

プリンストン高等研究所物語

プリンストン高等研究所物語


またまた久しぶりの投稿

アインシュタインとかゲーデルとかジョンフォンノイマンとか、実在の科学者が多数登場するが、半分ぐらいはフィクションらしい。それでも、その当時の雰囲気ってこんな感じだったのかもと楽しめる内容ではある。
書いている自体が科学者な事もあり、純粋な小説としては今ひとつか・・・

2007年09月10日

トヨタはいかにして「最強の社員」をつくったか

コメントありがとう

> 継続的に利益を上げている優良企業というのは、
> その経営手法というよりは、結局その経営を支える
> 人によるものだと思う。

確かに人って重要なんだが、カリスマとか文化とかが偶然できるわけではないし、
コンサル的にもMBA的にも方法論に持ってかなきゃならんわな。
そうすろと、経営自体の方法論から、少し視点が移って、
どうしたらそういう人を育てられるか、とか、どうしたらそういう文化に持っていけるかとか、そんな事を考えるようになる訳ですわ・・・

で、同じトヨタの事例では、こんな本を読みかけてます。

トヨタはいかにして「最強の社員」をつくったか


読む限りにおいては、自分のいる会社でも似た様な取り組みはしているんだが、
そうそううまくいっている訳でもなく。
制度的な面や文章に現れてこない部分でずいぶん違うんだろうな・・・

企業文化」なんてのも読んだけど、今ひとつ「これだ!」って感じのものはつかめずじまいなんですわ。


2007年09月09日

当確への布石

当確への布石


こちらも娯楽小説。「『このミステリーがすごい!』大賞」というのがあるらしい。
その優秀賞(って大賞ではなく準優勝レベルらしい)の受賞作に手を入れて売れる本に仕立てた物。

今も、政界は、些細?な不祥事をマスコミが囃し立てて、賑わっておりますが、選挙・政界を巡る人間模様ってドラマとかのネタにすると面白い。
いろんな思惑があるから推される政治家が居る訳で、全くキレイで中立な人が世の中の意見を代表しているかというと、そんな訳ではないんですな。
とは言いつつ、小金をチョロマカスような下手な事はしなさんなって感じですが、つくづく身ぎれいな人って居ないもんですな。


ミノタウロス3

ミノタウロス


純粋に娯楽として読んだ小説。
ロシア革命の頃のウクライナ辺りを舞台として書かれているが、史実云々は良く分からないし、この話の中ではあまり重要ではないのだろう。
歴史的背景を知っていればより楽しめるのかもしれないが、まぁ知らなくても、面白い。
混乱期の農村の風景を描いていると言う点では、スタインベックの「怒りの葡萄」なんかを思い出した。