2004年04月20日

【イラク保健相、ファルージャでの米軍の救急車銃撃に関し、当局に説明を要請】ダール・ジャマイル(2004/4/18)

イラク保健相、ファルージャでの米軍の救急車銃撃に関し、当局に説明を要請

ダール・ジャマイル
2004年4月18日6時41分 バグダッド時間
原文

4月17日、バグダッドにて--朝8時前、雷鳴のような爆発がベッドを揺るがした・・・小火器の銃声が後につづく。すぐさま屋上に上がると、数人の友人がおり、道路に仕掛けられた爆弾の爆発にともなう煙を見つめていた。しかし、どこが攻撃されているのかを見分けることはできなかった。
今日も、バグダッドでの生活は際どい状態がつづいている--ほんとうに、誰もがじりじりしている--ナジャフでの米軍とムクタダール・サドルの膠着状態の結末を待ちながら。今後なにが起こるかについて皆が想像し、おびえている。この急進的なシーア派聖職者が身を隠す、聖なる都市にアメリカが侵攻することを決めたときのことを。

それにもかかわらず、サドル師を脅迫し、最終的に逮捕するか殺害すると宣言したアメリカの方針は、サドル師の過激で暴力的な行動に対してかえって多くの支持者を集めさせている。アル・シスターニは、支持者たちを自制させるよう試みをつづけているが、アル・サドルはアメリカ主導の占領に対して公然かつ猛然と攻撃を行い、さらに多くの者を引きつけている。彼は自分の国をアメリカが占領していることにいかなる正当性も認めず、ますます多くのイラク人が彼の発言にうなずくようになってきている。

無論危険は、シスターニ師とその支持者たちがサドル師と米軍の争闘に巻き込まれてしまうことにある。

今日私は、保健省での記者会見に出席してきた。イラク保健相みずからが主催したものである。ひとことで言って、記者会見は批判をかわすために行われた。ファルージャで包囲され苦しむ住民や、南部の戦闘地域の住民に対して十分な(医療上の)援助を行っていないではないか、という批判があるのだ。

記者会見には、暫定占領当局によるプロパガンダ放送局であり、私のイラク人の友人のほとんどが「CIA放送局」と呼ぶイラク国営放送が出席していたが、大臣と2人の医師が話しおわると機材を片付け、さっさと帰ってしまった。その後につづいた容赦ない質問を完全に逃してしまったのである。

それにしても衝撃的だったのは、米軍がファルージャで救急車を故意に標的にしていたことについて、保健相が認めたことだった。彼はこの件について怒りをあらわにし、個人的にイラク統治評議会(IGC)とブレマー行政官に対し、このような人権侵害であると同時に、ジュネーブ条約を侵害する行為がなぜ行われているのかについて、説明を要求したことを明らかにした。

保健相は米軍の非難について語った。ファルージャのムジャヒディンは救急車を使って攻撃していたのだという。それが海兵隊が救急車に発砲していた理由だというのだ。これにはある程度の真実が含まれているかもしれないが、同時に、正当に使われている救急車も標的にされており、無辜の人々が死んでいったのだ。私の友人であるジョー・ワイルディングとデイビッド・マルティネスはそのうちの一台の救急車に乗っており、5発も狙撃を受けたのだ。彼らがムジャヒディンではなかったことは、私が請け合う。

大臣は、救急車が妨害されず、またムジャヒディンが利用することもないように米軍と折衝しようとしていると語った。

米軍がファルージャでクラスター爆弾を使用していることについてどう思うかと、私は大臣にたずねた。先週ファルージャにいたとき、私は複数の市民からクラスター爆弾が民間人に対して使用されているという証言を得た(ファルージャでクラスター爆弾が使用されていることは、戦争犯罪である)。そして友人であるジョーとデイビッドが数日前に戻ってきたとき、夜のファルージャで、明らかにクラスター爆弾のものである爆発音を何度も聞いたという報告を受けた。

私も同じく、そのぞっとするような音を聞いたことがある。前回のイラク訪問の際、アル・ドーラが数夜に渡って夜間爆撃されたときのことだ。この世のものとも思えない音だった。ほとんど唸り声のような、ブーンという長い音のあとに一度爆発が起き、ふたたびブーンという音のあと、いくつもの爆発がばらばらに起きる(「子爆弾」のものだろう)。まったく聞いたこともないような音なので、言葉で説明するのは本当に難しい。一方の側で人間の体がずたずたにされ燃えているのだと思うと、まったく身の毛もよだつような音だ。

大臣のとなりに座っていた医師がマイクをとり、外科医の自分としても、死体の傷から爆弾を見分けることはできないと言った。

私の質問は、体よくはぐらかされたというわけだ。

保健省はメディカル・シティ病院の近くにある。帰り道、私が悲しい思いで見ていたのは、一本足で片手に包帯をぐるぐる巻きにした男性が、ロバに乗って病院から出ていくところだった。バグダッドの貧困と人々の苦闘がどれほどのものかということに、私は毎日打ちのめされている。

渋滞に巻き込まれると、ほとんどいつだって私は女性と子どもたちが物乞いをしているのを車の窓から悲しく見つめるのだった。ときどき、私はいくらかのディナールをあげる。ときどき、私は足元をみつめ、やるせなさをじっと我慢するのだ。神さま、イラクの人々はあまりに苦しんでいます。あまりにも長いこと。そして今や「解放者たち」は、彼らにこの上なく血みどろの、滅茶苦茶な状況を強いている。ずっと、長いこと。

私が出会うイラク人のますます多くが「これはサダムのときよりひどい」と言う。彼らの多くはシーア派だ。抵抗戦士を「テロリスト」だなどというイラク人は、ただひとりとして聞いたことがない。この単語を私が聞くのは、イラク人が米軍や、ジョージ・ブッシュや、車での自爆攻撃者について語るときだけだ。

私に通訳をしてくれているユーセフは、もうこれ以上外国人と仕事をしたくないという。でも彼はどうしてもお金を必要としている。前回ここに来たとき(12月から1月にかけて)、私は彼の家を訪れた。今回、彼は私を家に連れていくことができない。私と働いているところを隣人に見られる危険をおかせないからだ。これがバグダッドで、どのような立場であろうと、外国人と一緒に働くものが感じる雰囲気なのだ。

バグダッド空港を出発する飛行機は、連日満席がつづいている・・・ここに残る私たちは、ナジャフとファルージャのことを、間近に見つめつづけている・・・。

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ダール・ジャマイルはニュースタンダード紙のバグダッド特派員です。彼はアラスカ人で、占領下イラクの水面下で起こっている物事の取材に献身しています。イラクでの重要な取材活動を支えるために、募金を募っています。ダールへの募金に関してはニュースタンダード紙のウェブサイトを参照してください。
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