2005年09月19日

【工場式畜産】Factory Farming

翻訳:203号系統

動物と自然界を単なる利益のために搾取されるべき商品としか見なさないような姿勢が結実したものが、工場式畜産だ。
畜産に於けるこの姿勢が、動物虐待・大規模な環境破壊・資源の枯渇そして動物と人間の健康への危機をもたらして来たのである。

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【フラッシュ・ムービーThe Meatrix:REVOLTING】WWW.THEMEATRIX.COM

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【フラッシュ・ムービーWhat is The Meatrix】WWW.THEMEATRIX.COM
ご参考:偶有思考 平川秀幸研究室

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【豚肉製造工場】
原文:Factory Pork Production

養豚企業が伝統的養豚農場に取って代わるに従って、食用に育てられている豚は、生命もあれば感情もある動物としてよりも生命のない製品として取り扱われるようになった。

合州国では、毎年一億頭の豚が育てられては屠殺されている。赤ん坊の時には、麻酔も痛み軽減処置も何にもないままに、身体を切断される苦しみを味わわねばならない。高度な知能を持つ動物が畜産工場の悲惨な環境に閉じ込められた結果、異常行動として尾の噛み合いをするのだが、それを最小限にするために断尾されてしまう(訳注1)。更に子豚の耳には個体識別札を付けるために穴が空けられるのである。

豚舎一〜二週間で子豚の一割五分が死んでしまう。生き残った者たちは母親から引き離されて、金属柵にセメント床の家畜檻にギュウギュウ詰にされる。これは、業界誌National Hog Farmerの【豚はギュウギュウ詰で利益を出す(Crowding Pigs Pays)】と云う見出の指南記事や、食用豚を監禁する仕組みの全過程が超過密状態であることからも明らかである。生まれてから屠殺基準体重250ポンド(約三十貫)になるまで、豚たちは巨大な倉庫のような建物に詰め込まれて生きることになるのだ。

食用豚工場の空気は、埃や微落片( dander )そして倉庫の中に溜まった排泄物から発生する毒性ガスに満ちている。豚を監禁している建物内で働く労働者に関する研究によれば、建物の中に居るのは僅か数時間でしかないにも拘らず、彼らの六割が呼吸器疾患を患っている(訳注2)。一生の全てを家畜工場の中で過ごしている豚たちの呼吸器系障害は猛烈なものである。

現代的養豚工場は、様々な病気の温床である。養豚業界は次のように報告している。


 豚繁殖・呼吸障害症候群( Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome ; PRRS )が合州国で初めて報告されたのは1987年のことである。それが今や合州国では家畜の六割に達するとされている。豚舎を運営する際の経済的な要件によって、豚の関節炎が増大している。それは床の状態に因ることもあるし、成長の速成度や運動不足に因ることもある。サルモネラ症も増加し続けている。サルモネラ症を発生させている豚舎は、三分の一から半分に上ると見られている。伝染性胃腸炎( TGE )は、家畜には避けることが困難なだけに、大変恐ろしい病気である。効果的な対処法もなく哺乳豚の死亡率は圧倒的に高い。生まれて十日以内の哺乳豚が感染すると、ほぼ全滅である。合州国の豚のうち四割から七割がブラチスラバ(レストピラ症の種類の一つ)感染の症状を呈している。主な養豚地区では雌豚の八割から八割五分がパルボウィルスに感染していることが、複数の研究によって指摘されている。


 現代の繁殖用雌豚は、まるで子豚製造器のように扱われている。終わり無く妊娠と出産を繰り返し、年に二十匹以上の子豚を生んでいる。妊娠すると、雌豚は懐胎用の箱に閉じ込められる。この箱は鉄の柵で囲まれた僅か二尺四方の小さなもので、雌豚は身体の向きを変えることもゆったり横になることも出来ない。四ヶ月の妊娠期間が終わりなんとする頃、雌豚は分娩のために前と似たような狭苦しい箱に移される。立ち上がるにも横になるにも不自由だ。藁も無いし、寝床の類は言うまでもない。故に多くは、膝や肩に傷を負っている。このことに関して或る養豚業界の代表は、「藁は非常に高価であるし、合州国中の分娩箱全てに供給するだけの藁が在るはずがないだろう。」と言っている。

 これまでの二十五年間になされてきた調査では、監禁された雌豚が患っている肉体的・精神的病弊が、数多く報告されて来た。人工の床と運動不足によって、肥満と脚部の身体障害を引き起こしている。他方、貧困な環境によって、柵に繰り返し噛み付いたり何か噛んでいる振りをしたり(本当は何も食べていない)、神経症的な繰り返し行為が引き起こされている。

 雌豚は、出産してから二〜三週間は子豚たちに授乳する。それから子豚たちは体重を増やすために引き離され、雌豚の方は再び妊娠させられるのである。雑誌”Successful Farming”の記事が言うには、「懐胎も授乳もしていないような、或いは子豚を引き離されて一週間経っていないような雌豚は、非活性状態」だ。そして養豚工場は利益を最大限化させるために、その雌豚を「完全に活性状態」にしておく努力を続けている。もう子豚を生むことが出来ないと見なされた雌豚は、屠殺場に送られる(訳注3)。

 ギュウギュウ詰め飼育に加えて、雌豚や子豚は輸送時にも極端なギュウギュウ詰めを徹底されており、それが病気の蔓延と死に結びついている。或る養豚業界の専門家が記述するところでは:

 輸送途上での死亡損失は非常に高く、年間800万ドル以上に上る。然し、我々が貨物自動車に積載できる最大限にまで多くの豚を積んでいる理由を理解するのは、そう難しいことではない。その方が経費は安いのである。結局は良心の問題となってくるのだ。超過密の為に年間八万頭の豚が死んでいる一方で、貨物自動車への過剰積載によって豚一頭あたりの輸送費を25セント節約することは正しいことであろうか?

 屠殺場で後ろ足を縛られて逆さづりにされながら血まみれになって死んでいく前に、豚たちは連邦人道屠殺法( federal Humane Slaughter Act )に基づいて、「気絶させられて」そして意識を奪われていなければならない。然し乍ら、屠殺場で気絶させる方法は非常に不確実であり、まだ意識があるのに逆さづりにされた動物が、脱しようとしてもがきながら空を蹴る所を、屠殺労働者が包丁を首に突き立てようとする。このような光景が間々あるのだ。若しそこで上手い具合に殺すことが出来なければ、豚はそのまま屠殺場の次工程に運ばれて行くことになる、即ちグラグラと煮立った大釜である。そこで彼/彼女は、まだ生きて意識もはっきりとしているままに茹で上げられるのだ。

訳注1:ご参考。


抜歯


    抜歯。【子豚に対する看護と処置】畜産ZOO鑑


去勢


    去勢。【オスに生まれると大変だぞ】畜産ZOO鑑        


訳注2:ご参考。【職場における喘息の拡大を防ぐ

訳注3:ご参考。【淘汰と更新】畜産ZOO鑑


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訳者より:先に寄稿した【卵製造工場】も併せてお読み下さい。

 白い輪っかを買おう企画が提案する【貧困をなくす新しいライフスタイル 食 】では、食肉供給の仕組みが解説されていないなぁ。石油・化学業界や医薬業界や産業資材供給業界や農業関連業界や食品産業や物流産業や外食産業や流通業界や人材供給業界や不動産業界や広告業界や商業メディア業界や商社や金融機関や傀儡政治家や傀儡政党や宗主国等などに気を遣って、「まずは1回の肉の量を減らすとか、肉を食べる時には牛じゃなくて鶏を選ぶとか、残さず大事に食べる、そこから変えてみませんか?」なんて中途半端で意味不明な行動提案をするよりも、「肉、食べるの止めます。止めなさい。」って言う方が、健全で明確だと思うがねぇ。前述の業界から見れば、客の注文が牛肉であろうが鶏肉であろうが、客が全部食べようが残飯にしようが、全く関係無い。客の払う現金が全てであるから。それを誤魔化して、ライフスタイルが「新しい」も何もあったもんじゃない。

 【小泉首相、国連ワールド・サミットで、世界の貧困を“ほっとけない”と表明】ほっとけないブログ(2005/9/16)

 私の記憶では、このおっさん、合州国・英国主導のイラク侵略を即支持していた上に、外に出してはならないはずの自衛軍隊(遥かイラクで日本の国土の何処を誰から護る積りか。いつの世も権力は、「侵略」と云う言葉を「じえい」と読ませようとする。)を送り込んだ張本人だもん。「極端な貧困と闘っている人々に手を差しのべる国連が必要」(ほっとけないブログ)って・・・。10年来の経済封鎖でイラクの人々を極端な貧困に追い込んだ挙句、国連もへったくれも無くイラク侵略を開始した米英を支持・追随している国家の首相に何を期待しているのか知らないが・・・。

【ほっとけない学習資料】

How the Other Half Dies

スーザン・ジョージ著、小南祐一郎・谷口真理子訳【なぜ世界の半分が飢えるのか 食糧危機の構造(原題:How the Other Half Dies - The Real Reason for World Hunger )】朝日選書257、1984年




(目次)
1 富める者と貧しき者
2 人口神話
3 第三世界の特権層
4 技術――だれのためのものか
5 緑の革命
6 つくられた食糧危機
7 アグリビジネス――この素敵な商売
8 食糧援助――新しい武器
9 世界銀行――どんな「開発」をめざすのか
10 “彼ら”に何ができるか
11 あなたに何ができるか

こう云う報道記事について語るなら、上記の書籍を読んでからにした方が良いかも。「人道支援」と云う名付けに惑わされる人も居るだろうから。
北朝鮮、国連に「人道的支援の全面中止」要請】朝鮮日報(2005/9/25)

人道支援打ち切りは誤り 北朝鮮は食糧必要と米局長】中国新聞、(2005/9/26)

論考―学校給食とゲリラ活動の鎮圧】橘秀和、同人誌ラミティエvol.2-no.3(1998/9/9)

戦後、日本人は何を食べてきたか?】國貞陽一、EXIT2005(2005/10/10)



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エリック・シュローサー著、楡井浩一訳、【ファストフードが世界を食いつくす】草思社、2001年





(目次)
第一章 創始者たち
     スピーディーサービス/模倣者たち/成功のしるし
第二章 信頼に足る友
     マクドナルドとディズニー/よりよい生活という幻想/子どもの顧客をねらえ/完璧な相乗効果/ブランドの精神/マック先生とコカコーラ人
第三章 効率優先の代償
     スペースマウンテン/生産量第一主義/おだて――安上がりの秘訣/嘘発見器/無気力な若者が増えていく/内部犯罪/楽しくやろう
第四章 フランチャイズという名の甘い誘惑
     新たな信仰への献身/政府融資による自由企業/プエブロの外の世界
第五章 フライドポテトはなぜうまい
     孤立農家の過ち/記憶に刻まれる風味/一〇〇万本のフライドポテト
第六章 専属契約が破壊したもの
     専属供給の圧力/ミスター・マクドナルドの胸/市場の支配/裕福な隣人という脅威/断ち切られた絆
第七章 巨大な機械の歯車
     IBP革命/札束の袋/離職率一〇〇パーセント/芳しき匂い
第八章 最も危険な職業
     よく切れるナイフ/最もむごい仕事/見つかるな/腕一本の値段/ケニーの場合
第九章 肉の中身
     新たな病原体にとっての、格好のシステム/国民的食べ物/子どもたちを殺す病原菌/必要と考えるすべての費用/意思の問題/なぜ自主回収をしないか/放射線“低温”殺菌/子どもたちが食べているもの/キッチンの流し
第十章 世界的実現(グローバル・リアライゼーション)
     マクドナルドおじさんの世界戦略/晒し者/脂肪の帝国/マック名誉毀損(ライベル)裁判/牧場への回帰
終章  お好きなように
     科学的社会主義者/何をすべきか/どのようにするか


肉食と環境問題を考える】宮路訳、The Environmental Magazine、2002年1・2月
 環境問題に関心がある振りをしてイメージを高めようとしている企業や組合も含めて、エコだなんだと言ってる人たちも、自分たちの飽食道楽が環境に与えている影響を考えて生きた方が良いね。肉食中心主義の社員食堂も大学生協食堂も環境活動家の呑み会も、お品書きの構成を菜食中心に改めなさい・改めさせなさい。

映像:養豚農場の調査】PETA TV
 ピースだ非戦だ人道だ。日本鬼子の蛮行鬼畜米英の蛮行に怒りを覚える皆さんも、豚が相手なら仕方がないか?私が見れば、どちらにしても相手を人間扱いしていない所業でしかないのであるが。総括会議や打ち合わせ何でもよいけど、強者たちの飽食道楽を満たすだけのために生まれさせられて殺される生命を無くすべく、菜食主義的注文をして貰いたい。ちょっと口が寂しいかも知れないが、肉を食わずともアンタは死なぬ。

 ならば・・・、殺すな!



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この裁判については下記サイトをご参照ください。 文章でしか状況を知らないのですが。最初の「説明会」のゴリ押しっぷりの、北農研とやりくちがそっくりそのままだったことには大笑い(無論笑っている場合ではないのだが)。 イネは一度米国が日本へ売りつけることを失敗し...
新潟県GMO反対署名締め切り間近!【水底 の 鏡】at 2005年11月13日 02:06