2004年05月12日

【撃ち殺せ】ロバート・フィスク(2004/5/6)

原文:
http://www.zmag.org/content/showarticle.cfm?SectionID=15&ItemID=5472

訳者記:
この映像は今年1月に米国のABCテレビで放送されたものが最初のようですが、先週フランスやカナダでも放送され、ふたたび注目をあつめています。日本ではTBSが5月6日にナレーション付で流したとのこと。

以下からダウンロードが可能です(同一のファイルです)。
http://www.hraunfjord.com/apache_killing.mpeg
http://www.asyura2.com/bigdata/bigup1/source/003.mpg

ネット上にあるこれらのビデオは、以下のフィスクの記事でいうと"Engage...smoke him."(攻撃しろ・・・撃ち殺せ)からあとの、最後の場面のようです。

(訳:earthspider)
「撃ち殺せ」
負傷したイラク人を撃つ米軍ヘリコプターと、その映像

ZNet
ロバート・フィスク
2004年5月6日

ぞっとする映像。呆然とさせられる台詞。負傷したイラク人ひとりが燃えさかるトラックの下から這い出ると、米軍ヘリのパイロットが指揮官に報告する。3名のうち、ひとりがヘリによる上空からの夜襲を生き延びた、と。
パイロットは叫ぶ。「負傷者がいる」
応答がかえってくる。「撃て。トラックと彼を撃て」
ヘリのガンカメラが場面を録画するなかで、パイロットは30ミリ機関砲を負傷した男に浴びせかけ、その体を一瞬のうちに粉々にする。

英国に加えヨーロッパのほとんどのテレビ局は、昨晩このテープの放映を自主規制した。映像が恐ろしすぎるというのが理由だ。だが、負傷した人間を故意に撃つのは、ジュネーブ条約に照らせば戦争犯罪である。イラクで作戦行動中の米軍航空要員の姿を映し出したこのすさまじい映像は、またもや世界中から糾弾の声を呼び起こすだろう。

数週間にわたり、米国と英国の報道関係者は欧米のテレビ局各社にこのビデオを放映するよう働きかけてきた。バグダッドやニューヨークからの報道に力を注ぐ一方で、ほとんどの局の責任者はこの証拠映像を視聴者から隠しておくことを選んだ。フランスのキャナル・プラス、米国のABCテレビに加え、カナダ放送協会だけがこれまでこの衝撃的映像の放映に踏み切っている。ペルシャ湾岸地域に駐在する英軍関係者によって、テープは本物であることが確認されている。

米軍アパッチヘリコプターの30ミリ機関砲の横に据え付けられているカメラが、田舎道である動きをとらえる。12月1日、イラク中部地方をパトロールしている途中のことだ。米軍の検問所からおそらく数百メートルほど離れた場所だった。貨物トラックと、それより小さな小型トラックと思われる自動車が視界に入ってくる。上空でホバリングしているヘリには気づかないらしい一人の男が、画面の左に見える畑へと移動していく。

彼は覆いをかぶせた管のようなものを運んでいる。携帯ロケット砲かもしれない。2名のパイロットのひとりが言う。「大きなトラックがある。何かたくらんでいるようだ」小型トラックの運転手があたりを見回し、手を伸ばして管状の物体を取り出し、道路から畑へ駆けてゆく。物体を落とし、トラックのほうへ戻ってくる。パイロットが無線を入れる。

「男が走っていき、武器を投げたようだ」片方のパイロット、もしくは地上の指揮官が命令する。「攻撃しろ・・・撃ち殺せ」

この時点で、1台のトラクターが貨物トラックの男が物体を落とした地点の近くへやってきた。ひとりが運転手のそばへ行く。パイロットが30ミリ機関砲を発射し、畑にいる最初のひとりを殺し、次にトラクターの運転手を殺す。カメラは最初の男に銃弾が当たるところを捉えている。あとに残されたのは、地面に見える染みのようなものだけだ。

次にパイロットは貨物トラックに注意を向ける。機関砲を発射し、最後のひとりに当たったかどうか見定める。盾にしていた燃え上がるトラックの下から、3人目の男が這い出してくるのが見える。明らかに重傷を負っている。

パイロットは報告する。「待った。トラックのわきに負傷者がいる」
指揮官が応える。「撃て。トラックと彼を撃て」

ビデオテープが映すこの事件は4分間で終わった。この間、ネーガーとアリオトという名前で表示されている2名のパイロットは、標的に向けて300発の高速機関砲弾を消費した。最初の15発が外れたとき、片方のパイロットはこう言った。「ちくしょう、距離設定を自動に変えよう」それからテープは、3名の男に対する4回の掃射でそれぞれ20発ずつが発射されるのを記録している。

赤外線暗視カメラで撮影されたと思われるこの映像が示すのは、パイロットが3人目の犠牲者が負傷し、地面をのたうちまわっていることを明らかに知っていたということだ。パイロットに命令を下した人間にしても同じことだ。

バグダッド近郊のアブ・グレイブ刑務所で米軍がイラク人に対して行っている、拷問と虐待の恐るべき写真が公開されてからまだ数日もたっていない。この新たな映像が中東のいたるところでアラブ世論をさらに燃え上がらせるであろうことは確実だ。
負傷した敵を上空から殺害するのは、イスラエル軍の常套手段である。10年前、レバノンのヒズボラ訓練キャンプに対してイスラエル軍が圧倒的なヘリ攻撃をかけたのち、パイロットは負傷してベカー渓谷の岩陰に隠れたゲリラ兵士たちを捜し出し、銃撃したのである。

この映像は、不審な行動をしているとおぼしき人々を映してはいるものの、それが彼らが武器を扱っていたという証拠にはならない。バグダッドの占領当局は12月にこの事件が起こった際、秘密にしておくことを選んだ。このビデオを見れば、なぜそうしたかは一目瞭然である。

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昔「ガンダム」観ててさ、ミライの許婚のカムランに先導されながら、非武装地帯から武装地帯にホワイトベースが進んでいく話があったじゃん。 そのとき、武装地帯に出て戦闘のようすをTV中継してアナウンサーが「これは映画ではありません。本当の戦闘です」みたいなこと.
攻撃しろ・・・撃ち殺せ【慇懃無礼】at 2004年05月12日 20:34