【奴等より悪い敵はいない:或る海兵隊員が沈黙を破る】ナターシャ・サルニエ(2004/5/1)
奴等より悪い敵はいない:或る海兵隊員が沈黙を破る
ナターシャ・サルニエ
原文:Chronogram誌5月号
(訳者注:N.Y.州を流れるハドソン川中流域に隣接する地域に無料配布される月刊誌)
http://www.chronogram.com/chronogram/roomforaview/index_2.html
(訳:203号系統)
イラクを巻き込む暴力が増幅していくのを見て、第3海兵大隊第7火器中隊所属のJimmy Massey二等軍曹(31歳)は、沈黙を破って私たちに彼の地で起こっている残虐行為を告白しようと心に決めてきた。12年間の軍歴をもつ海兵隊員であり
新兵募集要員そして指導教官でもあるMasseyは30名の狙撃兵小隊を率いていた。「一ヶ月半の間に、私の小隊と私は30名以上の民間人を殺しました。私たちは、村々を占領し検問所を仕切っていました。部下と私は、接近して来る車両に向かって警告射撃を行い、若しそれでも停止しない場合には、何のためらいも無く彼らを蜂の巣にしました」と語る。
イラクへの第一次攻撃に従軍したのち、Masseyは2003年4月18日に軍に別れを告げ、11月に名誉の除隊となった。今ではノースカロライナ州スモーキーマウンテンの家に帰って来ている彼は、イラク地上戦の現実から彼の同胞の目を覆い隠している無知の壁をぶち壊したい、また夜に眠ることが出来ない程の自責の念から脱したい、と願っている。「彼の地で私たちが行ってきたことによって、私の心は苛まれています。罪をあがない続けそして心を癒すための精神的な使命を務めることで、私は再び眠ることができるようになるのです。ブラックウォーター社の傭兵たちが切断され黒焦げにされた記事を新聞で読んだ時、私が思い起こしたのは、イラクの人たちに対して私たちが全く同じことをしていたこと。それだけです。彼らはいつでも、自分の死を貶める者として私たちのことを見ていたことでしょう。私たちは、幾つもの黒焦げの死体を小突きまわし、車から蹴り出し、その人たちの口に煙草をねじ込んだりしたのです」
また別の兵士、昨秋にイラクより帰還した匿名希望の海兵隊員(23歳)は、付け加えてこう述べた。「私たちは、死んだイラク人たちの死体の上に糞を垂れ、そして彼らを車両で踏み潰しました。」
同様の証言を行ってきた複数の海兵隊員たちは、彼らの名前が公になることで海兵隊からの報復を受けることを非常に恐れ続けている。Masseyは彼の証言が他の人たちの告白を鼓舞することを望んでいながら、彼にもまた恐怖にとりつかれる瞬間がある。「私は、何かをする場合にも何かの立場をとる場合にもいつでも積極的な人間なのです。私が海兵隊を離れる時、『私は、今まで自分やってきた事をみんなに伝える積りだ。』と言ってきました。 貴方に申し上げておかなければならないのですが、カリフォルニアからノースカロライナに車で戻る間にも、私は身の危険を感じていたのです」
検問所での殺人
或る場面が繰り返しMasseyの記憶の中によみがえる、そしてそのたびに彼の良心を苛んでいる。まだイラク侵攻開始から間もない2003年4月の初め、バグダッド郊外の路上での事であった。「その日はとても暑く、しかもバグダッドは未だ完全に陥落してはいなかった。一台の赤いKia Spectra(訳者注:起亜自動車のSpectraという乗用車のこと)が私たちの検問所に向かって時速約45マイルの速度で走って来た。私たちがその車の上空に警告射撃を行ったが、止まらない。そこで私たちは車に狙いを定めて全火力で射撃を行いました。私と運転手の目が合いました。そのKiaが私の前に止まった時、乗っていた4人の男性のうち3人は既に撃ち殺され、もう一人も傷ついて血まみれの状態でした。その彼は、彼の兄弟(車を運転していた人)が死んでしまったのを見て、狂ったように手を振りながら崩れ落ち道路の縁石に倒れ込みました。そして私たちが彼の兄弟を車から引きずり出した時、彼は逃げ出しそして絶叫し始めました。「どうして私の兄弟を殺した!?私たちは何もしなかったのに!」
声が詰まってしまって、Masseyは話しの続きを低い声で始めるまでに暫らく間を置いた。「私たちは、その車を捜索したが何の武器も出ては来なかった。そこで私たちは衛生兵を呼んだのです。彼らは20分後に到着し死体を道路脇に投げ捨てました。その発砲の後に報道陣がやって来ましたが、私たちは『彼らを速やかに現場から排除するよう』指示されていました。それから少しして、同じ筋書きがあと2台の車で繰り返されました。私たちは更に3人の民間人を殺しました。まったくひどい一日でした」酷く負傷したイラク人たちが「衛生兵を呼んで貰うこともなく、道路の脇に投げ捨てられる」光景を、Masseyは何度も見たのである。
「イラク人たちは救急車で爆弾を運びそしてイラク兵たちは民間人の格好に変装しているのだ、と私たちは聞かされていました。然し何の爆発音も聞いていないことに気が付いた時、これは変だと私たちは思い始めたのです。何の役にもたたない破壊された戦車や設備とゴースト・タウンのような兵舎群を除いては、イラク軍の施設内には何もありませんでしたし」このように彼が語る逆さまの世界の中に、1ヶ月半に渡って彼は居たのである。しばらくの間は、民間人を余りに多く殺傷している事に関して憂慮を述べて来る兵隊が彼の小隊にも何人か居たが、Masseyは「しょうもないこと言うな。ワシらには、やらなならんことがあんのや」と彼らに繰り返して応えていた。
然し4月7日に、Massey彼自身が彼の上官に疑念を述べた。「私は彼に向かって、イラクの地において私たちは皆殺し作戦に加担していること、彼らの文化を破壊し続けていること、多くの民間人を殺戮し続けていること、そう云った感覚を抱いている旨を述べました。彼は何も応えず、立ち去りました。これで自分の軍歴は終わった、と私は判っていました」それから、Masseyが話してくれた、彼の上官が吐き出した侮辱の言葉の豪雨、「君は指揮官としての能力が無い。君はそれを誤魔化し続けている。君は良心的兵役拒否者だ。君は弱虫だ」そう言われながらもMasseyは冷静な表情を保っていた。その後、彼は海軍の精神病医によって心的外傷後ストレス障害及び鬱病と診断され、そして海兵隊は彼に事務仕事を与えた。「退役するまで更に7年以上の期間が残っていましたが、もうこれ以上は海兵隊から金を受け取りたいとは思わない、と彼らに言ったのです」
最良の友人、最悪の敵
米軍の戦術について語りつつ、Masseyは海兵隊が採用した新しい標語を批判する。「海兵隊は次世代の兵士をこのモットーを以て教育しています。それは『最良の友人、最悪の敵』と云うものです。新しい洗脳教育は、新しいモットーを伴って来ます。これは云わば『我々は御前を殺す積りでいるが、それを撤回する積もりでもいる、御前にキャンディをやる用意があるが、御前を縛り上げる用意もある』と云うようなものです。ある日、私たちは市内に入り込み、民間人死傷者が発生するにちがいないような箇所で道路封鎖を行います。そして次の日の朝、私たちは人道的な任務を行うというわけです。自分の兄弟や母親を殺された人たちが態度をひるがえし諸手を挙げて貴方を歓迎するなんて、どうやって期待できます?」
「私は、軍の交戦規則に関して問い合わせを受ける事がしばしばあります。私たちアメリカ人こそが、交戦規則を作っているのです。若し私たちにとってその方が都合が良いのであれば、新しい規則を作って古い方を破棄してしまうことも出来るのです」とのMasseyの言葉に、前述23歳の海兵隊員が同意して述べた。「ある日、海兵隊員がブルドーザーを使って47名のイラク人たちを集団墓地に埋めている所を見た事があります。彼らが民間人なのかどうかは判りませんが、そのようには見えました。ローファーのようなドレス・シューズを履いていましたから。私たちの軍曹が金属探知機を使って爆弾を捜索していました。そうしたら、彼は死体を引っ張り出してはそれらの身に付けている宝石や金をちょろまかしていました。また彼は死人の身分証明書を取り上げては、国に帰った時に見せびらかす記念品としてそれらを海兵隊員たちに売っていましたよ」
Masseyによると、対テロ戦争にあたっては海兵隊員には感覚の一層の鈍化が必須であることが、新しい標語に凝縮されていると言う。「貴方はジキル博士とハイド氏のようになる事を強いられます・・・・・。貴方は支離滅裂な精神状態で居なければなりません。30分の内にスイッチを入れたり切ったり、人道的任務をやったりまた止めたりしなければなりません」また付け加えて、「3ヶ月の訓練期間中に海兵隊員たちがその影響下に置かれることになる感覚磨耗技術の中には、さらに害が大きく潜在意識の部分に働きかけるようなものもあります。練兵場から聞こえてくる次のような歌がありますが、実際の訓練はこの歌よりもさらに屈折したものなのです。『校庭にキャンディばらまいて/群がる子供を見定めて/御前のM-50に弾帯を装填し/小さい餓鬼共をなぎ倒せ!』
幽霊部隊
取材を受けた海兵隊員たちの心には、余りに多くの殺人を犯したことが重くのしかかっているようだ。「イラクは南部を酷くやられていました」Masseyが語る。「バグダッドに近づくにつれ、マシになっていきました。(イラク)軍の施設は放棄され、戦車も殆ど使い物にならない状態でした。私が見たのは民間人の死傷者と車両に乗ったカウボーイたち、そして火を噴く銃ばかりでした。大きな戦闘なんか実際には一つも無かったのに、私たちには過剰な武器を与えられそして使用しました」
24歳の海兵隊員で最近イラクより帰還して来た
Michael Hoffman兵長は、この点を強く確信して述べている。「私たちは、空中で爆発しては中に仕込まれた88個の地雷をばら撒くような改良された通常兵器を使用しました。私たちはそればかり使った。私なんか、それを使わなかった回数を自分の手で勘定できますよ」
更に秘密度の高い特殊部隊――取り分けタスクフォース121、これはDonald Rumsfeld国防長官によって特にイラク戦のために作られた部隊であり、デルタフォース・海軍SEALSそしてCIAの準軍事組織の要員から構成され、「幽霊部隊」として知られている――の活動は、更に大きな罪を犯したと言えるであろう。Masseyの小隊は、幽霊部隊と共に4回そして特殊部隊と共に1回の強襲作戦を実行した。「私たちは村々に潜入して、サダムの一派と思われる家の扉にC−4爆薬を固定してまるでゲシュタポのように彼らの家々を物色しました。幽霊部隊は、私たちが扉を爆破するまで待機しておりそして家の住人を閉じ込めておいて、それから潜入するのです。彼らは大量の現金の他には決して何も見つける事はありませんでした」家の住人たちがどうなったかって?「幽霊部隊の連中は、住人たちを床の上に転がしたままで私たちの後に捜索を引き継いだかと思います。私たちが撤収してから住人たちがどうなったのかは判りませんが、情報部員の報告で聞いたところでは爆砕された住人も何人か居たようです」
これが、Masseyが加担を拒否した戦争である。即ち、市民と軍隊の間の境界線がはっきりしない戦争、そして兵隊たちが幻の軍隊と戦いながら自分たちに殺された人たちに対しては自分たちの事を救世主と見る事を要求している戦争である。ブラックウォーター社雇兵殺しをこの文脈にあてはめると、これはブッシュ大統領が述べているような「民主主義にむけた前進を止めようとする」試みと言うよりは、イラク人たちに対して犯された残虐行為への報復行動と見えてくる、というのがMasseyの考えである。
「海兵隊員たちは、敵を殺すよう洗脳されていましたが、現在は民間人を殺すよう洗脳されているのです。彼らはもっぱら戦場で敵と対峙する訓練をしてきたものです。しかしイラクでは、どこにも敵などいないのです。」とMasseyは語る。またHoffman兵長も断言する。「海兵隊は戦場で敵と対峙する訓練をしてきたものです。が、イラクでは敵などどこにも居ないのです。訓練の最中では私たちは標的を確認することができたのですが、(実際の戦闘では)私たちは標的を想定していながら決して彼らを確認することが出来ませんでした。私たちは、標的の識別にかんしては何も気にしなくてよい、と言われていました。標的の識別は上層の司令部が行い、私たちはただ標的を与えられて撃つよう命令されるというわけです。自分たちがなにを撃っているのかまったく判らない状態だったのです。あとで司令部のほうから、私たちの撃っている的がなんなのかを教えてくれましたが、それが真実かどうなのかは判りませんでした。」
(原注1)この文章は、Stephan Smithによってフランス語から翻訳されました。
(原注2)Natasha Saulnierはニューヨークを本拠としている独立のジャーナリストで、 Common Dreams, Truth OutそしてGreg Palast.orgを含む幾つかの電脳出版社 と同じようにLiberation, l’Humaniteそしてその他フランスの出版社にも文章を寄せています。
Posted by awtbrigade at 01:09│
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米海兵隊は「殴り込み部隊」とか「やくざ部隊」言われるように、19才から25歳までの若年兵を中心とする実戦戦闘部隊
戦時下での残虐性をある海兵隊員が語る【nanayaのひとりごと】at 2004年05月22日 14:28
「私たちは死んだイラク人たちの死体の上に大便を垂れ、そして彼らを車両で踏みつぶしました」
米兵はイラク人たちの死体の上に大便を垂れ、そして車両で踏みつぶした【低気温のエクスタシーbyはなゆー】at 2004年05月22日 15:06
海兵隊ブート(新兵)キャンプでは、入隊したばかりの新兵達を練兵係軍曹はbitchと蔑称し、人間性喪失だけを徹底して指導し叩き込む。
ブートキャンプを修了した者だけがMarine(海兵)と称する事を許される。
その思考から見れば、この蛮行はそう驚く事でもない。
海兵隊ブート(新兵)キャンプでは、練兵係軍曹は新兵達をbitchと呼び、人間性喪失だけを徹底して教え込み叩き込む。
ブートキャンプを修了した者だけがMarine(海兵)を称する事を許される。
その苛烈さは、“陸軍はまだ紳士的”と評される程。
その思考から見れば、この蛮行は驚くには値しない。
既に海兵隊がそのような方向に向いているのだ。
近頃「人間はどこまで残酷になれるのか」を考えていましたが「人間は教育によって限りなく残酷になれる」ことがよくわかりました。
しかも限りなくエスカレートしていく様子がよくわかりました。
ではMasseyさんのように良心の呵責にさいなまれた結果、このように危険を犯しても世界中に真実を知らせようとしていらっしゃる稀有な精神はどうすれば涵養されるのでしょうか?
イラクよりも恐ろしい大きな自国の政府・軍を相手に対して告発したMasseyさん、イラクの人々の無念さを思うとき、この真実を伝え一刻も早くイラク攻撃をやめさせるよう世界中の市民が戦わなければならない思い思いを一層強く持ちました。
Masseyさん,貴方の勇気に感謝いたします。
戦争はいつの時代も変わらないことがわかりました。南京大虐殺、ベトナム戦争のソンミ村、日本兵の中国や、朝鮮、アジアで行ってきた蛮行としっかりと重なり合います。アメリカの侵略戦争には何の義もない、ただの殺戮です。それを支える小泉政権の自衛隊派兵とそれを仕方のないことだとして支持するマスコミはあえて真実を国民に伝えない、それを知らされていないにもかかわらず、全て知っているかのように錯覚して小泉政権を支える国民の目を覚まさせるにはどうしたらいいのでしょうか。そこを悩む私です。
元自衛官ですが、彼の気持ちは良くわかります。
自衛隊なり軍隊と呼ばれるところに身を置くと良心の呵責はほとんど消えて失せます。上官の命令は絶対服従、守らなければ制裁。という世界ですから。(公私とも)
私はそれが重圧になりすぎて辞めたクチです。
軍隊なんかこの世から消えてなくなればいいと思ってます、理想論かもしれませんが。。。しかし、コスタリカでは軍隊がなくても国はまわっていますし、攻め込まれたりすることは一度たりともなかった。日本はどうか?憲法で「戦争放棄」と謳ったけどアメリカの押し付けで自衛隊ができ軍事費が膨張し基本的社会インフラ(教育、地域コミュニティー、社会保障)は等閑になった結果今のような社会になったわけで。。。
今の日本に必要なのは日本国憲法の精神をもう一度取り戻すこと(自衛隊の解体、軍事力放棄・永世中立国宣言、日米安保の破棄と米軍基地の即時撤退・原状回復)と過去の清算(日の丸・君が代の廃棄、被害者への完全な補償、過去を忘れない為の教育と記録)、未来への継承だと思います。
しかし、今の日本の政治でこれらを全てできるところは共産党ぐらいしかないような気がしますが。。。(どうなんでしょう?)
民主党のゴタゴタで何も見えなくなっている中、もう一度マスコミの宣伝に惑わされずに政治のことを考えては?
はじめまして。私は選挙の、投票の義務制を強く提案したいと思います。間違った指導者は二度と議場にあがれないようにするのがいちばん早いと思うのです。嘘をついたり、ばれたら、即、首にするべきですね。議員辞職、永久失格にするとよい。最低連続して立候補はできないように…
反戦のプラカードにいろいろなスローガンが多すぎるとも思います。「戦争反対」とか、「核廃止」なんてあたりまえすぎるし、かえってわかりにくい。皮肉なことには敬遠されがち…
プラカードには嘘つき政治家の名前と罪状、そして、辞職せよ!これにぜんぶのデモの人々がリンクして統一すれば真っ青になるとおもうんですが。
日本の大メディアが伝えない、とても貴重なこのような真実を知り、感謝するとともに、これは誰かに伝えなければ!と、友だちや、知人、さらにまだ、未知の人にも伝えたいと考えています。しかし、そのとき、こういった真実にたいして、意外な反応が待ち受けていたりすることもあるでしょう。それは、無知による誤った認識の反応というか、「仕方ないんじゃない?だってイラク人はテロリストでしょ?」的反応…
無知とか無関心の原因を考えると、教育や経験によるところが大きいのでしょうか?距離が離れているとはいえ、イラクではあかちゃん、こども、そのお父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、友だち、などが、次々に死んだり、家が無くなったり、片手や片足がなくなったり、白血病や無能症が発病したり、薬も水もない、食べ物だって、本当に、まさに、生き地獄がリアルタイムで起きていると言うのに、日本国内が平穏ならごく普通に暮らす事ができてしまう神経。もちろん、それも人間に必要な神経かも知れませんし、私も決して例外ではありません。しかし、人殺しはとうてい容認出来ません。
「無知」ってとても解釈の範囲が広いと思います。他人の痛みが想像出来ないのも、自分自身が苦しい、とても痛いめにあった事がなければ知る由もないのでしょうか。だからといって、爆弾や銃撃を体験する事もできませんし。でも、疑似体験する方法はたくさんあります。それには、映画などがとても良いと思います。たとえば古いのですが「武器よさらば」とか、「禁じられた遊び」とか、名作中の名作ですね。もちろん戦争の映画だけでなく、民話や音楽、絵画、(ピカソのゲルニカでも)演劇、文学、やさしいめの哲学など、あと、物語とか…これらの先人が残してくれた作品の影響は宝物でしょう。
無力な一人の人間として巨大なものに歯止めをかけるために、いったいなにが出来るでしょう?私にもできる事を考えました。それはこういう物語や映画を子どもの人々に教えてあげる事、あの映画みてね!とか、あの本読んで!とか。そして学校の教科書が教えない真実をお話で伝えることです。なにか、こどもに会える機会が会った時には、(わたしはギタリスト、ミニコンサートとかで)森住卓さんの「イラクの子供達」をプレゼントしたり、また、手塚治さんの「時計仕掛けの林檎」だとか、「ゴッドファーザーの息子」など、漫画や写真など、視覚的にも内容的にも群を抜いているようなものを紹介してあげます。たったひとりでも目が覚めてくれる人がいれば成功です。もはや大人だけではなく、子どもにも真実を知ってもらって、社会に参加してもらわないと世界はもたないんじゃないか?そんな気がしていますので。
日本の教育では、広島、長崎に投下された原爆の事や、日本が空襲を受けたという事実、敗戦後飢えて大変だった…というようなことが、クローズアップされていて、さすがにこれを知らない人は珍しいでしょうけど、それゆえに、日本人は戦争に対してどこか、ある意味被害者のような意識がうみだされているようなしくみになってはいないでしょうか?これだけでは本当の歴史の認識には不足でしょう。
加藤さんがお書きになられているように、天皇と政治家、軍による命令と軍事教育によって、かつての旧日本軍がアジアで犯してしまった過ちは今後も学校ではほぼ全くふれられないでしょうし、沖縄で起きた本土決戦などのこともたぶん、教えないでしょう。そして結果的にはほとんどの人は事実を知ろうとしません。しかし、これは、現代に生きている私たちがはっきりさせなければならない仕事だと思います。すべての日本人が事実を知れば破たんしたアメリカに追従し、イラク侵略戦争に賛成するような首相やその内閣を選ぶような事はありえないでしょう。しかし、これが確かに難しいですね。知ろうとしない人達の関心を呼び覚ますことって。
戦争責任は私自身をふくめて今のほとんどの人にはないでしょう。生まれる前のことですし、反対しようもありませんから。しかし、戦後の責任はあると思います。それは今、現在生きているすべての日本人にあるのではないでしょうか?無念のうちに殺されてしまった、今は声なき人の声を伝える…とても大切な責任だと思います。ところが暗い過去だとか、事実にはなかなか人々の関心は向かわない。これが多くの反戦活動をなさっている方のじれったいところではないかとお察しします。多くの人達は無反応で無関心だと…
最近、一つ気付いたことがあります。「華氏911」のマイケルムーア監督が「人は笑いの前にはひざを屈するのだ」といったとか。うまいこといってますね!さすがです。そうか…これだ!おもしろいことが人の関心を惹く!思考停止への道を歩かされているとも気付かずに、おバカなバラエティ番組をみてしまうのも笑いの要素があるからだとすれば、これを利用しない手はありませんね。「テロリストは誰?」のなかで、印象に残った演説はラムゼ−クラ−ク氏によるものでした。
彼はあきらかに残忍極まりない自国(アメリカ)の戦争侵略主義にノー!と言っていますが、その表情はなにか、明るい感じでした。不思議に彼をみていると元気が出てくるのです。「CIAによる数々の戦争の計画があった、そして実行に移されて、大虐殺が起きた…いつまで騙されれば気がすむのだ!」こんな、聞きたくないような耳を覆いたくなるような話しなのに聞き入ってしまうのです。そういえば…マイケルムーア監督もインタビューなどの表情が妙に明るい。というかにこにこしながら人々に訴えかけているようにみえました。
ノームチョムスキー氏なんかもそんな感じを受けますね。なにか、話しを聞く人の心を元気にするような…結論的に暗い印象には感心が集まらないのかも知れません。このサイトに書かれている真実はとても笑えるような事ではありませんが、しかし、こういう事実がインターネットによって世界の人々に真実が届くようになった事は、これは明るい材料ととりたいです。大本営発表のラジオ、新聞しかない時代からくらべれば飛躍的な進歩です。
リンカーンは「時々すべての人を騙すことや、常に一部の人達を騙し続けることはできても、すべての人々を常にだますことはできない」といったそうです。今、まさに、大手メディアだけでなく、こんな個人的な意見がのべられて、たくさんの人達がみられるサイトがあって、いっしょに考える事ができる…こういうサイトに本当に感謝します。そして平和で明るい未来を願う世界の人々がリンクしていくことこそ、巨悪の終演につながるのではないか?なんて思うのです。
別の反戦サイトより
"軍隊のない国"コスタリカの軍事力
http://obiekt.hp.infoseek.co.jp/peacemaker/costarica.html
"永世中立国"スイスで国民に配布される冊子
http://obiekt.hp.infoseek.co.jp/peacemaker/swiss.html
反戦を主張するなら無知や思考停止に陥らないように注意してくださいな
戦争は善悪の二元論で語れるものではないです
“戦争は善悪の二元論で語れるものではない”
おっしゃるとおりです。そして、それはこの様にも表現できます。
“戦争には常に二つの正義がある”
トラックバックさせていただきました。
そうですね。無知や思考停止・想像力の欠如が戦争を煽ることにもなるのです。
体験者の言葉の重みをどう受け止めるか、こちらの度量の大きさが試されると思います。
「戦争は狂気の空間」
戦争によるPTSD患者は、それだけ心のどこかで罪の呵責に悩んでいるのかもしれません。
前線での命の危険・恐怖を体験しない為政者はPTSDなど、関係ないかも。
昨日のインディペンデント・オン・サンデイ紙に同記者による同内容の告発記事が掲載されました。一部新情報も入っています。お知らせまで。
The Marine's tale: 'We killed 30 civilians in six weeks. I felt we were committing genocide'
By Natasha Saulnier
23 May 2004 The Independent on Sunday
http://news.independent.co.uk/world/middle_east/story.jsp?story=523992
私は8年間海兵をした人間です。
>海兵隊ブート(新兵)キャンプでは、入隊したばかりの新兵達を練兵係軍曹はbitchと蔑称し、人間性喪失だけを徹底して指導し叩き込む。
どこからこんな誤報を入手したのやら。「フルメタルジャケット」の見過ぎでは?基礎訓練(BOOT CAMP)で「bitch」と一度も呼ばれたことは無かったし、呼ばれた経験のある海兵は一人も知らない。軍歴の無い人間から見れば集団リンチの様に見えるかもしれないが、軍ではどの様な訓練であっても厳しい訓練規則と安全管理の下に行われています。新兵を訓練する教官(練兵係軍曹)は厳しい監視の下で訓練を行っており、この様な言葉を発すれば即座に処罰されます。また、基礎訓練で指導されるのは「人間性喪失」ではなく、「自己中心主義喪失」です。団体で考え、団体で行動するからこそ戦争で生き延びられる。しかし、団体も勢い余って誤った方向に進むこともある。その方向を正すのが「個人」であり、団体を正すことが責務であるとも軍の訓練で教育されます。軍人は団体を一に考えながらも、個人的な考えと理非区分を失わぬよう教育・訓練されているのです。この掲示板を読んでいると多くの人が「無知」という言葉を使用しているのが目に付きます。軍歴もなく、ただ本や雑誌、映画か聞いた話をもとに「海兵隊はこうである。」と結論的に論じるあなたこそが「無知」であります。
>Masseyさん,貴方の勇気に感謝いたします。
何の勇気ですか?イラク民間人を殺した勇気ですか?死体に糞を垂れた勇気ですか?無知な人間の見当違いな結論には日々驚かされる。この記事を読んだまま受け止めればMasseyは発狂した殺人団体に操られた悲しい被害者に思えるかも知れないが、それはとんでもない誤認だ。彼は二等軍曹であったと記事に書いてある。私も二等軍曹であったからその責任と権限はよく知っている。検問所や戦闘において発砲の指令を出すのは何を隠そう二等軍曹である。つまり、検問所でキア・スペクトラを撃った責任は海兵隊や米軍全体にあるのではなく、彼にある。海兵隊では他の軍とは異なり、志願兵に対する将校の数が少ない(将校一人に対し志願兵は約14人)。従って、海兵の下士官は他の軍よりも遙かに多大な権力を有し、他の軍よりも多大な責務をも負う。陸軍で二等軍曹はせいぜい12人から15人の兵士を率いる。が、海兵隊で二等軍曹は基本的に40人から60人の上官を務め、時にはその数が150を越える時もある。つまり、海兵隊において二等軍曹は将校と同じ程度の知能、責任感、リーダーシップと判断力が要求されるのです。道端に死体を投げ捨てるところを彼が見て見ぬ振りをしたのであれば、それは彼の責任であり、二等軍曹としてはあってはならない過ちでもある。戦争の惨さを語る人間が前にいると誰もがその人が被害者であると思いたいものだが、語っている人間その人が自己の判断に於いて間違っていると知りながらもその惨い行為を行ったという可能性も忘れてはならない。もし、彼が担当していた検問所で民間人を誤射する事件が発生したのであれば、それは彼の責任なのだ。当時余り考えずに行ったことを後で思い返し後悔をしたところでその行為を行った責任を逃れることは出来ない。軍人は国際法に反する、または規則に反する命令に従う義務はない。この様な命令を受けた隊員は即座に上官又は監察部に報告する義務を負う。これは基礎訓練の段階で教わることです。民間人を撃てと言われたのならば、命令を拒否し、即座に上官、または監察部に報告する義務をMasseyは負っており、それをしなかった彼は加害側の一員他有りません。私はこの記事を読んでMasseyが被害者であったとは思わない。彼は二等軍曹としての責任を果たさなかった刑罰を受けるべき加害者です。
記事に死体が「道路脇に投げ捨てられる」とある。フランス語で「投げ捨てられる」と書いてあったのか、翻訳者が敢えて「放置」ではなく「投げ捨て」を使用したのかは分からない。が、イラクにおいて死体の正しい扱い方は道端に持っていき、仰向けにして胸の上に手を組ませた状態で放置するである。こうすれば、数時間以内に遺族が遺体を取りに来れるからだ。日本の常識からは考えられない事かも知れないが、イラクではこれが常識なのです。
「世界から軍隊が無くなればいい」と書いた人もいるが、軍を無くして今まで通り平和に生きていける考えは矛盾している。人間は欲の耐えない生き物であり、人間が人間で有る以上、他人を支配しようとする人も耐えない。「話し合えば戦争を抑止できる」などとほざく前に話し合いで中国をチベットから撤退して貰え。海兵隊の格言にこんなのがある−「戦意は絶対失うな。戦意を失えば戦意を抱く奴が来てお前を支配する。」その証拠にその昔、軍隊を放棄し、戦意を失い、貿易を通して裕福に暮らしていた王国があった。その国は軍隊を放棄したことにより外敵に侵略・征服され今に至っている。「琉球国」というところだ。「世界平和」「軍隊放棄」などと叫ぶことは過去の過ちを正し、沖縄を独立国に戻してから言ってもらいたいものだ。沖縄を征服し続けながらも「米軍イラク撤退!」「世界軍隊放棄!」などと叫ぶことは戯けたことだ。
イラク戦争に賛成ではない。ジョージ・ブッシュがとんでもない過ちを犯したと私も思う。しかし、「世界平和」という妄想の中で生き、文句ばかり言って、現実や軍に関する知識の無さをあらわにする発言をする以外何もしない人にはとことん腹が立つ。私は米国海兵隊に属し、国を守る為8年間犠牲を払った。平和のない日本で何一つ不自由なく、インターネットという壁の後ろに隠れながら掲示板に愚痴を並べる以外に貴方は何をしている?「イラク人かわいそう」と言ってばかりいないで何とかしたらどうだ?来月の給料1円残さず全てイラク復興に寄付しろ。イラクに行って自分の手で再建に貢献しろ。身内のないイラク人の子供を養子にとって育てろ。文句言うのは自分をすっきりさせるぶんにはいいかもしれないが、イラクやその人々を何一つ助けてない。かわいそうだと思うなら何でも良い、でもイラク人の役に立つ何かやれ。愚痴るのはその後だ。
最後にマッカーサー元帥の言葉で締めくくろう。
「兵士以上に平和を切願する者はいない。」
哀れなぐらいにいかれてる>motokaihei
石頭、
他人の意見と異なった意見を持つことが「いかれてる」ということなら、私は誇りを持って「いかれて」いよう。