妹「かっこよくて優しくて」
妹「勉強ができて思いやりがあって」
妹「気遣いができていつも笑顔な人なんだよ」
妹「まるで昔のお兄ちゃんみたい」
兄「昔の俺ねぇ」カチカチ
妹「………」
元スレ
妹「お兄ちゃん、私好きな人ができたの」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331294407/
兄「俺すげーな俺すげー」カチカチ
妹「今のお兄ちゃんとは言ってないよ」
兄「そうだな昔の俺すげー」カチカチ
妹「もう、ちゃんときいてるの?」
兄「あーうん俺のこと好きなんでしょ」カチカチ
妹「お兄ちゃんが好きとは言ってない!」
妹「大学出てからずっとパソコンやってる」
兄「面白いよマジで」カチカチ
妹「私の話より面白いの?」
兄「あーどうだろうなぁ内容によるなぁ」カチカチ
妹「じゃあこっち向くくらいはしようよ」
兄「ちょっと待って今ダンジョンだから30分くらいしたら終わるんじゃねーかな」カチカチ
妹「………」
妹「…じゃあそのままきいててね」
兄「どうぞ」カチカチ
妹「…その人ね、誰にでも優しいからきっとすぐ誰かに先越されちゃうんだ」
兄「うん」カチカチ
妹「だから大学で培ったお兄ちゃんの知恵を借りたいの」
兄「あーマグで巻き込んじゃったごめんね」カチカチ
妹「…きいてる?」
兄「おーもちろん俺は大学で十股くらいしてたしな百人力だぞ」カチカチ
妹「…嘘つき」
兄「んでー早速告白しちゃうの」カチカチ
妹「そ、そんないきなりしないよ」
妹「まだ全然仲良くないと思うし一緒に遊んでから、なんて」
兄「なるほど」カチカチ
妹「どうすればいいかな」
兄「友達いっぱい連れていけばいいんじゃね遊びに行くだけなら」カチカチ
妹「…わりとマシなこと言うんだね」
兄「言ったろ百人力だって」カチカチ
妹「そうだね、一度やってみてチャンス狙うよ」
兄「おー頑張れ」
妹「じゃ、おやすみ」
バタンッ
兄「………」カチカチ
兄「昔の俺ね」
昔
兄「………」
妹「おにーちゃん、お勉強?」
兄「ああ、うん」
兄「塾行ってるくらいじゃ駄目だからな」
妹「おかーさん、邪魔しちゃ駄目って言ってた」
兄「…そうだな」
兄「邪魔されるとちょっと困るな」
妹「じゃあ、わたしむこう行って遊んでくる」
兄「ああ、うん」
兄「ごめんな」
妹「ううん、お勉強頑張ってね」タタタッ
兄「………」
兄「はぁ」
現在
兄「………」カチカチ
兄「なんか気分乗らないな」
兄「『今日はもう落ちますねー』っと」カチカチ
兄「………」
テンテンテンテン♪
兄「おやすみっと…」
数日後
ガチャッバタンッ
妹「お兄ちゃんお兄ちゃん」
兄「あんま強く閉めると壊れるぞ」カチカチ
妹「この前言ってた彼のメアドゲットしたよ」
兄「ああ、それはよかった」カチカチ
妹「…あれ、お兄ちゃんならてっきり忘れてるかと思ってた」
兄「まさか、可愛い妹のことならなんでも覚えてるぞ」カチカチ
妹「言い方気持ち悪い」
兄「ブラコンだったもんねお前」カチカチ
妹「昔の話です」
妹「それよりこういうメールって初めてなんだけどなんて送ったらいいのかな」
兄「意外だな、好きな人コロコロ変わるのかと思った」カチカチ
妹「これでも一途なんですー」
兄「そうだな」
兄「女なら絵文字使いまくってもいいんじゃねーか」
妹「使いまくるって」
兄「連打じゃねーぞ」
兄「笑ってる絵文字とピースしてる絵文字あるだろ」
兄「組み合わせて使うのって女らしいと思うぞ」
妹「なるほど」
兄「それで絵文字付きのメールが返ってきたら大成功だぞ」
妹「…本当に?」
兄「なんだ俺の言うこと信じないのか」カチカチ
妹「…まぁ、一応やってみるよ」
兄「おう」カチカチ
妹「じゃ、おやすみ」
バタンッ
兄「………」カチカチ
兄「あー駄目だ、もう二回死んだ」カチカチ
昔
妹「おにーちゃん、遊ぼう?」
兄「もうちょっと待ってな、勉強が終わったらいっぱい遊べるから」
妹「もうちょっとってどれくらい?」
兄「本当にあと少しだから」
兄「待っててくれるな?」
妹「うん、わたし待ってる」
現在
ガチャッバタンッ
妹「お兄ちゃんお兄ちゃん」
兄「この前油差したばっかだから滑らかになってるだろ」カチカチ
妹「今度二人で遊びに行くことになったよ」
兄「マジか」カチカチ
妹「暇だからって言ってくれて、これ実質デートだよね」
兄「二人ならデートになるかもな」カチカチ
妹「どこ行けばいいのかな」
兄「目星はついてるのか?」カチカチ
妹「都内に行くんだけど計画はまだなんだ」
兄「じゃあお前も一応行きたいとこ決めとけよ」カチカチ
兄「もしかしたらズボラかもしれないし」カチカチ
妹「彼に限ってそんなことないだろうけど…」
兄「念のため」カチカチ
妹「そうだね、保険ってことで考えとくよ」
兄「保険がなかったら全額払わされるからな」カチカチ
妹「言ってる意味よくわからないけど」
妹「じゃ、おやすみ」
バタンッ
兄「………」カチカチ
兄「クリ出ないと思ったら装備変えてねーじゃん」カチカチ
昔
妹「おにーちゃん、遠いとこ行っちゃうの?」
兄「そうだな、当分帰ってこれなくなっちゃうな」
妹「どうして、遊んでくれるって言ったのに!」
兄「ごめんな、いい学校に言っていいお兄ちゃんにならないといけないんだ」
妹「いいお兄ちゃんじゃなくてもいいから、行かないで!」
兄「ちゃんと帰ってくるから、待っててくれ」
現在
ガチャッバタンッ
妹「お兄ちゃんお兄ちゃん」
兄「なんだ」
妹「うわ珍しいこっち向いてる」
兄「その希少生物みたいな言い方やめろ」
妹「デート大成功だったよ」
妹「保険も用意しといた甲斐があったかな」
兄「言った通りだろう」
兄「そろそろなんだ告白か」
妹「そろそろなのかな」
兄「いい頃合だと思うぞー」
兄「一応急いでるんだからな」
妹「なるほど」
妹「どこかに呼び出して告白って形がいいのかな」
兄「手紙とかよりマシだろうな」
妹「なんて告白すればいいんだろう」
兄「そればっかりは俺にきかないでくれ」
兄「相手のこと知らないんだし」
妹「そうだよね」
兄「まぁ定番と言えば放課後校舎裏だよな」
妹「定番なの?」
兄「エロゲだとわりと少なかったりする」
妹「どっちなの?」
妹「まぁ、告白くらいは私が考えてみるよ」
兄「わかった」
妹「報告楽しみに待っててね」
妹「じゃ、おやすみ」
バタンッ
兄「………」
兄「なんか新しいネトゲねーかな」カチカチ
昔
兄「………ただいま」
妹「………」
兄「………」
妹「どちら様ですか?」
兄「お兄様です」
妹「………」
妹「冗談です」
兄「やめて」
兄「泣いて喜ぶと思ったのに期待はずれだった」
妹「もう子供じゃないし」
兄「何俺のこと嫌いになったの」
妹「嘘つきのことを好きになる方がどうかしてる」
兄「………」
妹「待ちくたびれてもう愛想尽きた」
兄「…ごめんなさい」
妹「で、急に帰ってきてどうしたの」
兄「養ってくださいって親に頼んだ」
妹「…いいお兄ちゃんは?」
兄「え?」
妹「………」
兄「学校出たら気が抜けちゃってさーあはは」
妹「………」
兄「………」
妹「はぁ…」
兄「ため息吐くと幸せが逃げるぞ」
妹「もう不幸だからいいの」
兄「はい…」
兄「…ってなんでお前が不幸?」
妹「お兄ちゃんのせい!!」
現在 18:00
兄「………」
兄「あれ、今日告白するんじゃなかったか?」
兄「もう帰ってくる時間じゃないのか」
兄「もしかして成功してへいこらしてんのかな」
兄「あーくそー」
21:00
ガチャッバタンッ
兄「まぁこんな時間まで連絡なかったら俺が駆り出されるよな」
兄「携帯はさっきから出ないし」
兄「どこに…」
兄「っているし」
すぐ向こうの公園
兄「冬の夜に制服はきついぞ」
妹「そうだね、凄く寒い」
妹「でもあんまり寒くない」
兄「なんだそれ」
妹「心の炎は燃えてるの」
兄「不完全燃焼だろそれ」
妹「せっかくお兄ちゃんが準備してくれた告白、全部パーになっちゃった」
兄「別に俺が準備したわけじゃないけど」
妹「お兄ちゃんいなかったらここまで来れなかったと思う」
兄「過剰評価しすぎだろ」
妹「私もそう思う」
兄「………」
妹「報告する気ではいたけど、どう言っていいかわからなかったの」
兄「それでこんなとこにいたのか」
兄「家入ればよかったのに」
妹「家入ってお兄ちゃんの部屋に行かなかったらバレちゃうでしょ」
兄「それもそうだな」
妹「だから、お兄ちゃんが来るまでここにいた」
兄「俺が来なかったらどうするんだよ」
妹「お母さんが絶対言うし」
兄「…実際そうだったな」
兄「まぁ風邪引いたらめんどくさいし、さっさと家入るぞ」
妹「…なんか、お兄ちゃん変」
兄「何が」
妹「優しすぎる」
兄「俺は優しいんじゃなかったのか」
妹「昔と違う方向で優しい」
兄「優しさには方向がありますか」
妹「むしろパソコンの前で私の話きいてるお兄ちゃんの方が昔のお兄ちゃんっぽかった」
兄「それって優しいのか?」
妹「うん」
兄「ついででやったことに優しいって言われるのは罪悪感沸くな」
妹「ついでだったんだ」
兄「…今はそんなことないような気がするけど」
妹「…そう」
妹「憧れてたお兄ちゃんが実はパソコンオタクと同じだったーなんて笑い話にもならないよ」
兄「どんなお兄ちゃん像だったんだよ」
妹「…遊んでくれるって優しく言ってくれてた」
兄「それだけかよ」
妹「…うん」
兄「それはやばいな」
妹「自分で言わないで」
兄「じゃあ、遊びに行くか」
妹「こんな時間じゃどこも開いてないよ」
兄「ラーメン屋くらいなら開いてるだろ」
妹「遊びにラーメン屋」
兄「遊びには間違いだな」
兄「一緒に飯食いに行こうか」
妹「…お母さんに怒られるよ」
兄「ちょっとくらい怒られたってどうもしないだろ」
妹「ホント、お兄ちゃん変になったね」
兄「むしろ勉強しかしてない時の方が変だと思うぞ俺は」
妹「…そうだね」
妹「んじゃいこっか」
兄「おー、実家暮らしのバイトは金持ちだぞー」
終わり
マジごめん断られた時の言葉入れ忘れたこれじゃ引っ張った意味ねぇ