2012年11月02日

静かに強く、美味しい映画「よみがえりのレシピ」を観に行った件。

DSC_1613先日、山形の在来作物にスポットライトを当てた長編ドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」を渋谷ユーロスペースにて観てきました。

在来作物とは、その土地にしかない作物のことなのですが、病気に弱いとか、収量が少ない、お金になりにくいなどの理由で、大量生産の作物(育てやすく収量も多くお金になりやすい品種)に取って代わられ、全国から徐々に消えつつあります。

この映画は、そんな在来作物を細々と育てて種を守り続けてきた山形の農家と、その応援を続ける大学教授(山形大学・江頭教授)、その在来作物で新たなレシピを作るレストラン(アルケッチァーノ・奥田シェフ)などが登場する長編ドキュメンタリーです。

10/20(土)より上映開始となった渋谷ユーロスペースに、21日(日)に行って来ました。

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ロビーでは山形県庄内地方の在来作物野菜セットを販売。先着プレゼントで食用菊「もってのほか」もGETしました。
入れ物のカゴは、なんと山形新聞の古紙を使ったリサイクル仕様。


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ロビーには人が混みあい、席もほぼ満席の状態。大盛況のスタートとなりました。


全編を通して観たのは初めてだったのですが、いやー、素晴らしい映画だった。


「藤沢カブ」、「だだちゃ豆」、「外内島キュウリ」、「宝谷カブ」など、山形の在来作物の種を守り続けてきた農家の方が庄内弁で訥々と語る、静かだけど熱い言葉。

その言葉の数々が、とても印象的でした。


美味しいと言ってくれる人がいることが幸せだ。

とか、

作物を育てることが、生き甲斐だ。

という言葉。


育てるのが難しく、生産者が離れていった「藤沢カブ」の最後の1軒の生産者、渡会美代子さんは、畳2、3帖分ぐらいの本当に小さなスペースで細々と毎年栽培して種を守り続けてきた。

そして、

自分はもう歳だから、この種だけは守って欲しい。

と言い、近所の農家に種を託したのです。

種を託された後藤勝利さんは、焼畑農法でその「藤沢カブ」を毎年育て続けている。

種を託した渡会美代子さんは、映画の完成を待たず2011年の9月に急逝されてしまったそうです。


イタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」の奥田シェフは、その「藤沢カブ」で新たなレシピを考案し、今では大人気メニューとなっているという。


そして、その在来作物の種と味が、また次世代へと受け継がれていく。


消えてしまうのは簡単だ。続けるのは難しい。

でも、強い思いを持って種を守り続けている人達がいて、その作物を食べることを喜びに感じる人がいて、その「食」を通じて、たくさんの人と人とのつながりができている。


生きるとは、継承である。食べる喜びが人を動かす。そんな単純だけど深く強いテーマを感じた。

お金とか、便利さとか、そのようなものにとらわれて私達は生きているけど、もっと大切なものが確実にこの世の中には存在する。そんなことに改めて気付かされました。



監督の渡辺智史さんは、僕と同い年の学年で31歳。現在鶴岡在住です。
同い年の人が、ここまで幅広い世代の多くの人と関わりながら作品を撮り、そして映画の製作委員会の組織を束ねていることに驚きを禁じえませんでした。

どれほどの労力を要したのか想像もできませんが、渡辺監督の思いに心を打たれてこの映画に協力している人がなんと多いことか。


それほどまでに、心を打つ静かな強さを持った映画。

ぜひ、多くの人に観て頂きたい作品です。


この「よみがえりのレシピ」ですが、渋谷ユーロスペースでの上映は11月いっぱいをもって終了となるそうです。

今週末11/3(土)、4(日)は、元青果さんからの応援で、在来野菜の即売会も開催するとのこと。
旬の秋の庄内野菜が多数勢揃い、在来のカブ、平田赤根ネギ、ズイキ芋の芋がら(茎を干してもので、煮物や、天ぷらにして食べます)などの詰め合わせを500円でご提供。在来野菜の漬け物(漬け物処 本長)、山形食品株式会社の「山形代表」の販売もあります。

また、上映後にトークショーもありますので、ぜひどうぞです。

11月3日(土・祝) 12:00の回上映後
中沢新一さん(明治大学・野生の科学研究所長)
渡辺監督トーク

11月4日(日) 12:00の回上映後
河名秀郎さん(ナチュラルハーモニー代表)
渡辺監督トーク

11月17日(土) 12:00の回上映後
佐藤春樹さん(本作出演・在来野菜 甚五右エ門芋の生産者)
トーク&甚五右エ門芋の販売

11月18日(日) 12:00の回上映後
島村菜津さん(ノンフィクション作家)
渡辺監督トーク

▼映画「よみがえりのレシピ」のオフィシャルサイトはこちらです。
http://y-recipe.net/


また、この映画の裏側にある、遺伝子組み換え作物の会社について撮ったフランス映画「モンサントの不自然な食べもの」という衝撃的に恐ろしい映画があります。在来作物が消えていく中で、遺伝子組み換え作物という人間の健康を脅かしうる食べ物が世界的に広がりつつあります。その問題について考えるきっかけとなるような映画です。
こちらも現在渋谷のアップリンク他全国で上映中ですので、一緒にどうぞ。


また、この映画「よみがえりのレシピ」のチラシを首都圏の遠征ライブで配布して頂いた、酒田を代表するハイテンション・ハードコアバンドFRIDAYZの皆さんにも、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。もっけでした!!

FRIDAYZは明日11/3(土)に、PIZZA OF DEATH RECORDS主催で開催される渋谷6会場サーキットイベント「FUCK ON THE HILL」への出演で、渋谷ユーロスペースの目と鼻の先にある渋谷CLUB ASIAにてライブ。
出演時間は18:25〜18:55の予定とのことです。
あのとんでもなく楽しいライブを、渋谷でぶちかまして欲しいと思います!

▼FRIDAYZ official web
http://fridayz.net/
  

Posted by ayate at 23:24Comments(0)TrackBack(0)