先頃発売された一大長編『ドラゴンランス 魂の戦争 第3部 消えた月の竜』は、長きに渡って刊行されてきたドラゴンランス・サーガの最後を飾るにふさわしい作品でした。実に紆余曲折を経ながらも、読者の支持を得て、遂にこの一大叙事詩に終止符がうたれたのです。
日本で初めて安田均先生の翻訳によってドラゴンランスが紹介されたのが1987年の事ですから、当時の私はまだ中学生でした。その当時は富士見文庫から「ドラゴンランス戦記」というタイトルで発売されていました。学校の友人に本を貸してもらって、貪るようにして夜明けまで読んだあの興奮を今でも忘れません!目をしょぼつかせながらも、私の心はひとりの人物の虜になりました。金色に輝く肌に奇妙な形をした瞳孔、時おり咳き込みながら、ささやくように語り掛ける赤いローブを着た魔術師。これまで読んできたヒーロー像とは全くことなり、それでいて一番魅力的であった人物、レイストリン=マジェーレ。私は続きが読みたくて堪らなく、新刊が刊行されないかと小さな町の本屋に通いつめる日々がつづきました。
あれから実に20年。物語の中の登場人物たちも移り変わりました。
<竜槍戦争>を戦ったタニスら英雄達もほとんどがその主役の座を自分たちの子供たちに譲っておりました。そして、「魂の戦争」の物語はソレース村でのキャラモン老人の葬式において弔辞を読むために駆けつけたタッスルホッフによって幕を開けます。
<混沌戦争>が終結して神々の去ったクリンの世界は竜大帝と呼ばれる強力なドラゴンたちによって支配されていました。そしてある嵐の夜、不思議な力を持つ少女が現れて、<唯一神>の御名のもとに数々の奇跡的な業を披露するのでした。
<魂の戦争>終結後も、我々が抱く数々の疑問に対して答える形でアメリカ本国ではその後もドラゴンランスの刊行は続きました。
「流浪の民となったエルフはその後いかなる運命をたどったのか?」⇒Elven Exiles
「行方をくらましたミーナはいずこへ?」⇒Amber and Ashes
また、マーガレット=ワイスとトレイシー=ヒックマンの共著で、<竜槍戦争>の時代を扱った作品、The Lost Chronicles(『失われた伝説』)シリーズが刊行されています。こちらは来年以降、アスキーより翻訳されて刊行予定です。
今後もドラゴンランスの応援を宜しくお願いいたします!
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