2011年08月29日

三匹の子ネコ物語 3

タイトルを変更しました。
ある方の戴いたコメントで「三匹の子猫物語」と書かれていたのを見て
ハッっとしたのです。このほうが優しいタイトルだと思ったのです。


綾の家に連れて来られたひん死の子ネコ1匹は点滴の甲斐もなく
その夜に冷たくなっておりました。
あとの2匹をなんとか元気にして養子に出せたらと願いながら今日もミルクを
スポイドで与える綾であった。
相変わらず汚い容姿である。
クロネコだけにそれに輪をかけているのであった。

Aは箱から出しても今日は動こうとしない。
目もあかない。
Bはウンチも出るようになったが目が少しあいてはいるが眼やにが
相変わらず出てその目は白目です。
「ああ この風采では養子は無理かも知れない」綾はつぶやいた。
毎日心配して訪れる理紗は、丹念に2匹の体を消毒して
獣医さんから戴いた目薬を差しやり、慈愛に満ちた眼差しでこの哀れな
子ネコを眺めている。
「親猫が今日もこの子たちを探して家のまわりをウロウロしていた、元気に
なったら親に返してあげようか?」
「返してあげたところでまた、ひもじい思いをするだけだわ、親猫に十分なオッパイが
出ればいいが」
「一番元気な子ネコはもう一緒に生まれたとは思えない位
元気で塀に飛び移っていたよ。」と理紗は言った。

理紗は秤を持ってきた。
体重が少しでも増えていることを願ってAから計る。
昨日は153gあったのに150gに減っている。
Bは175gから180gに増えていました。
理紗と綾は複雑な気持ちで秤をみる。


またどうにか二日が過ぎました。
4日目の朝がきて何時ものようにダンボールを覗くといつも2匹が仲良く
くっついて寝ているのに1匹が離れている。
もしや 綾はすぐ手にした。
冷たい。死んでいる。硬直もしている。
理紗に連絡を取る。
駆けつけた理紗は呆然と立ったままで、子猫を見つめる目には涙が溢れていた。
2度目の保健所からの軽トラックがきた。
花で埋もれたクロちゃんの小箱は、トラックに乗って行ってしまいました。


それから2日が経ちました。子ネコの世話で明け暮れる6日目がきたのです。
「クロBちゃん、お前だけは生きるんだよ」
10ccのミルクも飲むようになったが目がまだ白目をむいたままであった。
理紗が言う。
「先生が<この目の視力は栄養失調で多分失っているでしょう>と言っていたわ回復には
長い日がかかるとも」
生きながらえても目が見えない。この子は生かされても果たして仕合わせなのだろうか。
綾と理紗は笑いをもう何日も失っていました。
いつ消えるか分からない小さな命の灯、すでに消えた二つの命。
親猫は諦めたのか、今日は姿が見えなかったと理紗が言う。

「もう一度点滴をしてもらいに病院へ連れて行こうか」と理紗は言う。
「もうよしましょう。この子は目が見えない。生きながらえても一人では生きて
行けないしこの姿では貰い手もない。回復までには相当の日数がかかるわ、それまで
ここで手厚く育ててあげよう」力無く綾も心を鬼にして言った。

7日めの朝。
アンカの上で伸び伸びと、体を思い切り伸ばして寝ているクロBちゃんを見た。
「おーおー気持ちよさそうに寝てるじゃないの、起きなさいミルクの時間ですよ」
せっせと少しのお湯を沸かしミルクをつくる。
消毒ガーゼと栄養剤も手にしてクロBちゃんのそばへ行った。
抱こうとしたその手はそのまま止まってしまいました。
動かないのです。冷たいのです。息がないのです。
綾の目からポロポロと涙がこぼれおちました。
「お前まで行ってしまうの?そうか先に行ってしまった兄弟が待っているのか
苦しいからもう楽になって早く来なさいって呼んでいるんだね」
心のなかで呟いた綾は3個めの棺をつくる。
進物で戴い物を出してきれいな小箱を選んだ。
同じように真新しいタオルでくるんでまわりを小菊でうめました。
3度目の軽トラックがピンポーンとならす。
何匹かのお仲間と今日は天国に旅立っていきました。
綾と理紗はトラックが曲がり角を曲がるまで見送ったのであった。

BlogPaint
実物は真っ黒ですが絵に
ならないのでこのように
書きました。
育てたのは1週間でしたが
情と言うものは移るのですね

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コメント一覧

1. Posted by バラ   2011年08月29日 17:23
実話だとお聞きしていましたのに、まるで童話を読んでいる感じで、全篇引き込まれました。
儚い命の切なさ、祈り育てる優しい人の心。感動的でした。
諸事情で動物は飼えませんが、人の言葉を理解しようと見つめる猫の可愛さは実家の「さくら」と「ももこ」のしぐさで感じています。
大切に、甘えて来たときは可愛がって、いっぱい声掛けをしてやろうと思いました。
2. Posted by のん子   2011年08月29日 18:50
そんなお話やったんやね!
私は初めハッピーエンドの話とばかり思ってたから・・・。
うちは親と同居でややこしかったから、結局ペットは飼わずじまいやったんよ。
ヒマになって子犬や子猫って可愛いなぁと思ったことは有るけど、ブログ書いてる人がペットロス?みたいな状態になったのを見て、とても私には無理〜って思ったわ(汗)
で、そんな方が虹の橋やったかに、そのペット達がご主人が来るのを待って一緒に天国にって話に感動したことも有ったよ。
3匹の子ネコちゃん達、短い一生やったけど幸せやったと思います!
3. Posted by 小麦   2011年08月29日 21:45
3匹のネコちゃん達、あのまま野良でいたら体力の無い小さなネコちゃん、どうなっていた事か、、、、
生まれて数日間の短い命でしたけど
理紗さん綾さんお二人の暖かさに触れられた事がせめてもの幸せだったでしょうね。
お空の上で3匹仲良く遊んでいるかな。。。。
4. Posted by nekomama   2011年08月30日 01:54
そうだったのですか・・・3匹とも。。。

理紗さんと綾さんの優しいお気持ちに感動しました。
介護の甲斐が無くて、残念でしたが、仔猫達は、
自分達の為に涙を流してくれる人の暖かい手で送られて
とても幸せだったでしょうね。

汚れにまみれたまま、冷たい風の中で消えて行く小さな命を憐れんで、
神様がせめて最後をと、優しい理紗さんのもとへよこされたのではないかしら、そんな風に思えました。

素敵なお話、ありがとうございました。

あざみさんの3匹の仔猫のイラスト、可愛いです(*^。^*)お上手!
5. Posted by しょこらろーず   2011年08月30日 04:41
悲劇に終ってしまい残念です。
せめて1匹でも生きて欲しかったです。
辛い物語ですね。
捨てられる事がなかったら悲劇は起きなかったのかも
知れません。あざみさんのネコちゃんのイラストが心残り
です。
6. Posted by マジョリン   2011年08月30日 09:35
あざみさんへ
おはようございます。
やっぱり最後は・・・・
でも、愛情注いで頑張った理沙さんえらいですね。こんなに頑張ったのに悲しいですね。
動物にこんなに優しく出来る子は誰にも優しくできる女性に育ちますね・・・・・。
あざみさんの物語、実話であっても凄くお上手。拍手です。
7. Posted by azami_tabi   2011年08月30日 17:16
マジョリンさま
こんばんは。ありがとうございます。
悲しい結末でしたが、これは人間が生んだ悲劇です。
安易な気持で動物を飼い要らなくなったり
子を沢山産んだりしたら放棄する。
命有るものをもっと大切にしたいものです。
8. Posted by azami_tabi   2011年08月30日 17:19
しょこらろーずさま
ごもっともです。
たった1週間面倒を見ただけですが
身が切られるような思いをしました。
ペットは最後まで責任を持って飼うべきですね。
9. Posted by azami_tabi   2011年08月30日 17:25
nekomamaさま
理紗は動物に対する愛情は異常なくらいです。
現在も犬や猫のためにエアコンを付けています。
風が全く入らない家ですから仕方がありません。

絵は書いても書いても上手になりません。涼しくなったら
日本画でも習いに行こうかと思っております。
褒めていただきありがとう。
10. Posted by azami_tabi   2011年08月30日 17:28
小麦さま
3匹の儚い命は消えましたが天国で寄り添って
いるでしょう。
親猫の代わりに少しは愛情をかけてあげられたでしょうか。
11. Posted by azami_tabi   2011年08月30日 17:33
のん子さま
家にも猫も犬もいるでしょ。
最も娘と共同飼育ですが、留守は動物だけに
しないよう気を配っております。
飼えば家族と同じで子供のようなものです。
皆さんはきっと1匹でも元気になると
思って読んで戴いたと思います。
ご期待に反してごめんなさい。
12. Posted by azami_tabi   2011年08月30日 17:53
バラさま
読んでくださってありがとうございました。
ペットは家族の一人一人が自分にはどんな存在なのか
しっかりわきまえております。
この人は遊んでくれる、この人は食べ物を少し分けて
一緒に食べさせてくれる、話かけてくれる、と
知っております。
話かけると真剣な眼差しで一生懸命理解しようと聞いている事が
わかりますね。

バラさんのブログへのコメント
毎回読ませて戴いていります。
素のままで桃にかぶりついてお二人で美味しいさをかみしめて
いらっしゃる。たまに口の横から汁が滴り落ちたりして・・・・
ご近所さんのお野菜の差し入れバラさんのお人柄の賜物ですね。
窓からスイカの柄の風船がいっぱい見えた。
良く見るとあれ〜本物スイカがブラン、ブラン
ゴーヤも良いけどスイカの方がもっと良いわね。
お見事ですね。
13. Posted by だんだん   2011年08月30日 22:00
気になってきてみれば!
三匹とも手当ての甲斐もなく…
結末は悲しいけれど、6日の思い出は消えません。

むやみに病院にやらなくて良かったです。
子猫は幸せでしたね、ありがとう〜
14. Posted by    2011年08月30日 22:25
こんばんは♪
悲しい結末になりましたが理沙さん綾さんの
手厚い介護で短い間でしが幸せだったのでは〜
なかなか出来ないことです。
三匹の子猫ちゃん優しい人に出会い良かったね。

いつもお絵かきがお上手ですね。
15. Posted by あざみ   2011年08月31日 07:53
だんだんさま
はい。悲しい結末でしたが、最後の1匹どうしてあんなに
のびのびして息を引き取ったのでろうと不思議です。
苦しかったのか「ありがとう」と言っているのかとどちらか
だろうと思いました。

そうです決してお安くない動物病院です。
点滴しなくても助からない命でした。
16. Posted by あざみ   2011年08月31日 08:00
絆さま
はい。
生後何日か分かりません。一緒に4匹生まれて1匹だけだもう塀に飛び乗っているくらいですから大分経過しているに
違い無いと確信しております。3匹はわずかずつの親猫のオッパイで生きながらえていたのでしょう。

幼稚園児の方がもっと上手にお絵描きしています。
どうしてこんなに下手なのだろうと思っておりますのに
褒めて頂き恐縮です。
17. Posted by morinoringo   2011年09月01日 20:43
せっかくお孫さんが一生懸命育てようとした三匹の猫ちゃんたち、ついにみんな天国へ行ってしまったのですね。
悲しいお話でしたが、お孫さんに介抱されて亡くなった猫ちゃんたちは、幸せだったと思います。
きっと、安らかに天国へ行ったのでしょう。
お孫さんたちに感謝しながら。
18. Posted by azami_tabi   2011年09月02日 12:10
morinoringoさま
こんにちは、野良猫を医者に見せたり
面倒を見たのは孫ではまだ無理でこれは長女ですのよ。
手を尽くしましたが全部だめでした。
でも精いっぱい尽くしたと言う満足感はありましたね。

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