2004年12月03日

♪地方空港の現状について

今日はこれくらいにしましょう
●前回の記事☆関西の空港が抱えている問題(2)でお知らせしたとおり、おおたさんから地方空港に関するコメントを頂いたので、今回は地方空港の現状について簡単にふれてみたいと思います。


■地方空港の現状について

○まず能登空港ですが、この空港は下の毎日新聞の記事にもあるとおり、搭乗率8割を誇る優良空港として評判のようです。
能登−羽田便、利用者20万人に−−能登空港でセレモニー /石川(毎日新聞:2004年10月20日)

 このように、全国の地方空港が能登空港みたく搭乗率が上がれば「ムダな空港」などと言われることもないのでしょうが、一方で佐賀空港のように搭乗率が上がらない空港が多数あるのも事実だと思います。

 その佐賀空港ですが、こちらは下の記事にもあるとおり、人では採算がとれないので深夜に貨物便を飛ばしているそうです
佐賀空港発着の深夜貨物便、県「スタートは順調」 /佐賀(毎日新聞:2004年8月13日)

 これは、昼間だと乗客を取られてしまう福岡空港が、騒音規制により深夜に離着陸できないことを逆手に取った戦略のようですが、もしかすると、いつでも開いている「コンビニ空港」として人気が出るかも知れません。
 ただし私個人的な考えとしては、ガ島通信さんが言っているとおり、そこまで便利を求めなくてもいいだろうとは思いますが。

■石垣空港の滑走路延長はちょっと特殊な問題

○一方、沖縄の石垣空港ですが、ここは未だに滑走路延長でもめているようです。私は、以前沖縄に住んでいたことがあり、石垣空港にも何度か行ったことがあります。

 私は、石原東京都知事は余り好きではないのですが、彼が運輸大臣だった時代に、石垣空港の滑走路沖の珊瑚礁を埋め立てることに反対し、滑走路延長計画をストップしたことだけは評価しています。
 ただし、これはパイロットの知人から聞いた話ですが、石垣空港の滑走路延長は単純なインフラ整備目的ではなくて、安全上からも必要な整備なのだそうです。

 石垣空港を利用したことがある方はご存じかも知れませんが、石垣空港に着陸する航空機は、車輪を滑走路に叩きつけるようにドーンと着陸するやいなや、荷物が前に飛んでいくほど急にブレーキをかけます。
 これは、別にパイロットの操縦が下手だとか乱暴だというのではなく、優しくソフトに着陸しようとすると1500メートルの短い滑走路ではオーバーランするので、仕方無くやっているのだそうです。

 したがって、石垣空港の滑走路延長は自然環境上問題が多いので、できれば現在運航している航空機(主にB737)と同じくらいの輸送能力があって、滑走距離が少ない航空機に機種変更することが最善の策ではないかと思いますが、航空会社としてはそのような経費がかさむことはやりたくないという事情があるので、いつまでたっても石垣空港の滑走路延長問題が決着しないのではないでしょうか。(これも私の想像ですが)

■便利を求めているのは都会の人間ではないだろうか

○さてこのような地方空港ですが、私は、これらの空港が抱える問題のキーワードは「羽田日帰り」ではないかと思っています。
 各地方空港や航空会社とも、いかにして東京日帰り出張ができるダイアを組むかに苦労しているようですが、肝心の羽田空港の着陸枠に余裕がないため、なかなか思うようなダイアが組めないのが現状のようです。 (考えてみれば当たり前ですよね、全国から羽田に10時頃着、羽田を19時頃発にダイアが集中するのですから)

 ここで、ガ島通信さんの意見をお借りすると「もうこれ以上便利を求めるのをやめよう」ということになるのですが、では一体誰がそんなに「羽田日帰り」を求めているのでしょうか。これについてガ島通信さんは地方の人間と見ているようですが、私は、都会(東京)の人間ではないかと思っています

 もともと、地方では地元の小さな企業だけで細々としたパイを分かち合っていたのですが、都会から大企業が進出してそのパイを食い荒らし、昔からあった地元商店街などはどんどんさびれてしまいました。

 地元の小さな企業だけなら無理して東京に出る必要もなかったのですが、都会に本社を持つ大企業は当然東京や大阪とのパイプが必要になるので、地方空港も整備新幹線も高速道路も、いかにして早く都会に行くか(あるいは物流を可能にするか)という目的で整備されたのだと思います。

 東京にいれば全国の特産物が何でもそろうし、おそらく全ての県庁所在地に日帰り出張することが可能ではないかと思います。つまり地方空港も整備新幹線も高速道路も、地方のエゴだけではなく都会のエゴで整備されている側面も多々あるのではないか、と私は思うのです。

 その証拠に、私の地元の高知を例にあげると県庁所在地である高知市から都会に移動するのは以前に比べると確かに早く便利になりましたが、同じ高知県内の土佐清水市や室戸市に移動するルートや時間は、私が子どもの頃(30年以上前)からほとんど変わっていないと思うのですが。(笑)

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azarashi_salad at 17:58│Comments(2)TrackBack(1)
社会 

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1. 地方空港の問題と支店経済と中部国際空港  [ fareaster ]   2004年12月04日 09:39
ガ島通信さんが「関西には空港が多すぎる」と言われ、あざらしサラダさんがこれに応え

この記事へのコメント

1. Posted by おおた葉一郎   2004年12月04日 21:38
あざらしサラダさま、こんばんは
このエントリ少し前から見て、考えていたのですが、問題は深いのだなってかんじますね。
「東京と地方のどちらが空港を必要とするか」というところは、新鮮な角度の視点ですね。考え込んでしまいます。
ただ、「東京」というコトバは、人間とか会社というような能動的な存在ではなく、経済合理性の結果、会社が東京に集まってしまったという結果的なコトバかなって思います。ある意味で、全国どこでも空港へ行くだけなら東京と等距離。しかし、アメリカと違ってなぜ本社が東京に集中したかというと、いろいろと複層的なのでしょう、アメリカでダラスでの会議がはやっているのは、どこからでも2時間でこられるからだそうです。
一方、「地方」ということばには、人間とか会社といった特定できる存在を感じます。
旭川空港に行くと、旭川駅までバスで45分ほどのかなり遠いところにあるのですが、そんなに遠くまでいかずとも平地はいっぱいあります。場所の選定に何らかの政治力学があったのだろうと感じてしまいます(真実はあきらかにならないだろうが)。

神戸の人たちだって、飛行場建設の過半数の財源が神戸市の債券であり、破綻したら、税金でうめることになって、その結果、市のサービスが低下するということが事前に知らされていれば、開港に反対したのではないでしょうか。限られた予算の中で、空港と港の活性化とどちらが重要かといえば、釜山にすっかりハブ港の地位を奪われた港湾の再起の方が重要と思います。

石垣空港は行った事ありますが、B737でいいんじゃないかなって・・これ以上人が押しかけたら、いいとこなくなっちゃうのではないかと心配します。
能登空港は、便数が少ないから搭乗率が高いのではないかな。

しかし、国際空港が増えると、飛行機が多数飛んできて、格安海外旅行が増えそうです。今でもネットでツアーの検索すると、関空発が売れ残って、安くなっているようにみえます。
2. Posted by あざらしサラダ   2004年12月05日 11:56
おおたさん、こんにちは。

>「東京」というコトバは、人間とか会社というような能動的な存在ではなく、経済合理性の結果、会社が東京に集まってしまったという結果的なコトバかなって思います。

おっしゃるとおりです。政治も経済も東京一極集中にした結果の表れであり、「東京に住んでいる個人」という意味ではありません。

>神戸の人たちだって、飛行場建設の過半数の財源が神戸市の債券であり、破綻したら、税金でうめることになって、その結果、市のサービスが低下するということが事前に知らされていれば、開港に反対したのではないでしょうか。

こうした情報を市民にどこまで伝えていたかが、マスコミも含めた公共工事をとりまくシステムの問題ではないかと思います。

>釜山にすっかりハブ港の地位を奪われた港湾の再起の方が重要と思います。

これも同感です。陸海空それぞれの交通網の役割分担がはっきりしていないから、場当たり的なハード整備が繰り返されるのだと思います。

あと、石垣空港の滑走路はB737でも厳しいらしいので、もう少し滑走距離が短い機種に変更できればいいのですが。
能登空港は羽田が一杯なので便数を増やせないのでしょう。羽田以外であれば、便数を増やしても採算がとれないのはどの地方空港も同じだと思います。
ただ採算だけで物事を考えると、地方の交通は全て切り捨てられる運命にあるので、最低限の公共交通の確保という視点も必要だとは思いますが。
(ここがガ島さんとの意見の相違点かも知れません。大きくは違わないのですが、笑)

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