2004年09月01日

【ライブドアの「参加型ジャーナリズム」は成功するか(2)】

今日はこれくらいにしましょう
●前回の記事【ライブドアの「参加型ジャーナリズム」は成功するか(1)】(あざらしサラダ:8月31日)で書いたとおり、今回の記事では、どうすれば「livedoorニュース」が「参加型ジャーナリズム」として多くの市民(読者)の支持を得ることが出来るか、について考えてみたい。

○まず大手新聞社が報道するニュース記事について、私が常々不満に思っていることは以下の4点である。

1、記事としてとりあげるニュース(事件)の選択がおかしくないか

 まずニュースの選択についてであるが、例えば、いくらオリンピック期間中とはいえ、普天間のヘリ墜落とその後の米軍の対応などは、日本の主権に関わる大事件といっても過言ではない。世の中にはスポーツ紙というものがあるのだから、一般紙ならば、こうした市民生活に直結する事件の報道については、もう少し扱いを大きくすべきではなかったか。

2、記事で書かれている事実(データ)が「垂れ流し」になっていないか

 次に記事中の事実(データ)の扱いについてであるが、例えば先の年金法案改正の問題でも厚生労働省が発表したデータの誤りを真っ先に指摘したのは、大手新聞社の報道ではなくネットやブログで意見を発信した個人だったのではないか。
 これは、大手報道機関がスクープ合戦でニュースの速報性を追求するあまり、政府や企業から発信される情報をよく吟味することなく、「垂れ流し」のような記事を書いているからではないか。

3、ニュース(事件)に対する専門家の意見が偏っていないか

 さらに専門家の意見についてであるが、大手新聞社の記事を見る限りその新聞社の主張(スタンス)にとって都合のいい意見を述べている専門家の声ばかりが掲載されているようで、様々な視点からの問題提起が出来ていないのではないか。

4、新聞の社説や記事解説が「おべんちゃら」になっていないか

 最後に社説や記事解説についてであるが、例えばプロ野球の再編問題についての読売新聞の記事解説(7月24日)を例にとっても、渡辺前オーナーの意向を汲んだ「おもねる解説」を平気で載せており、代金を払ってこうした「おべんちゃら記事」を読ませられる読者のことを、本気で考えているのか。

 したがって、「livedoorニュース」が「参加型ジャーナリズム」として多くの読者からの支持を得るためには、上にあげたような恣意的な記事をなくす仕組みが必要ではないかと考える。

○そのための提言を、以下のとおりまとめてみた。あくまで私の個人的な意見ではあるが、ほんの少しでも参考になることがあれば幸いである。

1、掲載するニュース(事件)の選択についての提言

 大手マスコミが発信するニュースはどれも同じような内容になりがちだが、マスコミで働いた経験がある方の話によると、ボツになった記事の中にも市民生活にとって重要なニュースは多数あると聞く。
 したがって、ライブドアが設置する「独自の報道部門」では、こうした大手マスコミが発信しないニュースを積極的に集めて発信してはどうか。

2、「垂れ流し」記事ばかりにしないための提言

 ネット社会では速さが重要なこととは理解できるのだが、あまり速報性ばかりを追求すると、大手新聞社のような「垂れ流し」記事ばかりになってしまう。
 したがって、ニュース記事を報道する際は誰が見ても明らかな事実のみを第一報(骨組み)として発信するにとどめ、これと平行して「独自の報道部門」では専門家や当該分野に詳しい読者からの情報をもとに事実(データ)をしっかり吟味し、続報で肉付けしていくダイナミックなニュースを目指してはどうか。

3、様々な視点から問題提起するための提言

 これは、もっともブログが活用できる場ではないだろうか。
 ネット上では、新聞にコメントを書いている専門家や関係者より、その分野に詳しい方が大勢存在しており、ブログやHPで自らの意見を発信している者もいる。
 そうした方の様々な視点からのコメントやトラックバック記事を積極的に採り入れて、最終的にどのコメント(意見)が正しいかの判断は読者に委ねてはどうか。

4、社説(コラム)や記事解説を「おべんちゃら」にさせないために

 これも、ブログが大いに活用できる場ではないだろうか。
 社説や解説記事が何故「おべんちゃら」になるかというと、記事を書く者が給料や人事権などでその報道機関(組織)に縛られているからである。したがって、このようなしがらみのない者のコラムを積極的に採り入れて、「おべんちゃら」記事を無くすことが必要である。
 そうしたコラムが、仮にライブドアにとって「おべんちゃら」と思われる内容だったとしても、双方向性のブログならばコメントやトラックバックで多くの批判が返ってくると思われるだけに、書く方も自ずとバランスのとれた記事を書くよう意識するのではないだろうか。

○これら4つの提言に加えて、ライブドアが実現しようとする「参加型ジャーナリズム」が社会的認知を得るためには、共同通信編集委員室の『ニュース日記』騒動に見られるような、誹謗・中傷を含むコメントを如何にして排除するか、といった課題をクリアすることが必要になると思われる。
 ただし、これについては「ニュース日記」にトラックバックするため別の記事【ブログで建設的に議論する方法について考える】(あざらしサラダ:9月2日)で書いたので、よければそちらをご覧頂きたい。

【9月2日追記】
 このテーマに関しては、下に紹介するmiyakodaさんの記事が素晴らしい分析をされているので、今回の記事と合わせてぜひ一読して欲しい。

●livedoorのニュースメディア事業の野望を分析する(Think negative, act positive:8月31日)

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azarashi_salad at 12:12│Comments(4)TrackBack(5)
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1. ライブドア、読売新聞に村八分される  [ とんでもない事件簿 ]   2004年09月01日 17:27
7/29の社長日記によると 7月末〜8月頭にライブドアニュースの大幅配信記事増強を考えていたんだけど、 順調に進んでいた読売新聞の記事配信がなぜかキャンセルされる。 なぜだろう・・・。読売なくてもニュースサイト的には平気な気もするけど、どうだろう? どうだろ
2. 「読売のlivedoorはずし」と「読売のGoogleNewsはずし」に関する無責任な憶測  [ Think negative, act positive ]   2004年09月02日 13:00
GoogleNewsのテスト運用が始まったらしい。 読売のlivedoorはずしについては、一方の当事者、堀江さん自身が直接「なんでだろう?」と不思議がっておられるわけなんですが、我々外野席からは、たぶん球団買収で、「知らない人が入るわけにはいかんだろ。ボクも知らないよう
3. GoogleNewsはトクダネ系によわい?  [ Think negative, act positive ]   2004年09月03日 12:18
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4. ブログの役割  [ にぶろぐ ]   2004年09月12日 10:39
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5. livedoorニュースの地震速報  [ Tokyo Scramble ]   2004年11月09日 12:20
昨日11/8 11:16に起きた新潟県中越地方地震の余震と見られる地震は震度5強でした。東京でも揺れを感じました。 僕自身は約2分後に気象庁のwebで速報を見たのですが、ニュースサイトではどのように報じられるか、よく見ているアサヒコムとパブリック・ジャーナリズムを試み

この記事へのコメント

1. Posted by miyakoda   2004年09月02日 13:03
こんにちは。なんか、いろいろなことが次から次に起こって、外から見ている分にはすごくおもしろいですね。マスメディアの中にいる方は、大変だろうとは思いますが。このあたり、目を離すことができません。
2. Posted by あざらしサラダ   2004年09月02日 21:50
miyakodaさん、こんばんは。

ここにきて、googleがニュースサイトをオープンするなど、ネットニュースを取り巻く環境は、浅間山のように大きく揺れ動いているようですね。もしかすると、ブロガーにとっても大きな転機が来ているのかも知れません。

メディアの方からすると、「外野が無責任な発言をするな」と仰るかも知れませんが、ユーザーとしてこの動きを漫然と見守るのではなく、湯川さんがうったえる「参加型コミュニケーション」の確立に向けて、積極的に意見を発信していきたいと思います。
3. Posted by にぶろぐ(ueda)   2004年09月12日 11:04
はじめまして(たぶんコメントははじめて。皆さんの記事からたどって読ませていただいてはいたのですが)。これに限らず整理熟考されて記事をまとめられている点、あたまが下がります。ブロガーの役割について考えた中で引用させていただきました。今後もよろしくお願いします。
4. Posted by あざらしサラダ   2004年09月12日 12:45
にぶろぐさん、はじめまして。
コメント&トラックバックありがとうございます。

多くのブログユーザーが、こうしたテーマについて考えることが一番重要なことではないかと思っています。
今回のテーマに関しては多くの方からコメントやトラックバックを頂きましたが、このテーマについて一緒に考えて頂いた皆さんに感謝したいと思います。

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