幽霊島通信

Presented by 焼き海苔

ミックスダブルス用。

ダウンロードしてご自由にお使いください。
ご自身のブログやTwitterなどで使用していただいて構いません。
ただし、このままのものを再配布するのはご遠慮ください。

curling sheet


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遊び方
Mac(MacOS Mojave)の場合。
(1)シート画像をダウンロードし、「プレビュー」で開く。
(2)ストーン画像をダウンロードし、やっぱり「プレビュー」で開く。
(3)ストーン画像をコピー(コマンド-C)し、シート画像にペースト(コマンド-V)。赤、黄、それぞれ必要な個数分ペーストする。(ミックスダブルスでは6個づつ)
(4)シート画像内のストーンはドラッグして1個づつ動かせるので、いろいろ配置して遊んでみましょう。

(注)テイクショットやドローショットは自動ではできません。自分で動かしてください。

 ていうか、こんなことできるって、たった今気づいた😅

Windowsの場合
 知らん。


第10エンド(後攻・ロコ・ソラーレ)


 1点ビハインドのロコ・ソラーレとしては、1点取って、延長のエクストラ・エンドを不利な先攻で戦うよりも、ここで2点取って勝負を決めたい。
 一方、中部電力は、どうやら、ここで無理にスチールを狙うよりも、ロコを1点に抑え込むことを最優先にして、後攻を取れるエクストラ・エンドで勝負、という作戦らしい。

 ロコ、吉田知2投目(12)、ガード裏に隠れる(おおむね)絶妙な位置にドローして赤No.1。
 中電、北澤1投目(13)は、テイクしに行って赤を出し切れないとロコに2点パターンを作られるリスクがあると判断したのか、別にそういうことではないのか、(私には)よくわからないが、赤No.1に付けに行くドローで黄No.2。

end10-13


 ロコにとっては、2点目を作るのはかなり厳しい状況。また、シューター→「13」→「12」を中電に狙われると虎の子の赤No.1を失いかねない。
 さあどうする?

 藤澤1投目(14)は、具体的にどこらへんを狙っていたのかよくわからないが、結局、センターガードの黄色に引っ掛けて、左のドローラインを塞ぐ位置に。
 少なくとも、赤No.1は守られた。

 北澤2投目(15)は、右からのドローを阻止するためのガード。
 藤澤2投目(16)、右からのドローを試みるも、No.2を取れる位置には届かず。
 結果、ロコ・ソラーレが1点とって同点。決着はエクストラ・エンドに。

end10-16



 以下、「ぼくのかんがえたロコ・ソラーレが2点を取れる(かもしれない)作戦」。

(a)藤澤1投目(14)を黄色No.3に当ててヒット&(ちょっとだけ)ロール、赤No.2を作る。(この時、赤No.1(12)と赤No.2(14)がダブルテイクされないような位置にロールすることが重要である)
 ショット自体の難易度は、……う〜ん、どうだろう?

end10a


(b)中電は、北澤2投目(15)でどちらかをテイクアウトするか、自分がNo.2以上を取れない限り負けが確定するので、シューター→「13」→「12」で、「12」をテイクアウトするしかない(はずである)。
 中電はダブルテイクできない。(なぜなら、ダブルテイクされないような位置にロールしているからである)

end10b


(c)藤澤2投目(16)は、結局、右側からのドローでシューターをNo.2以上の位置に置くしかない。
 同じじゃんって話だが、この場合は、右サイドに障害物がないので、実際の16投目よりも、成功する可能性はかなり高くなる(はず)。



エクストラ・エンド(後攻・中部電力)


 なお、このエンドからブラシ表示機能を実装()してみた。
 ストーンはブラシに向かって投げる。
 ストーンは、ウエイトがある(スピードが速い)と曲がりが小さく、ウエイトがない(スピードが遅い)と曲がりが大きくなる。
 なので、シューターの到達位置とブラシの位置がどのくらい離れているかを見れば、シューターのウエイト感をなんとなく感じられるはず。

 吉田夕梨花1投目(1)、センターガード置く。
 石郷岡葉純1投目(2)、ウィックショットでガードを外すが、シューターをセンターライン付近に残してしまう。
 吉田夕2投目(3)、センターガード置く。
 石郷岡2投目(4)、ウィック失敗。「2」をハウス内に押し込む。
 鈴木夕湖1投目(5)、ハウス内へのドロー、No.1を作る。
 中嶋星奈1投目(6)、直接No.1をねらうが「3」のガードにチップして、シューターはハウス内に。
 鈴木2投目(7)、No.1を守るガードを作りたかったが、微妙にガードになりきれない。
 中嶋2投目(8)、「7」をギリギリでかわして赤No.1(5)をテイクアウト、黄色No.1、2、3。

end11-8


 吉田知那美1投目(9)、黄色No.1、2の裏側へのカムアラウンドを狙ったようだが、華麗にスルー。微妙にウエイトが強すぎた(ストーンのスピードが速かった)。
 松村千秋1投目(10)、右側からのドローラインを塞ぐガードを作ろうとしたようだが、ぐいんと曲がって「7」に接触。
 ブラシの位置を見ても、明らかにウエイトが足りていなかったと思われる。
 吉田知1投目がスルーになったのを意識して、ウエイト弱めにしたら弱くなりすぎた、のかもしれない。だとすると、吉田知のミスショットは無駄ではなかったかもしれない。

end11-10


 結果、中電はドローラインを塞いだことは塞いだが、あたかも、モーセの目の前で海が割れるが如く、センターを抜ける通路ができてしまった。
 「モーセが手を海の上にさし伸べたので、主は夜もすがら強い東風をもって海を退かせ、海を陸地とされ、水は分かれた。」(旧約聖書・出エジプト記第14章)

 ここでロコは長考[タイムアウト]。この道は、渡っていい道なのかどうか……。
 吉田知那美2投目(11)。「8」をヒット&ステイ。赤No.2。No.1は依然黄色。

end11-11


 あと数cm右に当たっていればダブルもいけてたような……。

 ここで中電が長考[タイムアウト]
 両角友佑コーチ登場。「戦いとは、2手3手先を考えて行うものだよ」とアドバイス(←テキトー)。
 センターライン上にガードを置いて今あるNo.1を守る手もあったとは思うが、どうせ相手はサイドからのドローでNo.1を取りに来るし、相手がNo.1を作った時にテイクアウトできる(かもしれない)ルートとしてセンターを空けとく、という考えもある、かな。

 松村2投目(12)、ヒット&ロールで「11」をテイクアウト。黄色No.1、2、3。

end11-12


 藤澤1投目(13)、「2」の裏側に絶妙なドローでNo.1を奪取。
 これがもっとセンター寄りで止まっていたら、センターラインからのテイクアウトの餌食になっていたと思われる。

end11-13


 北澤1投目(14)、狙いは「13」手前に付けに行くドローだったと思われるが、軌道がずれてミスショット……にはならずに、「2」を押してNo.1を奪還。結果的にはナイスショットに。

end11-14


 藤澤2投目(15)、ここでNo.1を取らなければ負けが確定する。
 藤澤が選んだのは、ドローではなく「2」を叩き出してシューターを残すテイクショット。
 これで赤No.1、2。

end11-15


 このエンドの藤澤のショットはキレッキレである。
 もうこれ、ロコ・ソラーレの勝ちってことでいいんじゃね😊

 ということでこれで終わりにしたいところだが、まだ1投残っている。
 中部電力、北澤ラストストーン(16)。

end11-16


 ドローを決めて中電1点。
 北澤が1投目で投げた(投げようとした)のと同じコースで、1投目を踏まえて修正する余地もあっただろうから、北澤的には投げやすかったかもしれない。
 それでもこれを決められちまうと、もう、「恐れ入りました」としか言いようがないかな。



 さてさて。
 決勝が終わった時に、解説の石崎琴美お姉さんが「中電は後攻の時の配置が上手かった」というようなことを言っていたと思うが、少なくともこの試合に関する限りは、そんなこともないように思える。

 中電先攻の時は、(スチールを狙った第2エンド以外は)相手にきっちり1点取らせることに注力していて、そこらへん、割り切っているというか、意外に淡白な印象。
 一方、ロコ先攻の時は、相手に1点取らせるにしても、「そう簡単に1点取れると思うなよ」的な、後攻2投目にプレッシャーのかかるような形をうまく作り出していた、ように思う。

 で、両チームの差を客観的に評価できないものだろうか、と考え、以下をひねり出してみた。

 各エンド、先攻フォース2投目(通算15投目)が終わった時点でのストーンの配置を1〜5で評価。基準は以下の通り。
 
1:後攻チームは、比較的容易に複数点が取れる。(後攻が2点パターンを作った場合など)
2:後攻チームは、1点を取るのは容易だが、複数点を取るためには難易度の高いショットが必要。
2.5:ブランクエンドの場合。後攻チームが複数点を取るのは不可能(評価2より上)だが、1点を取るかどうかの選択権は後攻チームにある(評価3より下)、ということで中間の2.5ということで。
3:後攻チームは、1点は比較的容易に取れるが、複数点を取るのは極めて困難、または不可能。(先攻に1点取らされる形)
4:後攻チームは、比較的難易度の高いショットを決めない限り、得点が難しい。失敗すれば相手にスチールされる。
5:後攻チームは、極めて難易度の高いショットを決めない限り、得点することは困難。先攻チームがスチールする可能性がかなり高い。

 大雑把に言うと、3以上なら、そのエンドの主導権を握っているのは先攻チーム、3より下なら、主導権を握っているのは後攻チーム、となる。
 また、数字が大きいほど、後攻フォース2投目のショットの難易度が高い。
 で、後攻フォース2投目(通算16投目)を以下のように評価。

Excellent :非常に難易度の高いショット(いわゆるスーパー・ショット)を決める。
Great :それなりに難易度の高いショットを決める。
Good :難易度のそれほど高くないショットを決める。
Not Good :(例)2点のチャンスで1点しか取れなかった、などの場合。
Not Bad :(例)複数点スチールのピンチを1失点に抑えた、などの場合。
Nice Try :非常に難易度の高いショットを失敗した。
Bad :狙ったショットが失敗した。
Worse :(例)無難にいけば1点取れたところを、複数点を狙ってミスった結果スチールされた、などの場合。

 ぶっちゃっけ、ショットの難易度は、見る人が見れば、「このショットは見た目ほど簡単じゃない」とか、「実はそれほどでも」とかあるだろうし、私のような素人がジャッジするのは無理があるのだが、とりあえず「えいや」と決めてみた。異論は認める。




エンド後攻15投目評価16投目後攻の得点
1中部電力3.5Good1
2ロコ・ソラーレ5Nice Try-1
3ロコ・ソラーレ3Good1
4中部電力4Great1
5ロコ・ソラーレ1Good2
6中部電力2.5Good0
7中部電力5Excellent1
8ロコ・ソラーレ2Not Good1
9中部電力3Good1
10ロコ・ソラーレ3Nice Try1
Extra中部電力4.5Excellent1


 ロコ先攻、中電後攻のエンドの平均は、3.75。
 中電先攻、ロコ後攻のエンドの平均は、2.8。 
 この違いは、戦術面での優劣の差なのか、単にチームカラーの違いなのか、あるいは、そもそもこの数字に意味はないのか……?

 そんなわけで、私なりにまとめると、ロコ・ソラーレは、相手にプレッシャーをかける形は作れていたものの、北澤がへっちゃらすぎた、というところかな。
 ガンダム風に言うなら、「ええい、中電のフォースは化け物かッ」(注:リスペクトを込めた表現です)という感じである。


 今後——
 中部電力は、3月16日からデンマークで開かれる世界カーリング選手権に出場。
 ロコ・ソラーレは、5月8日から北京で開かれるW杯グランド・ファイナルに出場。

 藤澤五月は、昨年に引き続きフジヤマ・ペアで3月12日からのミックスダブルス日本選手権に出場。
 ロコからは昨年お留守番だった鈴木夕湖も出場とのこと。

 みんながんばれ!


おしまい  


第6エンド(後攻・中部電力)


 コーナーガードを置きに行った(と思われる)中部電力リード・石郷岡1投目(通算2投目)がハウスの中に入ってしまい、これを吉田夕2投目(3)がテイクアウト。
 そのままこのエンドは、互いのストーンを打ち出し合うクリーンな展開に。
 中電としては、攻めのエンドにするつもりはあったんだろうが、セットアップでいい形を作れなかったため、早々にブランク・エンド狙いに作戦を切り替えたものと思われる。
 ロコ・ソラーレとしても、(ガードを置くなど)余計なことをして相手に2点パターンを作られるよりは、ここは中電に付き合っとくか、という感じかな。
 そんなわけで6エンドは、両チーム息抜きエンドとして、淡々とブランク・エンド(0対0)に。


第7エンド(後攻・中部電力)


 6エンドから一転、7エンドは勝負エンドに。
 先攻ロコ・ソラーレはダブル・センターガード、後攻中部電力はコーナーガード。
 からの、ドロー合戦。
 先に(そこそこ)いい位置を取ったのはロコ、吉田知1投目(9)。
 中電、松村1投目(10)は、「9」の内側に入ることを狙ったっぽい(ピンクの矢印)が、狙いがずれて、結果的に赤No.1をアシストするショット(オレンジの矢印)に。

end7-10


 続く吉田知2投目(11)は、「9」の前にドロー。もうちょっとセンターライン側に寄せたかったんじゃないかと思うが、藤澤が「ここでも悪くないよ」と言っていたポジション。

 次の松村2投目(12)は、「11」を叩いて「9」だけテイクアウト、シューター(自分の投げたストーン)はその場に残す、というショット。
 または、(解説のおじさんは「難しい」と言っていたが)ダブルテイク(ピンクの矢印)、を狙っていたようにも見えるんだけどなあ。

end7-12


 まあ、いずれにしても、このショットは手前のガードに引っ掛けて失投になってしまう(オレンジの矢印)。
 ともかく、中電側のミスによって、局面はロコ・ソラーレに大きく傾いていく。


 藤澤1投目(13)は、「11」に軽く当ててシューターを中に入れるショット。
 これでロコ・ソラーレは、No.1、2、3を確保。

end7-13



 北澤1投目(14)は、「11」の内側に強めに当ててシューターを中にロールさせるショット。
 コース的には先ほどの藤沢のショットとほぼ同じコースだが……、失敗。(理想:ピンク、現実:オレンジ)

end7-14


 中の形は変わったものの、依然、ロコ・ソラーレ有利の状況は変わらず。
 ちなみにこのエンド、中部電力は、10、12、14投目、ほぼ同じのコースのショットでストーンの曲がり幅を読み誤っている。
 読みにくいラインだったのかね。

 藤沢2投目(15)は、左側からのドローを阻止するガード。
 画面を見る限り、概ね狙い通り、という感じではあるが……。

end7-15


 残り1投。
 中部電力にとっては3失点のピンチ。
 どうする北澤!

 北澤ラストショットは、センターからのダブル・ランバック。
 わずかの差で黄色がNo.1をとって中部電力1点。

end7-16


 ランバックは、シューターを他のストーンに当て、そのストーンに(テイクアウトなどの)仕事をさせるショット。
 この場合は、シューター→A→Bと2段階でやっているので、狙いがほんのわずかズレただけでもBのストーンが明後日の方向に飛んで行ってしまいかねない極めて難易度の高いショットである。
 これを決めるのか〜(唖然)。
 ちなみに、この試合、第2エンドで藤澤が同様のショットを狙って失敗している。
 これを決められちゃうともう、どうしようもない。

 で・は・あ・る・の・だ・が。
 いや別に北澤のショットにケチをつけるつもりはないんだが。

end7-16a


 ピンクの帯は黄色がNo.1取れるんじじゃね、というコース。青は、No.1を取るのは無理でも「13」を叩き出して2失点に抑えられそうなコース。
 「9」と「11」の間を抜けちゃうとどうしようもないが、それでも、多少狙いがズレても、意外となんとかなっちゃってたんじゃないの、というショットだったような気がしなくもない。

 それにしても悔やまれるのは、藤澤2投目(15)である。
 この時、(少なくとも画面を見る限りでは)ロコ・ソラーレはセンターからのランバックを警戒していないように見える。
 ここで「15」を「13」の左ぐらいの位置に置いていたら、左からのドローと同時にセンターからのランバックのガードになってたのに。(その場合、中電は、右側のコーナーガードを叩くランバックをやっていたと思う。難易度的には……どうなんですかね?)

 このエンド、振り返ってみると、中電の自爆ショットで一方的に中電が危機に陥り、最終的に北澤のスーパーショットで危機を回収するという、「何その独り相撲」というエンドだった気がしなくもない。
 しかもしかも、松村2投目(12)のミスショットは、ミスを装いつつも、北澤のラストショットを成立させるには邪魔になるストーンをちゃっかり弾き出していて、事実上、露払いの役割を果たしている。
 これが映画の脚本なら、「伏線の張り方うまいなあ」と感心するレベルである。

 ロコ・ソラーレにとっては、一言でまとめると、後攻の中部電力に1点取らせることに成功したエンド、である。
 なんか負け惜しみにしか聞こえないような気がするが、間違ったことは言ってない。


第8エンド(後攻・ロコ・ソラーレ)


 このエンドは比較的クリーンな展開に。

 どうやら、序盤でどちらかのチームが絶妙なポジションにストーンを置くと、相手チームは(テイクアウトなどで)そのストーンをケア → クリーンな展開。
 序盤、どちらのチームもいい位置にストーンを置けないと、相手チームのストーンは放っておいて、自分のストーンでいい位置を取ろうとする → 石の溜まる展開。
 ——という傾向はあるかな。

 藤澤のラストショット(16)、黄色をダブルテイクすればロコ2点のチャンス、という場面で狙いがわずかにそれて、1点止まり。4対4同点。
 そこまで難易度の高いショットではないと思われるのだが、うーん、なんか勿体無いなあ。

end8


第9エンド(後攻・中部電力)


 中部電力は、無理に複数点は狙わず、ブランクエンドにして10エンド後攻で勝負という方向。
 ロコ・ソラーレとしては、ここで1点取らせて、10エンド後攻で複数点を狙う作戦。

 序盤は、ロコ、ガード置く、中電、ガード切る、の攻防が続くが、松村1投目でガードを切りに行ったストーンを赤に引っ掛けてしまい、赤No.1、3、黄No.2。

end9


 吉田知2投目(11)で黄No.2をテイクアウトして赤No.1、2、3。
 このままロコはNo.1、2を持って黄色に1点を取らせる形を守って、中電1点。

 ロコ・ソラーレ4−5中部電力。
 勝負の行方は、最終第10エンドに。
 緊迫の最終エンドの前に、とりあえずもぐもぐタイムだ!(←違うだろ)


  つづく
 

 


 日本選手権、ロコ・ソラーレ vs 中部電力で最も接戦となった予選での対戦を検討してみた。

 この試合は、こちらで見れます。
 なお、見ればわかると思いますが、斜めのアングルの映像で判断しているので、ストーンの配置は正確ではないです。

ポジションロコ・ソラーレ中部電力
リード先攻1、3投目
後攻2、4投目
吉田夕梨花石郷岡葉純
セカンド先攻5、7投目
後攻6、8投目
鈴木夕湖中嶋星奈
(スキップ)
サード先攻9、11
後攻10、12
吉田知那美
(バイス)
松村千秋
フォース先攻13、15
後攻14、16
藤澤五月
(スキップ)
北澤育恵
(バイス)




第1エンド(後攻・中部電力)


 両チームとも、序盤から攻めていくスタイル。
 先にいい形を作れたのは赤、ロコ・ソラーレ。
 赤は、藤沢2投目(通算15投目。以下、カッコ内の数字はそのエンドの通算投数)で、あわよくばスチールもありかも、という形を作るが(アイスを読みきれていないと、行き過ぎちゃったり足りなかったりするのは、稀によくあること)、北澤がしっかりとドローを決めて、中部電力1点。

end 1


第2エンド(後攻・ロコ・ソラーレ)


 このエンドは、ハウス内に石が貯まる展開に。
 松村2投目(11)が終わった時点でこの形。

end2-1


 う〜ん、何が何やら。
 この時点では、No.1は赤。
 「もうここは1点でいいや」と考えるならガードを置くんだろうが、守りに入るにはタイミングが早いか。
 吉田知2投目(12)は、黄のガードを切りに行ってやらかしたのか、最初から中を狙った上でやらかしたのか、よくわからないが、とにかくやらかしショットになり、中の形が変わってNo.1黄色。
 続くフォース北澤1投目(13)は、ロコが赤No.3を叩いて黄No.1を押し出す可能性を潰すためのガードとなるドローショット。

end2-2


 次は藤澤1投目(14、赤)。No.1は現在黄色。
 あなたならどこを狙う?
 答えはこの後すぐ!

 答え。

end2-3


 藤澤1投目は、「13」とその隣の黄色をダブル・テイクアウトするショット。No.1は動いたものの黄色のまま。
 当たりどころが良ければ、黄No.1をもうちょっと押し出して、No.1を取れてたかも。(そこまでは狙ってなかったっぽいが)
 う〜ん、惜しいなあ。

 北澤2投目(15)は、赤No.3にぴったりつけるショット。

end2-4


 次は藤澤ラストショット(16)。
 「15」が無ければ、シューターを「14」にぶつけて、黄No.1を狙うとかあったかもしれないが……。
 さあ、どうする?

end2-5


 オレンジの矢印:藤澤が狙った(と思われる)ショット。
 赤の矢印:現実。
 結局、黄No.1は動かせず。中部電力1点スチール。
 成功していればロコに複数点もあったかもしれないが、ランバックは難易度が高いし、ダブル・ランバックとなると更に難易度が高い。
 まあ、これはしょうがないかなあ。

 

第3エンド(後攻・ロコ・ソラーレ)


 第3エンドは、複数点を取りたいロコ・ソラーレと、無難に相手に1点取らせたい中部電力で、一転、シンプルな展開に。
 中電は、正確なショットでロコの2点目の芽を摘み取っていく。
 一方、ロコは、黄色のテイクアウトを狙った吉田知2投目(12)でターゲットのストーンをハウスから出し切るのに失敗。

end3-1


 成功していたとしても複数点が取れるとは限らないが、30パーセントぐらいあった(かもしれない)複数点の可能性がこのミスでほぼゼロに。
 結局ロコは、中電にNo.1、2を作られ、藤澤がラストショット(16)で中央付近にドローしてロコ・ソラーレ1点。
 文字通り、ロコが1点を取らされたエンドになった。



第4エンド(後攻・中部電力)


 先攻ロコ・ソラーレはダブル・センターガード、後攻中部電力はコーナーガードを置いて、セオリー通りのセットアップ。
 ただ、その後は、両チームとも長すぎたり短すぎたりで微妙に狙い通りのショットを決めきれないといった感じで進行。
 藤澤2投目(15)は、センター付近へのドローを狙うが(白い円の辺り)、手前の赤(15の横にあるヤツ)に接触して目標にたどり着けず。
 続く北澤ラストショット(16)。
 中電は、「15」と隣の赤をダブルテイクして2ないし(シューターが残れば)3点の複数点を狙おうとしたが、やっぱりやめて、きっちりドローでNo.1を取って1点。

end4


 これを決める北澤もどうかと思うが(←言いがかり)、藤澤のショットが狙い通りの場所に置けていたら、ロコがスチールできていた可能性はかなり高かったと思われ。
 いやなんか、もったいない。


第5エンド(後攻・ロコ・ソラーレ)


 このエンドも、それぞれセンターガードとコーナーガードを置いての比較的シンプルな攻防戦。
 が、中部電力は、赤No.2をテイクアウトしにいった北澤1投目(13)で、シューターをハウスに残せない痛恨のミス。
 打った赤が後ろの黄色にジャムるのを警戒して狙いすぎた、のかな。

end5


 ロコは、続く藤澤1投目(14)で残っていた黄No.1をテイクアウト、赤No.1、No.2を作って2点パターンを作ることに成功。(相手にダブルテイクされない配置でNo.1、No.2を作ると2点パターンになる。この場合は、赤No.2がコーナーガードに隠れているので、中電はダブルテイクできない)
 ロコ・ソラーレはそのまま逃げ切って2点。


 というわけで前半戦が終わって、3対3。
 後半戦はもぐもぐタイムのあとだ!


 中部電力・松村千秋は、2度、オリンピック代表に手の届きそうな場所までたどり着き、2度、その座を逃している。
 1度目はリードとして。スキップの藤澤五月とともに。
 2度目はスキップとして。
 かつてのチームメイト、藤澤五月のチームとその座を争い、そして敗れた。
 オリンピック代表となった藤沢のチーム、LS北見(ロコ・ソラーレ)は、銅メダルを獲得し、一躍、世間の脚光を浴び、挙げ句の果てに、あろうことか、流行語大賞まで獲りやがったのである。
 何が「そだねー」だ、なめんじゃねーぞ、ゴルァ、と、松村千秋が藤澤の写真を貼り付けたサンドバッグをストーンで殴りつけていたであろうことは、想像に難くない。(注:この文章には誇大な表現や個人の妄想が含まれています)

 冗談はともかく、そんな中部電力の転機となったのは、やっぱり、両角友佑のコーチ就任、かなあ。

 男子のオリンピック代表となったSC軽井沢は、オリンピック後、オリンピック代表チームとしては、事実上の解散。
 当時、「同じメンバーで続けている稀有なチーム」といった紹介のされ方もしていたので、これは結構なオドロキだった。
 その後のメンバーについてさっくりと触れておくと、山口剛史はSC軽井沢に残留。山口をスキップとした新生・SC軽井沢は、中部ブロック選手権で準優勝、日本選手権には届かず。
 なお、山口は、2月16〜23日の世界ジュニアカーリング選手権にコーチとして帯同している。
 リザーブだった平田洸介は、北見で新チーム「KiT CURLING CLUB」を結成。8月のどうぎんクラシックでは準優勝を果たすが、日本選手権には届かなかった。
 両角公佑は、I.C.E(チーム東京)に移籍。日本選手権では、準決勝でチームIWAI(札幌国際大学)を破って決勝進出。準優勝。
 清水徹郎は、4REAL(チーム北海道、札幌)がチームごと移籍して発足したコンサドーレに加入。日本選手権優勝。

 旧・SC軽井沢のスキップ・両角友佑は、新チームの結成を模索する、とかそんなことを言っていたが、12月、中部電力のコーチに就任したことを発表。
 同時に、中嶋星奈をスキップとする新オーダーが発表された。
 ただ、ワールド・カーリング・ツアーでは、10月のDriving Force Abbotsford Cashspielで、それまでのTeam MatsumuraからTeam Nakajimaに変わっているので、その辺の時期から新オーダーを試していたものと思われる。

 ということで、新オーダーは、石郷岡葉純 → 中嶋星奈(スキップ) → 松村千秋 → 北澤育恵(バイススキップ)、リザーブ清水恵美。

 石郷岡は、中部電力に入る前に、「青森ジュニア」というチームで日本選手権に出場している。今年の日本選手権に「チームかわむら」(青森県)のリザーブ兼コーチで出場していた田中美咲は、当時のチームメイト。
 その田中美咲は、本来は、チーム青森の後継(のようなそうでないような)チーム、Delight青森(東北ブロックで「チームかわむら」に敗れて準優勝)のメンバーである。
 チーム事情などで選手の貸し借りがあったりするのもカーリングの面白いところ。(ていうか、もしかしたら、Delight青森は、普段、チームかわむらの指導とかしてるのかも……?)

 2016年、チーム軽井沢のスキップをしていた中嶋星奈は、松村がスキップ就任して間もない時期の中部電力を中部ブロック大会で撃破、中部電力の代わりに日本選手権に出場した。(予選3位通過、決勝ラウンドで4位)
 北沢育恵は、チーム軽井沢では中嶋の先輩で、このチームを指導していたのは、両角友佑だったりするらしい(ああ、ややこしい)。

 リザーブの清水は、昨年、引退してマネージメントに回るとされていたが、リザーブながらも復帰したらしい。
 両角コーチ的には、リザーブはいた方がいいというような判断だったのかね。

 ていうか、順位表をよくよく見返すと、ロコ・ソラーレ(LS北見)って、日本選手権では、2015年の一度しか中部電力に勝ってないのね。
 

 さてさて、公式サイトRESULTSに各チームのDSC(LSD)成績が掲載されていたので、じっくりと見てみる。

 ぶっちゃけ私は、「LSDとか、要するに先攻後攻決める時のジャンケンみたいなもんでしょ」程度にしか思ってなくて、今まで気にしたこともなかったのだが、ロコ・ソラーレと中部電力の数字を見比べてみると、これがまあ、なかなか、味わい深いんである。

🥌lsd


LSD(ラスト・ストーン・ドロー):試合前に各チーム2投づつドローショットを投げ、ハウスの中心(ティー)からストーンまでの距離を測る。(記録は、ティーからストーンの中心までの距離)
 ストーンがハウスに入らなかった場合の記録は、199.6cmになる。
 で、2投の記録を合計し、数字の小さい方のチームがその試合の第1エンドの先攻後攻の選択権を得る。(一般的には後攻を取る)

DSC(ドロー・ショット・チャレンジ):(日本選手権の場合は)予選ラウンド(8試合)のLSD全16投のうち、数字の大きい(距離の長い)2投分の記録を引き、残り14投の平均がDSCになる。
 予選ラウンドで順位が並んだ場合は、DSCの小さいチームが上位になる。

スクリーンショット 2019-02-23 16.31.33


 図の下の数字はハウス中央(ティー)からのおおよその半径。(単位はcm)
 目安として、図中の黄色のストーンの辺りならDSCの記録で30cm、赤のストーンで100cm。
 ストーンの半径は14.2cm。

 両チームのやらかしショットを見ると、ロコ・ソラーレは、ハウス内に入らなかったショットが1(吉田夕)、次の194.5cm(藤澤)は、ギリッギリ、ストーンが青にかかってるぐらいかな。(この2投はDSCからは除かれる)
 この2投も含めて、記録が100cm以上になっているショットが全部で5投。
 一方、中部電力は、一番やらかしているのが146.7cm(松村)だが、しっかりとハウス内(の青い部分)に入っている。2番目が109.3cm(松村)で、中部電力の100cm越えはこの2投のみ。
 なお、表では、中部電力の「最大値◆廚「81.8」となっているが「109.3」(8試合目・松村)の誤りだと思われる。こっちの数字で計算すると中部電力のDSCは、「34.34」になる。

 50cm以下(50cmだとストーンの9割ほどが赤に入っているぐらいかな)の記録で比較すると、ロコ・ソラーレが8投、中部電力11投。

 スキップ同士を比較すると、藤澤は4投で100cm越えが2投、あとは、50.3、45.4cm。
 北澤は、最長が51.7、以下、42.3、36.1、18.4cm。
 以上から読み取れるのは、中部電力のショットの精度の高さと大崩れしない安定感。

 試合前のLSDと試合そのものは別であろうとは思うものの、ぶっちゃけ、ロコ・ソラーレ対中部電力に関する限り、LSDの記録そのままの試合展開だったように思える。
 ロコ・ソラーレ側は、ここを決めれば複数点orスチールのチャンス、というような場面で微妙に決めきれず、その決めきれなかったところに精度の高いショットで付け込んで行ったのが中部電力。そういう場面が何度もあった(ような気がする)。
 中部電力はミスをしても、概ね、立て直し可能な範囲にとどめていて、ゲームの流れを壊すようなミスはほぼ皆無だったのではなかろうか。
 ちなみに、今大会、中部電力からビッグエンド(1エンドに3点以上)を奪ったのは富士急(4点)だけである。(ただし、試合は負けた)
 なんつーか、それだけでも、「富士急、おぬし、なかなかやるな」とか思っちゃったり。

 ところで、DSCの数値でいうと、北海道銀行が49.42cmで2位。ロコ・ソラーレを上回っている。
 その辺も踏まえて、ものすご〜く大雑把かつ乱暴にまとめてしまうと、ロコ・ソラーレは、対北海道銀行では、ショット精度の低さを戦術面で相手を上回ることでカバーした(できた)が、対中部電力戦では、カバーできなかった。というより、ショット精度をカバーするような戦術を、中部電力に取らせてもらえなかった。
 ということはつまり、戦術面において、ロコ・ソラーレよりも中部電力の方が0.5枚ぐらい上手だったのかなあ、と。圧倒的な差があった、とまでは思わないんだよなあ。
 そんなわけで、戦術面でハイレベルで拮抗するチーム同士が争うと、結局はショット精度の差が勝敗を分ける、ということかな。

 正直なところ、私は、「当然ロコ・ソラーレが勝つっしょ」ぐらいに思っていた。
 そりゃあ勝負なんで、勝つこともあれば負けることもあるだろうが、ここまで完敗するとは……。(ロコのメンバーが一番そう思っているかもしれない)

 恐るべきは松村千秋の執念。……ではなく、日本最強スキップのコーチかな、やっぱり。

 当然のことながら、ロコ・ソラーレもこのままでは終われない。
 捲土重来を期して、対中部電力決戦兵器を用意してくるに違いない。
 ロコ・ソラーレがリベンジを果たすのか、中部電力が返り討ちを食らわすのか、注目の次の直接対決は……
 ……いつなんだろう?
 ……来年?


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