2010年03月16日
非人道的入管行政

日本に16年半も滞在し、子どもも生まれ、10歳になる子どもを小学校に通わせて一般市民となんら変わらない暮らしをしてきたペルー人の母子が、2月16日品川の東京入管に呼び出され、強制的にペルーに帰されてしまったという事がありました。母子は、子どもを連れて出頭せよという入管の呼び出しに不安を感じて弁護士さんと一緒に出頭したのですが、窓口で弁護士さんと引き離され、面会室に連れて行かれ弁護士さんとの接触を絶たれたまま、翌日早朝成田に移送されて飛行機に乗せられ無理やり帰国させられてしまったのです。
この母子には、正規に滞在できる道がありました。日本に16年も暮らしていること、子どもが日本生まれで日本語で日常生活を送り、日本の小学校に通っているという事実は法務省の特別在留許可を出す基準の範囲内なのです。
わたしが大臣に「特別在留許可を出せたのではないか」と質問すると、大臣は「この10歳の少年はスペイン語が喋れて母国に帰っても普通に暮らすことが出来ると承知している」と言うのです。大臣は入管の職員に誤った情報を与えられていました。この少年はペルーに送還されて、やむなくペルーの小学校に行く手続きをしたらしいのですが、なんとスペイン語が出来ないので小学校1年生の課程に編入されることになったというのです。入管のいい加減な判断で10歳の少年の心に大きな傷を負わせてしまいました。「キミオ」と日本名をつけられていた少年はクラスメイトとも先生ともお別れの言葉を交わすこともなく罪を犯した人間であるかのように送還されていきました。政権が変わっても入管の冷たい対応は続いています。糾していかなければなりません。
azumakonno at 21:54│
│エッセイ