■■概要
PCの無い所でテキスト入力がしたいと思い、昨年11月だかにフルモデルチェンジした新型ポメラDM100が出たおかげで値下がりというか値崩れしているDM5を買った。アマゾンで5,980円。DM10は7,500円。DM20は15,000円。DM100は24,000円。
思えば数年前にも欲しいと思ったのだが、確かDM5が15,000円位していたのと、どのモデルを買えばいいか悩んだ末にどれも買わないという消極的な結論に達してしまったのであった。
値段と物欲がうまく釣り会わなかっただけとも言う。なぜなら今回買ったのは、「えっ、こんなに安くなってんの!?」という驚きがまずあったからで、こんなに安いなら不出来でもそんなにダメージはないかなと思ったためだ。
■で、実際使ってみた
この記事はほぼポメラで書きました。
使い心地は悪いとは言えない。思っていたほど悪くはない。だが純粋によいとは言いにくい。いや、値段を鑑みなくては評価はできないはずだ。ではそれならどうか?「大満足です」。
だがひとつ気になるのは、最初、キーを押した時、「重いな」と感じた事。自室にある、たしか1万円したCherry茶軸キーボードMajestouchはこれより柔らかい沈み込みだ。シュコン、といった感じ。
それに対しこちらは、グパ、という感触。慣れればまぁ問題なさそうだが、キータッチというのは肉体的な感覚と密接に結びついているように思うので、その違いが気になるのは仕方がない。
また、私のMajestouchは英語キーボードなので、この日本語配列のキーボードとの違いがちょっと気になる。でもいつかは日本語キーボードを使わなくてはならないだろうな、と少しだけ腹をくくっていた所でもあり、ただ日本語キーボードを買うよりはワープロ(死語)機能のあるポメラを買う方が良い事ずくめだ。
■■よい点
■日付メモはかなり使える
予想外で嬉しかったのはF2キーでタイムスタンプで挿入できる機能が付いていたこと。これを使えばひとつのファイル内にタイムスタンプを区切りとして日記を書くことができる。トピックを決めて書きためる使い方に向いている。
とはいえ、カレンダーからファイルを選べる日付メモは日記をつけるには向いている。その利点は、
1.日付ごとにファイルが閲覧できる点
2.日付ごとに書いて行くので1ファイルあたり8000文字制限に達しにくい点
1については、まずDM5はファイルリストで作成日や更新日を表示することができない上に、検索機能の対象が現在開いているファイルのみ。なので特定の日付に作ったテキストを探すには「ファイルを開いて検索、次のファイルを開いて検索…」とするか、日付メモ機能でファイルを作ってカレンダーからその日付を開くしかない。よって選択肢として日付メモ機能のないDM10は使ってファイルが溜まって行くうちにかなり厳しい事になる筈だ。
2については、日記用のファイルを作ってそこにタイムスタンプを使うなどして書き足して行くといつかはいっぱいになってしまうのに対し、日付メモ機能なら一日分で8000文字を越えることはまずないだろうから、日記として付けるなら十分な広さがあると言える。ただし日記をパラパラ読み返すように、一つのファイル内に付箋文(F5 or Shift+F5でそこまでジャンプできる)とタイムスタンプを使って日記を書く場合の閲覧性にはかなわない。というのも日付メモはカレンダーでファイル指定をするのだが、次のファイルをワンキーで表示することができないから。また読み込みにも何秒間か掛かることがあるので一覧性はよくない。
ともあれ使える機能には違いないので日付メモ機能のあるDM5を買って正解だったと思う。
でも、日付メモのファイルを横断的に連続して次々と見てゆく、と言うことができない。これがしたいのに。それに似たことをするなら、ふつうにファイルを作って、付箋文をタイムスタンプの前にでも置いてF5でジャンプして行くのがよい。だがこれだと一つのファイルにつき8000文字というDM5の制約に引っかかってくるし、ファイル名を(2)(3)(4)などと手入力しなくてはならない上に、セーブする段階ではそのファイルが何番目なのかがわからないという面倒臭さがある。
日記を書くには日付メモはとても便利な機能だ。紙では書く速度と思う速度にズレが生じて不満が募る。もちろん紙はパラパラとめくって読むことができるという強みがあるので一長一短だけれど。それは置いといて、パパッと、待たずに早く、書いて速く、というのがとてもいい。日記を付けたい人には強くおすすめしたい。ブログには書けないことが日記には書けるので、そういう住分けをする上で溜まる書けなかったことのはけ口として有用だ。
■くだらない事や何気ない事でもパッと取り出して書ける
これはいい点だ。気張らずに書けるし、待ち時間はないし、とても良い。
■■悪い点
■きしみがあった
最初押してみたら少しゴム足とテーブルの間に隙間があって、キータッチと共に「打ガタ、打ガタ」と音がしていたのだが、イラついてフレームを少しねじるように力を入れたら直った。でもその後やっぱりまたきしみがでたので付き合って行くしかないようだ。出っ張ってる方のゴム足を薄く削げば直るだろうか。後悔しそうなのでやらない。
■バックライトがないので暗くて使いにくい
分かり切っていたことではあるけれど。
一階居間で使っているのだが、新聞を床で読んでも問題ない明るさがあるにも関わらず、ポメラの液晶画面はコントラスト調整をしても文字が視認しづらい。
対応策としては、使用文字サイズを最大にするという方法があるが、それでやっとギリギリという感じだ。
テーブルの席に着いて打鍵すると、部屋中央のソファーとテーブルでの打鍵よりもましなのだが、それでもスタンドライトが無いと見にくい。
■カーソルが小さすぎてどこにあるのかわからない
これは結構致命的な点。Shift+左カーソルキーでどこにカーソルがあっても、文字を一文字だけ選択して位置がわかるのだが、視認したら元に戻さなくてはならない。面倒くさい。
特に後から編集する際に、文の中程にカーソルを移動させなくてはならない場合、細すぎて見えないかカーソルが連続で移動するものだから、全く目で追えなくなってしまう。困る。
対応策として背景色を黒にすれば多少マシになる。
■backspaceが小さい
英語キーボードを選んだ理由の一つとしてBackspaceキーが大きいと言う点がある。始終押すキーなのに、日本語キーボードのは小さいんだよ。英語のでは横長で、どうやったって打ち間違いはない。それと同じ感覚で押そうとすると、¥キーを押してしまう。つまり私はBackspaceキーの左側部分を押しているわけだ。だがそこには¥キーがある・・・。慣れなくてはいけない。
あるいは変換中に限ってのショートカットキーではあるが、Ctrl+HはBackspaceと同じ動作をする。だがこれには少し問題があって、変換中以外の時には置換モードに入ってしまう。このモードに入ってしまうと、Escキーを2回押さないと編集画面に戻れない。また、状態によってBackspaceキーを押すか、又はCtrl+Hを押すかを使い分けなくてはいけないので、新たにそういう使い分け脳を作らなくてはならない。もう体に染み着いているような部分に関することだから、一朝一夕には変えられないようにも思うが、頻度が高いから逆にすぐ慣れられるようにも思う。ともあれミニBackspaceには辟易させられる。
あっそうか。Backspaceの位置を指に覚え込ませれば、使い分けはしなくてもいいんだ。でもCtrl+Hで一文字削除は楽でいいんだよなぁ。まぁいっそのことだから、使い分けで覚えるとするか。
●変換中に打ち間違えたらCtrl+H
●入力した文字をひとつ消すときはBackspace
■文字数が多くなってくると、入力済みの文字の上に重なるように新しい文字を挿入すると、元あった文字が消え、新しい文字だけが上書きされてしまう
これはいただけない。とりあえず1ファイル2000文字の状態ではこうなってしまう。もしかしたら文字数はもっと少なくてもなるのかもしれないし、別の条件でそうなるのかもしれないが、「パッと書いて、後から編集」というのがワープロの、テキストエディタの、利点の一つだと思うので、これがある時急にできなくなると言うのは不快だ。
解決策としては改行しておく事。こうすると改行部分から先は上書きされない。結構重要な事なのに説明書には書いていない。不親切だなぁ。
■タイムスタンプに曜日が入らない
小さいけど、気になる事。後から見返すと、日付も大事なんだが曜日が何なのかという事が結構記憶のアンカーになっているので、無いと困る。オンオフの選択ができるようになっていれば良かったのだが。
■Homeキー等
Home, End, PageUp, PageDownがない!かと思いきや、ホットキーで代用する。
Alt+Left: 行頭へ移動
Alt+Right: 行末へ移動
Ctrl+Alt+Left: 文頭へ移動
Ctrl+Alt+Right: 文末へ移動
Alt+Up: 1ページ上へ
Alt+Down: 1ページ下へ
■文字サイズ
最大サイズでしか使っていない。解像度の問題というよりはバックライトがないからみづらい。照明が相当適切に当たっていればそれより下のサイズの文字でもいけるが、私は安定感を求めていつも最大サイズを使っている。
ちなみに文字が最小と小だと変換候補が5つ表示され、大と最大だと3つ表示される。反応時間の違いは感じられなかった。
日付メモ機能では文字サイズの変更ができない上に、表示面積が通常よりもせまくなるので最大サイズだととても狭っ苦しくなってしまう。ご愛敬。
■ポメラと青空文庫
「ポメラDE読書」
http://www.forest.impress.co.jp/article/2009/03/16/pomeradedokusyo.html
…というツールでで青空文庫の作品を7500文字毎に分割してポメラに入れてみた。だが問題が。「次のページ」操作をするのに両手を使わなくてはならない。Alt+Downなのだが、Altキーが左側にしかなく、Downキーは右側にしかない。キーカスタマイズがあればよかったのになぁ。
追記:2012年3月6日
↓
■セーブ中にフリーズ
買ってから2回起きた。確か2回ともmicroSDカードに保存する際に起きた。そちらに保存することはほとんどないので、確率としてはかなり高い。
microSDカードがKingmaxというメーカーの安い2GBのメモリなので起きたのかなぁ。
症状はmicroSDカードにセーブしたら、セーブ画面のまま固まってしまい電源オフできなくなるというもの。電池を抜き電源オフにして対処した。幸いデータはセーブされていたので一安心したが使っていて不愉快。根っこの部分だろうに。
もしかしたら電池残量が少なくなっていたから起きたことかも知れない。たぶん、フリーズしたときは相当少なくなっていたはず。ただし電池を替えろとは表示されていないので、俺に落ち度はないのだが。
■電池残量不足で自動的に電源オフになるもセーブされず
2012/02/21 19:07
たくさん書いたけど、泡になってしまったのよね。
勝手にセーブされるのも怖いけど、電源を切る前にセーブしてくださいとか表示するのが親切心というものじゃないのかなぁ。
状態としてはまず「電池残量が減ったので電池を交換してください」的な事が表示される。そのあと5分くらい続けてセーブしないで日付メモ機能で書いていた。その後「電力不足なので電源をオフにします」的なことが表示され、電源が勝手に切れた。その後電池を入れ替えて日付メモを見たらセーブされていなかった。
たった2回、escキーを押してセーブしておけばこんな事には成らなかったのに…。でもまぁ、一度は通らざるを得ない確認事項なんだよなぁ。
■こぼれ落ちるようなことが書ける
2012年3月18日 日曜日
起動が早い。だから思いついちゃった事をすぐ書ける。書く機会が増えたことで、書く事が広がる。
「下らないこと」というファイルを作って瑣末なことを書き留めておくと、後で見返した時に面白い。あと爆笑問題のラジオ「爆笑問題カーボーイ」のコーナーのひとつである「思っちゃったんだからしょうがない」から影響されて、同名ファイルを作って書きためている。これも同様に見返すと面白いし、日常の中でそこに書けるようなことはないだろうかという視点が発生して楽しめる。
またブログに書くほどの事じゃないし、Twitterに書けるほど短くないし、そもそもPCの起動してない時にテキストデータで保存できるのはとてもよい。紙にメモしてもいいが結局テキストにするならポメラで形にしてしまう方が無駄がない。
Twitterはブログに載らないような事をすくい上げる働きがある。ポメラには書かれずに消えてしまう文章をすくい上げる働きがある。使い始めて強くそう思う。
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そうは言いつつもポメラを使わずに紙のメモを使う時もある。寝しなだ。サインペンはほとんど力を加えなくても書けるので、こうした不安定な書き方をする場合に都合がいい。
■現在の使い方と問題点(2012年9月7日)
日付メモ機能で毎日の食事メニューを書くのに使っている。それ以外で書くことはほとんどなくなった。なぜか。PCとデータの同期を取るのが面倒だから。
ポメラとPCを同期させるための方法やソフトは検索すれば結構ヒットする。問題はポメラをPCに物理的につなぐのが次第に面倒臭いと感じるようになったことだ。
あと時折起きる問題としては、普段使っているテキストエディタの文字コードがUTF-8なのだが、ポメラはShift-JISなので、ポメラからPCへのみという具合にファイルが一方通行になってしまうこと。ちなみに最新機種のDM100もShift-JISのみだ。
結果として何か書きたいことがある場合、取り敢えずポメラに書くのではなくて、アイデアだけをメモ用紙に書いて済ますようになった。それを元にPCで文章を打つ。
あとはDM5の画面のショボさが気になってきた。DM100のバックライトが欲しい。高い解像度がほしい。でもDM5のゴツくてガワが壊れることはないであろう安心感はすごく気に入っている。
ポメラ並に起動が早いタブレットPCが出たら即、買うんだけどな。NFCで触るだけで使えるようになるそれなりなキーボードもあれば言うこともないんだけどな。あと5年は無理かな。