政党機関紙や政治信条を記したビラの配布は東京都内で平成16~17年にかけ、国家公務員としての政治活動、建物立ち入りのいずれかのケースで4件が相次ぎ摘発された。公判では「表現の自由」と違法性のバランスが共通して争われたが、司法判断は分かれている。

 今回の元厚生労働省職員、宇治橋真一被告(62)と同様、国家公務員による政治活動が問題とされたのは、「しんぶん赤旗」を配布した元社会保険庁職員、堀越明男被告(56)。16年3月に逮捕された。合憲判断の流れを作った「猿払事件」最高裁大法廷判決(昭和49年)以来の摘発だった。

 1審は有罪となったが、今年3月の2審東京高裁判決は(1)休日の行為で、組織的ではなかった(2)管理職ではない-などから、罰則適用を違憲と判断。「刑事罰の対象とする当否を再検討すべき時代が到来した」と言及した。

 立ち入りが問題になった1件目は、イラク戦争に反対する市民団体メンバー3人が16年2月にビラ配布のため立川市の自衛隊宿舎に立ち入った「立川テント村事件」。

 2件目は同12月、葛飾区のマンションで共産党の区議団だよりなどを配った僧侶が住居侵入容疑で現行犯逮捕され、その後起訴された。

 いずれも1審判決は違法性を認めず無罪としたが、2審は逆転有罪と認定。最高裁も被告側の上告を退け、罰金刑が確定した。

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